☆
「ふぅ...」
紅茶を口に含み、慣れ親しんだベッドに身を預ける。
異様なほどの虚脱感に襲われ、すぐにでも眠りにつけるほどの微睡が襲い来る。
結論から言えば、咲夜は垣根たちの同盟に加わることを赦された。
夾竹桃の手に渡った罪歌はムネチカを操り、先ほどまでの役立たずではなくなったからだ。
思いがけない形で罪歌を渡すことになってしまったが、それで約束を反故にされなかったのは幸運だった。
自分には理解しえない彼らの仁義でもあったのだろうか。
なんにせよ九死に一生を得た。
この幸運を逃す謂れはない。
異様なほどの虚脱感に襲われ、すぐにでも眠りにつけるほどの微睡が襲い来る。
結論から言えば、咲夜は垣根たちの同盟に加わることを赦された。
夾竹桃の手に渡った罪歌はムネチカを操り、先ほどまでの役立たずではなくなったからだ。
思いがけない形で罪歌を渡すことになってしまったが、それで約束を反故にされなかったのは幸運だった。
自分には理解しえない彼らの仁義でもあったのだろうか。
なんにせよ九死に一生を得た。
この幸運を逃す謂れはない。
「......」
ふと、ムネチカのことが脳裏を過る。
大雑把に聞いただけだが、彼女はこの会場で主と慕う者を亡くした結果、無力感に苛まれ自我すら崩壊してしまったらしい。
自分にもパチュリー・ノーレッジという敬愛する主がいる。
もしも彼女がこの殺し合いに巻き込まれて死んでしまったら、自分も著しく気落ちするだろう。
だがこの殺し合いにはそれを取り戻す術がある。
よく知りもせぬ有象無象となによりも大切な主、どちらを取るべきかは考えるまでもないだろうに。
なのになぜムネチカが優勝を目指そうとしなかったのか、咲夜にはわからなかった。
大雑把に聞いただけだが、彼女はこの会場で主と慕う者を亡くした結果、無力感に苛まれ自我すら崩壊してしまったらしい。
自分にもパチュリー・ノーレッジという敬愛する主がいる。
もしも彼女がこの殺し合いに巻き込まれて死んでしまったら、自分も著しく気落ちするだろう。
だがこの殺し合いにはそれを取り戻す術がある。
よく知りもせぬ有象無象となによりも大切な主、どちらを取るべきかは考えるまでもないだろうに。
なのになぜムネチカが優勝を目指そうとしなかったのか、咲夜にはわからなかった。
(まあ、競合相手がいないのに越したことはないけれど)
この殺し合いを協力での脱出で終えるにせよ優勝で終えるにせよ、ゲームに乗った参加者は競合相手にしかなりえない。
自分の力が無敵ではないと示されている以上、可能な限りは排除への労力も温存しておきたい。
自分の力が無敵ではないと示されている以上、可能な限りは排除への労力も温存しておきたい。
十六夜咲夜の目的は揺らがない。
何処の誰が何を抱え何を願おうとも、それを顧みることはない。
何処の誰が何を抱え何を願おうとも、それを顧みることはない。
『咲夜さん。貴女はいなくならないでくださいね』
その、はずだ。
☆
「鬼舞辻無惨には手を出すな、か。なにもんだソイツは」
「さあな。俺にもよくわからねえ...が、関係ねえ。あいつは必ず俺が殺す」
「さあな。俺にもよくわからねえ...が、関係ねえ。あいつは必ず俺が殺す」
咲夜は自室に向かい、夾竹桃とムネチカは例の如く図書室へ向かい。
残された垣根と麦野は改めて己の持つ情報を共有し合っていた。
残された垣根と麦野は改めて己の持つ情報を共有し合っていた。
「らしくねえな未元物質。あんたは使えるもんがあるならなんでも使うってタイプだろうが」
「そいつは否定しねえが、こいつばっかりは俺の手でやらなくちゃ気が済まないんでな」
「そいつは否定しねえが、こいつばっかりは俺の手でやらなくちゃ気が済まないんでな」
垣根の言動から、麦野は無惨とやらとなにがあったのかを推測する。
(なるほどな...あたしと同じか、こいつも)
顔こそは殊更に歪ませてはいないものの、隠しきれない憎悪と殺意が漏れ出ている。
きっと、垣根は無惨に屈辱を味合わされたのだ。
ただ負けるだけじゃない。
もっとプライドを傷つけられる腹立たしいやり方で。
だから他人から見たら違和感を持たれてもつい固執してしまう。
きっと、垣根は無惨に屈辱を味合わされたのだ。
ただ負けるだけじゃない。
もっとプライドを傷つけられる腹立たしいやり方で。
だから他人から見たら違和感を持たれてもつい固執してしまう。
(普段ならつけいる隙になるんだろうがな)
いまは敵対している間柄ではなく、同盟を結んだ相手。
下手に刺激してせっかく結んだ同盟を解消されても面倒だ。
ならば殊更に触れることでもないだろうと考え、麦野は無惨の件に関してはこれ以上口を挟まなかった。
下手に刺激してせっかく結んだ同盟を解消されても面倒だ。
ならば殊更に触れることでもないだろうと考え、麦野は無惨の件に関してはこれ以上口を挟まなかった。
「それで、十六夜咲夜のことだけど...あいつ、まだなにか隠してるんじゃない?」
咲夜のことを訝しむ麦野。
これは別に無根拠で言っているわけではない。
垣根たちは確かに咲夜を受け入れたが、騙された訳ではなく咲夜が殺し合いに乗っていると認識した上で受け入れた。
どう見ても裏があるようにしか思えない状況にも関わらず、咲夜はいま自室で呑気に休憩をとっている。
単にいち早い休憩を欲したか、あるいは仮に襲撃されても逃げられる手段を持っているか———麦野はそう疑っているのだ。
これは別に無根拠で言っているわけではない。
垣根たちは確かに咲夜を受け入れたが、騙された訳ではなく咲夜が殺し合いに乗っていると認識した上で受け入れた。
どう見ても裏があるようにしか思えない状況にも関わらず、咲夜はいま自室で呑気に休憩をとっている。
単にいち早い休憩を欲したか、あるいは仮に襲撃されても逃げられる手段を持っているか———麦野はそう疑っているのだ。
「だろうな。だが俺たちに噛みついてこなけりゃなんでもいいさ」
無論、垣根も気づいていないわけではない。
だが、咲夜に『手を組みたいなら相応しいものを示せ』と提示したのは他ならぬ垣根であり、咲夜はそれに応えて罪歌を差し出し夾竹桃の戦力を強化した。
取引は確かに成立した。
垣根も自身が悪側の人間であると自認しているが、自らが提示した取引を有耶無耶にするほど落ちぶれてはいなかった。
だが、咲夜に『手を組みたいなら相応しいものを示せ』と提示したのは他ならぬ垣根であり、咲夜はそれに応えて罪歌を差し出し夾竹桃の戦力を強化した。
取引は確かに成立した。
垣根も自身が悪側の人間であると自認しているが、自らが提示した取引を有耶無耶にするほど落ちぶれてはいなかった。
「まあ、あいつのことはともかくとしてだ。当面の問題は夾竹桃だな...あいつ、本当に制御できてるんだろうな?」
誰もが拒絶した罪歌の愛の中、夾竹桃だけが適合し扱えるようにはなった。
だが、四人のうち誰もが罪歌について詳細を知らない為、今の彼女が本当に罪歌をモノにしているかはわからない。
肝心の夾竹桃も殺し合いの最中に同人誌を読み漁る狂人なため、いまの彼女が狂っていないかどうかが判断しづらい。
一応、完全に腑抜けていたムネチカが無心で従事ているため洗脳はかけることが出来るようだが、やはり不安である。
だが、四人のうち誰もが罪歌について詳細を知らない為、今の彼女が本当に罪歌をモノにしているかはわからない。
肝心の夾竹桃も殺し合いの最中に同人誌を読み漁る狂人なため、いまの彼女が狂っていないかどうかが判断しづらい。
一応、完全に腑抜けていたムネチカが無心で従事ているため洗脳はかけることが出来るようだが、やはり不安である。
口には決して出さないが、現状で垣根がいることに感謝すら覚え始める麦野であった。
☆
「ムネチカ、この本はどう?」
「はい。とても麗しい友情でございます母さん」
「はい。とても麗しい友情でございます母さん」
夾竹桃に渡された姉妹純愛本を渡されたムネチカはそう簡潔に述べた。
罪歌の支配下に置かれた人間は主に対して嘘を吐くことができない。
ムネチカは嘘偽りなく女同士の友情を好いてくれている。
それが確認できただけでも上々だ。
罪歌の支配下に置かれた人間は主に対して嘘を吐くことができない。
ムネチカは嘘偽りなく女同士の友情を好いてくれている。
それが確認できただけでも上々だ。
『あかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃん』
(ええ、わかってるわよ。貴女の友情に免じて間宮あかりも鷹捲を抜きにしても護ってあげる)
脳内に響くあかりちゃんへのラヴ・コールにも夾竹桃は動じない。
夾竹桃は初めは鷹捲さえ手に入れば間宮あかり自身は二の次だった。
彼女が観念して肯定すれば無傷で仲間に引き入れるが、断り続ければ周囲の殺害も辞さない。
そんな程度の認識だった。
夾竹桃は初めは鷹捲さえ手に入れば間宮あかり自身は二の次だった。
彼女が観念して肯定すれば無傷で仲間に引き入れるが、断り続ければ周囲の殺害も辞さない。
そんな程度の認識だった。
だが、この罪歌から流れてくる佐々木志乃の怨念染みた愛に触れた彼女は心を変えた。
女同士の友情を重んじる者としては、その身を滅ぼしてもなおあかりを想い続ける志乃の友情には応えざるをえない、むしろ応えたいと思ってしまった。
女同士の友情を重んじる者としては、その身を滅ぼしてもなおあかりを想い続ける志乃の友情には応えざるをえない、むしろ応えたいと思ってしまった。
「ムネチカ...私の可愛い従者...」
夾竹桃はムネチカの頬を愛おしそうに撫でる。
ムネチカは動かない。何も変わらない。
なんの変化もなく、ただ夾竹桃の指による愛撫を受け入れている。
ムネチカは動かない。何も変わらない。
なんの変化もなく、ただ夾竹桃の指による愛撫を受け入れている。
「貴女もわかってくれるわよね?」
「......」
「......」
ムネチカは答えない。
嘘を吐けないが故に、本心を尋ねられれば答えられない。
彼女は間宮あかりのことも佐々木志乃のこともなにも知らないからだ。
そんな者たちを必ず護れると豪語できるはずもない。
嘘を吐けないが故に、本心を尋ねられれば答えられない。
彼女は間宮あかりのことも佐々木志乃のこともなにも知らないからだ。
そんな者たちを必ず護れると豪語できるはずもない。
「...いまはそれでもいい。いつかはわかってくれると信じてるわよ、ムネチカ」
夾竹桃は、敢えて本心までを操ろうとはしなかった。
罪歌で支配するのは、垣根の損切から外れるための身体だけ。
本心まで弄らないのは、彼女なりの期待の表れだ。
薬も、呪いも必要としない本物の共感。
それを成し遂げた時、夾竹桃とムネチカは真の友となれるだろうと彼女は信じている。
罪歌で支配するのは、垣根の損切から外れるための身体だけ。
本心まで弄らないのは、彼女なりの期待の表れだ。
薬も、呪いも必要としない本物の共感。
それを成し遂げた時、夾竹桃とムネチカは真の友となれるだろうと彼女は信じている。
肝心のムネチカの心の中で何が起きているかも知らずに。
☆
妖刀とは、呪いを宿し生まれた刀である。
呪いとは人の強すぎる執念・恨み・想いから生まれるものである。
焼きつけられた身体、充満する血と臓腑の臭い。
無力な少女の慟哭と共に戦った破戒僧の嘆き。
消えていく意識の中で少女は最期に思ったのは、最愛の友。
大好き、だけではなく。ごめんなさい、だけでなく。
これ以上あの子を護れない、と。
口惜しや、口惜しや。
この身体が朽ちようとあの子を護ってあげたい。どんな手を使ってでも如何なる障害からも護ってあげたい。
何者よりもあの子を愛したい。
何者よりもあの子を愛したい。
血涙すら流さんほどの強き友愛は、転じて呪いと化す。
その呪いは罪歌の元来の呪い(あい)を侵食し、歪な形に彩られる。
『あかりちゃん愛するあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃん愛するあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃん愛してるあかりちゃんあかりちゃん愛してるあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃん愛してる』
少女の、佐々木志乃の呪いで歪んだ愛は、かくして一人を愛する新たな妖刀と化したのだった。
☆
暗い、暗い空間の中。
風を切る音が、慌ただしく地を蹴る音が響き渡る。
風を切る音が、慌ただしく地を蹴る音が響き渡る。
『早くあかりちゃんのもとへあかりちゃん私が護るあかりちゃん愛してるあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃん』
誰ぞの名前を呼びながら志乃乃富士が鬼気迫る執念で私へと剣を振るう。
私はそれを必死に避け、掠り傷を追いながらも致命的な傷は負わず。
反撃に出ようにもまるでそんな隙が見当たらない。
私はそれを必死に避け、掠り傷を追いながらも致命的な傷は負わず。
反撃に出ようにもまるでそんな隙が見当たらない。
志乃乃富士とは先に僅かだが交戦したが、まるで違う。
あの時は確かにこちらが優位であったというのにいまは真逆。
まるで歯が立たない。
あの時は確かにこちらが優位であったというのにいまは真逆。
まるで歯が立たない。
「なぜ私を...志乃乃富士!」
静止の声も当然響かない。
ただ確実にこちらを仕留めんとばかりの殺気が私に向けられるのみだ。
ただ確実にこちらを仕留めんとばかりの殺気が私に向けられるのみだ。
幾度も繰り返される攻防。
やがて、ようやく出来た隙を突き私は拳を彼女の腹に突き立てる。
手加減はしていないはずの一撃。
が、しかし止まらず。
彼女の刀は私の肩口を切り裂き、そこから鮮血が舞う。
やがて、ようやく出来た隙を突き私は拳を彼女の腹に突き立てる。
手加減はしていないはずの一撃。
が、しかし止まらず。
彼女の刀は私の肩口を切り裂き、そこから鮮血が舞う。
「ガハッ...!」
激痛と共に私は苦悶の声を漏らし倒れ伏す。
敵わない。
なぜ。どうして。
敵わない。
なぜ。どうして。
『貴女を消して私はあかりちゃんを護ります』
私の疑問はその言葉に押しつぶされる。
『たとえ肉体が滅びようと私はあの子の為に戦う』
答えは明白だった。
彼女はどんな姿になっても大切な者を護りたいと確固たる覚悟を決めている。
それに対して私にはなにもない。
もう失くしてしまったから。
武人としての忠はもう果たせなくなってしまったから。
彼女はどんな姿になっても大切な者を護りたいと確固たる覚悟を決めている。
それに対して私にはなにもない。
もう失くしてしまったから。
武人としての忠はもう果たせなくなってしまったから。
『早く私に従いなさい化け物!あかりちゃんのために!!』
激昂と共に振り下ろされる刀。
もう私はそれに抗う気持ちも起きなかった。
あれを受け入れればあかりちゃんという人のためになるならば。
誰かは知らないが、あそこまで想われている人の糧になれるならば。
何も護れないいまの自分よりもよほど価値のあるモノになれるのではないか。
だったらもう楽になろう。
何も考えなくていい。何も苦しまなくていい。
私が消えることで誰かの助けになれるなら、それでいい。
振り下ろされる刀は首元に振り下ろされ。
もう私はそれに抗う気持ちも起きなかった。
あれを受け入れればあかりちゃんという人のためになるならば。
誰かは知らないが、あそこまで想われている人の糧になれるならば。
何も護れないいまの自分よりもよほど価値のあるモノになれるのではないか。
だったらもう楽になろう。
何も考えなくていい。何も苦しまなくていい。
私が消えることで誰かの助けになれるなら、それでいい。
振り下ろされる刀は首元に振り下ろされ。
痛みが、掌に走った。
『ッ、まだ抵抗を...!』
志乃乃富士が怒りを露わにする。
私にもわからない。
楽になりたいのに。
苦しみたくないのに。
何故か身体は抵抗してしまう。
受け入れまいと必死に抗う。
私にもわからない。
楽になりたいのに。
苦しみたくないのに。
何故か身体は抵抗してしまう。
受け入れまいと必死に抗う。
私はいったい自分に何を求めているというのか。
なぜ未だに生きようとするのか。
なぜ未だに生きようとするのか。
———ドクン。
斬られた箇所に灼熱の如き熱さが奔り、視界が歪み始める。
その異様な熱さに意識がとびかける。苦悶の声が漏れる。
けれど意識は失わなかった。
代わりに、志乃乃富士の姿がみるみる内に形を変えていく。
その異様な熱さに意識がとびかける。苦悶の声が漏れる。
けれど意識は失わなかった。
代わりに、志乃乃富士の姿がみるみる内に形を変えていく。
『ムネチカ』
聞こえてきたのは、慣れ親しんだあの声。
聞きたかったけれど、いまは聞きたくなかったあの声。
くりくりとした目に長いおさげ。
可愛らしくも勇ましいその姿。
間違いない。間違えようもない。
聞きたかったけれど、いまは聞きたくなかったあの声。
くりくりとした目に長いおさげ。
可愛らしくも勇ましいその姿。
間違いない。間違えようもない。
「ひ...姫殿下...!」
ぐずぐずと私の脳髄が焼けていく。
———熱い、熱いのじゃ
「あ...あぁ...!」
あの時の光景が離れてくれない。
———どうして助けてくれなかったのじゃ?
「申し訳ありません、もうし、わけ...!」
あの灼熱の地獄の前に、みっともなく涙すら流してひたすらに頭を垂れる。
見ないでくれと言わんばかりに身を縮め、ただひたすらに赦しを請う。
見ないでくれと言わんばかりに身を縮め、ただひたすらに赦しを請う。
———許せない、死ねよムネチカ
あの時かけられた罵声の痛みはどうしようもなく忘れがたきもので。
斬り殺すのでもいい。
頭蓋を踏み砕くのでもいい。
お願いだから早くこの地獄を終わらせてくれとひたすらに願う。
斬り殺すのでもいい。
頭蓋を踏み砕くのでもいい。
お願いだから早くこの地獄を終わらせてくれとひたすらに願う。
『ムネチカよ』
けれどかけられた声はあまりにも優しく。
『すまなかった』
与えられた言葉は、私の予想だにしなかった言葉だった。
脳髄を蕩けさせる灼熱が引いていく。
あの地獄染みた光景が鎮火していき、ただ彼女だけがこの視界に映りこむ。
あの焼けただれた姿ではなく、いつものあの御方そのものだった。
あの焼けただれた姿ではなく、いつものあの御方そのものだった。
『ムネチカ。もう余に縛られる必要はない。余のことで苦しむのなら、そんなものは忘れてくれ。悪いのはそなたではないのだから』
私は悪くない。
それは赦しの言葉だった。
求めていた言葉だった。
それは赦しの言葉だった。
求めていた言葉だった。
なのに。
『ムネチカ。...悪いのは余の方じゃ』
なぜ、私の胸はこうも締め付けられている。
『余はずっと迷惑をかけてきた。我がままで皆を振り回してきた。だから...こうして余を護ってくれた者たちを苦しませることしかできぬ。
全ての諸悪の根源は余であったのだ』
全ての諸悪の根源は余であったのだ』
「ッ...!」
『帝の後継者も。娘という立場も。全て余以外の者であれば...そなたを苦しませることも...!』
「ちが...姫殿下...!」
かけようとする声が思わず震えあがる。
そんなつもりじゃなかった。
自分がこんなになってしまったのは姫殿下のせいじゃない。
出かけた言葉はあまりにも薄っぺらく感じてしまう。
そんなつもりじゃなかった。
自分がこんなになってしまったのは姫殿下のせいじゃない。
出かけた言葉はあまりにも薄っぺらく感じてしまう。
『あかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃんあかりちゃん』
傷口から溢れ出てくる言葉に私の遺された自我が消えていく。
そうだ。
忘れてしまえ。
姫殿下はそう望んでいるのだから。
それがただ一つ救われる方法なのだから。
そうだ。
忘れてしまえ。
姫殿下はそう望んでいるのだから。
それがただ一つ救われる方法なのだから。
そしてそのまま。
『あかりちゃん』に呑まれていく。
呑まれ、呑まれ...
『あかりちゃん』に呑まれていく。
呑まれ、呑まれ...
「違う」
私を呑んでいく『あかりちゃん』を振り払うように、私は立つ。
脳裏に過るのは、かつての日々。
姫殿下を𠮟りつけ、振り回されてきた教育係としての日々。
姫殿下を𠮟りつけ、振り回されてきた教育係としての日々。
確かに楽しいことばかりではなかった。
何度も叱りつけた。
本気で苛立ったこともあった。
何度も叱りつけた。
本気で苛立ったこともあった。
けれど。
「私は...一度とて、貴女以外であればなどと思ったことはない」
ああ、そうだ。
恨むことなどあるものか。
恨むことなどあるものか。
「わたしの忠義は姫殿下のためにのみならず」
わたしが彼女のために尽くしてきたのは、帝から与えられた任だから———というだけではない。
忘れはしない。
彼女と紡いだ日々を。
彼女と紡いだ日々を。
時に怯えられ。
時に駄々をこねられ。
時に笑い合い。
時に肩を並べ。
時に同じ趣味に興じ。
時に駄々をこねられ。
時に笑い合い。
時に肩を並べ。
時に同じ趣味に興じ。
失った今だからこそわかる。
その全てがあまりにも愛おしく、親友と娘、その両方を同時に得たようなかけがえのない時間だったことを。
そうだ。私は、小生は。
姫殿下としてだけではなく。
友として。
戦友として。
同好の士として。
娘として。
戦友として。
同好の士として。
娘として。
「アンジュ、貴女だからこそ小生はここまで来れたのです」
肩書など関係なく、全部ひっくるめて、『アンジュ』という一個人が大好きだった。
『ムネチ、カ』
「何度でも言いましょう」
「何度でも言いましょう」
なにを躊躇うことがあろうか。
なにを腑抜けたことを言っていたのだろうか。
なにを腑抜けたことを言っていたのだろうか。
「鎮守の...いや、このムネチカ」
自分は役立たずの塵だ。
お役目を果たせぬ塵芥だ。
いまさら八柱将などとは口が裂けても言えまい。
だとしても、彼女への想いを忘れていいはずもなかった。
お役目を果たせぬ塵芥だ。
いまさら八柱将などとは口が裂けても言えまい。
だとしても、彼女への想いを忘れていいはずもなかった。
苦しいのは彼女のせい、全くもってその通りだ。
けれどそれは彼女を否定するモノではない。
けれどそれは彼女を否定するモノではない。
友を失って悲しむのは当たり前だ。
娘を失って悲しむのは当たり前だ。
だからもう逃げない。
娘を失って悲しむのは当たり前だ。
だからもう逃げない。
「アンジュ、貴女を愛しています」
貴女の存在が重荷だったなんてこと、誰にも言わせない。
それを、この場で証明してみせる。
アンジュを象っていた姿がまた変わり、志乃乃富士の姿に戻る。
彼女の刀による振り下ろしを、小生は避けなかった。
剣が肉を割き、『あかりちゃん』がまたしても身体に流れ込んでくるが構わない。
...ここにきて、ようやくわかった。
小生が志乃乃富士に大人しく首を差し出さなかったのは、あの子の代わりに誰かを置くことなんてしたくなかったからだと。
答えはもう出ていたのに、随分と立ち上がるのに時間がかかってしまった。
彼女の刀による振り下ろしを、小生は避けなかった。
剣が肉を割き、『あかりちゃん』がまたしても身体に流れ込んでくるが構わない。
...ここにきて、ようやくわかった。
小生が志乃乃富士に大人しく首を差し出さなかったのは、あの子の代わりに誰かを置くことなんてしたくなかったからだと。
答えはもう出ていたのに、随分と立ち上がるのに時間がかかってしまった。
「これより先は通さぬッ!!」
気合い一徹、『彼女』への想いを込めて叫べば、『あかりちゃん』は身体から弾き出され一気に身体が軽くなる。
反撃はいま。
返す拳は再び志乃乃富士の腹部を捉える。
直撃。
彼女の身体が九の字に曲がり、後方に大きく吹き飛ばす。
反撃はいま。
返す拳は再び志乃乃富士の腹部を捉える。
直撃。
彼女の身体が九の字に曲がり、後方に大きく吹き飛ばす。
本来であれば致命の一撃。
だが。
だが。
『あかりちゃん、私が、護るから。化け物を、倒して助けにいくから』
志乃乃富士はまだ立ち上がる。その眼には微塵も揺らぎなどない。
見事としか言い表せない。
自分は一度は完全に折れてしまったのだから。
死してなお想い続けるその姿、間違いなく真の友だと言えよう。
見事としか言い表せない。
自分は一度は完全に折れてしまったのだから。
死してなお想い続けるその姿、間違いなく真の友だと言えよう。
「だが、こちらにも譲れぬものがある...小生は、もう如何な理由があろうともあの子との日々を否定などせん!!」
『あかり、ちゃん!!』
『あかり、ちゃん!!』
志乃乃富士が駆ける。
それに応じるように、小生もまた全力の力を込めて地を踏み出す。
志乃乃富士は、あかりちゃんを護る為に。
小生はあの子への想いを護る為に。
それに応じるように、小生もまた全力の力を込めて地を踏み出す。
志乃乃富士は、あかりちゃんを護る為に。
小生はあの子への想いを護る為に。
―――いざ尋常に、発気揚揚!!
距離が縮まる。
志乃乃富士の刀剣による突きを寸でのところで躱し、小生はその伸びた腕を挟み込み脇で締め付ける。
力では小生の方が上だ。このままへし折ることもできる。
だが志乃乃富士は怯まない。
痛む腕にも構わず前に進み出て極まりを外す。
抜けかける腕。
だがそのまま逃がすわけにはゆかぬ。
滑っていく腕に対し、背を傾け抜けられる範囲を狭める。
すると腕は抜けようとも刀を握る拳は抜け出せず。
このままでは捕まると判断した志乃乃富士は刀を捨て腕を解放するのを選択。
志乃乃富士の刀剣による突きを寸でのところで躱し、小生はその伸びた腕を挟み込み脇で締め付ける。
力では小生の方が上だ。このままへし折ることもできる。
だが志乃乃富士は怯まない。
痛む腕にも構わず前に進み出て極まりを外す。
抜けかける腕。
だがそのまま逃がすわけにはゆかぬ。
滑っていく腕に対し、背を傾け抜けられる範囲を狭める。
すると腕は抜けようとも刀を握る拳は抜け出せず。
このままでは捕まると判断した志乃乃富士は刀を捨て腕を解放するのを選択。
わずか数センチだが、二人の間に空白が生まれる。
無音の刹那。
先んじて距離を詰めたのは小生だ。
志乃乃富士の執念に対し退けば食われる。
故に前進。もう、気持ちでは絶対に負けられない。
志乃乃富士の胸部に向けて頭突き、上体をのけ反らせる。
まだだ。まだ、終わりではない。彼女を倒しきるまでは何度でも———
先んじて距離を詰めたのは小生だ。
志乃乃富士の執念に対し退けば食われる。
故に前進。もう、気持ちでは絶対に負けられない。
志乃乃富士の胸部に向けて頭突き、上体をのけ反らせる。
まだだ。まだ、終わりではない。彼女を倒しきるまでは何度でも———
「なにっ!?」
小生は目を疑った。
志乃乃富士の復帰は早かった。
すぐに体勢は沈み、頭突きの為に低くなっていた小生の頭を掴み、そのままねじ伏せようとする。
小生は見誤っていた。
志乃乃富士の真髄は執念からくる攻めではあらず。
その心が支える腰の重さ———護りの堅固さであると。
志乃乃富士の復帰は早かった。
すぐに体勢は沈み、頭突きの為に低くなっていた小生の頭を掴み、そのままねじ伏せようとする。
小生は見誤っていた。
志乃乃富士の真髄は執念からくる攻めではあらず。
その心が支える腰の重さ———護りの堅固さであると。
(負ける...!)
視界に地面が近づいていく。
この一戦には小生の全てを賭けた。
それをねじ伏せられようものなら、このまま一度でも地に膝を着かされようものなら、彼女の想いに食われるだろう。
この一戦には小生の全てを賭けた。
それをねじ伏せられようものなら、このまま一度でも地に膝を着かされようものなら、彼女の想いに食われるだろう。
「———否」
無理な体勢から右足を前に踏み出し寸でのところで堪える。
「否ッ!!」
首元にかけられる重さに、眼を日開き、叫びと共に唾すら撒き散らして叫ぶ。
それはもはや矜持や信念といったものにあらず。
その姿、まさしく駄々。
幼子が絶対に負けたくないと喚き散らすような幼稚で稚拙な我儘だ。
それはもはや矜持や信念といったものにあらず。
その姿、まさしく駄々。
幼子が絶対に負けたくないと喚き散らすような幼稚で稚拙な我儘だ。
これが競技や遊戯ならば、小生はこのまま敗北していただろう。
『...ッ!』
だがこれは言うなれば根競べ。
小生の心が折れなければ、ほんの一筋の光明が生まれることもある。
小生の根気に微かに動揺したその隙に全力を込めて首を持ち上げる。
志乃乃富士の腕を弾き飛ばすのと共に小生の身体に多大な倦怠感が襲い掛かる。
手足が震え始める。身体がもう休みたいと悲鳴をあげる。
構わぬ。
あの子への想いを貫くためならば、この程度!
小生の心が折れなければ、ほんの一筋の光明が生まれることもある。
小生の根気に微かに動揺したその隙に全力を込めて首を持ち上げる。
志乃乃富士の腕を弾き飛ばすのと共に小生の身体に多大な倦怠感が襲い掛かる。
手足が震え始める。身体がもう休みたいと悲鳴をあげる。
構わぬ。
あの子への想いを貫くためならば、この程度!
「おおおおおおおおぉぉぉぉ————ッ!!」
『...貴女にも想う人がいようが、私も譲るつもりはありません!!』
『...貴女にも想う人がいようが、私も譲るつもりはありません!!』
吼える。吼える。
女二人で、みっともなく、全てを曝け出すように。
女二人で、みっともなく、全てを曝け出すように。
何度もぶつけ、何度もぶつかりあい。
互いの根気も削り取られていく。
だがそれでも我らは一度たりとも倒れなかった。
己の友情を貫くために、決して負けを認めなかった。
永久にも思える刻の中、ついに終局が訪れる。
互いの根気も削り取られていく。
だがそれでも我らは一度たりとも倒れなかった。
己の友情を貫くために、決して負けを認めなかった。
永久にも思える刻の中、ついに終局が訪れる。
『...プハッ!』
組合の中、先に息が切れたのは志乃乃富士。
この隙を逃す謂れはない。
全力を以て身体をぶつけ彼女を押し倒そうとする。
彼女の身体が力を無くしていくのがわかる。
いける、このまま
この隙を逃す謂れはない。
全力を以て身体をぶつけ彼女を押し倒そうとする。
彼女の身体が力を無くしていくのがわかる。
いける、このまま
ガシリ
違う。
いま、喉元に刃を突きつけられているのは小生だ。
彼女は待っていた。根気も極限のこの状態で。
土俵際からの逆転の一手を。
身体を捻り、腰を持ち上げられた小生の身体が浮かび上がる。
いま、喉元に刃を突きつけられているのは小生だ。
彼女は待っていた。根気も極限のこの状態で。
土俵際からの逆転の一手を。
身体を捻り、腰を持ち上げられた小生の身体が浮かび上がる。
打っ棄り。
ここまできて、この極限状態まで粘ってこの一手を狙っていたというのか。
恐るべし志乃乃富士。
狂愛に染まりながらも失わぬその剛胆さと冷静さ。賞賛する他ない。
ここまできて、この極限状態まで粘ってこの一手を狙っていたというのか。
恐るべし志乃乃富士。
狂愛に染まりながらも失わぬその剛胆さと冷静さ。賞賛する他ない。
だがそれでも。
小生は負けぬ。負けるわけにはいかぬ。
起死回生の一撃ならば、それは相手にも未だ刃が突きつけられているということ。
ならば、断じて諦めるわけにはいかぬ!
小生は負けぬ。負けるわけにはいかぬ。
起死回生の一撃ならば、それは相手にも未だ刃が突きつけられているということ。
ならば、断じて諦めるわけにはいかぬ!
小生の腕が志乃乃富士の首元にかかる。
身体が捻り切られる前に体重を全てかけ志乃乃富士を押し倒す。
これで五分。
地に伏せるのは、小生が先か志乃乃富士が先か。
視界に迫る地面の果てに。
身体が捻り切られる前に体重を全てかけ志乃乃富士を押し倒す。
これで五分。
地に伏せるのは、小生が先か志乃乃富士が先か。
視界に迫る地面の果てに。
背中は、地に着いた。
☆
ドカン、と爆発のような音と共に扉が破壊され、黒い塊が垣根たちのもとへと転がり込んでくる。
それは近くの壁にぶつかると止まり、ぐったりと俯き伏せる。
それは近くの壁にぶつかると止まり、ぐったりと俯き伏せる。
「おいおい...どういう状況だこいつは」
吹き飛ばされてきたのは夾竹桃だ。
頭から血を流し沈黙している。
頭から血を流し沈黙している。
「洗脳なんざできてねえじゃねえかよ...あのクソメイドとんだ不良品掴ませやがって」
麦野は悪態を吐きながら面倒くさそうに立ち上がる。
壊れた扉の奥からやってきたのは、洗脳されていたはずのムネチカだ。
だが先ほどまでの怯えた狛犬の姿はもはやあらず。
立ち昇る闘気は目に見えるほど激しく。
その双眼は歴戦の猛者であることをうかがわせるほどに鋭く凛々しい。
電車で敵対した時以上の気迫に、手心を加える余裕はないと判断する。
だが先ほどまでの怯えた狛犬の姿はもはやあらず。
立ち昇る闘気は目に見えるほど激しく。
その双眼は歴戦の猛者であることをうかがわせるほどに鋭く凛々しい。
電車で敵対した時以上の気迫に、手心を加える余裕はないと判断する。
「待たれよ。小生に交戦の意思はない」
だが飛んできたのは気迫からは不釣り合いなそんな言葉で。
あろうことかムネチカはそのまま片膝を着き首を垂れた。
あろうことかムネチカはそのまま片膝を着き首を垂れた。
「垣根殿。麦野殿。先ほどの醜態は失礼をした。勝手なことは承知の上であるが、先の発言は撤回させていただきたい」
「あ?あー...まあ、いいんじゃねえのか」
「あ?あー...まあ、いいんじゃねえのか」
垣根からしてみれば、ムネチカは初対面から腑抜けていた役立たずの狛犬だ。
それが急に言葉遣いも態度も凛としたものに代わり多少面を喰らった。
が、返事自体は適当なものではない。
もともとムネチカをさっさと殺し首輪に変えるというのも、魔王と相対する際にあの時の彼女のままではあまりにも役立たずで足手まといどころか相手の戦力を増強しかねなかったから考えただけの話。
なにがあったかは知らないが、こうして充分に戦意を滾らせているのなら無理に殺す必要もない。
その『なにか』が大事なのだが。
それが急に言葉遣いも態度も凛としたものに代わり多少面を喰らった。
が、返事自体は適当なものではない。
もともとムネチカをさっさと殺し首輪に変えるというのも、魔王と相対する際にあの時の彼女のままではあまりにも役立たずで足手まといどころか相手の戦力を増強しかねなかったから考えただけの話。
なにがあったかは知らないが、こうして充分に戦意を滾らせているのなら無理に殺す必要もない。
その『なにか』が大事なのだが。
「とりあえず聞いておくが、なにがあった?」
「彼女との絆を、思い出しました」
「彼女との絆を、思い出しました」
垣根は思わず怪訝な顔になった。
言うべきことは言い終えたと言わんばかりのしたり顔のムネチカに、もうなにを聞く気すら失せた。
言うべきことは言い終えたと言わんばかりのしたり顔のムネチカに、もうなにを聞く気すら失せた。
「まあ、正気に戻ったのはいいとしてだ。あたしとは殺りあわねーのか?」
麦野からしてみれば当然の疑問だろう。
あの列車でムネチカと麦野はしっかりと敵対していた。
互いに加減無しの命の殺り取りを繰り広げた者同士なのだから。
あの列車でムネチカと麦野はしっかりと敵対していた。
互いに加減無しの命の殺り取りを繰り広げた者同士なのだから。
「無論、其方がライフィセット殿へと働いた蛮行は許せぬ。しかしライフィセット殿と懇意にしている垣根殿が今は手を出さぬと決めたのならば小生もそれに倣うまで」
怒りが未だに燻っているものの、ライフィセットの面倒を見てくれたらしい垣根が一時的な同盟を結ぶというなら、その恩を返すこともありそれに従う。
つまり彼女もまた、魔王の件が片付いてからの決着を所望していた。
つまり彼女もまた、魔王の件が片付いてからの決着を所望していた。
「ハッ、話が早いのは悪くねえ。だがあいつをぶっ飛ばしたのはどういう了見だ?あれでも一応同盟相手なんだが?」
麦野が親指で指す先にはぐったりと項垂れる夾竹桃。
死んではいないようだが、あれを見せられて宣戦布告ではないと思えというのも虫のいい話だ。
死んではいないようだが、あれを見せられて宣戦布告ではないと思えというのも虫のいい話だ。
「...行動に先んじてしまったのは謝罪する。しかし、これも一つのケジメが故」
「んな説明で納得でき...いやするわ。むしろ納得しかないわ」
「んな説明で納得でき...いやするわ。むしろ納得しかないわ」
言いかけた麦野は、彼女にしては珍しく自分の言を撤回した。
夾竹桃がムネチカにやったことは、麦野が知る限りでも
夾竹桃がムネチカにやったことは、麦野が知る限りでも
ライフィセットをベルベットという爆弾に引き合わせ。
戦闘が終わった後には媚薬やら毒やらで精神汚染。
しかもここに至るまではペット同然にエロ本漁りに連れまわす始末。
戦闘が終わった後には媚薬やら毒やらで精神汚染。
しかもここに至るまではペット同然にエロ本漁りに連れまわす始末。
これを麦野自身にやられたと考えれば激怒は確定。
むしろ夾竹桃は殴られて然るべきですらある。
むしろ夾竹桃は殴られて然るべきですらある。
「つか、よく殺さなかったなあんた」
「彼女に救われたのもまた事実であるが故」
「彼女に救われたのもまた事実であるが故」
ムネチカにとって夾竹桃は確かな敵である。
しかし、敵対する前にライフィセットを治療してくれたこと、そしてアンジュの死に打ちのめされていたムネチカに慰めの言葉をかけてくれたこと。
この二つの恩が、夾竹桃への報復を拳骨一発に思いとどまらせた。
しかし、敵対する前にライフィセットを治療してくれたこと、そしてアンジュの死に打ちのめされていたムネチカに慰めの言葉をかけてくれたこと。
この二つの恩が、夾竹桃への報復を拳骨一発に思いとどまらせた。
「で、正気に戻ったお前はどうすんだ?ここで魔王を迎え撃つか、それともライフィセットのところに行くか」
垣根の問いにムネチカは考える。
ライフィセットの安否は確かに気になるところだ。
垣根の他の仲間がついているらしいが、自分が加われば彼の安否はより一層保証されるだろう。
しかし魔王についても気にかかる。
あの相対した時の邪悪且つ圧倒的な"暴"。
捨て置くことはできず、一人で勝ち目がないのなら、いまここに戦力が集っている内に共に倒しておいた方がいいかもしれない。
ライフィセットの安否は確かに気になるところだ。
垣根の他の仲間がついているらしいが、自分が加われば彼の安否はより一層保証されるだろう。
しかし魔王についても気にかかる。
あの相対した時の邪悪且つ圧倒的な"暴"。
捨て置くことはできず、一人で勝ち目がないのなら、いまここに戦力が集っている内に共に倒しておいた方がいいかもしれない。
どちらにせよだ。
これより先、ムネチカは泣くことがあれど、足を止めることがあれど、もう心が腐り果てることはないだろう。
これより先、ムネチカは泣くことがあれど、足を止めることがあれど、もう心が腐り果てることはないだろう。
アンジュという少女とのこれまでに嘘偽りなどない。
それを証明することが、いまのムネチカの生きる意味なのだから。
それを証明することが、いまのムネチカの生きる意味なのだから。
☆
うすぼんやりする意識の中、夾竹桃は笑っていた。
(...なんでなのかしらね)
彼女は痛いのは嫌いだ。
予定通りにいかないことも嫌いだ。
なぜか洗脳が解けた途端にムネチカに殴られたこと。ムネチカを支配下におけなかったこと。
いま現在の彼女にはその二つが降りかかっている。
なのに何故か、彼女の胸中はどこか満たされていた。
胸がすいていた。
予定通りにいかないことも嫌いだ。
なぜか洗脳が解けた途端にムネチカに殴られたこと。ムネチカを支配下におけなかったこと。
いま現在の彼女にはその二つが降りかかっている。
なのに何故か、彼女の胸中はどこか満たされていた。
胸がすいていた。
(妙にスッキリすらしているこの気持ち...不思議だわ)
夾竹桃は列車の時から、女の友情を解するムネチカの忠義や友情を踏みにじる行為に対して、小さな罪悪感を抱いていた。
結局、自分は欲しいものを得る為には手段を択ばない人間でしかないと。
別に、それを気に病むつもりはないし、本来のムネチカと自分の立場を考えれば交じり合わないとすら思っていた。
結局、自分は欲しいものを得る為には手段を択ばない人間でしかないと。
別に、それを気に病むつもりはないし、本来のムネチカと自分の立場を考えれば交じり合わないとすら思っていた。
なのに納得している。
ムネチカがああして凛とした姿勢でいることに安堵すら感じている。
ムネチカがああして凛とした姿勢でいることに安堵すら感じている。
(彼女は私の『毒』を...そして罪歌の『あかりちゃん』を乗り越えた...それを私が望んでいた、とでも言うのかしら)
女の友情は何物にも侵されてはならぬ聖域である。
その信念を、彼女が証明してくれたことに喜びを感じているとでもいうのだろうか。
その信念を、彼女が証明してくれたことに喜びを感じているとでもいうのだろうか。
(いいわムネチカ。貴女は貴女の思うようにその友情を貫きなさい)
ムネチカに殴られたダメージとは別に、鼻血を滲ませながら、恍惚な表情と共に夾竹桃はひと時の静寂に沈んだ。
【F-6/紅魔館/一日目/夕方】
【麦野沈利@とある魔術の禁書目録Ⅲ】
[状態]:全身にダメージ、精神的疲労(超極大)、百合トークに対しての精神的トラウマ(小)
[服装]:いつもの服装(ボロボロ)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:主催共の目論見をぶっ潰す。願いを叶える力は保留。
0:直に帰ってくるであろう魔王に対処する。潰しに来るなら返り討ちにする。
1:首輪の解除コードとやらを解明するための情報探し。
2:フレンダ、テメェに二度目はねぇ。ぶち殺し確定、今度は灰も残さねぇ。
3:ベルベットに関しては警戒。『蒐集の力』は彼女にはまだ伝えない。
4:第二位との決着はすべてが終わってからにする。
5:もう百合トークは勘弁してくれた、マジで。
【麦野沈利@とある魔術の禁書目録Ⅲ】
[状態]:全身にダメージ、精神的疲労(超極大)、百合トークに対しての精神的トラウマ(小)
[服装]:いつもの服装(ボロボロ)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]
基本:主催共の目論見をぶっ潰す。願いを叶える力は保留。
0:直に帰ってくるであろう魔王に対処する。潰しに来るなら返り討ちにする。
1:首輪の解除コードとやらを解明するための情報探し。
2:フレンダ、テメェに二度目はねぇ。ぶち殺し確定、今度は灰も残さねぇ。
3:ベルベットに関しては警戒。『蒐集の力』は彼女にはまだ伝えない。
4:第二位との決着はすべてが終わってからにする。
5:もう百合トークは勘弁してくれた、マジで。
[備考]
※アニメ18話、浜面に敗北した後からの参戦です
※3人でアイテムを結成しました
※ベルベットがLEVEL6に到達したと予想しています。
※夾竹桃の知っている【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。
※魔王の件が片付くまでの間、垣根と十六夜咲夜と同盟を組みました
※アニメ18話、浜面に敗北した後からの参戦です
※3人でアイテムを結成しました
※ベルベットがLEVEL6に到達したと予想しています。
※夾竹桃の知っている【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。
※魔王の件が片付くまでの間、垣根と十六夜咲夜と同盟を組みました
【夾竹桃@緋弾のアリアAA】
[状態]:衣服の乱れ、ゲッター線に魅入られてる(小)、夏コミ用のネタの香りを感じている、出血(中)、顔にダメージ(中)、罪歌による精神汚染(中)、鼻血、恍惚、気絶
[服装]:いつものセーラー服
[装備]:オジギソウとその操作端末@とある魔術の禁書目録Ⅲ、胡蝶しのぶの日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、シュカの首輪(分解済み)、素養格付@とある魔術の禁書目録Ⅲ、クリスチーネ桃子(夾竹桃)作の同人誌@緋弾のアリアAA(現地調達)、薬草及び毒草数種(現地調達)、無反動ガトリングガン入りトランクケース@緋弾のアリアAA(現地調達)、罪歌@デュラララ!!
[思考]
基本:間宮あかりの秘毒・鷹捲とゲッター線という未知の毒を入手後、帰還する
0:女の友情はいと美しきもの...がくり
1:主催の思い通りになるつもりはない。これ以上の『覚醒者』の誕生は阻止したい
2:テミス及びμの関係者らしき参加者の勧誘か誘拐を検討。岩永琴子はなんかベルセリアが乗り気らしいけど……
3:首輪を解除するためのコードを調査
4:神崎アリア及び他の武偵は警戒
5:ゲッター線の情報を得るためにゲッターチームから情報を抜き取ることも考慮
6:夏コミ用のネタが溜まる溜まる...ウフフ
7:罪歌...間宮あかりは護ってあげるわ
[状態]:衣服の乱れ、ゲッター線に魅入られてる(小)、夏コミ用のネタの香りを感じている、出血(中)、顔にダメージ(中)、罪歌による精神汚染(中)、鼻血、恍惚、気絶
[服装]:いつものセーラー服
[装備]:オジギソウとその操作端末@とある魔術の禁書目録Ⅲ、胡蝶しのぶの日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、シュカの首輪(分解済み)、素養格付@とある魔術の禁書目録Ⅲ、クリスチーネ桃子(夾竹桃)作の同人誌@緋弾のアリアAA(現地調達)、薬草及び毒草数種(現地調達)、無反動ガトリングガン入りトランクケース@緋弾のアリアAA(現地調達)、罪歌@デュラララ!!
[思考]
基本:間宮あかりの秘毒・鷹捲とゲッター線という未知の毒を入手後、帰還する
0:女の友情はいと美しきもの...がくり
1:主催の思い通りになるつもりはない。これ以上の『覚醒者』の誕生は阻止したい
2:テミス及びμの関係者らしき参加者の勧誘か誘拐を検討。岩永琴子はなんかベルセリアが乗り気らしいけど……
3:首輪を解除するためのコードを調査
4:神崎アリア及び他の武偵は警戒
5:ゲッター線の情報を得るためにゲッターチームから情報を抜き取ることも考慮
6:夏コミ用のネタが溜まる溜まる...ウフフ
7:罪歌...間宮あかりは護ってあげるわ
[備考]
※あかりとの初遭遇後からの参戦です
※3人でアイテムを結成しました
※晴明からゲッター線に関する情報を入手しました
※隼人からゲッター線の情報を大まかに聞きました。
※『今の自分が本物ではない』という琴子の考察を聞きました。
※隼人・ビルド・琴子・リュージ・アリアと共に【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。
※隼人からゲッター線について聞きました。どれだけの情報が供給されたかは後続の書き手の方にお任せします。
※魔王の件が片付くまでの間、垣根と十六夜咲夜と同盟を組みました
※あかりとの初遭遇後からの参戦です
※3人でアイテムを結成しました
※晴明からゲッター線に関する情報を入手しました
※隼人からゲッター線の情報を大まかに聞きました。
※『今の自分が本物ではない』という琴子の考察を聞きました。
※隼人・ビルド・琴子・リュージ・アリアと共に【鬼滅の刃、虚構推理、緋弾のアリア、ドラゴンクエストビルダーズ2、新ゲッターロボ、ダーウィンズゲーム、東方Project、とある魔術の禁書目録、スタンド能力、うたわれるもの、Caligula】の世界観について大まかな情報を共有しました。
※隼人からゲッター線について聞きました。どれだけの情報が供給されたかは後続の書き手の方にお任せします。
※魔王の件が片付くまでの間、垣根と十六夜咲夜と同盟を組みました
※いまの罪歌は志乃の怨念染みた想いに汚染されバグが生じたため、間宮あかりを護るよう洗脳しようとします。
ただし予期せぬバグの結果支配力が弱まっているため、相手の気の持ちようではいくらでも抵抗されます。
ただし予期せぬバグの結果支配力が弱まっているため、相手の気の持ちようではいくらでも抵抗されます。
【ムネチカ@うたわれるもの 二人の白皇】
[状態]:疲労(大)
[服装]:いつもの服装
[装備]:ムネチカの仮面@うたわれるもの
[道具]:基本支給品一色、大きなゲコ太のぬいぐるみ@とある魔術の禁書目録(現地調達)、
[思考]
基本:アンジュとの絆を嘘にしない。
0:魔王を相手にするために残るか、ライフィセットのもとへ行くか
1:小生はもう迷わない。
2:志乃乃富士、感謝する。
3:ライフィセットや『あかりちゃん』を護る。
4:麦野や夾竹桃との決着は後回し。今は護るべきものを護る為に戦う。
[状態]:疲労(大)
[服装]:いつもの服装
[装備]:ムネチカの仮面@うたわれるもの
[道具]:基本支給品一色、大きなゲコ太のぬいぐるみ@とある魔術の禁書目録(現地調達)、
[思考]
基本:アンジュとの絆を嘘にしない。
0:魔王を相手にするために残るか、ライフィセットのもとへ行くか
1:小生はもう迷わない。
2:志乃乃富士、感謝する。
3:ライフィセットや『あかりちゃん』を護る。
4:麦野や夾竹桃との決着は後回し。今は護るべきものを護る為に戦う。
[備考]
※参戦時期はフミルィルによって仮面を取り戻した後からとなります
※女同士の友情行為にも理解を示しました。
※画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。
※アンジュとの友情に目覚め、崩壊していた精神が戻りました。
※参戦時期はフミルィルによって仮面を取り戻した後からとなります
※女同士の友情行為にも理解を示しました。
※画面越しの志乃のあかりちゃん行為を確認しました。
※アンジュとの友情に目覚め、崩壊していた精神が戻りました。
【垣根提督@とある魔術の禁書目録】
[状態]:疲労(小)、全身に掠り傷、強い決意、精神的疲労(極大)
[服装]:普段着
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3、ジョルノの心臓から生まれた蛇から取り出した無惨の毒に対するワクチン、ジョルノの首輪、マギルゥの首輪、妖夢の首輪、リゾットの首輪、、土御門の式神(数個。詳しい数は不明)@とある魔術の禁書目録、マギルゥの支給品0~1、ジョルノの支給品0~3、顔写真付き参加者名簿、リゾットの支給品2つ
[思考]
基本方針: 主催を潰して帰る。ついでにこの悪趣味なゲームを眺めている奴らも軒並みブッ殺す。
0:直に帰ってくるであろう魔王に対処する。潰しに来るなら返り討ちにする。
1:とりあえず、大いなる父の遺跡の方角に向かいアリア達に伝言を伝える
2:あの化け物(無惨)は殺す。
3:リゾットの標的だったボスも正体を突き止めていずれ殺す。
4:未元物質と聖隷術を組み合わせた独自戦法を確立する。道中で試しながら行きたい。
5:異能を知るために同行者を集める。強者ならなお良い。
[状態]:疲労(小)、全身に掠り傷、強い決意、精神的疲労(極大)
[服装]:普段着
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~3、ジョルノの心臓から生まれた蛇から取り出した無惨の毒に対するワクチン、ジョルノの首輪、マギルゥの首輪、妖夢の首輪、リゾットの首輪、、土御門の式神(数個。詳しい数は不明)@とある魔術の禁書目録、マギルゥの支給品0~1、ジョルノの支給品0~3、顔写真付き参加者名簿、リゾットの支給品2つ
[思考]
基本方針: 主催を潰して帰る。ついでにこの悪趣味なゲームを眺めている奴らも軒並みブッ殺す。
0:直に帰ってくるであろう魔王に対処する。潰しに来るなら返り討ちにする。
1:とりあえず、大いなる父の遺跡の方角に向かいアリア達に伝言を伝える
2:あの化け物(無惨)は殺す。
3:リゾットの標的だったボスも正体を突き止めていずれ殺す。
4:未元物質と聖隷術を組み合わせた独自戦法を確立する。道中で試しながら行きたい。
5:異能を知るために同行者を集める。強者ならなお良い。
[備考]
VS一方通行の前、一方通行を標的に決めたときより参戦です。
※ジョルノ、リゾット、マギルゥの支給品も垣根が持っています。
※未元物質を代用した聖隷術を試しました。未元物質を代用すると、聖隷力に影響を及ぼし威力が上がりますが、制御の難易度が跳ね上がります。制御中は行動が制限されます。
※首輪の説明文により、自分たちが作られた存在なのではないかと勘繰っています。
※ブチャラティ達と情報交換をしました。
※魔王の件が片付くまでの間、麦野と夾竹桃と十六夜咲夜と同盟を組みました
VS一方通行の前、一方通行を標的に決めたときより参戦です。
※ジョルノ、リゾット、マギルゥの支給品も垣根が持っています。
※未元物質を代用した聖隷術を試しました。未元物質を代用すると、聖隷力に影響を及ぼし威力が上がりますが、制御の難易度が跳ね上がります。制御中は行動が制限されます。
※首輪の説明文により、自分たちが作られた存在なのではないかと勘繰っています。
※ブチャラティ達と情報交換をしました。
※魔王の件が片付くまでの間、麦野と夾竹桃と十六夜咲夜と同盟を組みました
【F-6/紅魔館・自室/一日目/夕方】
【十六夜咲夜@東方Projectシリーズ】
[状態]:体力消耗(絶大)、全身火傷及び切り傷、全身にダメージ(絶大)、右目破壊(治療不可能)、睡眠中
、腹部打撲(処置済み)
[役職]:ビルダー
[服装]:いつものメイド服(所々が焦げている)
[装備]:咲夜のナイフ@東方Projectシリーズ(2/3ほど消費)、懐中時計@東方Projectシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1つ 、
[思考]
基本:早くお嬢様の元へ帰る、場合によっては邪魔者は殺害
0:(睡眠中)
1:まずは、身体を休める。
2:今後のことを見据え、遭遇する参加者については殺せる機会があれば殺すが、あまり無茶はしない。
3:取り逃がした獲物(カタリナ、琵琶坂)は次出会えば必ず仕留める
4:博麗の巫女は、死んだと見ていいかしら?
5:マロロに関しては協力する素振りをしながらも探る。最悪約束を反故するようであれば殺す。...生きているかも怪しいが。
6:余裕があれば完全版チケットとやらも探す。
7:ヴライに、最大限の警戒。
[備考]
※紅霧異変前からの参戦です
※所持ナイフの最大本数は後続の書き手におまかせします
※オスカー達と情報交換を行いました
※『ジョジョ』世界の情報を把握しました。ドッピオの顔も知りましたが、ディアボロとの関係は完全には分かっておりません。
※映画を通じて、『響け!ユーフォニアム』世界の情報を把握しました。映画で上映されたものは久美子たちが1年生だった頃の内容となり、『リズと青い鳥』時系列の出来事等については、把握しておりません。
※ビルドの『ものづくり』の力が継承されました。いまはこのロワでビルドがやったことが出来るだけですが、今後の展開次第ではもっとできることが増えるかもしれません。
※ビエンフーからこれまでの経緯を聞きました。
※どこの施設に向かっているかは次の書き手様にお任せします。
【十六夜咲夜@東方Projectシリーズ】
[状態]:体力消耗(絶大)、全身火傷及び切り傷、全身にダメージ(絶大)、右目破壊(治療不可能)、睡眠中
、腹部打撲(処置済み)
[役職]:ビルダー
[服装]:いつものメイド服(所々が焦げている)
[装備]:咲夜のナイフ@東方Projectシリーズ(2/3ほど消費)、懐中時計@東方Projectシリーズ
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1つ 、
[思考]
基本:早くお嬢様の元へ帰る、場合によっては邪魔者は殺害
0:(睡眠中)
1:まずは、身体を休める。
2:今後のことを見据え、遭遇する参加者については殺せる機会があれば殺すが、あまり無茶はしない。
3:取り逃がした獲物(カタリナ、琵琶坂)は次出会えば必ず仕留める
4:博麗の巫女は、死んだと見ていいかしら?
5:マロロに関しては協力する素振りをしながらも探る。最悪約束を反故するようであれば殺す。...生きているかも怪しいが。
6:余裕があれば完全版チケットとやらも探す。
7:ヴライに、最大限の警戒。
[備考]
※紅霧異変前からの参戦です
※所持ナイフの最大本数は後続の書き手におまかせします
※オスカー達と情報交換を行いました
※『ジョジョ』世界の情報を把握しました。ドッピオの顔も知りましたが、ディアボロとの関係は完全には分かっておりません。
※映画を通じて、『響け!ユーフォニアム』世界の情報を把握しました。映画で上映されたものは久美子たちが1年生だった頃の内容となり、『リズと青い鳥』時系列の出来事等については、把握しておりません。
※ビルドの『ものづくり』の力が継承されました。いまはこのロワでビルドがやったことが出来るだけですが、今後の展開次第ではもっとできることが増えるかもしれません。
※ビエンフーからこれまでの経緯を聞きました。
※どこの施設に向かっているかは次の書き手様にお任せします。
★
『......』
暗い空間の中。
仰向けに転がされた少女は、悔し気に腕で目を覆い隠す。
仰向けに転がされた少女は、悔し気に腕で目を覆い隠す。
———礼を言う、志乃乃富士。
自分を倒した彼女は、戻っていく前にそう告げた。
———其女のお陰で彼女との友情を取り戻せた。あとは任されよ
そう約束して去っていく彼女の姿が過り、涙が滲む。
嬉しかった。あの子も護ってくれると約束したことが。
一方で、悔しかった。
本当は自分で護ってあげたかった。またあの笑顔を見たかった。
嬉しかった。あの子も護ってくれると約束したことが。
一方で、悔しかった。
本当は自分で護ってあげたかった。またあの笑顔を見たかった。
でもそれはもはや叶わぬ夢。
自分は負けて『佐々木志乃』はもう死んでいるのだから。
自分は負けて『佐々木志乃』はもう死んでいるのだから。
それでも自分の愛を間違っていたとは思わない。
想いが弱かったなどと思わない。
だから
想いが弱かったなどと思わない。
だから
『がんばれ』
全てを背負っていくと決めた女にそう呟いた。
二人の間に愛などない。
だが、それでも確かな友情がそこにはあった。
二人の間に愛などない。
だが、それでも確かな友情がそこにはあった。
これは、誰も知らない二人だけの友情物語。
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