弓野胡桃に帰る世界は無い。
それは、命を握られていることへの比喩表現でなく、文字通り彼女の世界は無くなってしまったのだ。
それは、命を握られていることへの比喩表現でなく、文字通り彼女の世界は無くなってしまったのだ。
彼女は悪意の炎に全てを奪われ、声すら出すことを許されなくなった。
使えなくなった口の代わりに曲を作った。それしかなかった。
哀しみも、恨みも、怨嗟も、絶望も、寂しさも、弱さも、名前のつく感情全てを、歌としてなら吐き出せた。
まるで悲鳴を上げるように、ぐちゃぐちゃな思いのたけを直接吐き出した歌詞を、無理して笑っているような明るい曲調に載せる。その楽曲は多くの人々の共感を呼び、曲を通してその苦しみを知ったバーチャルアイドルμにより、彼女は夢の世界へと招かれた。
そして彼女、弓野胡桃はμに楽曲を提供しメビウスを維持するもの、オスティナートの楽士の一員、梔子となった。
使えなくなった口の代わりに曲を作った。それしかなかった。
哀しみも、恨みも、怨嗟も、絶望も、寂しさも、弱さも、名前のつく感情全てを、歌としてなら吐き出せた。
まるで悲鳴を上げるように、ぐちゃぐちゃな思いのたけを直接吐き出した歌詞を、無理して笑っているような明るい曲調に載せる。その楽曲は多くの人々の共感を呼び、曲を通してその苦しみを知ったバーチャルアイドルμにより、彼女は夢の世界へと招かれた。
そして彼女、弓野胡桃はμに楽曲を提供しメビウスを維持するもの、オスティナートの楽士の一員、梔子となった。
メビウス。
そこはどんな願いでも叶えてくれる理想の世界。
梔子はその世界の中で失った家族を求めた。
箱庭の中で家族と暮らす日々、ここには失ったものがあった。
父と母の笑顔も。姉の優しさも。誕生日のケーキも。家族と家で過ごす休日も。
彼女にとって大切なものがここにはある。
あの事件から起きる前と何も変わらない日々。
あの事件が起こらなかった未来。
本来そうなるはずであった世界。
そこはどんな願いでも叶えてくれる理想の世界。
梔子はその世界の中で失った家族を求めた。
箱庭の中で家族と暮らす日々、ここには失ったものがあった。
父と母の笑顔も。姉の優しさも。誕生日のケーキも。家族と家で過ごす休日も。
彼女にとって大切なものがここにはある。
あの事件から起きる前と何も変わらない日々。
あの事件が起こらなかった未来。
本来そうなるはずであった世界。
あぁ、だけど唯一の拠り所であったメビウスは帰宅部の手により消えてしまった。
梔子――――弓野胡桃は、再び独りぼっちになった。
夢から覚めた少女は現実(じごく)へ落ちる。
大切なものは何も残っていない。
生きる理由はこの世界にない。
母も父も姉も居ない。
希望は何もない。
おんぼろ。
梔子――――弓野胡桃は、再び独りぼっちになった。
夢から覚めた少女は現実(じごく)へ落ちる。
大切なものは何も残っていない。
生きる理由はこの世界にない。
母も父も姉も居ない。
希望は何もない。
おんぼろ。
〇〇〇
気が付けば殺し合いに参加させられていた。
μが居るということは、再びメビウスに招かれたのだろうか。
身に着けているものは防火素材で編まれた銀色のジャンパーとマスク型の発声機械。
弓野胡桃ではなく、オスティナートの楽師である梔子の姿になっている事もその予想を裏付けている。
テミスの考えは解らないが、梔子は殺し合いに乗る気など無い。
関わりこそ少なかったが、仲の悪いわけではなかった少年ドールが殺されたのはショックではあった。だからといって報復をするほどの気力は今の梔子にはもう無かった。
そもそもの話、梔子は戦いが好きというわけでない。かつて仲間の楽士の一人に出来るなら戦いたくはないと洩らしていたほどである。
どんな願いでも叶えるというテミスの発言に心惹かれるものはある、だけど自分の願いは叶うはずが無いと冷めた心で諦めた。
何故なら梔子が望むものは失った家族を取り戻すこと。だけど、ここがメビウスならばそれは不可能だ。たとえどんな願いも叶うメビウスの中でも、現実世界で亡くなった者を生き返らせることは出来ない。それはNPCの家族と過ごしていた日々が証明している。
μが居るということは、再びメビウスに招かれたのだろうか。
身に着けているものは防火素材で編まれた銀色のジャンパーとマスク型の発声機械。
弓野胡桃ではなく、オスティナートの楽師である梔子の姿になっている事もその予想を裏付けている。
テミスの考えは解らないが、梔子は殺し合いに乗る気など無い。
関わりこそ少なかったが、仲の悪いわけではなかった少年ドールが殺されたのはショックではあった。だからといって報復をするほどの気力は今の梔子にはもう無かった。
そもそもの話、梔子は戦いが好きというわけでない。かつて仲間の楽士の一人に出来るなら戦いたくはないと洩らしていたほどである。
どんな願いでも叶えるというテミスの発言に心惹かれるものはある、だけど自分の願いは叶うはずが無いと冷めた心で諦めた。
何故なら梔子が望むものは失った家族を取り戻すこと。だけど、ここがメビウスならばそれは不可能だ。たとえどんな願いも叶うメビウスの中でも、現実世界で亡くなった者を生き返らせることは出来ない。それはNPCの家族と過ごしていた日々が証明している。
ならば殺し合いに乗らず、かつての帰宅部のようにこの世界から帰る方法を探すかと聞かれてはそれは否定する。
現実に帰ったところで彼女を出迎えてくれる人など、独りもいないのだから。
現実に帰ったところで彼女を出迎えてくれる人など、独りもいないのだから。
故に、梔子は殺し合いに乗ることはなく、かといって脱出に向けて動くわけでもない。
全てを失った少女はこの殺し合いに何も思うことも出来ず、もうどうなってもいいと言わんばかりに無気力にぼんやりと座っていた。
全てを失った少女はこの殺し合いに何も思うことも出来ず、もうどうなってもいいと言わんばかりに無気力にぼんやりと座っていた。
「君!大丈夫か!」
(……声、大きい)
〇〇〇
鬼殺隊炎柱。人間。煉獄杏寿郎。
燃えるような橙色が差す羽織に身を包み、堂々とした風格で大地を駆けるその姿。
名は体を表すというが、例えるなら煉獄という名の通り、炎という言葉が相応しいだろう。
この地に飛ばされてからの煉獄の行動は早かった。
何故、死んだはずの自分が生きているのかは解らないが、それを考えた所ですぐに答えなど出るはずがない。ならば生きていることを好機と考え、自分の責務を再び全うすべきである。煉獄はそう結論づけた。
”弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です”。
幼き頃、母より告げられたその言葉を今一度思い返し、「行って参ります!」と声を張る。
この場には一刻も早く討たねばならない者が二人居る。
一人は『下弦の伍』累。かつて冨岡義勇が首を斬った鬼の一人。
そしてもう一人は鬼舞辻無惨。鬼殺隊の最終目標である原初の鬼。
この場には同じ鬼殺隊の一員である冨岡義勇も呼ばれている。ならば一刻も早く合流し、共に鬼を討たねばならない。
燃えるような橙色が差す羽織に身を包み、堂々とした風格で大地を駆けるその姿。
名は体を表すというが、例えるなら煉獄という名の通り、炎という言葉が相応しいだろう。
この地に飛ばされてからの煉獄の行動は早かった。
何故、死んだはずの自分が生きているのかは解らないが、それを考えた所ですぐに答えなど出るはずがない。ならば生きていることを好機と考え、自分の責務を再び全うすべきである。煉獄はそう結論づけた。
”弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です”。
幼き頃、母より告げられたその言葉を今一度思い返し、「行って参ります!」と声を張る。
この場には一刻も早く討たねばならない者が二人居る。
一人は『下弦の伍』累。かつて冨岡義勇が首を斬った鬼の一人。
そしてもう一人は鬼舞辻無惨。鬼殺隊の最終目標である原初の鬼。
この場には同じ鬼殺隊の一員である冨岡義勇も呼ばれている。ならば一刻も早く合流し、共に鬼を討たねばならない。
しばらく走ると城が見えた。地図と照らし合わせるに「ムーンブルク城」という名前らしい。もっとも、城と呼ぶには屋根すら見当たらず、取り急ぎ城壁だけ作成したという印象を受ける。
正面の出城部分より入ると、遠目に少女の姿が見えた。
その少女は、鬼殺隊の仲間である伊黒小芭内のように口元を隠した、何処か影のある表情をしていた。
正面の出城部分より入ると、遠目に少女の姿が見えた。
その少女は、鬼殺隊の仲間である伊黒小芭内のように口元を隠した、何処か影のある表情をしていた。
「君!大丈夫か!」
心配し、声を掛けんと一歩踏み出し。
「む!」
カチリ、と乾いた音が響いた。
不意に嫌な予感を察知し、後ろに小さく跳ねる。すると先ほどまで向かわんとしていた道筋には火が上がっていた。
煉獄も梔子も知らないことであったが、このムーンブルク城はかつてビルドがハーゴン教団との戦いの中で拠点として使っていた施設である。その戦いの中で設置された罠の数々は、平和を取り戻した後も解除されること無いままに、この会場へと配置されていた。
不意に嫌な予感を察知し、後ろに小さく跳ねる。すると先ほどまで向かわんとしていた道筋には火が上がっていた。
煉獄も梔子も知らないことであったが、このムーンブルク城はかつてビルドがハーゴン教団との戦いの中で拠点として使っていた施設である。その戦いの中で設置された罠の数々は、平和を取り戻した後も解除されること無いままに、この会場へと配置されていた。
「脅かせてしまったか!だが君に危害を加えるつもりはない!」
少女の方を見る。
罠を仕掛けたのが彼女かどうかは解らないが、弱き者は守らねばならない。
こちらに敵意が無いことを示し、返答を待つ。
罠を仕掛けたのが彼女かどうかは解らないが、弱き者は守らねばならない。
こちらに敵意が無いことを示し、返答を待つ。
「ハッ……ハァッ……アア……」
返答は荒れた呼吸音。そしてばたり、と地に倒れる音で帰ってきた。
「大丈夫か!」
パニック発作。
感情的な脅威を起因として起こる突発的な発作である。
罠として発動したギラタイルの火、それを目撃してしまったことで梔子のトラウマがフラッシュバックした。
煉獄にそのことはわからない。だが目の前に苦しむものが居るならば迷わず助けに向かう。
煉獄杏寿郎とはそういう男である。
だが、少女に近づかんと一歩踏み出せば、城に仕掛けられた罠が牙を剥く。
この場にあるのは、かつて破壊神の力を持つ少年すらその強さに妬んだ魔法兵器の数々。
本来魔物相手に用いるそれを人の身で受けては命を散らすことは間違いない。
感情的な脅威を起因として起こる突発的な発作である。
罠として発動したギラタイルの火、それを目撃してしまったことで梔子のトラウマがフラッシュバックした。
煉獄にそのことはわからない。だが目の前に苦しむものが居るならば迷わず助けに向かう。
煉獄杏寿郎とはそういう男である。
だが、少女に近づかんと一歩踏み出せば、城に仕掛けられた罠が牙を剥く。
この場にあるのは、かつて破壊神の力を持つ少年すらその強さに妬んだ魔法兵器の数々。
本来魔物相手に用いるそれを人の身で受けては命を散らすことは間違いない。
その牙を向ける相手が煉獄杏寿郎でなければ。
――――炎の呼吸・壱ノ型 不知火
炎が瞬いた。
炎が燃え上がる瞬間を目で追うことが不可能なように、その踏み込みは人の目に見ることは叶わない。
燃え盛るギラタイルも。凍て付くヒャドトラップの冷気も。向かってくる大弓の一撃も。
どれだけの強さを誇る兵器であれど、当たらねばその身は安泰である。
刹那。まるで身体がすり抜けるように罠を駆け抜け、勢いを残さぬまま入り口を塞ぐように雷撃を放つデインバリアを叩き切った。
炎が燃え上がる瞬間を目で追うことが不可能なように、その踏み込みは人の目に見ることは叶わない。
燃え盛るギラタイルも。凍て付くヒャドトラップの冷気も。向かってくる大弓の一撃も。
どれだけの強さを誇る兵器であれど、当たらねばその身は安泰である。
刹那。まるで身体がすり抜けるように罠を駆け抜け、勢いを残さぬまま入り口を塞ぐように雷撃を放つデインバリアを叩き切った。
〇〇〇
「うむ!元気になったようだな!」
「……すまない、見苦しいところを見せた」
梔子が落ち着いたのを確認した煉獄は、お互いの情報交換を行うことにした。
最初はあまり話したがらない様子の梔子であったが、次第に煉獄のテンションに観念したのか、ぽつりぽつりと機械越しの声で自己紹介を始めた。
その話の中で煉獄は、梔子が最初の会場で殺された少年ドール、そしてμと親しい仲であったことに驚き、詳しい情報を求める。とはいえ、大正に生きる煉獄と現代社会に生きる梔子では、前提知識から異なるためにその話の理解には苦戦を強いられた。
最初はあまり話したがらない様子の梔子であったが、次第に煉獄のテンションに観念したのか、ぽつりぽつりと機械越しの声で自己紹介を始めた。
その話の中で煉獄は、梔子が最初の会場で殺された少年ドール、そしてμと親しい仲であったことに驚き、詳しい情報を求める。とはいえ、大正に生きる煉獄と現代社会に生きる梔子では、前提知識から異なるためにその話の理解には苦戦を強いられた。
「”ばぁちゃどぉる”とやらは初めて聞いた!人の代わりに歌うからくりか、面白い!」
「テミスという人は私の知っている楽士の中には居なかった、それにしても鬼か……人間以外にも外道は居るんだな……」
そうした状況について進めていくうちに、互いの知り合いについての話となった。
梔子はまだ確認していなかったことに気づき、名簿を取り出す。
梔子はまだ確認していなかったことに気づき、名簿を取り出す。
天本彩声。
かつての敵、帰宅部の一人である。梔子は彼女も来ているのか、と小さく呟いた。
メビウスの戦いの中では敵対する立場同士ではあったが、梔子は彼女に助けてもらったことがある。心優しい彼女を思い、無事でいてほしいと安否を祈った。
かつての敵、帰宅部の一人である。梔子は彼女も来ているのか、と小さく呟いた。
メビウスの戦いの中では敵対する立場同士ではあったが、梔子は彼女に助けてもらったことがある。心優しい彼女を思い、無事でいてほしいと安否を祈った。
Stork。
かつての仲間、オスティナートの楽士の一人。変態である。
メビウスの中でも欲望の赴くままに覗きばかりしていた。
だけど悪い奴ではない、きっと殺し合いには乗らないだろうと予想する。
かつての仲間、オスティナートの楽士の一人。変態である。
メビウスの中でも欲望の赴くままに覗きばかりしていた。
だけど悪い奴ではない、きっと殺し合いには乗らないだろうと予想する。
ウィキッド。
彼女もまたオスティナートの楽士の一人。梔子は彼女のことはあまり好きではない。
というのも楽士随一の攻撃性を持つ彼女は、暴力嫌いの梔子とはどうにも相性が悪かった。
この殺し合いでも、好き勝手暴れるつもりだろうから警戒したほうがいい。そう煉獄に告げた。
彼女もまたオスティナートの楽士の一人。梔子は彼女のことはあまり好きではない。
というのも楽士随一の攻撃性を持つ彼女は、暴力嫌いの梔子とはどうにも相性が悪かった。
この殺し合いでも、好き勝手暴れるつもりだろうから警戒したほうがいい。そう煉獄に告げた。
そして、もう一人知っている名があった。
「琵琶坂……永至……ッ!」
思わず名簿を握りつぶした。
何故ならその名は全ての元凶。悪意の炎。家族を殺した憎き宿敵。
梔子の唯一の生きる目的であった復讐、それを行うべき相手である。
何故ならその名は全ての元凶。悪意の炎。家族を殺した憎き宿敵。
梔子の唯一の生きる目的であった復讐、それを行うべき相手である。
「む、その名前がどうした?」
そう言った後に、気づいた。
梔子の身体が震えていることに。
梔子の身体が震えていることに。
――――梔子の心の奥に踏み込みますか…?
「……言いたくないなら無理に答える必要はない」
――――踏み込まない
煉獄は先ほどまでと違う、身を案じるような落ち着いた声で続け、梔子もそれに安堵した。
〇〇〇
「解らないことだらけだな!梔子少女よ!」
自己紹介を兼ねた情報交換は終わり、次は得られた情報から今後の方針を決める。
「煉獄さん、私には探さなきゃいけない奴が居る、だから……」
「そうか!ならば俺も共に行こう!」
言い終えるまえに煉獄の言葉が続いた。
梔子はその答えを予想していなかったのか、少々面食らった顔で煉獄の方を見た。
梔子はその答えを予想していなかったのか、少々面食らった顔で煉獄の方を見た。
「……いいのか?」
「遠慮することはない!」
「いや遠慮というか……そうか、ならよろしく頼む」
「うむ!」
そうして二人はムーンブルク城から出る。
罠の仕掛けられていない裏口側から出たため、今度は梔子の発作は起こらなかった。
梔子は煉獄の後ろを行き、考え事をする。
罠の仕掛けられていない裏口側から出たため、今度は梔子の発作は起こらなかった。
梔子は煉獄の後ろを行き、考え事をする。
(あの時、μの様子はおかしかった)
思い返すのは、最初の会場でのμの姿。
天真爛漫な彼女らしくない、生気を感じない佇まい。それにテミスの幸せのためとはいえ、少年ドールを殺すという、人の幸せを願う彼女ならまずやらないであろう行動。
かつて人々の負の感情に囚われ、現実世界を崩壊させようとした際でもそういったことはしなかった。詳しいことは解らないが、おそらくはテミスとやらに何かされたのだろうと予想する。
天真爛漫な彼女らしくない、生気を感じない佇まい。それにテミスの幸せのためとはいえ、少年ドールを殺すという、人の幸せを願う彼女ならまずやらないであろう行動。
かつて人々の負の感情に囚われ、現実世界を崩壊させようとした際でもそういったことはしなかった。詳しいことは解らないが、おそらくはテミスとやらに何かされたのだろうと予想する。
(それに琵琶坂永至……)
琵琶坂永至。本来彼は既にこの世に居ない人物である。
梔子の復讐は成就することなく、彼は自分の預かり知らぬところで死亡したはずだった。
楽士の一人であるシャドウナイフがビルから転落した際、巻き込まれて下敷きになったと聞いている。この目で死ぬところを確認したわけでは無かったが、メビウスでの死は現実での死と同じ。
死亡した者はメビウスに招くこともできず、居ることすらできない。死体が消失したことからも琵琶坂が死亡していたことは確実だった。
梔子の復讐は成就することなく、彼は自分の預かり知らぬところで死亡したはずだった。
楽士の一人であるシャドウナイフがビルから転落した際、巻き込まれて下敷きになったと聞いている。この目で死ぬところを確認したわけでは無かったが、メビウスでの死は現実での死と同じ。
死亡した者はメビウスに招くこともできず、居ることすらできない。死体が消失したことからも琵琶坂が死亡していたことは確実だった。
(同姓同名か……あるいは……)
だけど、何の罪も与えられずに下衆な笑みを浮かべて、今ものうのうと生きているのならば。
被害者遺族である梔子にとってそれは我慢できるものでは無い。
琵琶坂永至を探し、本人かどうか確認し、然るべき罰を与える。それが彼女の今の目的である。
被害者遺族である梔子にとってそれは我慢できるものでは無い。
琵琶坂永至を探し、本人かどうか確認し、然るべき罰を与える。それが彼女の今の目的である。
どんな願いでも叶う理想の世界メビウス。その世界の主、μが出来ないことの一つが死者の蘇生であった。だけど名簿には死亡したはずの復讐相手の名前が乗っており、そして自分のことを殺されたと申し出た煉獄が居る。
死亡した者が生き返るはずがない。だけど、その前提が崩れているのならば。
死亡した者が生き返るはずがない。だけど、その前提が崩れているのならば。
梔子が何よりも大切な家族の顔を思い浮かべたとき、彼女は無意識のうちに右手をぎゅっと握りしめていた。
【C-5/深夜/一日目】
【梔子@Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-】
[状態]:健康、疲労(小)、パニック発作(ほぼ治まってる)
[服装]:メビウスの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3
[状態・思考]
基本行動方針:琵琶坂永至に然るべき報いを
1:琵琶坂永至が本人か確かめる
2:本当に死者が生き返るなら……
[備考]
※参戦時期は帰宅部ルートクリア後です。
※キャラエピソードの進行状況は後続の方にお任せします。
【梔子@Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ-】
[状態]:健康、疲労(小)、パニック発作(ほぼ治まってる)
[服装]:メビウスの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3
[状態・思考]
基本行動方針:琵琶坂永至に然るべき報いを
1:琵琶坂永至が本人か確かめる
2:本当に死者が生き返るなら……
[備考]
※参戦時期は帰宅部ルートクリア後です。
※キャラエピソードの進行状況は後続の方にお任せします。
【煉獄杏寿郎@鬼滅の刃】
[状態]:健康
[服装]:いつもの隊服
[装備]:ほのおのつるぎ@ドラゴンクエストビルダーズ2
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2
[状態・思考]
基本行動方針:弱き者を守る
1:梔子を守る
2:冨岡義勇と合流し鬼舞辻無惨を討つ
[備考]
※参戦時期は死亡後です。
[状態]:健康
[服装]:いつもの隊服
[装備]:ほのおのつるぎ@ドラゴンクエストビルダーズ2
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2
[状態・思考]
基本行動方針:弱き者を守る
1:梔子を守る
2:冨岡義勇と合流し鬼舞辻無惨を討つ
[備考]
※参戦時期は死亡後です。
【支給品紹介】
【ほのおのつるぎ@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】
煉獄杏寿郎に支給。
もえさかる おおきな炎を かたどった剣。
チカラをためて振るうと火の玉を飛ばすことができる。
【ほのおのつるぎ@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島】
煉獄杏寿郎に支給。
もえさかる おおきな炎を かたどった剣。
チカラをためて振るうと火の玉を飛ばすことができる。
前話 | 次話 | |
私、もう不用意にフラグは建てないって言ったよね! | 投下順 | ほんとのきもちはひみつだよ |
前話 | キャラクター | 次話 |
GAME START | 梔子 | 闇を暴け(上) |
GAME START | 煉獄杏寿郎 | 闇を暴け(上) |