「………」
「………」
「………」
じりじり
にじりにじりにじり
にじりにじりにじり
静かに
静かに、その戦いは続いていた
静かに、その戦いは続いていた
じりじりじりじり
壁に背をつけながら歩く男の姿はなんとも不審人物全開である
ここが学校町でなければ、一発で通報者である
壁に背をつけながら歩く男の姿はなんとも不審人物全開である
ここが学校町でなければ、一発で通報者である
にじりにじりにじり
しかし、いくら壁沿いに歩いていても、その内壁は途切れる
男の背中が壁から離れる
しかし、いくら壁沿いに歩いていても、その内壁は途切れる
男の背中が壁から離れる
…その、瞬間
【♪ ~ 子づくりしましょ お慕い申しております ~ ♪】
「------っ!?」
男の携帯が、着メロを奏ではじめた
まずいっ!?
男は、急いで走り出す
ぴ、と
電話に出てもいないのに、勝手に通話が繋がってしまった
まずいっ!?
男は、急いで走り出す
ぴ、と
電話に出てもいないのに、勝手に通話が繋がってしまった
『もしもし、私メリーさん』
まずいまずいまずいまずいまずい!!!
『私、今…』
間に合え
間に合えぇええええ!!!!!!!
間に合えぇええええ!!!!!!!
『あなたの後ろに……あぁっ!?』
ッセーーーーーーフ!!!!
男は、再び建物の壁に背をつけた
メリーさんが、電話の向こうで悲鳴をあげる
男は、再び建物の壁に背をつけた
メリーさんが、電話の向こうで悲鳴をあげる
『酷いよぅ、どうして背後に回らせてくれないの?』
「やかましいわ、このストーカー幼女が。誰がお前なんぞに殺されるか」
「やかましいわ、このストーカー幼女が。誰がお前なんぞに殺されるか」
絶対に、背後に回らせやしない
だから、俺は壁に背をつけて行動し続けてくれるわっ!!!
だから、俺は壁に背をつけて行動し続けてくれるわっ!!!
メリーさんにとり憑かれてからずっと続くこの生活
いつ解放されるのか、それは未だにわからない
いつ解放されるのか、それは未だにわからない
続く予定なんてない
皆の衆! 名案を思い付いたぞ!!
①二ノ宮金次郎像を背負う。きっと金次郎がキミを守ってくれる。
②コトリバコを武装する。メリーさんは死ぬ。
②コトリバコを武装する。メリーさんは死ぬ。
529
①の場合
「そうか、二宮金次郎像を、か………よし!」
ぐ
ぐぐぐぐぐぐぐぐ…
ぐぐぐぐぐぐぐぐ…
……………
【♪ ~ 一生尽くしてゆきます 殿方好みの女へ ~ ♪】
『もしもし、私メリーさん…どうして、二宮金次郎像の横で不貞腐れて仰向けで寝てるの?』
「やかましい」
「やかましい」
背負えませんでしたorz
529
②の場合
「コトリバコ?何だそれ?……とりあえずググるか」
………
…………
……………!?
…………
……………!?
【♪ ~ 磨きをかけてゆきます ゆきます ~♪】
『もしもし、私メリーさん。どうして仰向けでベッドに潜ってガクブル震えてるの?』
「コトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイ……」
「コトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイコトリバココワイ……」
トラウマになりますた