将門公との話を終えて、天倉達が寝ている部屋に戻る
部屋に戻ると、二人共、目を覚ましていたようだった
部屋に戻ると、二人共、目を覚ましていたようだった
「…目を覚ましたか」
「あ…獄門寺君」
「あ…獄門寺君」
みー、と、花子さんが俺に駆け寄ってくる
花子さんを撫でてやりながら、俺は天倉達に視線をやった
…見た限り、翼さんが言った通り、怪我の痕は残っていない
紗奈の右目も、問題なく見えているようだ
花子さんを撫でてやりながら、俺は天倉達に視線をやった
…見た限り、翼さんが言った通り、怪我の痕は残っていない
紗奈の右目も、問題なく見えているようだ
「……二人共、怪我は、大丈夫か?」
他に、言うべき事があるはずなのだが
まず、口に出せたのは、それだった
…どう、切り出せばいいのか……わからない
まず、口に出せたのは、それだった
…どう、切り出せばいいのか……わからない
「あ、うん…大丈夫」
「私達は……大丈夫、だけど…」
「私達は……大丈夫、だけど…」
二人の視線が、沈む
…恐らく、だが
あの場にあった死体は、この二人の、両親なのだろう
天倉達は………両親を、失った事になる
これから、二人がどうやって生活していくのか
これからのことも、考えていかなければならない
…恐らく、だが
あの場にあった死体は、この二人の、両親なのだろう
天倉達は………両親を、失った事になる
これから、二人がどうやって生活していくのか
これからのことも、考えていかなければならない
「……ほら、今日は、まずは休んでろ」
ぽふ、と
翼さんが、天倉達の頭をなでた
二人に、気遣うような視線を向けている
翼さんが、天倉達の頭をなでた
二人に、気遣うような視線を向けている
「ぁ…でも、私達…」
「「首塚」は、「組織」に害された者の味方だ。このまま、ここに泊まって行けばいい」
「「首塚」は、「組織」に害された者の味方だ。このまま、ここに泊まって行けばいい」
翼さんはそう言うが、二人共不安そうだ
…それは、そうだろう
見ず知らずの場所だ、警戒しない方がおかしい
…それは、そうだろう
見ず知らずの場所だ、警戒しない方がおかしい
だが、翼さんの言う通り、二人は今夜はここ、「首塚」の本拠地に泊まった方がいいだろう
正直、帰りにくいだろうし………「組織」の、天倉達を害した黒服の息がかかった追っ手がないとも、限らない
正直、帰りにくいだろうし………「組織」の、天倉達を害した黒服の息がかかった追っ手がないとも、限らない
「…花子さん」
「みー?」
「…天倉達が不安にならないように、傍にいてやってくれないか?」
「みー?」
「…天倉達が不安にならないように、傍にいてやってくれないか?」
花子さんが傍にいれば、その不安も少しはマシになるかもしれない
そう考えて、花子さんに頼んでみた
みー、と花子さんは頷いてくる
そう考えて、花子さんに頼んでみた
みー、と花子さんは頷いてくる
「わかったの、でも、それだとけーやくしゃ、お家に帰るのどうするの?」
………
そう言えば、ここ、「首塚」の本拠地は異界……
…………
いや、まぁ
花子さんのトイレワープを使わなくとも、現実とも重なっている部分があるし、帰れない訳じゃない
そう言えば、ここ、「首塚」の本拠地は異界……
…………
いや、まぁ
花子さんのトイレワープを使わなくとも、現実とも重なっている部分があるし、帰れない訳じゃない
「あぁ、龍一なら、フィラちゃんに頼んで送ってもらうから、大丈夫だ」
「………すみません」
「………すみません」
翼さんの言葉に、小さく頭を下げる
いや、頭を下げるべきは、「フィラデルフィア計画」の契約者である、あの女性だとわかってはいるのだが
いや、頭を下げるべきは、「フィラデルフィア計画」の契約者である、あの女性だとわかってはいるのだが
…と
花子さんが、俺を心配そうに見上げてきている事に気付いた
大丈夫だ、というように頭を撫でて落ち着かせてやる
花子さんが、俺を心配そうに見上げてきている事に気付いた
大丈夫だ、というように頭を撫でて落ち着かせてやる
……さぁ
明日から、忙しくなるな
翼さんが「フィラデルフィア計画」の契約者を呼びに行く後姿を見送りながら、俺はぼんやりと、そう考えた
明日から、忙しくなるな
翼さんが「フィラデルフィア計画」の契約者を呼びに行く後姿を見送りながら、俺はぼんやりと、そう考えた
家に帰った時、家の者達は既に眠っていたようで、家の中は静まり返っていた
起こさないよう、そっと歩く
起こさないよう、そっと歩く
「………」
自分の部屋に、入る前に
童子切安綱の様子が何となく、気になって
先に、安綱を安置している部屋に、向かった
童子切安綱の様子が何となく、気になって
先に、安綱を安置している部屋に、向かった
静かに、襖を開ける
…部屋には、既に先客がいた
…部屋には、既に先客がいた
「…ぬら、来ていたのか」
「よぅ、龍。帰ってきたか」
「よぅ、龍。帰ってきたか」
くるり、振り返ってくるぬらりひょん
……こいつはまた、酒を勝手に持ち出して
まぁ、いつもの事だが
……こいつはまた、酒を勝手に持ち出して
まぁ、いつもの事だが
小さくため息をつきながら、部屋に入る
…安綱は、いつも通りだ
静かに、そこにある
…安綱は、いつも通りだ
静かに、そこにある
「………龍?何か、あったのか?」
笑っていたぬらだったが…俺の様子に、表情が、変わった
…ぬら相手に隠し事をして、隠しとおせた試しはない
正直に、答える
…ぬら相手に隠し事をして、隠しとおせた試しはない
正直に、答える
「…………クラスメイトが、都市伝説絡みの厄介事に、巻き込まれた………命は、助かったが………俺は、また、失敗した」
脳裏を過ぎるのは
赤い光景と、倒れている花子さんと、「ハナ」の悲鳴
血塗れた俺をお化けと言って、怖がって泣いて逃げて出した「ハナ」の後姿
赤い光景と、倒れている花子さんと、「ハナ」の悲鳴
血塗れた俺をお化けと言って、怖がって泣いて逃げて出した「ハナ」の後姿
また、俺は失敗した
天倉達は、辛うじて助かった
だが、彼女達の両親は助けられなかった
それに、後一歩、遅かったら………
天倉達は、辛うじて助かった
だが、彼女達の両親は助けられなかった
それに、後一歩、遅かったら………
これ以上、失敗を重ねる訳にはいかない
俺は、もっと強くならなければならない
俺は、もっと強くならなければならない
「…ぬら、俺に話があるんだろう?」
ぬらを、真っ直ぐに見詰める
以前、俺を訪ねてきた時、本当は話があるようだった
あれ以来、伸ばし伸ばしになっている、それを改めて尋ねる
以前、俺を訪ねてきた時、本当は話があるようだった
あれ以来、伸ばし伸ばしになっている、それを改めて尋ねる
「あぁ……だが、お前さんに、今、それを聞かせるには…」
「………悪い話なら、まとめて聞いた方がいい」
「………悪い話なら、まとめて聞いた方がいい」
俺の、言葉に
ぬらは、視線を彷徨わせた後……観念したように、口を開く
ぬらは、視線を彷徨わせた後……観念したように、口を開く
「………お前が、安綱で斬った相手、覚えてるか?」
「…鬼動丸の事か?」
「そうだ……かつて、酒呑が束ね、次にそいつが束ねていた鬼共が………また、集まりだしている」
「…鬼動丸の事か?」
「そうだ……かつて、酒呑が束ね、次にそいつが束ねていた鬼共が………また、集まりだしている」
酒呑童子の息子と言われている、鬼動丸が束ねていた、鬼の群れ
俺が鬼動丸を斬った後、それは散り散りになっていたらしいのだが…
俺が鬼動丸を斬った後、それは散り散りになっていたらしいのだが…
「…どう言う事だ?」
「……茨木童子辺りが、何か企んでいるのかもしれねぇ」
「……茨木童子辺りが、何か企んでいるのかもしれねぇ」
ぐい、と酒を飲み干すぬら
真剣な表情で続けてくる
真剣な表情で続けてくる
「…もし、あいつが来たならば、狙いは安綱と」
つ、と童子切安綱を指差す
そして、その指先は……そのまま、俺に向けられた
そして、その指先は……そのまま、俺に向けられた
「お前だ、龍(りゅう)。酒呑童子を斬った龍(たつ)の血を引き、そして、酒呑の息子の鬼動丸を斬ったお前。それが目的だろう」
「…………そうか」
「…………そうか」
小さくため息をつく
童子切安綱に、視線を向けた
安綱は、何も答えず、そこに在るだけだ
童子切安綱に、視線を向けた
安綱は、何も答えず、そこに在るだけだ
「…なら、俺は。余計に、強くならなければならない」
「龍…?」
「………ぬら。昔のように、俺に稽古をつけてくれ。実戦形式の、戦い方を」
「龍…?」
「………ぬら。昔のように、俺に稽古をつけてくれ。実戦形式の、戦い方を」
俺の、言葉に
ぬらは、一瞬驚いたような表情をした
…だが、すぐに頷いてくる
ぬらは、一瞬驚いたような表情をした
…だが、すぐに頷いてくる
「…わかった。昔と一緒で、手加減しねぇぞ」
「……手加減をされては困る」
「……手加減をされては困る」
もっと先へ
もっと上へ
もっと上へ
安綱に、真に認められる程に、強くならなければ
八代目様のように
俺は、強くならなければならないのだ
俺は、強くならなければならないのだ
to be … ?