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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴-01

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  さぁさ、思い出して御覧なさい
  貴方たちは、どうして出会ったのか

  さぁさ、思い出して御覧なさい
  貴方たちは、どうして共に在る事を選んだのか


  さぁさ、思い出して御覧なさい
  貴方たちは、だぁれ?





                    Red Cape





 あぁ、もう
 イライラする、イライラする、イライラする!!
 少女は苛立ちを隠すことをなく、ずんずんと歩いていた
 子供用のブランド物の服に身を包み、しかし、その服とはどこかアンバランスな、赤い靴を履いた少女
 ずんずん、ずんずん
 あぁ、もう、イライラする!!
 どうして、自分は勝てないのだろう
 どうして、いつも負けてしまうのだろう
 今まで、そんな事はなかった
 てる相手にだけ、勝負を挑むようにしてきたはずだった
 今はまだ、レベルアップの最中なのだから
 格下の相手だけと戦い、経験を積む最中
 …そのはず、だったのに
 いつからか、自分たちは負け続けている
 …あの、赤マントと赤いはんてんに負けてから、ずっと……

「あまり苛立つと体によくないぞ?」
「うっさいわね!」

 あぁ、もう、誰のせいだと思っているのだ、このロリコンショタコン変態どマゾ!!
 自分と契約している都市伝説に、心の中でありったけの罵倒をぶつける
 直接、口には出してやらない
 そうしたら、喜びやがるから、このどマゾは
 …とにかく、自分たちよりも、弱い相手を探そう
 そして、そいつらと戦い、強くなるのだ

 この辺りで、一度、それを何とかしなければ
 …だからこそ、この暗くなってきた時間帯、迎えの車も呼ばずに外を歩いているのだ
 そうじゃなければ、こんな時間に外を出歩くものか
 ずんずん、ずんずん、ずんずんずん
 歩き、歩き続けていると

「……いるぞ」
「えぇ」

 わかる
 赤い靴が感じとったのならば、それは自分にもわかる
 一体どう言う能力なのかよくわからないが、この赤い靴は他の都市伝説の気配を感じ取りやすい
 噂に聞く、赤い目をした女性ほど高度な感知能力ではないものの、微弱ながらも都市伝説の気配を感じ取れる、と言う能力は有利である
 だからこそ、今まで順調に弱い都市伝説と戦い、強くなってきたのだから
 …ひたひたと
 背後から、誰かが近づいてきている
 狙いは……自分か
 子供狙いの都市伝説か?

 (…まぁ、何だっていいわ)

 さぁ、かかってこい
 返り討ちにしてやる……!
 ずんずんずん
 少女は、振り返る事なく歩き続ける
 気付いていないふりをして
 徐々に、徐々に
 気配は、近づいてきて……

 ………刹那
 感じ取る殺意
 何かが……自分の、肩の付け根辺りを狙って、向かってくる

「っ!!」

 っば!と
 少女は身を翻し、その攻撃をかわした
 一瞬前まで少女がいたそこを、鋭い刃物が通り過ぎた
 東南系の顔立ちをした男が、舌打ちする

「ちょっと!避けられてんじゃないわよ!」

 いらだったように、その男に声をかける、女の声
 男の後方に、ジャラジャラとした装飾品に身を包んだ、けばけばしい化粧と服装の女が立っていた
 俗に言う、お水系と言うかそんな感じの服装だ

「何よ、おばさん。いたいけな小学生襲うなんて、犯罪なんじゃない?」

 …うん、弱そうだ
 少女は、そう判断した
 逃げるのではなく、戦おうと決める
 少女のおばさん発言に、ピキ、と女は怒りを隠そうとしない

「きぃいいいい!!ちょっと、こんな生意気なガキ、さっさと片付けちゃいなさいよ!」
「ワカッタ」

 片言の日本語で、男は答えた
 手に持つ獲物はナイフ
 それで、少女に襲い掛かる!

「赤い靴履いてた女の子 異人さんに連れていかれちゃった」

 慌てずに、少女は歌う
 その男に対抗するために
 己が契約する都市伝説を呼び出す歌を
 己が契約する都市伝説の力を、解放する歌を

「!?」

 が!と
 具現化した赤い靴が、目にも止まらぬスピードで襲い掛かってきていた男の攻撃を受け止めた
 ぐぐぐぐ……と、力で相手を押さえ込む

「……っち、相手はババアか」
「だからって、ヤル気なくさないでよ」

 赤い靴が本領を発揮できるのは、幼女相手のみ(ただし、ある意味暴走確立もあがる)
 だが…純粋な腕力とて、充分、人間離れしているのである
 この程度の相手を押さえつけるくらいは、簡単だ

「キサマ……っ!?」
「『手首ごと盗んでいく泥棒』みたいだな。肩ごとバックを奪うつもりだったのか」

 赤い靴が呟いた言葉に、少女はなるほど、と思った
 自分が肩から下げる、この鞄
 これを狙った訳か


 『手首ごと盗んでいく泥棒』
 東南アジアだかのどこぞの国で、手首を切って、手首ごと高級時計を盗んでいく泥棒の話がある
 アメリカでも、手首を切ってそれごと指輪を盗むマフィアの話があったような
 …その能力の応用で、肩ごとバックを盗むつもりだったのだろう
 ……まぁ、気配を察知された時点で、既に落第だが

「なぁに?オバサン、このバックが欲しいわけ?」

 ひらひらと、少女はバックを相手の女に見せびらかすようにして見せた
 女は、怒りを隠そうともせずに睨みつけてくる

「そうよ、そんな高級ブランドバック、がきんちょには勿体無いわ!」
「っは!この程度の物も手に入れる事ができない貧乏人の、負け犬の遠吠えね」

 ふふん、と鼻で笑ってみせる
 ますます、女は激昂したようだった
 赤く靴に押さえ込まれている手首泥棒に怒鳴る

「ちょっと!さっさとそんな奴、やっつけちゃいなさいよ!」
「無駄よ。赤い靴は、一応仮にも時として、結構強いんだから」

 すたすたと
 少女は、女に近寄っていく
 恐れなど、ない
 相手は、自分たちよりも格下だ
 恐れを抱く必要などない
 そんなもの、抱いてしまったら…その時点で、負けだ
 すたすたと、少女は赤い靴と手首泥棒の横を通り抜け、女に近づいてく
 手首泥棒は少女を止めようとするが…赤い靴に押さえ込まれ、それを実行できない

「…糞餓鬼が!舐めるんじゃないわよ!」

 すらり
 女は持っていたブランドバック(もっとも、少女が遠目から見てもわかるようなニセブランド物だが)からナイフを取り出した
 ……しかし

「遅いのよ」
「-------!?」

 次の瞬間には
 少女が、そのナイフを蹴り上げていた
 ぽ~ん、と宙に放り出されたナイフ
 カランっ!と落ちて音を立てる

「な…」
「あたしが契約したのは、『赤い靴』。その主な能力は、相手をどこかに連れ去る事」

 でもね、と
 少女は、意地悪く意地悪く……笑って見せた

「それだけじゃあないのよっ!!」

 っが!!と
 少女の蹴りが、女の脇腹に命中した
 みし、と嫌な音が響く

「---っが!?」

 予想外の衝撃に、女は倒れこんだ
 …馬鹿な!?
 こんな、小学校低学年にしか見えない餓鬼の……どこに、こんな力が…!?

「もう一つ、単純で……でも、とっても便利な力」

 にやぁり、少女は笑って
 とんとん、っと履いている赤い靴で、アルファルトを叩く

「あたしも、赤い靴の力を使えるって事、わかるぅ?」

 そう、それはとっても単純で
 漫画やらライトノベルやらでよくありそうな、陳腐な力

「あたしの今の身体能力は、『赤い靴』と同等なのよ。わかるぅ?頭悪そうなオバサン」
「………!!??」

 …そう
 外見は、少女そのもののまま
 しかし、その身体能力は
 …そこで、手首泥棒を押さえつけている『赤い靴』の身体能力、そのもの
 その、身体能力から繰り出す攻撃を 
 ただの人間に過ぎない女が、受け止めきれるものか?

「じゃあねぇ。ばいばい」

 っが!!と
 少女は、倒れこんだ女に容赦なく蹴りを繰り出す
 がぼ、と口から胃液を吐き出す女
 少女は、何度も何度も、蹴りを入れて

「お~い、もう終わったぞ」
「……あら、そう?」

 と、契約主が気絶したために、力を失った手首泥棒を倒した赤い靴に声をかけられるまで
 その攻撃を、止めようとはしなかったのだった



「…あぁ、すっきりした」

 ぐぐぅ、と車の後部座席で背伸びする少女
 運動して疲れたので、家に迎えの車を用意させた
 そこで、のんびりと体を休める
 赤い靴も、傍にいるが…運転手には、見えていない

(そうよ、やっぱり、私たちはやればできるんだわ)

 このところの連敗で、自信を失いかけていた
 …しかし
 自分たちだって、やればできるのだ
 他の都市伝説に、負けてばかりではない
 自分たちは、こんなにも強いではないか!!

(赤い靴、あたしはこのゲーム、まだ降りないわよ)
「わかってる。まぁ、素敵な幼女にめぐり合えるチャンスがある限り、付き合うさ」

 めぐり合えても、想いが通じる事は絶対無い
 心の中でそう思いつつも、とりあえず突っ込む事はせず
 少女は、後部座席に身を沈めたまま、静かに眠りについたのだった



「……ヤレヤレ」

 眠ってしまった己の契約者の姿に、赤い靴は小さくため息をついた
 眠っている様子は、可愛げがあるのだが
 普段のあのワガママ態度ときたら
 普段の生活を見るに、親も周囲も甘やかし放題、あの恵まれきった環境では仕方ないかもしれないが…

「ま、ゲームから降りる気が起きるまで、こっちは付き合うまでか」

 契約者を護る
 それが、ロリであればなおさらのこと
 いつか、この契約者は成長し、ロリではなくなるだろうが、まぁ仕方ない
 ババアに興味はないが…ババアがいないと、新たなロリが生まれないのだから
 赤い靴は、もふもふと、眠っている己の契約者の頭を、静かに撫でてやったのだった






  それがどんな出会いだったか
  貴方は覚えていますか?

  それがどんな出会いだったか
  私は、覚えています

  貴方にとっては、覚えておくに越したことないであったとしても
  それは、私にとっては宝石のような輝きを持っていたのです





                       Red Cape



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