撃つ
ひたすら、撃ちつづける
花子さんの激流から逃れたパレードを、ひたすらに撃ちつづける
ひたすら、撃ちつづける
花子さんの激流から逃れたパレードを、ひたすらに撃ちつづける
…あの、パレードがどんな存在なのか
それを、俺は知らない
ただ……何故だろう
たとえ、あのパレードの正体が人間だった、としても
あれは、もう二度と、人間には戻れないだろう
そんな予感がして
それを、俺は知らない
ただ……何故だろう
たとえ、あのパレードの正体が人間だった、としても
あれは、もう二度と、人間には戻れないだろう
そんな予感がして
………だから、撃つ
それを言い訳にするように
せめて、死なせることで、今の状態から解放してやるのだと
そう、自分に言い聞かせ続ける
それを言い訳にするように
せめて、死なせることで、今の状態から解放してやるのだと
そう、自分に言い聞かせ続ける
「み!あともうちょっとなの!」
「…あぁ、そうだな」
「…あぁ、そうだな」
パレードは、大分、数を減らしてきている
再生能力が追いついてきていないのだ
再生能力が追いついてきていないのだ
……ただ
少し、心配なことが
少し、心配なことが
……○ティッチの着ぐるみの姿が、見えない
まさか……花子様たちの方に、向かったのか?
背中を、冷や汗が伝う
あちらとて、花子さんと同じように、傍に個室トイレと言うテリトリーがあれば、かなりの戦闘力を誇るはず
しかし…あの着ぐるみはパレードと違い、高い戦闘力を誇っているように思えた
はたして、大丈夫だろうか?
それに…傍にいた、花子様の契約者
…俺と違って、単体で戦闘力、あるんだろうか?
以前、赤いちゃんちゃんこ事件の時、共に行動した時から考えるに…
まさか……花子様たちの方に、向かったのか?
背中を、冷や汗が伝う
あちらとて、花子さんと同じように、傍に個室トイレと言うテリトリーがあれば、かなりの戦闘力を誇るはず
しかし…あの着ぐるみはパレードと違い、高い戦闘力を誇っているように思えた
はたして、大丈夫だろうか?
それに…傍にいた、花子様の契約者
…俺と違って、単体で戦闘力、あるんだろうか?
以前、赤いちゃんちゃんこ事件の時、共に行動した時から考えるに…
………
…………
……………
…………
……………
…あ、やばげ?
「急ぐぞ、花子さんっ!」
「うん!!」
「うん!!」
激流の威力が上がる
俺も、銃を連射し続ける
俺も、銃を連射し続ける
パレードは、次から次へと消えていく
まるで、初めから存在していなかったかのように
ダメージが一定以上蓄積されるたびに、消えていく
……あと、もう少しだ!
そう、俺が気を緩めてしまった…その時
まるで、初めから存在していなかったかのように
ダメージが一定以上蓄積されるたびに、消えていく
……あと、もう少しだ!
そう、俺が気を緩めてしまった…その時
ぞくり
全身を駆け抜けた、悪寒
全身を駆け抜けた、悪寒
「----花子さんっ!」
「み!?」
「み!?」
何時の間にか、花子さんの真横に居たのは
紫にピンクのシマシマの猫の着ぐるみ
……アリスのチェシャ猫かっ!?
距離が近すぎる
花子さんじゃ、対応しきれない!?
紫にピンクのシマシマの猫の着ぐるみ
……アリスのチェシャ猫かっ!?
距離が近すぎる
花子さんじゃ、対応しきれない!?
「っく!」
俺は、そちらに銃を向けた
至近距離には、花子さん
狙いを少しでも間違えば、花子さんに弾が当たる
至近距離には、花子さん
狙いを少しでも間違えば、花子さんに弾が当たる
間違いなど、許されず
しかし、即座に行動しなければならない
しかし、即座に行動しなければならない
『坊ちゃん、男って奴はね、ここぞと言う時に迷っちゃあいけないんですよ。銃ってのは、威力がすげぇ。簡単に人を殺せる道具だ。だが……ここぞと言う時に、引き金を引くのを迷っちゃいけねぇんです』
ハワイで、俺に銃の撃ち方を教えてくれた親父の部下の言葉を思い出す
確か、あいつあと2,3ヶ月で刑務所から出てくるよなぁ、とかどうでもいい事もうっかり思い出したりしつつ
確か、あいつあと2,3ヶ月で刑務所から出てくるよなぁ、とかどうでもいい事もうっかり思い出したりしつつ
…俺は、引き金を引いた
発射された水の弾丸は、俺の狙ったとおり、チェ○ャ猫の目に命中し、猫はその衝撃で後方に飛ばされる
ころん、とひっくり返ってじたばたしている様子は、どこかユーモラスですらあった
ころん、とひっくり返ってじたばたしている様子は、どこかユーモラスですらあった
「花子さんは、パレードに集中しててくれっ!」
「う、うん!」
「う、うん!」
パレードは花子さんに任せ、俺は○ェシャ猫の着ぐるみに銃を向けた
じたばた、しばし痛そうにしていた着ぐるみだが…突然、すくっ!と立ち上がり、ポーズなど決めてみせる
打ち抜いたはずの目は、既に回復していた
じたばた、しばし痛そうにしていた着ぐるみだが…突然、すくっ!と立ち上がり、ポーズなど決めてみせる
打ち抜いたはずの目は、既に回復していた
「…再生能力高いな、畜生」
さぁ、どうする?
どこを撃ち抜けば、行動不能になってくれるか?
相手は、あくまで「着ぐるみ」と言う概念に基づき、動いているはずだ
それを考えると、急所は人間と同じように思える
しかし、目を撃ち抜いてもすぐに回復されるとなると…
どこを撃ち抜けば、行動不能になってくれるか?
相手は、あくまで「着ぐるみ」と言う概念に基づき、動いているはずだ
それを考えると、急所は人間と同じように思える
しかし、目を撃ち抜いてもすぐに回復されるとなると…
『………』
「………?」
「………?」
……うん?
…何か
何か、おかしい
チェシャ○はポーズを決めたまま、動かない
…と、言うか…何か、首をかしげて
考え込んで、いるような?
…何か
何か、おかしい
チェシャ○はポーズを決めたまま、動かない
…と、言うか…何か、首をかしげて
考え込んで、いるような?
着ぐるみは、空を見上げる
空には、いつの間にやら…ぽっかりと、月が浮かんでいた
そんなに、長い時間戦っていたのだろうか
空には、いつの間にやら…ぽっかりと、月が浮かんでいた
そんなに、長い時間戦っていたのだろうか
『………』
ゆらん、ゆらんっ、と
本来の着ぐるみならば、動かないはずの尻尾が揺れている
思案しているような様子
本来の着ぐるみならば、動かないはずの尻尾が揺れている
思案しているような様子
「…来ないのか?」
返答など来ないであろうことを承知で、そう尋ねて見る
そうすると……表情など変わらないはずの着ぐるみの、顔が
その、ニヤニヤ笑いが……さらに、強化されたように見えた
そうすると……表情など変わらないはずの着ぐるみの、顔が
その、ニヤニヤ笑いが……さらに、強化されたように見えた
『終わる。終わるよ、もうすぐに。道化の時間はおしまいさ』
「………?」
「………?」
…あれ?
チェ○ャ猫に…そんなセリフ、あったっけ?
つか、こんな話し方だったろうか?
俺が疑問に思っていることなどおかまいなしに、着ぐるみは放し続けている
チェ○ャ猫に…そんなセリフ、あったっけ?
つか、こんな話し方だったろうか?
俺が疑問に思っていることなどおかまいなしに、着ぐるみは放し続けている
『王様起きたよ「夢の国」。仮初の王様目覚めたよ「夢の国」。そろそろ、悪夢の時間はおしまいさ。もうすぐ僕等は解放される』
「……っ!?どう言う事だ!?」
「……っ!?どう言う事だ!?」
銃を向けたまま、俺は○ェシャ猫に尋ねる
ニヤニヤ笑いを向けたまま…しかし、どこか、苦しそうに、着ぐるみは続けてくる
ニヤニヤ笑いを向けたまま…しかし、どこか、苦しそうに、着ぐるみは続けてくる
『これは全て仮初の夢。ゆっくりじっくり歪められた悪夢の時間。そろそろ、それはおしまいさ。誰かがそれを終わらせる。だけど、悪夢は尾を引くよ。僕等は死ぬまで解放されない』
…気付いた
あの着ぐるみは…自分の動きを、必死に押さえ込もうとしている
今すぐにでも、俺や花子さんに向かってこようとするのを、必死に必死に、押さえ込んでいた
あの着ぐるみは…自分の動きを、必死に押さえ込もうとしている
今すぐにでも、俺や花子さんに向かってこようとするのを、必死に必死に、押さえ込んでいた
『王様倒れりゃ皆倒れる?いやいや、違うよ悪夢は続く。それまで僕等は解放されない。けれど、死ねば解放される。僕等は悪夢を作らない。死んでも死んでも大丈夫。だって、僕等は「夢の国」の住人。「夢の国」では誰も死なない』
……一歩
チェ○猫が、こちらに近づく
チェ○猫が、こちらに近づく
『歪んだ物を直すには、一度壊さなきゃ駄目なのさ。壊して綺麗に元通り!普通は駄目だよ死んじゃうから。けれど、僕等は「夢の国」の住人。それで大丈夫』
一歩、一歩
ニヤニヤ笑いながら、しかし、苦しげに…着ぐるみが近づいてくる
ニヤニヤ笑いながら、しかし、苦しげに…着ぐるみが近づいてくる
『だから、壊しておくれよ、そこの坊や。一度、僕を壊しておくれ。そうすれば、僕は解放されるよ悪夢から。再生までは時間がかかる。直る頃には終わるよ悪夢。全ての幕が下ろされる』
「…………」
「…………」
一歩、一歩、一歩
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり
それは、近づいてくる
ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり
それは、近づいてくる
『さぁ、迷っちゃ駄目だよお坊ちゃん。早く僕を壊すんだ。僕が君を壊しちゃう前に』
「…………」
「…………」
チェ○ャ猫の、言葉に
俺は、静かに目を閉じた
銃は、着ぐるみに向けたまま
目を閉じ、静かに考え込む
俺は、静かに目を閉じた
銃は、着ぐるみに向けたまま
目を閉じ、静かに考え込む
…すらりっ
着ぐるみが武器を抜いたのが、気配でわかった
それが、こちらに向かって振り下ろされ…
着ぐるみが武器を抜いたのが、気配でわかった
それが、こちらに向かって振り下ろされ…
「御免な」
目を開き、俺は引き金を引いた
水の弾が、○ェシャ猫の心臓…と、思われる部分を撃ち抜いた
続けざま、目を、喉を、次々と撃ち抜いていく
水の弾が、○ェシャ猫の心臓…と、思われる部分を撃ち抜いた
続けざま、目を、喉を、次々と撃ち抜いていく
撃ち抜かれる痛みに、着ぐるみは悲鳴をあげる
けれど、俺は撃つのをやめない
何度も、何度も、何度も撃ち抜いて
けれど、俺は撃つのをやめない
何度も、何度も、何度も撃ち抜いて
…そして、着ぐるみの動きが、止まった
ニヤリ
最後にまた、着ぐるみは笑って
最後にまた、着ぐるみは笑って
『ありがと、坊や。これで僕は解放される。元の○ェシャ猫に戻れるよ。ありがと、ありがと……』
…ぱぁ、と
その体が…光の粒子となって、消えていく
その体が…光の粒子となって、消えていく
「…坊や、なんて呼ばれる歳じゃねぇよ」
ぼそり、呟く
…これで、あいつは本当に、救われたんだろうか?
…これで、あいつは本当に、救われたんだろうか?
「…けーやくしゃ?大丈夫?」
きゅう、と
何時の間にか、花子さんが俺の服の端を握ってきていた
じ、と心配そうに見上げてくる
何時の間にか、花子さんが俺の服の端を握ってきていた
じ、と心配そうに見上げてくる
「花子さん…パレードは…」
「うん、もう大丈夫だよ」
「うん、もう大丈夫だよ」
パレードは…もう、消えている
花子さんが、全て倒したのだろう
あとは…花子様たちの方だが…
花子さんが、全て倒したのだろう
あとは…花子様たちの方だが…
気のせいか?
さっきから絶叫とか絶叫とか絶叫とかが聞こえてきているような…
さっきから絶叫とか絶叫とか絶叫とかが聞こえてきているような…
「花子さん。花子様たちのところに戻るぞ」
「うん!花子様たちも心配なの!」
「うん!花子様たちも心配なの!」
俺は、花子さんと一緒に走る
嫌な予感を、振り払いながら
嫌な予感を、振り払いながら
…この戦いの後、「夢の国」の住人たちが、本来のあり方に戻れることを
ただ、祈りながら…
ただ、祈りながら…
to be …?