「首塚」の本拠地から天倉家へ帰ってきた姉妹は、従兄の徹に両親の死を伝えるために電話をしていた。
「……詳しい事が決まったら、また連絡するね」
『あぁ……俺に何か出来る事があれば、力になるから』
「うん……ありがとう」
通話を切り、息をつく。
『あぁ……俺に何か出来る事があれば、力になるから』
「うん……ありがとう」
通話を切り、息をつく。
家の中に残る思い出は温かく、優しかった。
両親の声も、その姿も思い出せる。
それが永遠に失われた。
もう、話をする事も出来ない。
巻き込んで死なせてしまった事を、謝る事すら出来ない。
両親の声も、その姿も思い出せる。
それが永遠に失われた。
もう、話をする事も出来ない。
巻き込んで死なせてしまった事を、謝る事すら出来ない。
ともすれば沈みがちな空気の中、紗江はふと、「首塚」の本拠地で天地が言った言葉を思い出した。
『悪事を働く都市伝説や契約者から罪なき人々を守る集団は、「組織」以外にもいくつもある。もし、お前達がまだ、その考えを抱けているのなら、他の集団に所属すると言う道もあるだろう。この「首塚」のような集団に、な』
「ね、紗奈ちゃん……今日、門条さんが『悪事を働く都市伝説や契約者から罪なき人々を守る集団は、「組織」以外にもいくつもある。私達がまだ、その考えを抱けているのなら、他の集団に所属すると言う道もあるだろう』って言ってたじゃない?
どこか別の集団に所属するか…それとも、今までみたいにどこにも所属しないで、周りの人達を護っていくか…紗奈ちゃんは、これから…どうしたい?」
どこか別の集団に所属するか…それとも、今までみたいにどこにも所属しないで、周りの人達を護っていくか…紗奈ちゃんは、これから…どうしたい?」
「私は……「首塚」で、周りの人達を護って行きたい。
翼さんにも、お世話になったし……関わった人達にも沢山迷惑掛けた分、少しでも力になりたいって思うの…」
翼さんにも、お世話になったし……関わった人達にも沢山迷惑掛けた分、少しでも力になりたいって思うの…」
「うん……」
今度翼と連絡が取れた時にその事を伝えてみようと紗江が考えていると、くい、と服の袖を小さく引っ張られた。
視線の先には、俯いて顔を赤くしている紗奈。
視線の先には、俯いて顔を赤くしている紗奈。
「ぁ……あの、紗江ちゃん……ちょっとお願いがあるんだけど……いい?」
「……?うん……どうしたの?」
「あのね………一緒に、寝てもいい?」
「うん。いいよ」
途端に安堵した表情を見せる紗奈。
その姿が愛らしくて、頬を緩めた。
「……?うん……どうしたの?」
「あのね………一緒に、寝てもいい?」
「うん。いいよ」
途端に安堵した表情を見せる紗奈。
その姿が愛らしくて、頬を緩めた。
―――
一つのベットで、ぴったりと寄り添いながら眠る二人。
その手は、互いの存在を感じるようにしっかりと繋がれていた。
その手は、互いの存在を感じるようにしっかりと繋がれていた。
深夜。
紗江は、すぐ横で眠る紗奈を見つめていた。
愛しい片割れが、悪夢にうなされる事のないように
ずっと
ずっと
ずっと
ずっと
紗奈が眠ってから、その寝顔を見つめ続けていた。
愛しい片割れが、悪夢にうなされる事のないように
ずっと
ずっと
ずっと
ずっと
紗奈が眠ってから、その寝顔を見つめ続けていた。
「………紗奈ちゃんは、私が護るから。誰にも殺させたりなんか、させないから」
そっと手を伸ばし、酷く優しい手つきで髪を撫でながら囁いた。
続く…?