「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-28k

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だれでも歓迎! 編集
 ーーーードスっ!!
 放たれた矢が、トランプの兵隊に突き刺さる
 だんっ!!と、トラプンの兵隊の体は、壁に矢が突き刺さった事により、縫い付けられてしまった
 ドスっ!ドスっ!ドスっ!!
 続けざま、無造作に放たれる矢
 夢の国のパレードたちが、次々と矢によって打ち抜かれ、消滅していく

「…ふむ、たまには弓も良いものだな」
「将門様、素敵ぃ」

 刀で切るのは飽きた
 そんな理由で、将門は弓を手にしていた
 遠くからパレードを見つけ、狙い撃ちにしていく

 …ここは、西区と北区の、ちょうど中間辺りだ
 どうやら、北区が一番の激戦地
 どうせならば、その激戦地にて…敵の首を、取っていってやろうではないか
 あの黒服に、借りを作ってやろう

「…そこな、赤き衣纏いし者共よ。貴様らも「夢の国」か?」
「……あぅあぅ!あんなのと一緒にしてほしくないのです!」

 将門の呼びかけに…物陰に隠れていた二人が、顔を出した
 赤いマントとシルクハットの男性と、赤いはんてんの少女…赤マントと、赤いはんてんだ
 この2人は、赤マントの「人攫いはどこにでもいる」と言う解釈ゆえの空間転移を使い、パレードから逃げ続けていたのだ
 しかし……「夢の国」の能力により、赤マントのその力が、発動しにくくなってきていた
 「どこにでもいる」が故の空間転移能力…それが、「夢の国」によって封じられてきている

「…太古の祟り神よ。我々は戦いに向いていなくてね。安全地点求めてひたすら逃亡中なのだよ。どこか、安全な場所を知らないだろうか?」
「ふむ?」

 赤マントの言葉に、将門は2人を見つめた
 …戦闘向きでは、ない?
 赤いはんてんの方からは、戦える気配を感じるし……赤マントの方からも、古い古い、血の匂いを感じた
 この2人は、意図して戦いを避けている
 主に、赤マントの方が
 …何かを、恐れているかのように

「「怪奇同盟」とやらが、墓場に結界を張っている。そこにでも逃げ込めばよかろう」
「北区の結界が、一番強いみたいよぉ?」

 キャリアウーマンが、将門の言葉に続く
 ふむ、と赤マントは頷くと…ひょい、と赤いはんてんを抱き上げた

「情報、感謝する。これから北区に向かうというのなら、北区は激戦地だ。気をつけてくれたまえ……行こう、赤いはんてん」
「あぅあぅあぅ!せめて!せめて一発、「夢の国」のやろーに一撃食らわせたいのですよ!」
「…「夢の国」に近づきすぎては逃亡が困難になる、勘弁してくれ」

 じたばた暴れる赤いはんてんの言葉に、赤マントは苦笑して……ひらりっ、赤いはんてんを包み込むように、マントを翻した
 直後、赤マントと赤いはんてんの姿は、掻き消える

「将門様、いいんですの?」
「構わん。何か理由があって戦いを避けるというのなら、無理に戦いに引きずり込む理由もなかろう」

 …戦力は、今は貴重だ
 だが、無理をして引きずり出すつもりもない

 じたばた、じたばた
 トランプの兵隊は、矢を引き抜くことができずに苦戦している
 わらわらわらわらわらわらわらわらわら
 トランプの兵隊の周りには、再び、黒いパレードが出現し始めていた

「…愚か者に命奪われた、憐れな童たちよ。せめて、我がかつて落ちた地獄ではなく…極楽へと、送ってやろう」

 呟き、将門は再び弓を構える
 「夢の国」に臓器を奪われた子供たちのなれの果て
 …せめて、全員、死という名の解放を
 再び、矢が放たれ始め、パレードが次々と散り始めた…




「………」

 …たいした距離を移動できていない事を、赤マントは自覚していた
 やはり…空間転移が、難しくなってきている
 「夢の国」のテリトリーが、どんどん広がっている…!

「…急がねばな」
「あぅぅぅ!赤マント!放せなのです!!」
「放したら、君は「夢の国」本体を叩きに行きかねんだろう…頼むから、それはやめてくれ」

 …かつての彼女の契約者は、そんな事は望んではいないから
 赤マントは赤いはんてんを抱えたまま、墓場を探し走り始めたのだった






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