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連載 - 我が願いに踊れ贄共・翡翠色の目の司祭-12

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匿名ユーザー

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 ……空気が変わった
 カインは、確かにそれを感じ取っていた
 肩に止まってきている小鳥も、いつもより落ち着きがない

 何がおきているのか?
 カインは、それを必死に考える
 あまり、良くない事が起きようとしている
 それは、事実だろう

 もう、蚊帳の外にいるのは嫌だ
 何が起きているのか、知りたい
 …だが、どうしたらいいのか、わからない

 ロリスに相談しようとした
 だが、何かの任務中だったのだろうか、携帯がつながらない
 ヘンリーも、同じだった
 連絡を取ろうかとしたのだが、携帯がつながる様子はなかった

 自分が、気を張らずに相談できる相手はその二人と……後はカラミティしか、いない
 唯一の家族である姉を失って以来、無意識に大切な相手を作る事を避けた
 親しい相手を作る事を避けた
 カラミティのように、そんな事おかまいなしにずかずかと入り込んできた相手がいたからこそ、少しはそういう相手を作ることができたのだ
 ヘンリーやロリスのような友人を作る事ができたのとて、カラミティと言うキッカケがあったからだ

 ……自分は、カラミティに頼りすぎだ
 カインは小さく自嘲した
 だからこそ、今回はカラミティに頼る訳にはいかない
 カラミティも、今は何やら事情を抱えているようだった
 自分がヘタに相談して、カラミティに気を使わせるわけにはいかない
 自分の足で調べてみようと思い、街に出て感じた気配
 足を止め、辺りを見回す

 ……夕暮れの住宅街
 人の気配はまばらだ

「………ん?」

 路地裏に、一つ、気配を感じた
 何気なく、そちらに向かう

 路地裏を覗き込むと……うずくまっている男の姿が、見えて

「……どうした?具合が、悪いのか?」

 近寄り、声をかけようとしたカイン


 ………ばささささっ、と
 小鳥が、騒ぎ出す


「………ひ?」

 ぎょろり
 うずくまっていた男が、振り返る

 正気を失った眼差し
 手に持っていたのは、点火された使い捨てのライター
 男の前にあるのは新聞紙の、束

「…え」

 まさか
 放火しようと、していた?

「ひ、ひ、ひ」

 男が、ゆっくりと立ち上がる
 使い捨てライターの炎が、不自然に揺れた

「ひ、ひ……火、火、火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火火っ!!!」

 不気味に男が笑うと同時に、使い捨てライターの炎が一人で踊り出す
 男から感じる気配は…ある意味、カインが慣れ親しんでしまった「悪魔」の気配に、近い

「火付けの悪魔…………ッグザファンか!?」

 かつて、天使と悪魔が争った激しい戦いに置いて、天に火をつけようと企んだ悪魔 グザファン
 正解だ、とでも言うように、男は笑い続けて


 踊り狂う炎が、カインに向かって発射された







to be … ?







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