「きゃああああああああああああ!!!」
逃げる
逃げる、逃げる
汗を流し、涙を流し、息を荒げ、少女は走る
逃げる、逃げる
汗を流し、涙を流し、息を荒げ、少女は走る
その後ろには
全身を黒い毛が覆い、目を赤く輝かせ、翼を広げて飛ぶ人型の化物―――「モスマン」
少女は、このモスマンに追われているらしい
全身を黒い毛が覆い、目を赤く輝かせ、翼を広げて飛ぶ人型の化物―――「モスマン」
少女は、このモスマンに追われているらしい
少女は何も知らなかった
この町――――学校町の事を
都市伝説というものの存在を
この町――――学校町の事を
都市伝説というものの存在を
「た、たすけっ―――――――――――あっ!」
足が縺れ、彼女は前のめりに転んでしまった
再び立ち上がろうとしたが、既に己の足は疲労しきっていた
再び助けを呼ぼうとしたが、喉が乾いていて使い物にならなかった
尚も迫り来るモスマン
彼女は目を瞑り、最後の瞬間を待つしかなかった
再び立ち上がろうとしたが、既に己の足は疲労しきっていた
再び助けを呼ぼうとしたが、喉が乾いていて使い物にならなかった
尚も迫り来るモスマン
彼女は目を瞑り、最後の瞬間を待つしかなかった
「―――――――あ、れ・・・?」
何秒待っただろうか
1分経ったかも知れない
目と鼻の先にいた筈のモスマンが、未だに襲ってこない
ふと、顔を上げると
1分経ったかも知れない
目と鼻の先にいた筈のモスマンが、未だに襲ってこない
ふと、顔を上げると
「・・・・・ひぃっ!?」
そこに、それはいた
言葉通り、目と鼻の先
鼻の先に微かなムズ痒さを感じ、彼女は両腕で数歩下がる
叫びたいが、喉が掠れてうまく出せない
言葉通り、目と鼻の先
鼻の先に微かなムズ痒さを感じ、彼女は両腕で数歩下がる
叫びたいが、喉が掠れてうまく出せない
「そこでじっとしてろ」
聞こえたのは少年の声
見ると、民家の屋根の上に立っている、大きくクモの絵がプリントされた服を着た、小学生ほどの少年
見ると、民家の屋根の上に立っている、大きくクモの絵がプリントされた服を着た、小学生ほどの少年
「大丈夫、今そいつ、動けないから」
何やら、十指をのばして構えているようにも見える
彼女はちら、とモスマンを見た
先程は分からなかったが、細い糸が張り巡らされていて、モスマンはそれに引っかかっていたようだった
まるで、蜘蛛の巣のような
そしてその糸は・・・少年の指先から出ていた
彼女はちら、とモスマンを見た
先程は分からなかったが、細い糸が張り巡らされていて、モスマンはそれに引っかかっていたようだった
まるで、蜘蛛の巣のような
そしてその糸は・・・少年の指先から出ていた
「え?」
「いよっ、と!」
「いよっ、と!」
ひょう、と両手を上げると、糸に絡められたモスマンが上空に放り出される
翼を広げようとするが余計に絡まってしまい、遂に団子状になってしまった
砂埃と鈍い音を立て、地面に落ちた糸団子に向けて、
翼を広げようとするが余計に絡まってしまい、遂に団子状になってしまった
砂埃と鈍い音を立て、地面に落ちた糸団子に向けて、
「一撃必殺!レオパルドンキィック!!」
ただのジャンプしてからの踏みつけ攻撃を喰らわせる少年
ぐちゃっ!と生々しい音を立て、赤く染まった糸団子は、次第に光となって消え去った
ぐちゃっ!と生々しい音を立て、赤く染まった糸団子は、次第に光となって消え去った
「一丁上がりぃ・・・立てる?」
「え?・・・あ、うん」
「え?・・・あ、うん」
少年は、少女に手を伸ばす
彼女はその手を借り、ふらつく足を制して何とか立ち上がる
彼女はその手を借り、ふらつく足を制して何とか立ち上がる
「あの・・・ありがとう」
「いいよ、礼なんて。父ちゃんから『女の子は命懸けで救い出せ』って言われてただけだから」
「いいよ、礼なんて。父ちゃんから『女の子は命懸けで救い出せ』って言われてただけだから」
んじゃ、と手を挙げ、掌から蜘蛛の糸を伸ばして電柱に引っ掛ける少年
「あ、待って!」
「ん?」
「えっと・・・名前だけでも、教えて?」
「情け無用の男、スパイダーマッ!!
・・・てのは冗談で・・・黄昏(エイヤ){英哉}、っつぅんだ。それじゃ」
「ん?」
「えっと・・・名前だけでも、教えて?」
「情け無用の男、スパイダーマッ!!
・・・てのは冗談で・・・黄昏(エイヤ){英哉}、っつぅんだ。それじゃ」
再び別れを告げ、彼―――「200mの蜘蛛の巣」の契約者、黄昏英哉は、
さながらスパイダーマンの如く、蜘蛛の糸を使って電柱から電柱へと渡ってその場を去った
さながらスパイダーマンの如く、蜘蛛の糸を使って電柱から電柱へと渡ってその場を去った
...END