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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 全盲の鬼

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Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「私、綺麗?」

大きなマスクをつけた女性が尋ねる

「えぇ、綺麗ですよ」

サングラスをかけ、長い棒を持った男性は振り返ってそう答えた

「じゃあ……これでもぉ?」

マスクを剥ぎ取る女性
耳元までばっくりと裂けた口……「口裂け女」
包丁を構えて、男性に向かってそれを振り被った
ところが

「えぇ、とても」

予想外の答えが返ってきて、不意にその手が止まった

「………は?」

「綺麗ですよ、貴方は」

「な、なに馬鹿なこと言ってんのよ! 綺麗な訳ないでしょ!?」

「そんな事ありませんよ。とても、美しいです」

「……ハァ、どうやらあんた相当目が悪いようね」

「はい、生まれた時には既に失明してまして」

「え?」

「親の顔も知らない、祖父母の顔も、友達も先生も知らない
 それどころか、自分がどういう顔なのかも、どういうところに住んでいるのかも知らない
 相手がどういう人かを判断するのは、決まって相手の声だけでした
 貴方の声は美しい。だから、貴方はきっと美しい人です」

ぽかん、と口を開けて呆れる「口裂け女」
しかし一変、彼女は急に頬を赤らめてもじもじし始める

「え、あ、そ、その、ふ、ふんっ! 何言ってんのよ、バッカじゃないの!?
 あーぁ! 目の見えない奴に話しかけるなんてとんだ失敗だったわー!!」

厭味ったらしく、「口裂け女」は彼に背を向けた

「……もう良いわよ、何処にでも行くと良いわ、呼び止めて悪かったわね」

彼女の視線の先
全身の白い、辛うじて人の形をした何か
関節を無視して蛇行するように手足を動かすそれの名は、「くねくね」
彼女は包丁を片手に取った
男性に、被害を与えない為に

(初めてあたしを褒めてくれたこいつを……廃人になんてさせたくない……!!)

近付く「くねくね」に狙いを定め、「口裂け女」は大地を蹴った
直後、彼女の動きは長い棒によって遮られる

「なっ、どういうつもり!?」

「下がっていなさい、お嬢さん………いや、「口裂け女」」

「ッ!? あ、あんた、目が見えないんじゃ」

「マスクを取る音、包丁を握りしめる音、口の動く音……そして最初の言葉
 君の正体を突き止めるには最高の判断材料だと思ったけど」

男性は「くねくね」に向かって歩き出す
左手には、長い木の棒を持って

「ば、バカ! 発狂するわよ!?」

「その姿を見た場合は、ね」

彼はサングラスのずれを直しながら得意げに言うと、棒を両手で持って自らの前に差し出した
ここで彼女は驚いた
それは木の棒ではなく、長い日本刀だったのだ

「備前長船長光……別名「物干竿」
 佐々木小次郎は巌流島での戦いでこの鞘を投げ捨て、宮本武蔵に『敗れたり』と宣告された」

鞘から刀を抜き取り、長く秀麗なその刃は、「くねくね」をいとも容易く斬り裂いた
全盲であるにも関わらず、丁度真っ二つに
彼の耳は、どんなに小さな足音も聞き逃さない「地獄耳」
視力がない彼は、それを補う為に最強の聴力を手にしていた

「鞘を捨てなければ…僕に敗北は、無い」

ちんっ、と刀を仕舞う男性
ほっと胸を撫で下ろす「口裂け女」は、何かに気付いてぶんぶんと首を横に振った

「やっぱり貴方は美しい人だった」

改めてそう言った男性に、「口裂け女」は「え、」と聞き返した

「ありがとう。さっきは助けようとしてくれたんですよね
 貴方のような人に出会えてよかった
 初めて、全盲である事を恨みましたよ
 せめて、貴方の顔を一目で良いから見たかった」

鞘に納めた「物干竿」を杖の代わりに、男性は歩き出した

「待ちなさいよ!」

ぴた、と男性の歩が止まる

「…あんたが、目が見えなくてどれだけ苦労したのか、あたしは全然知らない
 だけど今、あたしはあんたが目が見えなくて良かったと、そう思ってる
 あたしは「口裂け女」、醜く忌み嫌われて当然の都市伝説……
 そんなあたしに、あんたは心の底から『美しい』って言ってくれた
 あんたは知らなかったかも知れないけど……悪いことばっかりじゃないんだよ、意外に」

すたすたと足早に歩み寄る「口裂け女」
男性の傍に立つと、彼女は彼の腕をそっと抱きしめた

「……あ、あのっ……あ、あんたさえ良かったら……あたしがあんたの目になってあげても、良いんだけどなー?」

顔を真っ赤にしながら提案する「口裂け女」
表情こそ見えないが、声色から照れている事ははっきりと分かった
くすっ、と男性は小さく笑い、

「…じゃあ、これから宜しく」

ゆっくりと、2人で歩き始めた



   ...end





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