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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

単発 - 金は天下の回りもの

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「まったく、近頃の若いもんときたら・・・」
 御年80を越える老婆、金子金子(かねこ かねこ)は不機嫌だった。
 「金子」というさして珍しくもない名字の男に嫁いだばかりに珍名になってしまい、昔はずいぶん親を恨んだものだったが、この歳になるともう気になどならない。
 黙って郵便局の自動ドアをくぐり、ATMで現金振り込みの手続きをする。
 孫が無免許運転で妊婦をはねてしまった。運悪くヤクザの情婦で、多額の治療費と慰謝料と示談金を要求された。払わなければ警察に通報すると脅されている。
 電話の向こうの声が力なく語る。金子は、
「うるさいよ」
 と一言言い捨て、電話を切るとこの郵便局にやってきた。
 金なら、ある。
 一昨年死んだ夫は事業に成功し、巨億とは呼べずとも、十分すぎるほどの遺産を遺してくれた。
 何も心配はない。金は天下の回りものなのだから。

「へっへ、振り込まれてるぜ」
「バカなババァだよな」
 ある都会の片隅で、若者達が顔を寄せ合い、記帳された通帳を眺めていた。
 彼等は言わずと知れた「オレオレ詐欺」の常習犯。
 悪銭はとっとと使うに限るとばかりに金を全て引き出し、ほくほく顔で銀行を出る。
 と、そのとき。

 俄に強風が吹き、彼等の手元から金の入った封筒を舞い上がらせた!

「うわ!」
「やっべ、金!」
「まてよ、オイ!ちきしょー!」

 彼等の叫びなど無視して、紙袋から金は全て飛び出し、風に吹きさらわれていった。

「ふん」
 金子は不機嫌そうに風に吹かれて舞い戻ってきた金を数えていた。
 「金は天下の回りもの」
 金子家に嫁ぎ、「金子 金子」となった彼女にこの都市伝説が近づいてきてからというもの、夫が事業で損失を出しても不思議にそれを上回る収入が入り、夫は成功した。
 その代わりと言うべきか、二人に子供は授からず、金子にはもはや身寄りもない。
 この金も、自分が死んだらどこぞにでも寄付してしまおう。
「騙す相手の下調べくらい、きっちりせんかい、青二才が・・・ああ、まったく。最近の若いもんときたら」
 彼女は名前通り、その名を付けた両親の願い通り、金に困らない生涯を送った。


END








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