「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - モンスの天使-13a

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匿名ユーザー

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「はい……あぁ、直希。どうしたんだ?今、街中は悪魔の囁きやコーク・ロアの被害者が暴れ出してるから危険だぞ」

 学校町で悪魔の囁き憑きやコーク・ロア被害者達がおおっぴらに暴れ出した、その時
 天地は、担当している黒服C…ではなく、その上司から自宅待機を命じられていた
 ……それは、そうだろう
 「組織」としては、都市伝説の存在は隠蔽しておきたいのだ
 ただでさえ都市伝説の存在が公けになりかねないこの状況で、目立ちすぎる天地の「モンスの天使」達には現場に出て欲しくないだろう
 …天地としては、大変不満な状況だが

『あぁ、それは知っている…だからこそ、僕はこの現状を、どうにかしたい』

 携帯の向こう側から聞えてくる直希の声は、相変わらず、感情の薄い淡々とした声だ
 かすかに、何かがはばたくような音も入ってきているところを見ると、すぐ傍に天使を具現化させているのだろうか

『…天地、君の力を、借りる事はできるだろうか?』
「俺の?」
『あぁ。僕は、コーク・ロア支配型の契約者を見つけ出して、一人でも多く無力化させるつもりだ。そうすれば、街中で暴れている被害者達を解放させられるしな』

 直希の、淡々としたその言葉に、相槌を打ちながら考える天地
 それは、つまり…

「俺の天使で、広範囲を探せ、って事か?」
『そうだ。僕も天使を出しているし、親友や仕事関係者に協力してもらっているが……まだ、足りない。学校町は広いからな』

 それは、そうだろう
 途中、コーク・ロアの被害者やら何やらと戦闘状態になる可能性も考えると尚更だ

 天地の「モンスの天使」は、数が多い
 明確な人格を持っている天使だけでも10人以上いるし、それ以外の天使も数えれば、ざっと百近く一気に召還できるのだ
 いつもは、明確な人格を持っている天使だけを呼び出しているが…そう言う事ならば

「わかった、俺とモンスの天使に任せとけ!!コーク・ロア契約者なんて、全員見つけ出して殲滅してやる!」
『あ、少し待ちたま』

 っぴ、と、直希が何か言おうとしていた事に気づかず、通話を切った天地
 天地の周囲に、明確な人格を持ったモンスの天使達が姿を現す

「お呼びですかー?」
「お仕事ですかー?」
「殲滅ですかー?」
「デストローイ!ですかー?」
「仕事ではないな…だが、学校町の為になるし、「組織」のためにもなる…コーク・ロアの契約者を見つけ出して、無力化しろ!ちょっとくらいは派手にやってもいいぞ!」

 天地の、その命令に
 美しきモンスの天使達は、その華やかな容姿に似合わぬ、重々しい重火器を手にしだす!

「了解いたしましたー!」
「お任せくださいですー!」
「ご主人様の為に頑張りますー!!」

 ばん!と窓を開け放つ天地
 天使達が、窓から外へと飛び出していく
 何時の間にか、明確な人格を持つ彼女達の周囲に、明確な人格を持たぬ天使達も姿を現し、街中へと散っていく
 その数…ざっと、50以上

「これだけ出せば、大丈夫だろ」

 かすかに疲労感を感じつつ、頷く天地
 明確な人格を持つ天使以外も召喚し、かつ、同時に使役するのは久しぶりだ
 流石に、負担は大きい

 …だが、それでも
 学校町の為になるのなら
 「組織」の為になるのなら
 …友人の、力になれるのなら
 天地は、力を振るう事に戸惑いはない

 ---そうだ
 これは、「組織」の為にもなる
 自分は、「組織」の役に立つのだ

 ……そう

「…恩知らずの裏切り者の、H-No.96とは………違うんだよ、俺は……」

 そう呟いた、天地の表情は
 強い憎しみと、寂しさで彩られているのだった



「…むぅ」
「どうかなさいましたか?我等が主(マイ・マスター)」
「……いや」

 ………さて
 ただ、コーク・ロア契約者の居場所さえ見つけ出してくれれば、自分の天使なり誰かなりをそこに向かわせ、相手を無力化するつもりだったのだが…

「…やりすぎて、「組織」から謹慎処分でも喰らわなければ良いのだが」

 携帯越しに感じた、友人の気配に
 直希は小さく、ため息をついたのだった 



 to be … ?

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