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動画の容量を小さくする方法/ 2010年10月01日 (金) 20時53分32秒
目次
総説
動画の容量を小さくする理由
- ニコニコ動画(以下「ニコニコ」と表記)に動画を投稿するさい、投稿しようとしている動画のファイルサイズに注意しなくてはいけません。なぜなら、投稿できる動画のファイルサイズには制限があり、この制限をクリアしないと動画を投稿することができないからです。たとえば、サイズが500MBある実況プレイ動画を作成したとします。これをそのままニコニコに投稿しようとしても、サイズ制限に引っかかるためエラーが表示されます。
- では、どれくらいまでのファイルサイズなら投稿できるのかということになりますが、この点については会員の種類や、動画ファイルの形式によって異なります。たとえば、一般会員(無料会員)がWindows ムービーメーカーを使って作成したWMV形式の動画を投稿しようとするなら、100MB以内にファイルサイズを抑えなくてはいけません。
|
一般会員 |
プレミアム会員 |
対応している動画形式 |
FLV、MP4、DivX、WMV、MPEG-2など |
1個あたりのファイルサイズ |
FLV、MP4 |
40MB以内 |
100MB以内 |
その他の形式 |
100MB以内 |
FLV、MP4のビットレート上限 |
600kbps |
制限なし |
エンコードの必要性
- そこで、動画のファイルサイズを小さくする方法が問題になります。つまり、いまHDDに保存してある動画のファイルサイズを、どのようにして小さくするのかということです。方法はいくつか考えられますが、もっとも基本的で効果が大きいのは、ビットレートを小さくしてエンコード(再エンコード)する方法と、動画の長さ(再生時間)を短くする方法です。
- どういうことかというと、動画のファイルサイズはビットレート×再生時間で決定されるので、再生時間が同じであればビットレートが小さいほうが動画のファイルサイズも減少することになります。たとえば、5Mbps(5,000kbps)で15分の動画と、300kbpsで15分の動画とでは、後者のほうが動画のファイルサイズが小さくすむわけです。そこで、一定以下のファイルサイズになるようにビットレートを指定してエンコードすればよいのです。ただし、画質は場合によってはかなり落ちます。
|
ファイルサイズ |
画質 |
低ビットレート |
小さい |
低画質 |
高ビットレート |
大きい |
高画質 |
▲再生時間が同じである場合、低ビットレートの動画のほうがファイルサイズは小さくなります。
- また、動画のファイルサイズがビットレート×再生時間で決まるということは、ビットレートを変更せずとも再生時間を短くしてエンコードすることでも、動画のファイルサイズを減らすことが可能です。たとえば、ビットレートが300kbpsで再生時間が15分の動画と、ビットレートが300kbpsで再生時間が30分の動画とでは、前者のほうがファイルサイズは小さくなります。ただし、動画ファイルの数が増えてしまうというデメリットがあります。
|
ファイルサイズ |
動画の投稿回数 |
短時間 |
小さい |
増える |
長時間 |
大きい |
減る |
▲ビットレートが同じである場合、再生時間が短い動画のほうがファイルサイズは小さくなります。
▲画面の上へ
サーバサイドエンコード
サーバサイドエンコードとは
- ニコニコ用に動画をエンコードしてファイルサイズを小さくするさい、サーバサイドエンコードというものに注意しなくてはいけません。これは、ニコニコに動画を投稿するときに自動的に行われるエンコードのことです。サーバサイドエンコードされると画質・音質は劣化しますから、サーバサイドエンコードを回避する必要があるのです。
- たとえば、Windows ムービーメーカーを使って動画をエンコードしたとします(WMV形式の動画となります)。この段階ですでに画質・音質は劣化しています。そして、ニコニコに動画を投稿するさいに、再びエンコード(サーバサイドエンコード)されるので、さらに画質・音質は劣化します。そうすると、最初は高画質・高音質の動画であったとしても、最終的には低画質・低音質の動画になってしまうかもしれません。
- そこで、サーバサイドエンコードを回避する必要があるわけです。サーバサイドエンコードを回避するための要件はいくつかあり、これらすべての要件を満たしていればサーバサイドエンコードされることはありません。ニコニコに投稿されている高画質な動画は、少なくともサーバサイドエンコードを回避するための要件を満たしているのです。
サーバサイドエンコードの回避要件
- サーバサイドエンコードを回避するための具体的な要件は下記表のとおりですが、すべてを覚える必要はありません。重要な項目だけ覚えておきましょう。とりあえずは「MP4」「MPEG-4 AVC/H.264」「AAC」といったキーワードと、「1ファイルあたりのサイズ」「平均ビットレート(映像+音声)」における数字を覚えておけば十分です。よくわからない用語については動画の基礎知識をご覧ください。
コンテナ |
FLV1 |
FLV4 |
MP4 |
映像コーデック |
H.263 |
On2 VP6 |
MPEG-4 AVC/H.264 |
ビデオサイズ |
プレミアム会員 |
制限なし |
一般会員 |
800×600以内 |
フレームレート |
0.33fps~120fps |
音声コーデック |
MP3、PCM |
AAC |
サンプリングレート |
22kHz、44.1kHz |
48kHz以下 |
1ファイルあたりのサイズ |
プレミアム会員 |
100MB以下 |
一般会員 |
40MB以下 |
平均ビットレート(映像+音声) |
プレミアム会員 |
制限なし |
一般会員 |
600kbps以下 |
- 以前はサーバサイドエンコードの回避を狙ってFLV形式の動画を投稿する人が多かったのですが、2010年現在はより高画質なMP4形式の動画を投稿する人が多いようです。このページでは、MediaCoderというソフトウェアを使って、動画のファイルサイズを小さくしつつサーバサイドエンコードを回避できる動画を作成するための方法を載せています。
- より高画質にこだわる場合などは、H.264で高画質をご覧ください。Aviutlというソフトウェアを使用した方法を書いておきました。また、手軽さを求める場合はニコエンコというソフトウェアを使うのもよいでしょう。つんでれんこ(開発終了)というソフトウェアもあります。
▲画面の上へ
確認事項
- 実況プレイ動画がすでに完成していることを前提として解説しています。すなわち、「実況プレイ動画は完成していて、あとは投稿するだけだが、ファイルサイズがオーバーしている」という状態を想定しています。ファイルサイズを調べるには、動画ファイル上で右クリックして「プロパティ」をクリックします。そして「全般」タブの「サイズ」というところを見てください。
- カット編集はMediaCoderで行うことができますが、あくまでも簡易的な機能でしかありません。そのためMediaCoderを使うのは、動画編集をしたあとか、または動画編集をせずにエンコードしたいときにほぼ限られるでしょう。MediaCoderは動画編集をするためのソフトウェアではなく、あくまでもエンコードするためのソフトウェアということです。
▲MediaCoderが対応していない動画をエンコードしようとすると、「Failed to load MEncoder. This is possible that the decoder is absent or it doesn't support the specified file.」 というエラーが表示されます。「OK」をクリックすると上記画像のように表示されます。
- この場合、ほかの動画形式にいったん変換するか、AviUtlやニコエンコなど別のエンコーダーを使用してエンコードしてください。MediaCoderが対応しているほかのコーデックを使用して録画するか、または未圧縮で録画するという方法もあります。難しいことはしたくないというのであれば、現在のところニコエンコを使用するのがもっともよいでしょう。AMVコーデックやDxtoryコーデックで録画した動画もエンコードできます。
ビデオコーデック名 |
MediaCoderでの動作 |
MPEG-2 |
○ |
MPEG-4 AVC/H.264 |
○ |
DivX |
○ |
WMV |
○ |
Huffyuv |
○ |
AMV |
× |
Dextory |
× |
▲画面の上へ
MediaCoderの準備
- MediaCoderを使って、動画のファイルサイズを小さくしてみましょう。MediaCoderを使えば、あまり時間をかけず簡単にできます。
ダウンロード
- まずは公式サイトのダウンロードページから、MediaCoderをダウンロードします。「Get MediaCoder」という項目にある「Choose your MediaCoder edition to download」→「MediaCoder Full Edition」の順にクリックします。そして、「MediaCoder x86 Edition」または「MediaCoder x64 Edition」の「Latest Version」をクリックしてください。
- 32bitマシンの場合は「MediaCoder x86 Edition」を、64bitマシンの場合は「MediaCoder x64 Edition」をそれぞれ選ぶことになります。PCが32bitマシンか64bitマシンか不明であるときはOSをご覧ください。
- 「Please choose a download server」というページが表示されるので、「Server 1」を選択します。するとMediaCoderのダウンロードが開始します。
インストール
- つぎに、このファイルをダブルクリックしてインストールします。基本的に画面を順に進めていくだけでかまいませんが、「Choose Components」の画面が表示されたら「Audio Components」のプラスアイコンをクリックし、「Nero AAC Encoder」にチェックが入っていることを確認します。
▲インストール時、「Choose Components」の画面で「Audio Components」の「Nero AAC Encoder」にチェックが入っていることを確認してください。
- インストールが終了したらMediaCoderを起動してみましょう。デスクトップにMdieaCoderのショートカットアイコンがあります。MediaCoder起動時、自動的にWebページが開きますが、ページ下部にある「ナビゲーション、次の起動時にこのページ」にチェックを入れて「Start Now」をクリックしておくと、次回からは通常の起動となります。Webページは開きません。
- MediaCoderを日本語化しておきます。MediaCoderを起動→「Options」→「User Interface Language」→「Japanese」→「OK」の順にクリックし、MediaCoderを再起動します。
▲画面の上へ
MediaCoderの設定
動画ファイルの読み込み
- では、動画ファイルを開いてMediaCoderの設定をしましょう。動画ファイルは、「ファイル」→「ファイルの追加」から読み込めます(または「追加」ボタン)。ファイルを空欄に直接ドラッグ&ドロップして読み込むこともできます。
「Generic」タブ
- 「出力フォルダ」で動画の保存場所を選択します。「参照」をクリックして指定しましょう。
「ビデオ」タブ
- 「ビデオを有効にする」にチェックが入っていることを確認し、「形式」を「H.264」に、「モード」を「CBR」にします。「xxxKbps」の欄にはビデオビットレートを入力します。さきほど述べたとおり、ここで入力すべき数値は会員の種類や動画の再生時間によって異なります。
- MP4形式の動画にしますので、前述した表を参考にしてビットレートを入力しましょう。細かい数値についてはあとで微調整します。いまはとりあえず適当な数値でかまいません。よくわからない場合は200~500にしておきます。
- 右側の「x264」タブには画質を決定づける設定項目がありますが、とくに変更する必要はありません。
「オーディオ」タブ
- 「オーディオを有効にする」にチェックが入っていることを確認し、「エンコーダ」を「Nero Encoder」または「FAAC」にします。どちらでもよいのですが、ここでは前者を使用することにします。また、「形式」は「LC-AAC」を選択します。
- 「レートモード」を「CBR」にします。「ビットレート/品質」にある「xxxKbps」にはオーディオビットレートを入力します。とくに音質にこだわらないかぎり64でよいでしょう。ある程度音質にこだわりたい場合は、128または192にしておきます。
「コンテナ」タブ
- 「コンテナ」を「MP4」にします。「多重チャンネル」は「自動選択」にします。
「画像」タブ
- 「リサイズ」にチェックを入れ、「512×384」または「512×288」を選択します。どちらを選択すべきかはアスペクト比によります。
- たいていは512×384(4:3)を選べば問題ないはずですが、512×288(16:9)を選ぶべきところを512×384にしてしまうと、映像が縦に伸びた状態になってしまいます。逆に、512×384を選ぶべきところを512×288にしてしまうと、映像が横に伸びた状態になってしまいます。
▲画面の上へ
MediaCoderによるエンコード
ファイルサイズの確認
- 最後に動画をエンコードします。右側にある「概要」タブの「推定ファイルサイズ」を見て、所定のファイルサイズになるのか確認します。MP4形式の動画を出力するので、一般会員なら40MB以下、プレミアム会員なら100MB以下でなくてはいけません。
- かりに推定ファイルサイズがオーバーしている場合は、「ビデオ」タブや「オーディオ」タブでビットレートを調整しなおします。あまりギリギリにならないようにしましょう。
エンコードの開始
- エンコードは、「menu_job」→「変換開始」で開始します(または
「スタート」ボタン)。プレビュー画面が表示され、エンコードの進捗状況を確認することができます。
- エンコードが終了したら、「再生」→「menu_play_result」で動画を再生してみましょう(または
「プレビュー」ボタン)。問題がなければ、あとは動画をニコニコに投稿するだけです。
- エンコードを終了した動画はリスト欄に「Done」と表示されます。ファイル名を選択して「Delete」キーを押すか、右クリックして「選択したアイテムを削除」をクリックすると、一覧からファイル名を削除することができます。
▲画面の上へ
Tips
- SMILEVIDEOに動画を投稿するさい、「エンコードしています…。」と表示されますが、これは動画のアップロード時に必ず表示されます。
- MediaCoder起動時に表示される絵は、非表示にすることができます。Firefoxがインストールされていることが条件ですが、「ファイル」→「設定」→「Overall」をダブルクリック→「User Interface」をダブルクリック→「Show splash for specified time...」を選択し、フォームに「0」と入力 →「Apply」ボタンを押します。
▲画面の上へ
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最終更新:2010年10月01日 20:53