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MiNiSTUDIOの使い方 / 2022年01月27日 (木) 14時24分02秒
TASCAMとドワンゴがコラボ!ライブ配信向けのオーディオインターフェース
- MiNiSTUDIOは、ティアック(TASCAM)とドワンゴが共同開発したオーディオインターフェースです。US-32とUS-42の2種類があります。
▲MiNiSTUDIO CREATOR US-42(リンク先 : Amazon)。このページでは、同シリーズのPERSONAL US-32の使い方についても同時に扱います。
- ゲーム実況、歌ってみた配信で便利なループバック機能搭載
- PCの音とマイクの音を同時にライブ配信で流すことができます(ループバック機能)。
- ポン出しで効果音を一発再生
- ライブ配信では、効果音をタイミングよく出すことで配信が盛りあがることもあるでしょう。そんなときに役立つのがPON機能です。本体のボタンを押すことで、あらかじめ登録しておいた効果音を一発で再生できます。
- リバーブのかかり具合を調整できる
- 自分の声をきれいに響かせたいときに使うのがリバーブ機能です。本体のREVERBノブを回すだけで、リバーブのかかり具合を簡単に調整できます。
- ボイスエフェクト
- 自分の声をそのまま聞かれるのは恥ずかしい、ちょっと笑いを取りたいというときは、ボイスエフェクト機能(ボイスチェンジャー)を使いましょう。本体のEFFECTボタンを押せば、最大5種類のエフェクトのなかから選択して変えることができます(例 : 男声、女声)。
- PC用マイクも接続できる
- ヘッドセットなどのPC用マイクも接続できます。PC用マイクは価格が安いため、初期投資が少なくすむでしょう。現在すでにあるPC用マイクを有効活用できます。
目次
製品の仕様
|
型番 |
US-32 |
接続方式 |
USB 2.0 |
接続可能なマイク |
ダイナミックマイク、コンデンサーマイク、PCマイク |
サンプリングレート |
最大96kHz対応 |
量子化ビット数 |
最大24bit対応 |
付属DAWソフト |
なし |
ASIO |
対応 |
対応OS |
・Windows 10/8.1/7 ・Mac OS X 10.12/10.11/10.10/10.9 ・iOS 10/9/8/7 |
- MiNiSTUDIOシリーズには、上記US-32の上位モデルとしてUS-42(リンク先 : Amazon)もあります。筆者は解説を書く関係でUS-42を購入しましたが、基本的には下位モデルであるUS-32をお勧めします。US-32のほうがシンプルに使えるため、初心者向きだからです。ゲーム配信や雑談配信をするだけなら、通常はUS-42を購入する必要はないでしょう。
|
PERSONAL US-32 |
PUREMIUM US-42 |
最適な用途 |
・インターネット生放送 ・インターネット通話 |
・インターネット生放送 ・インターネット通話 ・音楽/動画制作 |
PON機能 |
○ |
○ |
リバーブ |
○ |
○ |
ボイスエフェクト |
○ |
○ |
ループバック |
○ |
○ |
携帯プレーヤー(AUX入力) |
○ |
○ |
内蔵マイク |
○ |
× |
マイク入力数(XLR/TRS端子) |
1個 |
2個 |
ギター直接入力 |
× |
○ |
マイクプリアンプ |
高音質マイクプリアンプ |
HDDAマイクプリアンプ |
ヘッドセットマイク入力数 |
1個 |
1個 |
ヘッドフォン出力端子数 |
2個 |
2個 |
外部スピーカー出力(ライン出力) |
× |
○ |
モード切替 |
× |
○ |
▲公式サイトの「MiNiSTUDIOシリーズ機能比較表」より
- ただ、両モデルが搭載しているマイクプリアンプの種類が異なる点は、留意しておいたほうがよいかもしれません。US-32は「高音質マイクプリアンプ」であるのに対し、US-42はより高品質な「HDDAマイクプリアンプ」です。筆者はUS-42のみを所有しているため、マイクの音質比較はできませんが、少なくともUS-42で録音したマイクの音はきわめて高音質でした。
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Settings Panel、およびドライバーのインストール
- MiNiSTUDIOをPCに接続するまえに、まずはSettings Panelという専用のアプリをインストールしましょう。同時にドライバーもインストールされます。
- 公式サイトにアクセスする。
- ページを下にスクロールし、「ソフトウェア」タブをクリックする。
- 「V*.** Settings Panel for Windows」をクリックしてZIPファイルをダウンロードする。
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍する。
- 「TASCAM_MINISTUDIO_Installer_*.**.exe」をダブルクリックする。
- 画面を順に進めていくと、インストールが完了する。
- Settings Panelが自動的に起動する。
- MiNiSTUDIO本体をPCとUSB接続する。
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マイクとヘッドフォンの接続
マイク
- US-32の内蔵マイクを使用する場合は、本体のスイッチをいちばん下にしましょう。そうすることで内蔵マイクに切り替わります。
ヘッドフォン
- ヘッドフォン(またはヘッドセット)をフロントパネルに接続します。
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最初に行う操作
MiNiSTUDIOをPCとUSB接続した状態で、リアパネルにある
電源スイッチをONにします。同スイッチがOFFだとMiNiSTUDIOが動作しません。
US-42の場合にかぎり、本体の
フロントパネルのスイッチを「BROADCAST」にします。すると、ループバック機能がONになります。US-32にはこのスイッチはありません。
画面右下の
上で右クリックして「サウンドの設定を開く」を選択し、画面右側にある「サウンド コントロール パネル」をクリックします。
「MiNiSTUDIO US-32/42」の「スピーカー」に
(既定のデバイス)が表示されていることを確認してください。
(既定の通信デバイス)と混同しないようにしましょう。
「MiNiSTUDIO US-32/42」の「スピーカー」が既定のデバイスになっていない場合は、右クリックして
「既定のデバイスとして設定」を選択します。ヘッドフォンから音を出すために必要な設定です。
トップパネルにある、
ヘッドフォンつまみを少し上げてください。このつまみで再生音量を調整できます。
適当に動画や音声を再生し、音が聞こえることを確認しましょう。
ステレオ音声のファイルであるのに
モノラル音声で再生される場合は、以下のように設定することでステレオ音声で再生できるようになります。音に立体感がない場合に確認してください。
- Windowsの「スタート」ボタンをクリックする。
- 「MiNiSTUDIO Settings Panel」をクリックする。
- 「EXPERT」タブを開く。
- 「OUTPUT」で「STEREO」を選択する。
今度は
VOLUMEつまみをゆっくりと上げていきましょう(場合によっては最大まで)。すると、マイクが拾っている音が聞こえてくるはずです。同つまみでは、
マイク音量を調整できます。
マイクに向かって声を入れると、
自分の声がヘッドフォンから聞こえてきます。これは不具合ではありません。MiNiSTUDIOの仕様です。
ON AIRボタンを押して赤く点灯させます。同ボタンが
消灯した状態だと、PCの音やマイクの音を録音・ライブ配信できません。押すのを忘れやすいので注意してください。
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PON機能の使い方
PON機能とは
- 本体のPONキーを押すと、あらかじめ登録しておいた音声(例 : 効果音、ジングル)を再生できます。これをPON機能といいます。同機能を使うには、トップパネルにあるポンキーのいずれかを押してください。もし途中で音声の再生を止めたいという場合は、PONキーを再度押すことで音声が停止します。
音声ファイルの割り当て
- 初期設定では、1に「ブッブー」、2に「ピンポン、ピンポン」、3に歓声が登録されています。もしPONキーに任意の音声ファイルを割り当てたい場合は、Settings Panelから設定を行いましょう。
- Windowsの「スタート」ボタンをクリックする。
- 「MiNiSTUDIO Settings Panel」をクリックする。
- 「EASY」タブを開く。
- 1~3のいずれかのファイル名(例 : 「NO !!」)をクリックし、任意の音声ファイルを選択する。
PONキーの音量調整
- スライダーを動かすことで再生音量を調整できます。ここでの音量調整は、録音・録画・ライブ配信にも影響します。
詳細な設定方法
- より詳細な設定をしたい場合は、Settings Panelの「EXPERT」タブを開いてください。
- 下表に掲載した設定が可能です。基本的に変更する必要はありませんが、目的や好みに合わせて設定してください。音量調整については、「EASY」タブで行ったほうが簡単でしょう。
|
説明 |
FADE IN/OUT |
PON出しの音量を少しずつ大きく(または小さく)しながら再生する機能 |
LEVEL |
音量調整 |
START TIME |
音声ファイルの再生開始位置を変更できる機能 |
LATCH |
OFFにすると、PONキーを押しているあいだだけ音声を再生(ON推奨) |
VELOCITY |
PONキーを弱く押すと、小さく音を再生できる機能(OFF推奨) |
REPEAT |
音声ファイルを繰り返す機能(OFF推奨) |
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各種エフェクトの使い方
- 音声にさまざまなエフェクトをかけるには、(1)本体で操作をしたうえで、(2)Settings Panelで設定を行います。
リバーブ
- リバーブは、マイクが入力した音を響かせる機能です。歌配信(カラオケ)などをするときに使いましょう。PCの音にはリバーブはかかりません。
- トップパネルにあるREVERBつまみをあげる(リバーブのかかり具合を調節)。
- Settings Panelの「EASY」タブ、または「EXPERT」タブの「REVERB」で、任意の種類を選択する(例 : 「LIVE」)。
- リバーブをOFFにしたい場合は、REVERBつまみを最小にする。
ボイスエフェクト
- ボイスエフェクトを使うと、自分の声質を変えることができます。あらかじめ用意されている声質は、「MALE」「FEMALE」「CHOPPER」「RADIO」「ECHO」の5種類です。「MALE」や「FEMALE」は、TV番組で音声加工された声を聞くことがあると思いますが、あのイメージです。
- トップパネルにあるEFFECTボタンを押し、オレンジ色に点灯させる。
- Settings Panelの「EASY」タブ、または「EXPERT」タブの「EFFECT」で、任意の種類を選択する(例 : 「MALE」)。
- 「PRAMETER」でエフェクトのかかり具合を調整する。
- ボイスエフェクトをOFFにしたい場合は、EFFECTボタンを再度押して消灯させる。
コンプレッサー
- コンプレッサーは、音量を整えて音圧を上げる機能です。Settings Panelを開き、「EXPERT」タブの「COMPRESSOR」で設定します。コンプレッサーを理解している人だけ使用してください。
イコライザー
- イコライザー(EQ)は、音質を変える機能です。Settings Panelを開き、「EXPERT」タブの「EQUALIZER」で設定します。イコライザーを理解している人だけ使用してください。
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ライブ配信時における各アプリの設定方法
- ライブ配信するさいの設定方法を見ていきましょう。上で述べた「最初に行う操作」をすでに行っていることを前提としています。
OBS Studio
- US-42の場合は、本体のフロントパネルのスイッチを「BROADCAST」にする。
- 本体のON AIRボタンを押す。
- OBSで「設定」→「音声」タブを開き、「デスクトップ音声デバイス」で「既定」を、「マイク音声デバイス」で「マイク (MiNiSTUDIO US-32/42)」をそれぞれ選択する。
- 「OK」をクリックする。
- ライブ配信を開始する。
ツイキャス(通常配信)
- ツイキャスで通常配信する場合、以下のようにします。
- US-42の場合は、本体のフロントパネルのスイッチを「BROADCAST」にする。
- 本体のON AIRボタンを押す。
- 「PC配信」をクリックする。
- ポップアップで「Adobe Flash Player 設定」が表示されたら、「許可」をクリックする。
- 「マイク入力」の「設定メニューを開く」をクリックする。
- 「マイク」で「マイク (MiNiSTUDIO US-32/42)」を選択する。
- 「閉じる」をクリックする。
- ライブ配信を開始する。
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Skypeの設定方法
- Skype通話する場合は、以下のようにします。こちらのPCから出ている音を通話相手に聞かせることもできます。
- US-42の場合は、本体のフロントパネルのスイッチを「CREATOR」にする。
- 本体のON AIRボタンを押す。
- Settings Panelを起動し、上部メニューの「Mode Presets」から「Karaoke」または「Talking」を選択する(PCの音も通話相手に聞かせたいなら前者)。
- Skypeを起動し、「通話」→「オーディオ設定」の順にクリックする。
- 「マイク」で「マイク (Additional driver US-32/42)」を、「スピーカー」で「スピーカー (Additional driver US-32/42)」をそれぞれ選択する。
- 「保存」をクリックする。
- 上部メニューの「Mode Presets」は、US-42の場合はフロントパネルのスイッチを「CREATOR」にしないと選択できません。
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各種機能の使い方
USBディレイ
- USBディレイは、ゲーム配信でキャプチャーボードを使用時に、遅延しているゲーム画面・ゲーム音に合わせてマイク音を遅らせる機能です。よくわからないのであれば使う必要はありません。なお、同様の機能は、配信ソフトのOBS Studioや、XSplitにも搭載されています。
- Settings Panelを開く。
- 「EXPERT」タブを開く。
- 「USB DELAY」に最大500msまでの数字を入力する。
▲最大500ms(0.5秒)までマイク音声を遅延させることができます。
ダッキング
- ダッキングは、自分がしゃべり始めると同時に、自動的にBGMの音量を下げる機能です。また、しゃべり終えたときは、自動的にBGMがもとの音量に戻ります。雑談配信などで同機能を使えば、自分の声がBGMにかき消されることがなくなるでしょう。
- Settings Panelを開く。
- 「Extra Effects」→「Ducking」の順にクリックする。
- 「ON」を選択する。
- 「AUX」になっている部分を「COMPUTER」に変更する。
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筆者がMiNiSTUDIOを使用した感想
よい点
- ポン出しで配信を演出できる。ジングルを登録しておけば、配信のOPやEDとしても使えるなど、アイディアしだいで可能性が広がる。
- 初心者でも使えるように、本体操作をシンプルにしつつ、必要な機能はすぐに手元で使えるように考えてある。
- 「気取った」感じがない、親しみやすいデザイン。
- 本体にレベルメーターがあるので、音量が適切かどうか視覚的にわかりやすい。PCの画面で音量を確認する手間が省ける。
- 大型アプデが継続的に行われており、ユーザーの期待に応える機能がどんどん追加されている。USBディレイ、ダッキング、モードプリセットなど。
- 価格が安く、ライブ配信用で使える機能を豊富に搭載している点で、コスパに優れている。オーディオインターフェースの購入が初めてであれば、同じくティアックから発売されているUS-366よりも断然お薦め。
悪い点
- ON AIRボタンを押すのを忘れることがあった。個人的には不要なボタンと感じた。
- EFFECTボタンを押して、Settings Panelで「MALE」や「FEMALE」を選択すると「ジー」というノイズが入る。
- PCをスリープ中、本体に3つあるポンキーがオレンジ色に点灯したまま消灯できない。人によっては気になるかもしれない。
- デメリットではないが、ゲーム実況で自分の声が返ってくるのを避けたい場合、他社のAG03のほうが便利。MONITOR MUTEスイッチのおかげで、より簡単に対策できる。MiNiSTUDIOでもモニターミュート自体は可能。
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関連ページ
▲画面の上へ
- クリエイターモードでゲーム実況を録画って出来ないのでしょうか
マイクが反応しなくて困っています。
ブロードキャストにするとマイクの波形は揺れるのですが、デスクトップ音声に引っ張られてしまっているようで困っています
-- 名無しさん (2022-01-27 14:24:02)
- 下の投稿ですが自己解決しました。ヘッドセットに付属していたイヤホンとマイクをそれぞれ分配する?コードのようなものを使い、イヤホン側のみ本体に挿したらダイナミックマイクが反応しました。 -- 名無しさん (2020-02-22 00:01:46)
- マイクのついているヘッドセットやイヤホンをフロントパネルのイヤホンジャックに挿すとダイナミックマイクが無効になり、ヘッドセット側のマイクのみを認識してしまいます。ダイナミックマイクのほうを使いたいのですが解決方法ありますでしょうか。
使用デバイス:US-32
マイク:XM8500
ヘッドセット:SteelSeries Siberia v3 Black -- 名無しさん (2020-02-21 06:55:14)
- obsのデスクトップ音声をミュートにしてみるとかでしょうか -- 名無しさん (2019-09-25 20:47:45)
- OBSの設定を記事の通りに設定したのですが
デスクトップの音がマイクに入って二重に聞こえる現象が起きてます…
使用デバイス:Ministudio US-32
ヘッドセッド:SteelSeries Arctis 7
-- 名無しさん (2019-09-25 00:43:36)
- 記事作成お疲れさまです。
ON AIRボタンについてですが、私は簡易ミュートボタンとして利用しています。
とっさにPC画面上のミュート切り替えやボリュームつまみの調整ができなかったり、マイクスイッチのオンオフでノイズが入ったりすることがあるので、意外と重宝してます。 -- 名無しさん (2018-12-19 18:39:09)
最終更新:2022年01月27日 14:24