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コロシアムをもう一度

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コロシアムをもう一度 ◆ug.D6sVz5w



 先刻の人形襲撃事件からしばらく、あんなことがあったこともあり、余計に留まっていることが危険だと判断した俺達は、「宣言」の聞こえた範囲であろう城のあるエリアから離れるためにただただ歩きつづけていた。
 正直、さっきのあれ、動く人形のことが気にならんと言えば嘘になる。俺でさえそうなのだから、もしもここにハルヒがいたら大喜びであの謎をときたがるのだろうな。
 ……が、ここで名探偵がいきなり現れてくれるのを期待するわけにはいかんし、そもそもこんな状況で現れる謎を解いてくれそうな人物と言えば、見るからに悪党面した奴が冥土の土産だ、とか何とか言いながら俺達を襲ってくる前フリにしかならんだろう。
 いや、まあそこでいきなり現れるのが長門や古泉だったりしたら、後はあいつらに任せて、俺は事態が解決されるのを朝比奈さんを守ったりしながら見守ってしまえばいいから楽なんだが。

 と幾分話は逸れてしまったが、現在俺達は先頭、陸。二番目にマオさん。そのもうすこし後方に俺。という三列形態で歩いている。
 このような形で歩くことを提案してきたのは、実は陸だ。

 人形襲撃事件の少し後、再び俺達が歩き出そうとした矢先に提案してきたのだ。
 曰く、自分が先頭を歩くのは鼻が利く自分が先頭に立っているほうが俺達にとっても安全でしょう、だとか。
 曰く、自分の鼻で警戒している限り不意打ちをされる心配はほとんどないから、キョンさん、つまり俺が一番後ろにいたほうがいいでしょう、だとか。

 ……うん、まあ正直長門や古泉といった元々日常というカテゴリーから離れているような奴等や、なぜか銃器の扱いに慣れ親しんでいるようなマオさんといった相手からならまだしも、いくら喋れるとはいえ犬にさえ心配される自分というものが少々情けなくなってくる気もしないでもないが、実際役に立たないもんは立たないんだからしょうがない。
 遠慮なく、お言葉に甘えさせてもらって俺は二人、いや違った。一人と一匹の後ろをてくてくと歩いている。

 とはいえ、いきなり誰か――いや何かに襲われるということもなく、今俺達が歩いている場所なら聞こえていたとしてもおかしくはないあの「宣言」にやる気になった物騒な方や、逆に今の俺達のようにあの宣言を聞いて早々に逃げの一手をきめこむ参加者にも出会うことなく、俺たちは広い意味での城エリアからの脱出、ようするに天守閣の回りをぐるりと囲っている堀を無事に渡りきることに成功したのであった。

「マオさん、キョンさん、少々お待ちを」
 と、世の中そんなに上手くはいかないのか、堀を渡りきったその直後に、いきなり陸が俺たちに待った、といってきたのだった。
「どうした? 陸」

「はい、比較的新しい人の匂いがします。おそらくはあちらの建物……」
 と陸は視線を俺たちのほうからやや斜め前方へと動かした。
 つられてそっちのほうに視線をやると、さっきまでいた城とは比べ物にならん近代的な施設、見た目からして俺たちみたいな一般庶民とは縁もなさそうな高級感ただようホテルがあった。
「あのホテルへ入っていったのでしょう。裏口から出て行ったということでもない限り、今もあの中にいると思われますが……」
 目は口ほどにものを言う。どうしますか? と陸の視線は問い掛けている。
 どうする――つまりはホテルの中にいるであろう人物に会いに行くかどうか、ということだろう。
 ……ってだからどうしてそんな話題を俺に振るんだ。

 今までの経験から言わせて貰うと、どこぞの異次元ででかいカマドウマに襲われたときがそうであったように、正直こういう状況は専門家に任せるのが一番いいと俺は思うわけだ。
 というわけで陸からの視線に華麗にスルーを決めた俺は、そのままマオさんに期待を込めた視線を向ける―ーと。

「ちょっ、ちょっと何をやってんですか! マオさん!」
 俺は思わず大声を上げてしまっていた。何を思ったのかマオさんは平然と陸が言うところの他の参加者が潜んでいると思しきホテルへと歩いていっていたのだ。

 ホテルのロビーというものは基本的に見渡しがいいが、ちょっと奥の方に行けばフロントやらなんやらがあり、身を隠すのには実に都合がいい場所でもある。
 つまり俺が何を言いたいのかというと、だ。もしもあそこにいるのがヤる(もちろん殺すと書くほうの殺るだ)気になった参加者だったら身を隠さずに近付いているマオさんはいい的にしかならないだろう。
 と俺がそんなことを考えてマオさんを止めにいくべきか、下手な動きは見せないほうがいいのか躊躇している間に、一体何がやりたかったのか入り口付近まで近付いたマオさんは、あっさりとホテルへと入ることなく引き返してきたのであった。

「あ、キョンくん。ただいま」
「マオさん何をやってるんですか危ないでしょう! あのホテルにいるのが危険人物だったらどうするんですか!」
 と俺はついつい声を荒げてしまったのだが、そんな自分にしては激しい剣幕のつもりだったそれもマオさんにはまるで応えないものだったらしく「大丈夫、大丈夫」と軽い笑顔で返されるのであった。

「それで?」
「うん? それでって?」
「いやマオさん、何しにいったんですか?」
「ああ、そのことね」
 マオさんは納得したように頷いた。

「いやあ、あのホテルに立てこもってるのがひょっとしたらあたしの知り合いかなー、と思って調べにいってみたんだけどね。残念だけど、ソースケ達やテッサはあそこにはいないみたいね」
 まあソースケなんかは早々にかなめやテッサとと合流したりしない限りは篭城なんかせずに動き回ってるんだろうけど、とマオさんは一人呟いた。
 いや、いないみたいってあんた中に入ったり声をかけたりなんか一切していないだろう。

「いないみたいって……え? 何で中にも入っていないのにそんなことがわかるんですか?」
「ああ簡単よ。あたしの知り合いに限らず、ちゃんとした知識をもってこんな始まったばかりの状況で篭城っていう戦略をとる奴なら建物の中まで入ってこなくても、相手をきちんと確認しておく、そのための手段ぐらいは用意しているのが当然なわけよ」
「はあ……」
 つまりその入り口付近にまで近付いてみたけど、マオさんに反応した様子がないから知り合いはいない、とこういう事を言いたいのだろうか。

「……でも、そんなやり方危険じゃないですか?」
「ああ、平気平気。あそこにいるのがたった一人の生き残りを目指すプロだったとしても、ホテルの中に入るまでは襲ってきたりはしないわよ」
「なるほど、私たちの場合は匂いでホテルに立て篭もっている者がいるということがわかりましたが、そうでないほかの参加者達にとってはホテルに誰かがいるかどうかはわからない。
 しかし、ホテルの外にいる者にまで無差別の襲撃を仕掛けてしまえば、ホテルに誰かが潜んでいるのはわかる。そしてその場合ホテルの中にいるものは逆に袋の鼠になる、ということですね」
 マオさんの言葉を受けて陸が解説をいれてくれる。
 ……まあ、何だ。犬に解説を受ける自分というものに疑問を感じたりはしてないぞ。

「で、どうする? キョンくんも見に行ってみる?」
 言われて俺は考えてみる。
 仮にあのホテルに俺の知り合いがいるとして、だ。
 長門の場合……あいつだったら俺がここまで近付いた時点で何らかの行動をとっているとみていいだろう。
 古泉の場合……まああいつならマオさんが言ったような備えをしてここに立てこもる場合もある、のだろうか。
 朝比奈さんの場合……彼女があそこにいるとしても絶対にどこかの一室で小さく震えているのだろう。
 ハルヒの場合……はないな。この状況がアイツが望んだ物とはさすがに思えんが、それでもアイツのことだ。
 こんなわけのわからん事態に巻き込まれて、じっと閉じこもるなんていう選択肢をとるようなことはない。それだけは断言できる。

 とこう考えてみるとあのホテルに俺の仲間(朝倉を除いてあえてこういう)がいた場合、かなりの確率でリアクションがあると考えられるわけだが、やっぱりと言おうかなんと言うか、俺がロビー前までいってみても長門の無表情も古泉のにやけた顔も、はたまた万に一つの朝比奈さんの愛らしい顔も一切現れることはなかったのであった。

「おかえりー」
「はあ、ただいまです。……陸、このホテルに誰かが入っていったのは間違いないんだよな?」
「はい、キョンさん。それだけは間違いありません」

 つまり、だ。
 こうなってくると可能性は三つしかない。
 一つはホテルに入っていった誰かがすでに従業員出口などから出て行ったケース。
 ただ、この場合は何でそいつはそんな面倒なことをしたのかという疑問が残っちまう。ホテルに誰かが入っていったということがわかる俺たちのほうが特殊なケースだ。だったらどうしてその誰かさんはそんなわけがわからんことをしたのであろうか。

「んー? ロビーの中にトラップでも仕掛けたんじゃない?」
 とはマオさんのセリフ。専門家の言うことだけあって、言われた途端、あの出入り口が禍々しく見えてくるから不思議ではある。

 と、二つ目のケースは危険人物が潜んでいるケース。
 この場合も下手にホテルに侵入しさえしなければまあ安全だろう。

 で三つ目。中にいるのが安全な人の場合。
 この場合は中にいるのは俺たちの知り合いではないか、話を聞く分には唯一そういうことに気が回りそうにない俺の知り合い朝比奈さんということになるわけだ。

 まあこのように状況を整理してみても、結局このホテルに入ってみるべきか、それとも無視するべきかという結論は一切出ていないのだが。

「む?」
 どうしようか俺たちが態度を決めかねていると、不意に陸が顔をあげて、北のほうを向いた。

「陸、どうした?」
「この匂いは……いや、間違いない!」
 言うなり陸はいきなり北のほうに向かって駆け出した。

「おい、陸! っといきなりなんだって言うんだ」
 とはいえ一匹で行かせる訳にもいかないだろう。ひとまずホテルの件は後回しにして、俺とマオさんも陸の跡を追いかけることにした。

 当たり前の話ではあるが、犬と人間ではその走る速さはまったく比べ物にはならない。
 それでも俺たちが陸を見失うことがなかったのは、陸の移動した距離がそれほどの遠くはなかったからだ。

 北にわずか数百メートル。とはいえついさっきまで俺たちがいたホテル前は見えなく距離。
 前のほうに見えてきたそれほど大きくはない橋を渡り終えようとしている二つの人影。その片方にむかって陸は近付いていく。

「シズさま! ご無事で何よりです!」
「……陸?」
 陸に遅れることわずか。まだまだ余裕の表情のマオさんと多少息切れした俺が見たのは緑色のハイネックのセーターを着た長身の優しそうな男の人と、その人の前で畏まっている陸。そしてその様子を面白そうに見ている金髪の外人さんだった。

「……君達は?」
「ああいえ、シズさまご安心を。彼らは危険な人物ではありません」
 陸より遅れて到着した、彼らにしてみればいきなり現れた俺たちに警戒の目を向けてくるシズさんと、慌ててそれにフォローを入れる陸。
 まあここはちゃんと自己紹介をするところだろうな。 

「ええと……」
「こちらの男性がキョンさん。私を支給品として引き当てた方です。そしてあちらの女性がマオさん。開始直後からキョンさんと同行しておられます」
「……キョンといいます。その、なぜか参加者名簿のほうではこういう名前で登録されていますから、そう名のらさせてもらいます」
「メリッサ・マオよ。ま、よろしく」
「そうか、陸が世話になったようだな。礼を言わせて貰おう。陸から聞いているかもしれないが、私はシズという」
「どうも、こちらこそよろしく」
 とまあこのように自己紹介を行っていた俺たちではあったのだが、次のシズさんと同行していた女性――アリソンさんの自己紹介で大いに驚くこととなる。

「私はアリソン。アリソン・ウィッティングトン・シュルツ。まあアリソンって呼んでね。こう見えてもロクシェの軍人よ」
 ……ロクシェ?
 一応俺は普通の学生だ。この普通というのは学校の成績も普通ということであり、別に世界の国々すべての名前を暗記しているほどじゃない。
 だから知らない国があってもまるでおかしくはないのだが……それでもそのロクシェという国名は知っているとかではなく、聞いたことさえない。

「……えーと、どこの軍人って?」
 そのロクシェとやらに聞き覚えのないのはどうやらマオさんもおなじだったようで、頬を掻きながらアリソン・ウィッテ……アリソンさんに尋ねている。

「だからロクシェよ、ロ・ク・シェ。そんなに信じられないかなぁ」
 まあ、確かに言われてみればアリソンさんからは世間一般で言うところの軍人という単語でイメージされるようなお堅いイメージはないのだが。
 ただ、この場合聞き返した理由はその繰り返した国名にまるで聞き覚えがないことなんだが。

 かくして軽い自己紹介で済むはずだった俺たちの出会いは、お互いの常識をつき合わせる本格的な会談へと変更されることとなった。
 そうして結局、この場にいる四人の常識がまるで異なることに気がつくのは、もう少し時間が過ぎてからのことになるのであった。

「……嘘、とか冗談じゃないのよね?」
 元々シズさんといっしょに旅をしていたらしい、陸以外の四人、ちなみに陸は誰か近付いてくる奴がいないか警戒をしてくれている、の話を合わせてみた結果。
 最初に全員が別の世界から集められたということに気がついたのは俺だった。
 一応ハルヒが作り出した閉鎖空間やらなんやらに閉じ込められたことがある経験が役に立ったといえるのだろう。……まるで嬉しくはなかったが。
 それはさておき、信じられないといったような顔と声でアリソンさんが呟く。まあその気持ちはわからんでもないが。それはお互い様という奴だろう。
 なにせそのアリソンさんの世界では、国が二つ――さっき言ったロクシアーヌク連邦とやらとベゼル・イルトア王国連合というところしかないだとか。
 他にも大陸が一つだけしかないとか、世界暦とかいう聞いたこともない暦を使用しているだとか。
 仮に彼女が嘘を言っているんだとしたら、軍人じゃなくて小説家になるべきだと俺は思うね。

「……」
「……」
 驚いているらしいのはシズさんやマオさんも同じだ。口に出してはいないものの、その顔はありありと驚きの表情を浮かべている。
 シズさんの世界ではさまざまな国があって、技術的にも文明的にも俺たちの世界以上にバラバラに進んだり、そうでなかったりしていて、またそういった国から国へと旅する旅人さんというのが結構メジャーらしい。
 マオさんの世界はかなり俺の世界に似ていて、日本やアメリカと同じ名前の国もあったりして、一旦は俺とマオさんは同じ世界からきたのかなー、とか思ったりもしたのだが、AS――アーム・スレイブだとかいうガンダムみたいなでかいロボットがある、俺たちのところよりもう少し科学技術が進んでいる世界らしい。
 四人と一匹が集まって、四種類の異なる世界。いや、俺たちが知らない名前も名簿に載っていたりする以上、もっと異世界はあるのだろう。そう考えてみると、この消滅していく世界とやらもやっぱりそうした異世界の一種なのだろうか。

 とまぁ、この世界における俺の浅知恵な考察はこの辺にしておこう。
 この殺し合いゲームで俺みたいな一般ピープルが一人が悩んだところで答えが見えるはずもない。
 何度も言うが、俺は至って普通の男子高校生だ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもないし、そうなりたいとも思わない。
 ただちょっとばかり、周りが特殊すぎるだけだ。ライオンの檻の中に一人迷い込んだネコみたいな存在なんだよ、俺は。

 ああ、ちなみに。
 その情報交換の際にわかったことなのだが、実は軍人だったアリソンさんの他にも、シズさんは旅人さんで一人と一匹で無法地帯を旅することができるぐらい腕が立つらしいし、只者じゃないと思っていたマオさんも実は傭兵で腕はいいらしい。
 だから、この人たちといっしょに行動して、後は長門やハルヒを見つければミッション・コンプリート。
 あいつらの不思議パワーで俺たちはめでたく帰還することに成功……というわけにはいかなかった。

「我々も後はティーを見つけるだけですね」
 二度あることは三度ある、とか言うが……やっぱりそのきっかけを作ったのは陸だった。

「……ティー?」
 とりあえずマオさんは宗介、クルツ、テッサ、かなめという人を。
 アリソンさんはリリアーヌ・アイカシア・コラ何とか……リリア、トラヴァストレイズという人を。
 かくいう俺もハルヒに長門に朝比奈さん、それにおまけの古泉とそれぞれに探し人がいる。
 で、この場にいるもう一人、シズさんには探している相手はいないのか聞くと、本人が返答するよりも先にその足元で控える陸が答えを返し、その答えにほかでもないシズさんが不思議そうな表情を浮かべたのであった。

「陸、どうして私たちがそのティーという参加者を捜す必要があるんだ?」
「え? 何をおっしゃるのですかシズさま?」
 シズさんは不思議そうな表情を浮かべ、陸も表情こそ笑っているようなままではあったが、その声と雰囲気からはありありと困惑の気配が感じられる。

「あ、あのちょっと!」
「なんですかキョンさん?」
 微妙な空気が流れる二人に慌てて俺は待ったをかけた。

「あのー、何か話が食い違ってるみたいですから、さっきまでの俺たちのように、その、情報交換などをしてみては……」
「そうだな、いい考えだ」
 いやマジで驚いたね。
 ぱっと見、線の細い好青年風の見た目のシズさんだが、正面からじっと見られたときの圧力はものすごい。まあ、すぐに表情を緩めてくれて、それと同時にその得体の知れない圧力は霧散したわけだが、シズさんが凄腕ということは雰囲気だけで、素人の俺にもわかるほどだった。

 まあ、そんな俺の感想はさておき、シズさんと陸は情報交換をはじめていた。

 一番最初に驚いたのが、シズさんが実は王子様だということ。
 人は見掛けによらんとよく言うが、まあさっきまで普通に話していた相手が元王子様だー、などいきなりいわれてもそれは凄い、ぐらいの感想しか出てこない。
 ちなみに驚いている俺の近くでアリソンさんが「ここにも王子様ねー」などと気楽に言っていたのはやたらと印象に残った。

 また話が逸れちまったな。

 いつもバギーで旅をしている。そのバギーは戦場跡でシズさんが拾った物。拾った時期はシズさんが陸と出会う前のこと。
 ここらへんまでは二人の情報はまったく一緒だった。

 ――が。

「そのバギーは一度整備に出したことがありまして」
「いや、陸。あれは整備に出したことなんかないぞ」

 そこから先の陸の知識はシズさんが一切知らないことだった。

 シズさんの旅の目的地である国の少し前でバギーの調子が悪くなり、整備に出したことがあること。
 その国で一人の少女と出会って、すぐに死に別れてしまったこと。
 その後、旅の目的だった国には着いたが、その旅の目的――その国で行われている命懸けのトーナメントで生き残ったたった一人に与えられる王との面会の機会を利用した王の、つまりシズさんの父親の暗殺、はこの会場にもよばれているキノというパースエイダー(俺たちの世界でいうところの銃のことらしい)使いに敗北して、果たせなかったこと。
 そのキノさんが代わりに王様を殺してしまったこと。
 それで色々吹っ切れたシズさんは自分の居場所を求めて旅を続けることにしたこと。
 その旅の途中で別の大陸に渡るために大きな船に乗り――色々あって新しくティーという少女もいっしょに旅をすることになったということ。

「……以上が私がシズさまのお側で見聞きしてきたことです」
「そんな……そんな……」
 陸の話が終わる少し前から、シズさんは呆然と同じ言葉を繰り返している。

 まあその気持ちはわからんこともない。
 命をかけても果たそうとしていた目的が、自分の手で果たせないことがわかってしまったんだからな。

「シズさま……」
「……いや陸、大丈夫だ」
 そんな全然大丈夫じゃなさそうな顔と死にそうな声でシズさんはぼそりと言う。
 それがあまりにも辛そうに見えたので、ついつい俺は言ってしまったのだ。

 ――言ってはいけなかったことを。

「しかしどうして私は覚えていないのだ……」
「あ、あのシズさん……」
「……なんだい? えーと……」
「あ、キョンです。あのおそらくの話なんですが、シズさんはさっきまで陸の話していたことを覚えていないんじゃなくって知らないだけなんだと思います」 
「……? どういうことだいキョンくん」
「俺たちは別の世界から集められたみたいですけど、例えばシズさんとそのティーっていう子、アリソンさんならえっと……ああ、リリアさんとかいうように同じ世界から呼ばれた人もいますよね?」
「ああ、そのようだが……」
「ひょっとしたら、の話になるんですが、その人たちも微妙にずれた時間から呼ばれた可能性もあります」
「「「は?」」」
 俺の言葉にシズさんのみならず、アリソンさんやマオさんも俺の言葉に不思議そうな表情を浮かべた。

「ちょっとキョンくん、それってどういうこと?」
「さっき俺が探しているのはハルヒって奴と長門に朝比奈さん、古泉の四人だけと話しましたよね?」
「ええ、そうね」
 一番最初に疑問の言葉をぶつけてきたマオさんに俺は答えを返す。

「まあ、名前の載ってない9人がどういうやつかはわからないのでそれは別としますが、実際に合流したいのはその4人だけって言うのには間違いはないんです。けど、実はもう一人この名簿には俺の知り合いが載っているんですよ」
「何で合、……ってひょっとして」
「はい、多分それで正解です。昔俺はそいつ、朝倉涼子に命を狙われたことがあるんですよ。ってまあそれは今は関係ないですね。問題なのはそいつは俺に襲い掛かってきた時に、別の奴に返り討ちにあって、間違いなく死んだはずなんですよ」
「……でも確かに名簿に朝倉涼子の名前はある」
 はい、とシズさんの言葉に俺は頷いた。
「異世界の移動とタイムスリップ、どっちのほうが高い技術が必要なのかは俺にはわかりませんけどね。それでも間違いなく、どちらも可能にする技術って言うのは存在しているんです。だから多分朝倉もその返り討ちにあって消滅するより前の時間からよばれているんじゃないかな、と」
「同姓同名の赤の他人、その可能性は?」
「その可能性もあるとは思います。でも……」
「いや、すまない。今のはただの揚げ足取りだな」
 そう俺に謝るとシズさんは苦笑した。

「だからシズさんも無事に脱出しましょう。まあ確かに自分の手で目標を果たせないっていうのは辛いことかもしれませんけど、逆に考えたら目的が必ず果たされることがわかってるんだからラッキーじゃないですか!」
「そうだな、無事に帰れば……」
 うんうんとシズさんは自分を納得させるように何度も頷いた。

「はい、じゃあ話はここまで!」
 ぽん、と軽くマオさんが手を合わせ、立ち上がった。

「お互い探す相手もいることだし、とっとと知り合い見つけて元の世界に帰りましょう」
「ええ、頑張りましょう」
「そうね」
 俺とアリソンさんもよっこいしょと続けて立つ。

「ほらほら、シズもいつまで座ってんの」
 やっぱりまだ立ち直りきってはいないのか、座り込んだままのシズさんにアリソンさんが近付いていき、その手を引っ張って半ば無理矢理に身を起こさせた。

「ああ、そうだな……陸、こっちへ」
「はい、なんでしょう」
 立ち上がったシズさんは陸を呼ぶ。
 さすがというか、なんというかシズさんに呼ばれるや否や、再び俺たちの先頭を行こうとしていた陸は最後尾のシズさんの下へと素早く駆け寄った。

「あっと、そういえばマオさん」
「何、キョンくん」
「さっきのホテルの方はどうしましょう
「あーっとそうね……あの二人にも聞いて――」
「――ぁ」

 その時背後から何か聞こえた。
 後ろにいるのはシズさん、アリソンさんそして陸だ。
 何かあったのか、と振り向こうとした俺だったのだが、 

「――どわっ!」
 不意のことだった。
 何を思ったのかマオさんが俺の背中を引っ叩いたのだ。
 当然何の心構えもできていなかった俺はバランスを崩してつんのめり、地面に熱烈なキスをする羽目になった。

「マオさ――」
 マオさん、何をするんですか! そういうつもりだった俺の言葉は……その半ばで遮られた。

「……は?」
 え? 何がどうなったって言うんだよ。
 いや、何がどうなったか、なんてことは目の前の光景を見りゃあわかる。

「――何を」 
 だから俺は単に判りたくはなかったのだろう。
 ――今となっては目の前、実際には俺の少し後ろで何が起きていたかなんてことを。

「何をやっているんですか! シズさん!」
 ああ、そうさ。
 わかりたくなんてなかったさ。

 ――シズさんがアリソンさんの胸に「刀をつきたてている」理由なんてものはな!

 陸の姿はいつのまにか消えている。
 シズさんが持っていたデイパックがいつのまにか地面に置かれているところを見ると、ひょっとしたらあの中だろうか。
 アリソンさんの表情は背中を向いていて見えない。ただ、ぴくぴくと体が震えているからまだ死んではいないのだろう。
 ――そして、シズさ、シズの表情は静かだった。無表情のままでアリソンさんを突き刺していて、そして無表情のままでその体から刀を引き抜く。
 かはっ、と空気がもれるような音がして、アリソンさんの体が力なく仰向けに倒れこんだ。

 その次の瞬間。
 聞き覚えのある轟音が俺のすぐそばで聞こえた。
 マオさんが銃をシズ目掛けて発射したのだ。
 だが、その一撃は当たらない。アリソンさんから刀を引き抜くや否や、シズは軽く横に跳び下がっており、代わりにシズが直前までいた地点の後方の道路がバシッと爆ぜた。

「――ほう、早いね」
「どういうつもりよ?」
 感心したような声のシズに冷たい声を返すマオさん。

「どういうつもり、か。別に言うまでもないと思うが」
「殺し合いに乗っていないんじゃなかったの?」
「さっきまでは乗っていなかった、だな」
 平然というシズに俺は思わず怒声を浴びせていた。

「なんで! 何でアンタはそんな馬鹿な心変わりをしたんだよ!」
「なんで、か。理由は君が言ったんじゃないか」
「……は?」
「我々は別の世界、別の時間から呼ばれているんだろう?」
「……ああ、多分な」
「そして、あの人類最悪とやらは最後の一人は元の世界に返すと言っていた。
さて、じゃあ聞こう。仮にあの人類最悪が予想もしない方法でこの場から逃げ出すことができたとしても、私たちは元の世界、元の時間に帰ることができるのか?」
「できる!」
「君ができる、じゃないんだろう。なら一番良い方法は優勝して確実に元に戻してもらうことだ」
「そんなわけ――」
「キョン君」
 なおも言い募ろうとした俺をマオさんが止めた。

「こういうバカには何を言っても無駄よ。この馬鹿の相手は私がするから君は逃げておきなさい」
 シズから視線を逸らさぬままでマオさんは俺に逃げろといった。

「何で……」
「とりあえず、君はお姉さんが守るって約束したからね~。人質とかにされたら困っちゃうわけよ」

 ――言葉こそは優しいが、それは足手まといは引っ込んでいろ、というマオさんの宣言だった。

 もう一度言わせて貰おう。俺は至って普通の男子高校生だ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもないし、そうなりたいとも思わない。
 ただちょっとばかり、周りが特殊すぎるだけだ。ライオンの檻の中に一人迷い込んだネコみたいな存在なんだよ、俺は。
 だからこんな場面で役立たずになるのは当然だし、逃げたほうが良いってことぐらいはそんなに良くない俺のあたまでもわかるさ。

 ――けどな、だからってここでおとなしく尻尾を丸めて逃げ出せるほど、俺は人間ができちゃいねえんだよ!

「うおおおおおぉぉっ!」
「「な?」」
 シズとマオさん、二人の驚きの声が重なった。
 おそらくはマオさんは俺が指示を無視して、前方へと駆け出したことと、もう一つのある事実に。
 そのもう一つの理由にはおそらくシズも驚いたことだろう。

 マオさんにせよ、シズにせよ、最初に陸を追いかけて二人に合流した時に俺の走るところは見られている。別にあの時全速力で走っていたわけじゃあなかったが、それでも合流した時の息切れ具合なんかから、オレの全速力はおおよその検討はついていたことだろう。
 だが、今の俺のスピードはそれよりはるかに速い。
 別にタイムを計ったわけじゃないから正確にはいえないが……オリンピックの短距離走選手ぐらいのスピードは出ているという自覚はある。
 もちろん普通の学生に過ぎない俺がそんな運動能力を持ち合わせているわけじゃない。

 そこまでの速度を出せるのは偏に俺の支給品のおかげだ。

 ――発条包帯(ハードテーピング) 。
 超音波伸縮性の軍用特殊テーピングとかいうぱっと見、よく雑誌の裏とかに載っているお手軽健康グッズみたいな代物だが、その効果は本物だった。
 シズと倒れているアリソンさん、この両者のいる場所までの十数メートルの距離が、あっという間に短くなっていく。
 そしてその注意書きにも嘘はなかった。

(キツイな……)
 一歩を踏み出すそのたびに足元からものすごい衝撃が突き上げてきて、気が遠くなりそうだ。
 これは発条包帯(ハードテーピング) の注意書きに書かれていたことだった。
 要するにこれを使えば筋力は増大するが、道具によって筋力を引き上げるだけで、俺の筋肉まで強くなったわけじゃない。つまり自分の力に耐え切れなくなるのだ。

 シズの場所まで後数歩。
 ああ、わかっているさ。いくらこんなもんで強くなったところでアイツみたいな元々非常識的な相手に勝てるわけないってことぐらいはな。

 ――だから俺の狙いは最初からただ一つ。

 アイツの間合いに入ったのか、シズの奴がマオさんからも視線は外さずに、それでもこちらにも注意を向けて刀を構える。

「うおおおぉぉぉ!」
「……しまっ!」
 そのまま俺は奴の側へと近付くと、その側に倒れているアリソンさんの側へと駆け寄った。近付かないとわからないぐらいだが、アリソンさんの胸は確かに上下に動いている。
 よし、生きている!
 俺はそのままアリソンさんを抱えあげる。
 発条包帯(ハードテーピング) は足の他に腕にも巻いている。
 本来の俺の力なら絶対に無理なそんな芸当も今の俺なら簡単にできる。

「マオさん! 後は頼みます!」
 俺の狙い、それは最初からアリソンさんを助けることだ。
 何だかんだいって、マオさんもいい人だ。
 あのまま俺一人が逃げ出したところで、シズが倒れたアリソンさんを盾にするように戦えば苦戦は免れないだろう。
 だが、アリソンさんさえ助けてしまえば後は銃対刀、マオさんの優位は揺るがない。 
 後はここから距離をとって、アリソンさんの傷を何とかすれば――

「キョン君、危ない!」
「え? うわ!」
 油断してしまったのだろう。
 マオさんの声とほぼ同時に俺の足に何かがぶつかった。普段ならたいしたことはないその衝撃も、今の俺のバランスを崩すには十分すぎる威力があった。
 走っている最中にバランスを崩せばそいつは倒れてしまうに決まっている。
 だが、俺の両腕はアリソンさんを抱えることに使われている。
 ――その結果。

「う、うううう」
「……悪いが逃がすつもりはない」
 俺は手をつくこともできずに地面へと倒れこみ、体の前方を強かに打ちつけた。
 アリソンさんを離さなかった自分の根性は正直、自分自身を誉めてやりたいぐらいのもんだが、今はそんな場合じゃない。
 ふと見ると、俺の側にそれほど大きくはない石が転がっていた。
 シズは咄嗟にそれを蹴飛ばすか何かして俺にぶつけたのだろう。

「あなたも下手な動きは見せないで貰おうか」
「……この」
 シズの言葉にマオさんは悔しそうに唇をかむ。

 あくまでもマオさんを警戒しつつ、時折ちらちらとこちらを見ながらシズはゆっくりとこちらに近付いてくる。
 こっちを人質にしようというつもり、なのだろう。
 それがわかっているなら逃げりゃあいいんだろうが、足が痛い。
 ……別にガキみたいな泣き言を言っているんじゃないぞ。元々発条包帯(ハードテーピング) をつけていなけりゃ俺が全速力で走ったところでシズからは逃げられない。
 だが、この足だと逆に自分の力に耐え切れないのだ。
 せいぜい走れて数メートル……って何で気がつかなかったんだよ、俺。
 数メートルも走れるんなら何とかなるじゃないか。

「……マオさん、勝ってください」
「……まだ!」
 後もう少しだけ持ってくれよ、自分に祈りながら俺はもう一度駆け出した。
 シズの舌打ちに少し遅れて、銃声が響いた。
 マオさんの援護射撃だろう。明らかにシズの注意が逸れたのがわかる。

「……っ、はぁ」
「くっ、しまっ!」
 精一杯走ってもこの程度しか進めない数メートルの距離。
 だが、その距離を走り終える前に俺がどうするつもりなのか理解したらしいシズが悔しそうな声を出す。

 ――俺のいる場所、そこはつい先ほどアリソンさんとシズが渡ってきた橋の上だ。
 当然ながらその橋の下には川が流れている。

(痛くないぞ、痛くない。後ついでに怖くない。)
 覚悟はしていたがやはり十メートル近いその距離は恐怖だ。

 だけどそんな事いっている場合じゃねえだろうが!

 俺は一気に橋から身を投げた。
 さっきの俺と同じかそれ以上の速度で水面が近付いてくる。

「――っ!」
 そして俺の意識は暗転した。


 ◇ ◇ ◇

「――勇敢だな」
「そうね、あの子はアンタやクルツみたいなのよりいい男になるんじゃない?」
 キョンが橋から身を投げた直後から、二人はすでにお互いしか見ていなかった。
 橋から身を投げた二人が気にならないといえば嘘になるが、お互いに理解していた。

 ――他のことに気を配ってしまえば、死体になるのは自分のほうだと。

「さてと、じゃああの子を助けるためにも、ここでのんびりとアンタみたいなバカと一緒にいるつもりはないの」
「奇遇だな。私も少しでも早く、自分の為すべき事を為さねばならない」

 言葉と共にマオは銃を構えて狙いを定める。
 シズは刀を構えて、じりじりとマオとの間合いをつめていく。

 ――死闘がここに始まった。

【C-4/橋の近く/一日目・早朝】

【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]:気絶、両足に擦過傷、中程度の疲労
[装備]:発条包帯@とある魔術の禁書目録
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品0~1個所持)
[思考・状況]
0:……(気絶中)
1:この場から離れ、アリソンを治療する。
2:SOS団と合流し、脱出する。
3:マオやアリソンの知り合いも探す。
[備考]
※気絶は落ちたショックで少し気が遠くなった程度、それほど時間はかからずに目が覚めるでしょう。

【発条包帯@とある魔術の禁書目録】
学園都市製の超音波伸縮性の軍用特殊テーピング。
筋肉を補強することができる。
名前からすると関節を外側から引っ張る人口筋肉のようなものだと思われるが、
「高機動では肉離れを引き起こす」と言う記述からすると、筋力そのものも強化しているらしい。
駆動鎧に使われている身体強化を行う部分のみを取り出したようなものであるとのこと。
結果として、増大した力に使用者自身が耐えられず、長時間の使用は使用者自身にダメージを与える。

【アリソン・ウィッティングトン・シュルツ@リリアとトレイズ】
[状態]:気絶中、右胸に背中まで突き抜けている傷。
[装備]:なし
[道具]:デイパック、支給品一式、カノン(6/6)@キノの旅、かなめのハリセン@フルメタル・パニック! 、カノン予備弾×24
[思考・状況]
1:……(気絶中)
2:リリア達と合流。
[備考]
※胸の傷は早急に手当てしないと命に関わります。

【シズ@キノの旅】
[状態]健康
[装備]贄殿遮那@灼眼のシャナ
[道具]デイパック、支給品一式、陸、不明支給品(0~2個)
[思考]
0:生き残る。
1:優勝して、元の世界元の時間に戻って使命を果たす。
2:メリッサ・マオを殺す。
3:未来の自分が負けたらしいキノという参加者を警戒。
4:陸はできれば何も知らせずに元の世界に返してやりたい。
[備考]
※ 参戦時期は6巻『祝福のつもり』より前です。

メリッサ・マオ@フルメタル・パニック!】
[状態]:健康
[装備]:モスバーグM590(6/9)
[道具]:デイパック、支給品一式(確認済みランダム支給品0~2個所持)
[思考・状況]
1:シズを倒す。
2:キョンを守る。
3:仲間達と合流。
4:自身の名前が無い事に疑問。


[備考]
※四人とも参加者は異なる世界、異なる時間から呼ばれていると全員判断しています。
※四人はフルメタル・パニック、リリアとトレイズ、キノの旅、涼宮ハルヒの憂鬱の世界についてある程度知りました。
※それぞれの知り合いの情報を交換しました。


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前:粗悪品共の舞踏会 シズ 次:銃と刀
前:粗悪品共の舞踏会 メリッサ・マオ 次:銃と刀
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