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必要の話―What is necessary?―
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必要の話―What is necessary?― ◆UcWYhusQhw
「これは……」
たった一人の大切な人を探す為に護るべき者であった少女と別れた少年、トレイズ。
その目的の為にはきっと切り捨てるものも出てくるだろう。
また、そうした覚悟をトレイズは持った、持たされた。
ある意味、気負いながらも彼がまず最初に見つけたのは人であって人ではないもの。
それは生前は黒桐幹也と呼ばれた者の顔が耕された死体であった。
その目的の為にはきっと切り捨てるものも出てくるだろう。
また、そうした覚悟をトレイズは持った、持たされた。
ある意味、気負いながらも彼がまず最初に見つけたのは人であって人ではないもの。
それは生前は黒桐幹也と呼ばれた者の顔が耕された死体であった。
亜美と別れ、何処かの施設にリリアは隠れているかもしれない。
そう考えたトレイズは地図に書かれた『温泉旅館』という場所に向かう事にした。
そして向かう中でかぎ慣れてしまった血の匂いに導かれて訪れた場所。
正しくそこは温泉旅館であったのだが、まず、見つけたのはその遺体と一台の二輪車であった。
死体を一瞥し、目の前の建物を注視した時、
そう考えたトレイズは地図に書かれた『温泉旅館』という場所に向かう事にした。
そして向かう中でかぎ慣れてしまった血の匂いに導かれて訪れた場所。
正しくそこは温泉旅館であったのだが、まず、見つけたのはその遺体と一台の二輪車であった。
死体を一瞥し、目の前の建物を注視した時、
「どーもー」
聞こえてきた声。
何処からか聞こえてきたのかと思えば、聞こえてきたのは二輪車から。
それはトレイズの常識範囲外のものであったが。
何処からか聞こえてきたのかと思えば、聞こえてきたのは二輪車から。
それはトレイズの常識範囲外のものであったが。
「えっと……遺体あるけど……」
「前からあったよ」
「そう……ああ、ちょうどいいや、リリアという少女探してるんだけれども、何か知らないか?」
「……んー知らないなー。知ってるのはここでは五人居るけど。何処に行ったかは知らないや……まったくもー酷いんだから。動けないの知って放置とか」
「それは災難だったね……えっと君は?」
「前からあったよ」
「そう……ああ、ちょうどいいや、リリアという少女探してるんだけれども、何か知らないか?」
「……んー知らないなー。知ってるのはここでは五人居るけど。何処に行ったかは知らないや……まったくもー酷いんだから。動けないの知って放置とか」
「それは災難だったね……えっと君は?」
難なくリリアの事を聞くトレイズ。
それほどまでに、リリアの事が気になって。
常識範囲外である事に気付いていなかった。
トレイズの目的はリリアをいち早く探し出す事なのだから。
それほどまでに、リリアの事が気になって。
常識範囲外である事に気付いていなかった。
トレイズの目的はリリアをいち早く探し出す事なのだから。
「俺はトレイズというけど……君は?」
「エルメス」
「……どうも……バイクが喋ったっ!?」
「……今更気付くし……何回目だろこれ……バイクじゃなくてモトラドだから」
「そうですか」
「まったくもー……」
「エルメス」
「……どうも……バイクが喋ったっ!?」
「……今更気付くし……何回目だろこれ……バイクじゃなくてモトラドだから」
「そうですか」
「まったくもー……」
大きくため息をつくモノ、エルメスはバイクじゃなくてモトラドというらしい。
トレイズにとってはどう違うか見当もつかないが特には期待する事ではない。
喋った事に今更気付いたぐらいなのだから。
トレイズはリリアを探し出す事に精一杯でそれ所ではなかった。
トレイズにとってはどう違うか見当もつかないが特には期待する事ではない。
喋った事に今更気付いたぐらいなのだから。
トレイズはリリアを探し出す事に精一杯でそれ所ではなかった。
何故喋ったかはよく解らない。
それとなく、放送で語られた事に関係するのだろうが、今はそれ所ではなかった。。
放送の事についても考えを巡らさなければならないのだが、それは二の次でしかない。
今は、探すべき人をいち早く探し出す事。
その為にもトレイズは目の前のモトラドに話しかける。
それとなく、放送で語られた事に関係するのだろうが、今はそれ所ではなかった。。
放送の事についても考えを巡らさなければならないのだが、それは二の次でしかない。
今は、探すべき人をいち早く探し出す事。
その為にもトレイズは目の前のモトラドに話しかける。
「ごめんごめん……それでこの中に人は?」
トレイズが指差すのは温泉旅館。
純和風の建物はトレイズにとっては始めてみるものだったが、特に気にする事も無く。
淡々と用事を済ませるのみだった。
純和風の建物はトレイズにとっては始めてみるものだったが、特に気にする事も無く。
淡々と用事を済ませるのみだった。
「いなーい。死体は有るみたいだけど」
「どうも、ありがとう」
「……あれ? 居ないのに入るの?」
「ええ、まあ。色々何か必要になるものや武器があればいいし」
「ご苦労な事だね」
「ええ、お陰さまで」
「どうも、ありがとう」
「……あれ? 居ないのに入るの?」
「ええ、まあ。色々何か必要になるものや武器があればいいし」
「ご苦労な事だね」
「ええ、お陰さまで」
トレイズは一つため息をついて温泉旅館の方に向かっていく。
本当はその死体がリリアじゃないか確かめたかっただけ。
確立的には低いだろうけど、とりあえずと心の中で呟きながら。
最も今の武装も心もとないのも確かである。
何か、あればいいけどと今度は口に出しながら。
本当はその死体がリリアじゃないか確かめたかっただけ。
確立的には低いだろうけど、とりあえずと心の中で呟きながら。
最も今の武装も心もとないのも確かである。
何か、あればいいけどと今度は口に出しながら。
トレイズはエルメスはそのままにしていき中に入っていった。
取り残されたのはエルメス。
エルメスはさっきの少年の事を考えながらひたすら立ちすくむだけ。
取り残されたのはエルメス。
エルメスはさっきの少年の事を考えながらひたすら立ちすくむだけ。
「運転できるかな? 彼?……できるといいねぇ。旅は道連れ、世は無情と言うし」
もしかして、旅は道連れ、世は情けってやつ?という回答を期待しつつ。
でも結局、彼は一人なのだから答えは返ってくるわけがない。
でも結局、彼は一人なのだから答えは返ってくるわけがない。
「……そうそれ」
そして、エルメスはそう一人で寂しく呟くのだった。
やがて、トレイズは先ほどと変わらない様子で温泉旅館から出て来た。
心なしか表情に安堵の様子は浮かんでいるようだが。
そして、許可も無いのにエルメスに乗っかかった。
心なしか表情に安堵の様子は浮かんでいるようだが。
そして、許可も無いのにエルメスに乗っかかった。
「ちょっとー!」
「ごめんごめん」
「ごめんごめん」
トレイズは少し笑いながらエルメスから身体をどける。
そんな、先ほどと変わらないトレイズに向かってエルメスは口を開く。
そんな、先ほどと変わらないトレイズに向かってエルメスは口を開く。
「死体見たのに特に変わらないね」
「うん? まあ何回も見た事あるし」
「うん? まあ何回も見た事あるし」
トレイズはそう何も変わらないように呟く。
実際、死体自体は巻き込まれた事件で沢山見てきた。
なにより先程バラバラ死体を見たばかり。
それに、トレイズは何回か自分の手で死体を作り出している。
今更気にする事はなかった。
それよりもリリアじゃなくてよかったという感情だけ。
それだけで後は関係もなかった。
実際、死体自体は巻き込まれた事件で沢山見てきた。
なにより先程バラバラ死体を見たばかり。
それに、トレイズは何回か自分の手で死体を作り出している。
今更気にする事はなかった。
それよりもリリアじゃなくてよかったという感情だけ。
それだけで後は関係もなかった。
「『必要』なもの見つかった?」
「いや……無いかな……御免、違うな」
「いや……無いかな……御免、違うな」
エルメスの問いにトレイズはそっけなく答えようとして何かに気付いたような素振りを見せる。
そして、エルメスを見て意地悪く笑って
そして、エルメスを見て意地悪く笑って
「一つ見つかった。君が『必要』かな。勝手に乗っていこうか」
「きゃー人攫いー」
「人なのか? モトラド攫いじゃないのか?」
「……微妙に突っ込みにくいね、それ」
「俺もそう思う……」
「きゃー人攫いー」
「人なのか? モトラド攫いじゃないのか?」
「……微妙に突っ込みにくいね、それ」
「俺もそう思う……」
そんな下らないやり取りをする二人。
しかし、トレイズにとって足は必要である。
その中でバイクを運転で切るというのは移動に関して大きなメリットになりえる。
だから、エルメスを持っていこうと考えた。
しかし、トレイズにとって足は必要である。
その中でバイクを運転で切るというのは移動に関して大きなメリットになりえる。
だから、エルメスを持っていこうと考えた。
「まあ『必要』なら乗っていけばー?」
「それでいいのか?」
「モトラドはね、走っているときが一番幸せなんだ。君運転できそうだしね」
「それでいいのか?」
「モトラドはね、走っているときが一番幸せなんだ。君運転できそうだしね」
エルメスとしてはトレイズが運転してくれるなら願ったりの事だった。
少なくともシャナには伝言を伝えた。
それなのに放置のまま、流石に堪らない。
出来る事なら運転してくれる人がいるならばそれでいいのだから。
少なくともシャナには伝言を伝えた。
それなのに放置のまま、流石に堪らない。
出来る事なら運転してくれる人がいるならばそれでいいのだから。
「じゃあ『必要』だから乗ってこう。リリアを護る為に『必要』なんだ」
「そう。乗ってくれればなんでもいいや」
「そう。乗ってくれればなんでもいいや」
エルメスの許諾を受けてトレイズはエルメスに乗り込む。
エンジンをかけて、そのまま勢いよく走り出した。
トレイズの運転はなれたもので、乗りなれているのだろうかとエルメスは思う。
そして少し気になった事を言う。
エンジンをかけて、そのまま勢いよく走り出した。
トレイズの運転はなれたもので、乗りなれているのだろうかとエルメスは思う。
そして少し気になった事を言う。
「君は『必要』になったら何でもするの?」
「どうだろうな……まぁリリアを護るなら何でもするかな。リリアを護る為に『必要』なら」
「そう……人殺しも?」
「『必要』ならね」
「どうだろうな……まぁリリアを護るなら何でもするかな。リリアを護る為に『必要』なら」
「そう……人殺しも?」
「『必要』ならね」
そう呟いたトレイズ。
エルメスはそのトレイズに特に言うこともなく。
久々の風を切る感覚に身を委ねる。
エルメスはそのトレイズに特に言うこともなく。
久々の風を切る感覚に身を委ねる。
トレイズはそっと微笑んで。
自分が言った必要という言葉を咀嚼しながら。
自分が言った必要という言葉を咀嚼しながら。
「そう……『必要』ならね」
もう一度確かめるように呟いて。
走るスピードを上げた。
そのまま、一人の少年と一人のモトラドは瞬く間に風を切って温泉旅館から離れていたのだった。
【E-3/温泉旅館/一日目・午前】
【トレイズ@リリアとトレイズ】
【状態】腰に浅い切り傷
【装備】コルトガバメント(8/7+1)@フルメタルパニック、銃型水鉄砲、コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、鷹のメダル@リリアとトレイズ、エルメス@キノの旅-the Beautiful World-
【所持品】支給品一式、ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱、長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱
【思考】
基本:リリアを守る。
1:リリアの捜索。彼女を守るためだけに行動し、彼女を守るためだけに最善を尽くす。
2:リリアを護るのに『必要』なら……?
【備考】
マップ端の境界線より先は真っ黒ですが物が一部超えても、超えた部分は消滅しない。
人間も短時間ならマップ端を越えても影響は有りません(長時間では不明)。
以上二つの情報をトレイズは確認済。
【状態】腰に浅い切り傷
【装備】コルトガバメント(8/7+1)@フルメタルパニック、銃型水鉄砲、コンバットナイフ@涼宮ハルヒの憂鬱、鷹のメダル@リリアとトレイズ、エルメス@キノの旅-the Beautiful World-
【所持品】支給品一式、ハイペリオン(小説)@涼宮ハルヒの憂鬱、長門有希の栞@涼宮ハルヒの憂鬱
【思考】
基本:リリアを守る。
1:リリアの捜索。彼女を守るためだけに行動し、彼女を守るためだけに最善を尽くす。
2:リリアを護るのに『必要』なら……?
【備考】
マップ端の境界線より先は真っ黒ですが物が一部超えても、超えた部分は消滅しない。
人間も短時間ならマップ端を越えても影響は有りません(長時間では不明)。
以上二つの情報をトレイズは確認済。
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