魔法少女?マジカルアリサ ◆1sC7CjNPu2
とある、海に近い一軒の民家の中。
魔法少女……の友人であるアリサ・バニングスはそこにいた。
魔法少女……の友人であるアリサ・バニングスはそこにいた。
「……大丈夫よ、なのはとフェイトがいるんだから。
二人ならあの時みたいに助けてくれる。私は足を引っ張らないようにしないと」
二人ならあの時みたいに助けてくれる。私は足を引っ張らないようにしないと」
そう呟くアリサの表情に不安は無い。むしろすずかがいなくて安心したくらいだ。
なのは達は大丈夫。自分の知らないところで戦い続けていた親友ならきっとなんとかしてくれる。
なんとか合流して、足を引っ張らないように注意すればいいだけだ。
そう信じて、ランドセルの中の物を探っていた。自分の身くらいは自分で守るために。
最初に出てきたのは。
なのは達は大丈夫。自分の知らないところで戦い続けていた親友ならきっとなんとかしてくれる。
なんとか合流して、足を引っ張らないように注意すればいいだけだ。
そう信じて、ランドセルの中の物を探っていた。自分の身くらいは自分で守るために。
最初に出てきたのは。
「……刀」
おもちゃではない、本物の刃物。おもわずアリサは息を呑んでいた。
綺麗な刃は、ここが殺し合いの場だという事を思い出させるのには十分だ。
だが、小学三年生のアリサが振り回すには大きすぎるし重過ぎる。護身用にさえなるかどうか。
説明書も見てみたが、自在法だのフレイムヘイズだのアリサには分からない言葉ばかり。
なのはなら知ってるかな、と考えて次を探る。
次に出てきたのは、袋。
「魔法少女マジカルアンバー特製マジカルアンバーミサイル」と可愛らしい文字で書いてある。
綺麗な刃は、ここが殺し合いの場だという事を思い出させるのには十分だ。
だが、小学三年生のアリサが振り回すには大きすぎるし重過ぎる。護身用にさえなるかどうか。
説明書も見てみたが、自在法だのフレイムヘイズだのアリサには分からない言葉ばかり。
なのはなら知ってるかな、と考えて次を探る。
次に出てきたのは、袋。
「魔法少女マジカルアンバー特製マジカルアンバーミサイル」と可愛らしい文字で書いてある。
「もしかして……これで私も魔法少女に!?」
どこか間違った期待と共に袋を開けたアリサの目に飛び込んだのは、袋一杯の瓶。
首を傾げながら説明書を取り出して、絶句した。
……この瓶、全てが火炎瓶。
首を傾げながら説明書を取り出して、絶句した。
……この瓶、全てが火炎瓶。
「あ、危ないわね……
下手したら今ここで死んでたかも……」
下手したら今ここで死んでたかも……」
背筋に冷や汗が走る。取り扱いを間違って着火してしまっていたら……
というかこれのどこが魔法だなどとツッコミを入れながら慎重にしまい込んだ。
そして、最後に取り出したのは……
というかこれのどこが魔法だなどとツッコミを入れながら慎重にしまい込んだ。
そして、最後に取り出したのは……
『これはこれは、可愛らしいお嬢さんですね~』
割烹着が似合いそうな声で喋る、ファンシーな意匠の杖だった。
□□□□□□□□
アリサの顔は喜びに染まっていた。
彼女の三つ目の支給品、その名前はカレイドステッキ。
人工精霊マジカルルビーが宿る、正真正銘の魔法の杖である。
これで私も晴れて魔法少女、なのは達の足を引っ張りはしない。彼女はそう考えたのだ。
……最初こそは。
彼女の三つ目の支給品、その名前はカレイドステッキ。
人工精霊マジカルルビーが宿る、正真正銘の魔法の杖である。
これで私も晴れて魔法少女、なのは達の足を引っ張りはしない。彼女はそう考えたのだ。
……最初こそは。
「よくわかんないわよ……もっと分かりやすく」
頭を抱えながら唸るアリサ。表情は苦々しいにも程がある顔だ。
全く魔法を知らないアリサに、カレイドステッキからの説明は難解すぎた。
……もっとも、「第二魔法」だの「魔術礼装」だの専門用語を連発されれば例えなのはでも理解できないだろう。
全く魔法を知らないアリサに、カレイドステッキからの説明は難解すぎた。
……もっとも、「第二魔法」だの「魔術礼装」だの専門用語を連発されれば例えなのはでも理解できないだろう。
『うーん、ではもっと簡単に。
並行世界のアリサさんができることと同じことを今ここにいるアリサさんができるようにする。
それが私の能力です』
「だから、その並行世界ってのがよく分かんないのよ」
『そこからですか。
単純に言えば、ちょっとした違いからその後のことが大きく変わってしまった世界ですね。
例えばアリサさんがこの殺し合いに巻き込まれず、普通に暮らす世界もあるわけです』
「……運のいい私ね、それ」
『世の中には、選択肢がいっぱいあるわけです。
そしてその数によって生み出される分岐の数だけ、並行世界もあるんですよ。それこそ無限に。
言うならば、「イフ」の世界ですね』
「ふーん」
並行世界のアリサさんができることと同じことを今ここにいるアリサさんができるようにする。
それが私の能力です』
「だから、その並行世界ってのがよく分かんないのよ」
『そこからですか。
単純に言えば、ちょっとした違いからその後のことが大きく変わってしまった世界ですね。
例えばアリサさんがこの殺し合いに巻き込まれず、普通に暮らす世界もあるわけです』
「……運のいい私ね、それ」
『世の中には、選択肢がいっぱいあるわけです。
そしてその数によって生み出される分岐の数だけ、並行世界もあるんですよ。それこそ無限に。
言うならば、「イフ」の世界ですね』
「ふーん」
カレイドステッキからの解説に、納得したような納得しないような顔で頷くアリサ。
そのまま考え込むこと、数秒。突如彼女は閃いた。
そのまま考え込むこと、数秒。突如彼女は閃いた。
「ちょっと、私が魔法少女になった世界って無いの!?」
『あると思いますけど』
「ってことは、その世界の私と同じ能力が得られれば!」
『はい、魔法少女になれますね~』
『あると思いますけど』
「ってことは、その世界の私と同じ能力が得られれば!」
『はい、魔法少女になれますね~』
その言葉に、思わずアリサはガッツポーズをしていた。満面の笑みを浮かべて。
彼女にだって、魔法少女に憧れる気持ちはあるのだ。
いきなり現れて、目の前でバリアを展開するなのはとフェイトの姿はしっかりと覚えている。
それになにより、もし彼女達のようなことが自分にもできるのなら……
なのはが隠さず自分に相談してくれるように、頼りがいのある友人になれたなら。
そう、本気で願っていたこともあるのだから。
彼女にだって、魔法少女に憧れる気持ちはあるのだ。
いきなり現れて、目の前でバリアを展開するなのはとフェイトの姿はしっかりと覚えている。
それになにより、もし彼女達のようなことが自分にもできるのなら……
なのはが隠さず自分に相談してくれるように、頼りがいのある友人になれたなら。
そう、本気で願っていたこともあるのだから。
「乗った、契約してやろうじゃない! なるのはもちろん、魔法少女!」
『お話が早い。では早速行きますよ~。
Ja, meine Meisterin……!
Offnunug des Kaleidoscops gatter――!』
「きゃ!?」
『お話が早い。では早速行きますよ~。
Ja, meine Meisterin……!
Offnunug des Kaleidoscops gatter――!』
「きゃ!?」
周辺が、光に包まれる。思わずアリサは目を瞑っていた。
しばらくして発光が収まり、アリサは目を開いたが……同時に、呟いていた。
しばらくして発光が収まり、アリサは目を開いたが……同時に、呟いていた。
「どうも……実感沸かないわね」
『そのうち分かります。あ、服装もお付けしましたよ~』
「え、ほんと!? どれどれ……」
『そのうち分かります。あ、服装もお付けしましたよ~』
「え、ほんと!? どれどれ……」
そう言われて、慌てて洗面所へ走るアリサ。自分の姿を確認するためだ。
魔法少女としてのコスチュームに、期待を込めながらアリサが鏡の中に見たものは。
魔法少女としてのコスチュームに、期待を込めながらアリサが鏡の中に見たものは。
「な、なにこれ」
紺色のフードを目深に羽織った、凄く不審人物な格好だった。
「これ、魔法少女って言うより魔女なんだけど」
『何を言ってるんですか。これは魔法少女マジカルアンバーが着る由緒正しい姿です』
「誰よそれ?」
『合言葉はケミカル!マジカル!メディカル!
愛とか夢とか白い粉で周りの人々に笑顔を振りまく魔法少女マジカルアンバーですよ~?』
「それのどこが魔法少女よ!? ……って、まさかあの火炎瓶は!」
『アンバーミサイルですか? それもあったんですか、ちょうどいいですね~。
是非二代目マジカルアンバーを襲名しましょう、アリs』
『何を言ってるんですか。これは魔法少女マジカルアンバーが着る由緒正しい姿です』
「誰よそれ?」
『合言葉はケミカル!マジカル!メディカル!
愛とか夢とか白い粉で周りの人々に笑顔を振りまく魔法少女マジカルアンバーですよ~?』
「それのどこが魔法少女よ!? ……って、まさかあの火炎瓶は!」
『アンバーミサイルですか? それもあったんですか、ちょうどいいですね~。
是非二代目マジカルアンバーを襲名しましょう、アリs』
期待を裏切られてご機嫌斜めなアリサは問題無用でカレイドステッキを壁に投げ付けた、が。
無駄に頑丈なステッキには傷一つない。
無駄に頑丈なステッキには傷一つない。
「じゃあこの服いらないわ! 服だけ元に戻してよ!」
『多元転身した場合にはそれに相応しい服装になる、というのが決まりです』
「……その世界の私はこんな服を着てるわけ?」
『いいえ、私の趣味ですよ~』
「……あんたねえ!」
『多元転身した場合にはそれに相応しい服装になる、というのが決まりです』
「……その世界の私はこんな服を着てるわけ?」
『いいえ、私の趣味ですよ~』
「……あんたねえ!」
今度はアリサにぐりぐりと踏みつけられるカレイドステッキ。
言うまでもなく、アリサが思い描く魔法少女の姿はなのはもしくはフェイトの様なである。
こんな格好なんて少しも思いつかないし、したくもない。
それゆえの攻撃だが、カレイドステッキに堪えた様子はやはり無い。
盛大に目尻を吊り上げながらも、アリサはランドセルから最初に取り出した刀を掴み取った。
言うまでもなく、アリサが思い描く魔法少女の姿はなのはもしくはフェイトの様なである。
こんな格好なんて少しも思いつかないし、したくもない。
それゆえの攻撃だが、カレイドステッキに堪えた様子はやはり無い。
盛大に目尻を吊り上げながらも、アリサはランドセルから最初に取り出した刀を掴み取った。
「……じゃあ魔法少女じゃなくていいわよ。
この刀を使いこなせるようにして」
この刀を使いこなせるようにして」
別に自棄になったわけではない。ちゃんと考えてある。
刀なら着せ替えられるのは多分着物だろう、そっちの方がまだマシだ……そう踏んだのだ。
だが、それを聞いたカレイドステッキは急に黙り込んでしまっていた。
苛立ったアリサは急かすために口を開いて。
刀なら着せ替えられるのは多分着物だろう、そっちの方がまだマシだ……そう踏んだのだ。
だが、それを聞いたカレイドステッキは急に黙り込んでしまっていた。
苛立ったアリサは急かすために口を開いて。
「さっさとやりなさいよ」
『じ、実はですね……
この世界においては、私の力は制限されてまして……
私に関係ある能力しかダウンロードできないんです』
「……は?」
『じ、実はですね……
この世界においては、私の力は制限されてまして……
私に関係ある能力しかダウンロードできないんです』
「……は?」
その口はあんぐりと開いたまま止まった。
そんなアリサを知ってか知らずか、カレイドステッキは続ける。
救いはあると言わんばかりに。
そんなアリサを知ってか知らずか、カレイドステッキは続ける。
救いはあると言わんばかりに。
『でも安心して下さいな。私は仕込み箒も使っていました。
刀を扱う能力は仕込み箒を扱う能力で代用できますよ~』
「……その時は、どんな格好をさせられるのよ」
『和風メイd』
刀を扱う能力は仕込み箒を扱う能力で代用できますよ~』
「……その時は、どんな格好をさせられるのよ」
『和風メイd』
カレイドステッキの言葉が紡がれる前に、アリサが振り下ろした贄殿遮那がカレイドステッキに直撃した。
【H-4 民家 1日目 朝】
【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:支給品をクーリング・オフしたい衝動
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ カレイドステッキ(無傷)@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、マジカルアンバーミサイル×10@メルティブラッド
[思考・状況] カレイドステッキぶっ壊す
【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:支給品をクーリング・オフしたい衝動
[装備]:贄殿遮那@灼眼のシャナ カレイドステッキ(無傷)@Fate/stay night
[道具]:支給品一式、マジカルアンバーミサイル×10@メルティブラッド
[思考・状況] カレイドステッキぶっ壊す
【カレイドステッキ@Fate/stay night(Fate/hollow ataraxia)+メルティブラッド】
女性限定の愉快型魔術礼装で、契約した術者に莫大な魔力を供給するマジックブースターのようなもの。
能力は多元転身(プリズムトランス)で、使用者に並行世界の使用者のスキルをダウンロードすることができる。
例えば紅茶を上手く淹れたいなら、どこかの並行世界にいる「紅茶を淹れるのが上手いアリサ」と同じ能力を得ることができる。
だが決まりごとがあり、多元転身した場合にはそれに相応しい服装になる。例えば、紅茶を淹れるならメイド服。
制限で、メルティブラッドの琥珀さんが関わりを持たないスキルはダウンロードできない。
できることも琥珀さんと同レベルまでが限界。
割烹着が似合いそうな人工天然精霊マジカルルビーが人工知能として搭載されている。
根底に刻まれた命令は『愛と正義(ラブアンドパワー)』。
マジカルルビーにとっての正義とは世の中を等しく、
(自分にとって)面白おかしくすることで、悪とは彼女に逆らうもの。
某ロワで大活躍中のカレイドルビーを作り出した張本人。
本来これと契約すると洗脳されるが、制限により無効。
これとの契約は呪いとまで言われており、契約解除は死ぬまでできない。
女性限定の愉快型魔術礼装で、契約した術者に莫大な魔力を供給するマジックブースターのようなもの。
能力は多元転身(プリズムトランス)で、使用者に並行世界の使用者のスキルをダウンロードすることができる。
例えば紅茶を上手く淹れたいなら、どこかの並行世界にいる「紅茶を淹れるのが上手いアリサ」と同じ能力を得ることができる。
だが決まりごとがあり、多元転身した場合にはそれに相応しい服装になる。例えば、紅茶を淹れるならメイド服。
制限で、メルティブラッドの琥珀さんが関わりを持たないスキルはダウンロードできない。
できることも琥珀さんと同レベルまでが限界。
割烹着が似合いそうな人工天然精霊マジカルルビーが人工知能として搭載されている。
根底に刻まれた命令は『愛と正義(ラブアンドパワー)』。
マジカルルビーにとっての正義とは世の中を等しく、
(自分にとって)面白おかしくすることで、悪とは彼女に逆らうもの。
某ロワで大活躍中のカレイドルビーを作り出した張本人。
本来これと契約すると洗脳されるが、制限により無効。
これとの契約は呪いとまで言われており、契約解除は死ぬまでできない。
【マジカルアンバーミサイル@メルティブラッド】
ケミカル!マジカル!メディカル!が合言葉な、
愛とか夢とか白い粉で周りの人々に笑顔を振りまく魔法少女マジカルアンバーが振りまく火炎瓶。
ケミカル!マジカル!メディカル!が合言葉な、
愛とか夢とか白い粉で周りの人々に笑顔を振りまく魔法少女マジカルアンバーが振りまく火炎瓶。
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