嘲笑 ◆JI0DYaB8oI
――燃える!燃える!熱い熱い!熱い!何でいきなり火が!熱い熱い!消さないと!
女の子の持ってた剣が!熱い!剣が燃えて!熱い!
女の子の持ってた剣が!熱い!剣が燃えて!熱い!
「……!? ぬ、沼だっ!」
* *
沼の中を必死に転がり回ったおかげで、藤木の身体を覆う火はわりとすぐに消えた。
身体は泥だらけになってしまったが、あのまま燃え続けるよりはマシだった。
しかし。
「うぅ……熱い!身体が熱くて痛い…!」
背中側はランドセルに守られたためか、ほとんど燃えていなかった。
一方で前側は、脚からお腹にかけて火傷を負っている。
それほど酷くはないが、範囲が広いため、通常ならば病院での治療が望ましいほどの傷。
それでも、この程度で済んだのは奇跡と言えよう。
すぐに沼に飛び込んだのが良かったのであろう。
「あ…服が……」
だが、沼を転がった時に服が破れてしまったのか、ほとんど裸同然だ。
さらに悪いことに、服が燃えて身体に張り付いていたのが無理に剥がされたためか、大きく皮が剥がれて傷になっている。
身体は泥だらけになってしまったが、あのまま燃え続けるよりはマシだった。
しかし。
「うぅ……熱い!身体が熱くて痛い…!」
背中側はランドセルに守られたためか、ほとんど燃えていなかった。
一方で前側は、脚からお腹にかけて火傷を負っている。
それほど酷くはないが、範囲が広いため、通常ならば病院での治療が望ましいほどの傷。
それでも、この程度で済んだのは奇跡と言えよう。
すぐに沼に飛び込んだのが良かったのであろう。
「あ…服が……」
だが、沼を転がった時に服が破れてしまったのか、ほとんど裸同然だ。
さらに悪いことに、服が燃えて身体に張り付いていたのが無理に剥がされたためか、大きく皮が剥がれて傷になっている。
火傷そのものは酷くなくても、傷が大きいためとても痛い。
おまけに泥だらけなため、すぐに洗わないとばい菌が入る恐れもある。
「熱い熱い痛い痛い!」
藤木は急いでランドセルを開けると、中からペットボトルを取り出して、水を火傷の部分にかけた。
「うぎゃーーーー!」
傷口に流水を勢い良くかけた為に酷く痛んだが、「火傷は冷やす」ということが頭にあったため、我慢して水をかけ続けた。
だが、この殺し合いにおいて個人に支給された水の量はとても豊富とは言えない。
「はぁ、はぁ……あ、もう水がない…どうしよう」
支給された分はすぐに残り少なくなってしまい、おまけに周囲に水道は見当たらず、藤木は焦る。
水の確保もできないのに、ここで全ての水を使い果たすわけにはいかないからだ。
おまけに泥だらけなため、すぐに洗わないとばい菌が入る恐れもある。
「熱い熱い痛い痛い!」
藤木は急いでランドセルを開けると、中からペットボトルを取り出して、水を火傷の部分にかけた。
「うぎゃーーーー!」
傷口に流水を勢い良くかけた為に酷く痛んだが、「火傷は冷やす」ということが頭にあったため、我慢して水をかけ続けた。
だが、この殺し合いにおいて個人に支給された水の量はとても豊富とは言えない。
「はぁ、はぁ……あ、もう水がない…どうしよう」
支給された分はすぐに残り少なくなってしまい、おまけに周囲に水道は見当たらず、藤木は焦る。
水の確保もできないのに、ここで全ての水を使い果たすわけにはいかないからだ。
「そうだ。あ、あの女の子の水は…」
と、さっき殺した少女(確か、「ちよ」と呼ばれていた)の方を見るが、彼女はランドセルを背負っていなかった。
(そう言えば、この子たちを追いかける途中でランドセルが捨てられていたのを見た気がするな。
あれはちよって子が捨てたものだったのか)
と藤木は思いだす。
そして、拾っておけばよかったな、とどこか冷静に思う。
「いや、今はそんなことを考えてる場合じゃないな…ど、どうしよう…」
手持ちの水は残り少なく、近くに水道もない。
あとは街まで戻って水を探すしかなかった。
幸い、まだ街からはそう離れていない。
火傷と傷で痛む身体でも、すぐに戻ることができるはず。
あの逃げた子供を始末する必要はあったが、それよりも今は水だ。
と、さっき殺した少女(確か、「ちよ」と呼ばれていた)の方を見るが、彼女はランドセルを背負っていなかった。
(そう言えば、この子たちを追いかける途中でランドセルが捨てられていたのを見た気がするな。
あれはちよって子が捨てたものだったのか)
と藤木は思いだす。
そして、拾っておけばよかったな、とどこか冷静に思う。
「いや、今はそんなことを考えてる場合じゃないな…ど、どうしよう…」
手持ちの水は残り少なく、近くに水道もない。
あとは街まで戻って水を探すしかなかった。
幸い、まだ街からはそう離れていない。
火傷と傷で痛む身体でも、すぐに戻ることができるはず。
あの逃げた子供を始末する必要はあったが、それよりも今は水だ。
「そうだ、水……水……水が飲みたい…」
藤木はいつの間にか喉の渇きを感じていた。
仕方なく、わずかに残っていたペットボトルの水を飲み干すが、まだ足りない。
喉の渇きを癒すためにも、藤木は焼け焦げたルーンの杖を支えによろよろと街へ向かって歩み始める。
その時、倒れ伏すちよの死体が握り締めている短剣がチラリと目の端に入り、持って行こうかと死体に近寄ったが…。
結局は持って行くことはしなかった。
自分をこんな酷い目に合わせた武器など見たくもない、というのも理由の一つではあったが、なによりも嫌だったのは、
倒れていたちよの顔が目に付いたこと。
その表情を見た藤木は、慌ててちよに背を向けると、逃げるように足を速めて街へと向かって行く。
藤木はいつの間にか喉の渇きを感じていた。
仕方なく、わずかに残っていたペットボトルの水を飲み干すが、まだ足りない。
喉の渇きを癒すためにも、藤木は焼け焦げたルーンの杖を支えによろよろと街へ向かって歩み始める。
その時、倒れ伏すちよの死体が握り締めている短剣がチラリと目の端に入り、持って行こうかと死体に近寄ったが…。
結局は持って行くことはしなかった。
自分をこんな酷い目に合わせた武器など見たくもない、というのも理由の一つではあったが、なによりも嫌だったのは、
倒れていたちよの顔が目に付いたこと。
その表情を見た藤木は、慌ててちよに背を向けると、逃げるように足を速めて街へと向かって行く。
あとには、藤木の姿を嘲笑うかのように笑みを浮かべたちよの死体だけが残されていた。
【D-8/草原/1日目/午前】
【藤木茂@ちびまる子ちゃん】
[状態]:お腹や脚に火傷(命に関わるほどではない)、脛に切り傷、腹部に大きな傷(焼け付いた服を剥がしたため)
泥だらけ(多少洗い流されている)、服はボロボロ
[装備]:焼け焦げたルーンの杖@ファイナルファンタジー4 拾った石×10
[道具]:基本支給品、青酸カリ@名探偵コナン、的の書かれた紙(10枚)@パタリロ!
[思考]:水……
第一行動方針:とにかく水道を探して水をかぶる
第二行動方針:喉の渇きも癒す。できれば火傷を治したい
第三行動方針:よつばを始末したい
第四行動方針:強そうな人を探して頼る。倒せそうな相手は隙を見て殺す
最終行動方針:自分だけでも助かりたい
【藤木茂@ちびまる子ちゃん】
[状態]:お腹や脚に火傷(命に関わるほどではない)、脛に切り傷、腹部に大きな傷(焼け付いた服を剥がしたため)
泥だらけ(多少洗い流されている)、服はボロボロ
[装備]:焼け焦げたルーンの杖@ファイナルファンタジー4 拾った石×10
[道具]:基本支給品、青酸カリ@名探偵コナン、的の書かれた紙(10枚)@パタリロ!
[思考]:水……
第一行動方針:とにかく水道を探して水をかぶる
第二行動方針:喉の渇きも癒す。できれば火傷を治したい
第三行動方針:よつばを始末したい
第四行動方針:強そうな人を探して頼る。倒せそうな相手は隙を見て殺す
最終行動方針:自分だけでも助かりたい
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