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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 狩人と獲物(前編)

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

狩人と獲物(前編)

最終更新:2010年10月19日 23:12

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狩人と獲物(前編) ◆CFbj666Xrw


――霧が来る。
寒々しい白い霧が迫る。
廃墟の光景を真っ白に染め上げて、圧倒的で濃密な霧が迫り来る。

「な、なにこれ……」
躊躇う間しか与えられない。
白い少女はその霧に呑み込まれた。
その頭には白いシルクハット。身を纏うは白のタキシード。
白い怪盗服に身を包んだ白人の少女は霧の中で身構えた。
この霧は明らかにおかしい。何かがある。
その警戒に応えるかのように、白い濃霧の中に人影が浮かび上がった。
その人影は少女と同じ金髪碧眼をしていて、青い衣服を纏った少年だった。
手には竜を模した杖が握られている。
「タバ……じゃないか。キミはなんて言うの?」
「え? わ、わたしは梨々。梨々=ハミルトン。あなたは?」
「ボクはレックス」
隠す理由を感じないのかレックスは素直に名を名乗る。
梨々はその目線を読みとった。
(髪と目の色がわたしと同じ人を捜してる。守って……あげようとしてる方。
 好きな人? ううん、わたしの髪と目の色ってこの人と同じだから……きっと妹さんだ)
「ねえ、ボクや君と同じ色の髪をした……」
「ううん、知らない」
「え……そ、そう」
準備していて答えが早かったから、少しだけれど戸惑いが返る。
だけど少しだ。レックスにそういった事を疑う思考はあまり無い。
「それじゃ蝶々のマスクを付けた赤い服の人形も知らないかな? この霧を作ってるんだけど……」
「ごめんなさい、それも知らない」
「そっか……」
ほんの短い問答にレックスは長い落胆の溜息を吐いて……止めた。
瞬間、彼の何かが変わった。

梨々はぞくりと寒気を感じて静かに半歩を後ずさる。
(な、なにこの子……)
俯いた表情は見えないが、表情筋の動きから目線を読み、その目線から狙いを見る。
息づかいの変化からその心を聞き取って、全身の筋肉の僅かな動きから行動を感じ取る。
彼が何をしようとしているのか判った。
だから、こわい。危険でおそろしい!
(この子、わたしを――!)
「ごめんね」
声と同時に振り抜かれた杖は僅か半歩の差で、上体を逸らす梨々の鼻先を通過した。

「きゃあ!」
「外した!?」
一瞬の悲鳴と驚愕。
先に状況を把握したのは攻撃を『避けられた』少年ではなく『避けた』少女の方だ。
「ふ……っ!」
梨々は即座に転進し全力で走り出す。
その細い足がカモシカのように地を蹴って、少女は出口を目指しひた走る。
「逃さない!」
だがレックスもそれを全力で追いかけた。
その逞しい足が獅子のように強く地を踏んで、少年は獲物を狙いひた走る。
少年と少女は双方共が子供とは信じがたい程の速度で駆けていく。
この速度なら一つのエリアを横断するのに掛かる時間は3分も掛かるかどうか。
少なくともこの霧を抜けるのに時間は掛からない、それが本来有るべき結果だろう。
しかし1kmを駆け抜け、2kmを駆け抜けても霧を抜ける事すら叶わない。
立ち並ぶ建物は移り変わらず、白い霧が全ての道を霞ませる。
少女はどこへも逃げられない。

不思議の国は決して少女を逃さない。



「はぁ…………はぁ…………」
梨々はぜいぜいと粗い息を吐いて立ち止まった。
幾ら足が速いといっても体力は人間離れしているわけではない。
少女はもう走れなくなる限界に近かった。
(こ、これで……逃げきれててもおかしくないはずなんだけど……)
この霧が特殊な霧である事は気づいていたが、相手も自分を追って走っていた。
それに霧を出しているのは少年とは別の誰かだ。
両方とも迷っているなら条件は同じ、追いつけなくて疲れ果てたりはするはずだ。
梨々は同年代の子供達とは比べられないほどの俊足だったのだから。
だけど。
「はぁ………………はぁ……………………ヒッ!」
息を呑む。
霧の向こうから音がした。
ゆっくりと、確かな足音が迫り来る。
霧の中から姿を表した少年は僅かに息を乱しているだけだった。
単純な足の速さなら、梨々はレックスにもそう劣らない。
だが体力の差は歴然としている。
いくら優れた肉体を持っていたとしてもそれを鍛え始めて長くない梨々では、
天空の勇者としての優れた肉体を長い旅で鍛え上げたレックス相手には分が悪い。
素質の時点で同じなら、積み重ねた経験の差が物を言う。
ちょっと疲れた、その程度。梨々はレックスからそれを読みとり、ただ愕然となった。
「追いつめた」
少年は静かに狩りの再開を告げる。
少女は疲れた体にむち打って身構える。
(もう逃げられないしこの霧からは抜け出せない。戦うしかない! でも……)
……そして、恐怖に震えた。
彼は自分と同じくらい足が速くて、自分よりずっと力が強い。だけじゃない。
それだけなら梨々にだってなんとかできる。
護身術も学んでいるし、先を読むのだって得意なのだから同年代の子供なんかにはそうそう負けない。
だけどレックスは、梨々を殺すつもりだった。
最初の一撃は謝罪の言葉こそ有れど、まるで迷いの無い殺意の篭もった攻撃だったのだ。
(この子わたしを本気で殺す気で、しかも殺す事には慣れている……!)
技術の差。経験の差。武器の差。そして意志の差。
人間と戦う事にはそれほど慣れてないように感じるけれど、あまり慰めにはならない。
戦いのプロが殺す気で襲い掛かってきている事には変わりない。
梨々はレックスに怯えながら、震えるステッキをレックスに向けて、睨んだ。
レックスはそれに良心の呵責が無いわけではかったのだけれど。
「できれば……」
「わ、わたしは痛いのはイヤだけど死ぬのもイヤ!」
「……そう」
残酷で優しい言葉が口から出されるより先に読みとって、拒否した。
揺るぎ無い結論は出された。
レックスの目が、据わる。
(来る……!)
梨々は身構えしかし、少年の目線の動きに気づく。今この瞬間にレックスは――
「ライ――」
(上を見た!?)
「――デイン!!」
巻き起こった雷雲から一筋の落雷が少女を襲った。
「きゃあああああああああああああああああああああああ!?」

閃光が全てを白く染め上げる。
制限下であれ、普通の人間に直撃すれば凶器としては十分すぎる。
それでもレックスは楽観しない。自らの不足は他の参加者の誰よりも知っている。
例えばさっき戦った少女は不思議な刀でライデインを受け止めて見せたではないか。

果たして今回も少女は生きていた。
落雷の瞬間、少女はステッキを運良く近くに有ったマンホールに当てて姿勢を低くした。
雷撃はステッキに直撃した。避雷針として落雷を受け止め、地にそれを捨ててアースしたのだ。
だが導電性も高くない手品のステッキでは威力を弱める程度でしかない。

「う……ああ…………」
梨々は呻き声をあげた。
意識が遠のく。視界が暗くなる。耳鳴りがして頭もガンガンする。
その目に走り迫るレックスの姿が映った。
まともに動けない。まともに見えない。まともに考えられない。
それでも全身に残る電流の痺れの中から必死に五感を掴み取って体を動かした。
――間に合ったのは小さな奇跡だ。
レックスの突きだしたドラゴンの杖はステッキを易々と打ち砕き、その右腕を穿っていた。
「あぐっ」
また呻きが漏れて、梨々の小さな体が跳ね飛ばされる。
少しの距離を飛んで地面に落ち、軽くバウンドして更にもう一度地面に叩きつけられた。
段差に頭をぶつけ幾つもの星を見た。
「う……くぅ…………!」
そのおかげで、逆に意識は冴えてくれた。
痛みに涙を流しながら必死に敵から視線を外さない。
「……まだ仕留めきれないんだ。ごめんね」
そんな少女を前に、レックスが浮かべるのは苦渋の表情だ。
(こんな事ならギガデインを使っておけば良かったな)
ライデインの倍以上という絶大な威力と、威力に比例した消費を誇る大魔法。
レックスの居た世界において事実上最強の攻撃魔法。
それを使えば確実に目の前の少女を仕留められていた筈だ。
服がころころ替わる少女だって随分と追いつめたのに逃してしまった。
苦しめない為にも、消耗を少なく戦い抜く為にも、確実に仕留めていくのが望ましいのに。
だけどそれも終わりだ。少女の逃げる隙は最早無い。
「今度こそ、終わらせるから」
杖を握り締め、トドメの一撃を叩き込もうとして……ハッと周囲を見回した。
別の気配を感じたような気がしたのだ。人形とは、また別の。
だが周囲を見回しても誰も居ない。
「気のせいかな?」
気を取り直して少女に向き直る。

そこには誰も居なかった。

代わりに走る足音が響いていた。
少女が居たすぐ後ろの自動ドアが閉まって、その音は遮断され行く先を如実に指し示す。
建物の中に逃げ込まれたのだ。
「あ、しまった。……でも」
それでもレックスに『逃げられるかもしれない』という焦りは無い。
確かに少女は延命した。
だが迷いの霧は依然廃墟を包み込み、追撃者である彼は依然ここに居る。
「逃げられない。逃がさないからね」
だからその宣言は自信に満ちていた。
少年は足を踏み入れる。
島南東の廃墟の街で、唯一無事な建物へ。

     * * *

梨々が足音を立てて走ったのは最初に距離を取る数十秒だけだった。
その後はすぐに足音を忍ばせる。
これでも今の梨々は怪盗……志望である。この位は基本だ。
というより正直かなり疲れて走るつもりになれなかった。
二時間ほど前に出たこの病院に辿り着けた事は幸運だった。
土地勘があるここなら、レックスをしばらく迷わせ遠ざける事が出来るだろう。
(だけど、逃げられない。あんなに走ったのにこっちに戻ってきちゃうなんて………)
病院を出た後で周囲を散策したから病院の周囲だって大体は覚えてる。
方角を間違えたりなんてするはずが無い。
距離だってずいぶん走った。
いくら視界が悪いからってこの病院に戻ってくる筈がない。起きるはずが無い事だ。
その事が怖くて仕方ない。
でも今は、それよりも考える事が有った。
そっと耳を澄ましてから、診療室の一つに滑り込んだ。
まず必要なのは応急処置だ。
レックスの杖の一撃を受けた右腕を動かしてみる。
「痛ぅ……っ!」
痛みに思わず声を漏らした。
小さな声だから外までは聞こえない程度の声だろうけれど。
(うそ……これ、折れてる……?)
青くなった追い打ちに、物陰でカタンと音がする。
「……だれ!?」
周囲を見回す。
よく見れば部屋は電気こそ消してあるけれど、物を漁った形跡が有る。
誰か居た。いや、まだ居るのだ。
彼女は片腕が折れ、雷による火傷もあり、挙げ句敵に追われる身だというのに。
「い、居るなら出てきて……!」
いつでも逃げられるように扉を背に身構えて呼び掛けると……診療台の影から、一人の少女が顔を出した。
その少女は血塗れで、梨々と同じくらい怯えていて、こちらは左腕に傷を受けていた。
容姿は全然似ていないけれど、それはまるで鏡写し。
恐怖の中で、相手も恐怖している事が怯えを緩和するまでの少しの時間、二人は見つめ合っていた。

     * * *

――潜む者達は考えていた。どう立ち回るのが一番効率的かを。
なんにせよ一つ言える事は有った。
隠れ潜んで、様子を見て、自分に有利な状況を待てば良い。
それからが狩りの時間だ。
獲物が誰であろうと関係は無い。とにかく有利な状況を待てばいい。
だから今は何も変わらない。
潜む者達は霧の中で隠れ潜む――

     * * *

梨々とさくらは協力して互いの手当をしながら、密やかに話していた。
明かりは無い。見つかるわけにはいかないからだ。
濃霧が周囲を覆っていたが、それでも日中の日差しはうっすらとした明かりを届けてくれる。
「それじゃさくらちゃんはまた別の奴にやられたの?」
「うん、そうだよ。それでずっと体が痺れていて……ようやく痺れが抜けてきたの」
二人は誰かに襲われた身で有りながら割合あっさりと互いを信じる事が出来た。
むしろ襲われた身で有るからと言えるのかも知れない。
恐れ怯える心は誰か縋る先を求めるものだ。
相手が自分と同年代でかつ同性で更に同じように怪我をしているとなれば尚更、信じていいと思わせる。
梨々の方は限定的ながら心を読む技術もそれを支えていた。
もちろんそれらは状況によっては騙され手痛い裏切りに叩き込まれるものだ。
心を読む技術だって半端な物だから、梨々も人に騙された事はある。
つまり結局の所、全ては運だ。
不運の中で少女達はささやかな当たりを引き当てたのだ。
「ここに居てもその内に見つかっちゃう。やっぱりどうにかして霧を抜けないと。
 さくらちゃん、どうにかならない?」
「ごめんなさい。カードが有ればどうにかなるかもしれないけど……」
「カード?」
それはもちろん互いに支え合う仲間として。
さくらが浴びた血を梨々がしっかりと消毒液で拭き取ったり、
梨々が電撃で受けた火傷の手当をしたり、互いの片腕の手当をちゃんとしたり。
服が血塗れになっているさくらに梨々が普段着を貸してあげたりといった、
そういった切実で極一部微笑ましい助け合いはもちろんの事。
「うん。さくらカード……元々はクロウカードっていう魔法のカード。
 さくら、魔法使いみたいなもの。杖とカードが無いとダメなんだけど」
「魔法……もしかしてさくらちゃん、リィンちゃんを起こせない!?」
「え……?」
状況を打開できる切り札としても、この出会いは幸運だった。

     * * *

病院で周囲に気を配り行動していた者達皆がそれに気づいた。
エレベーターが動き出したのだ。
それぞれ別の階で、互いの気配だけを感じ息を潜めて階層表示を見つめる。
その階層表示は、最上階で止まった。
彼らはそれぞれの行動を決めた。

     * * *

レックスは迷わず最上階に向かっていた。
エレベーターはパッと見ではよく判らなかったが、昇降装置という事だけは判った。
たまたま前で立ち止まった時に中を何かが移動していく音が聞こえたからだ。
その中からさっき取り逃した少女が切羽詰まった様子で話している声も微かに聞こえた。
他に誰かが居たようだけれど、纏めて敵なら関係無い。獲物が増えた、それだけだ。
やがて階層表示は一番大きな数字で止まった。見取り図で書いてあった最上階の数字と同じ。
行きたい方向の上向きの矢印を押すと隣の同じ物が開いたから、
中に入ってその最上階と同じ数字のボタンを押した。
エレベーターは扉を閉じて、すぐに最上階を目指して移動する。
「ちょっとおもしろいな、これ」
こんな時でなければちょっと遊んでみたい気もした。
流石にこんな時にそんな事はしないけれど。
最上階に飛び出て足音に耳を澄ます。
微かに聞こえる足音はエレベーターの隣の階段から更に上へ。
「屋上……」
もちろん逃しはしない。
階段に飛び込み一気に残る一階層を駆け上がり、屋上へと飛び出した。

そこは依然真っ白い霧に包まれていた。
半径100mを覆う霧は病院の敷地をすっぽりと覆い尽くしている。
屋上とてそれは例外ではない。逃げる先などどこにも無い。
それでも逃げ切る策を手に、二人の少女がそこに居た。
さっきの金髪碧眼の少女と、また別の少女が寄り添って立っている。
傷の無い右手と折れていない左手が結ばれて、互いを支えて立っている。
「来た! リィンちゃん、方向は大丈夫!?」
「は、はい、判ります! あっち、あの方向です!」
それからその少女の手の中に居る奇妙な少女。
金色の十字架から浮かび上がっている小さくて半透明な少女だ。
少女が霧の奥を指し示す。
「それじゃ行くよ、さくらちゃん、リィンちゃん!」
号令一過。
金髪の少女梨々は傍らの少女を抱き締めて……跳んだ。
霧に覆われて地上すら見えない屋上から飛び降りた。

「え……!?」
レックスは驚き屋上の縁へ駆け付けた。
ばさりという音が聞こえた。
白い真っ白い視界の中に別の白い何かが膨らむのが見えた。
それがパラシュートと呼ばれるものだとレックスには判らない。
だがそれが落ちるよりはゆっくりと消えていくのを見て、なんとなく理解した。
あれはここをゆっくりと降りるための物だ。
「そっか、あれで逃げるつもりなんだ。……逃がさないよ」
攻撃魔法は精度が落ちていて、視界も悪い。殆ど霧に呑まれた相手には届かない。
追いかけて回り込むのが一番だろう。
レックスは近くにあった排水溝に目を付けた。正確にはその先にある雨樋だ。
屋上の縁に走り寄り、それが手掛かりに使えるかどうかを確認する。
脆い樋が折れ砕ければ、少年は無明の白い闇に呑み込まれる。
ただそれだけだ、別になんて事はない。
(ダンジョンの探索で落とし穴に落ちるみたいなものだよね。受け身を取ればいい)
彼の世界ではそういった事は日常茶飯事だったのだ。
だからレックスは恐れもせずにするすると、雨樋を滑り降りて地上に立った。
そしてすぐに追いかけようとして……踏みとどまった。
「えっと……待つのも大事だよね」
追いかけてもあの少女は足が速いから、距離を開けられた今回はきっと追いつけない。
それよりも霧に迷ってまた距離が近くなるのを待てばいい。
前に襲った少女は霧の中から逃げ切ったけれど、今度の少女はレックスと同じく迷っていたのだから。
……すぐに失敗を悟った。
「向こう、向こうです。あ、ちょっと右にずれてます。はい、そうですそっちに真っ直ぐ!」
「うんわかった。こっちだよねリィンちゃん」
「はいそうです、そっちです!」
二人目の少女……さくらという少女がリィンという掌サイズの少女と話す声が聞こえる。
どうやらあのリィンという少女はこの霧の中でも方向が判るらしい。
二人の足音は徐々に霧の中に遠ざかり、消えていった。

「……やっぱりこの霧、邪魔だ」
相手も逃げられないなら攻撃の狙いが互いに少しずれるだけで済むけれど、
相手が逃げられて自分は霧の中から出られないんじゃ追いかけられない。
この霧から逃げられる者がどのくらい居るのかは判らないけど、不利の方が多く思える。
大体、梨々に対する最初の攻撃だってそうだ。
最初の攻撃は半歩距離を取られていたから避けられた。それは判る。
だけどどうして、攻撃の瞬間にすらそれに気づけなかったのか?
方向感覚だけでなく距離感にまで狂いがあるようだ。
その内に致命的なミスに繋がってしまうかもしれない。
(早くこの霧を操ってるあの人形をやっつけないと)
その為には…………。

その時、風を切る音がした。


【G-7/逃走中/1日目/昼】
【不運でちょっぴりだけ運の良い二人】
【梨々=ハミルトン@吉永さん家のガーゴイル】
[状態]:右腕骨折及び電撃のダメージ有り(処置済)
[装備]:白タキシード(パラシュート消費)&シルクハット@吉永さん家のガーゴイル
[道具]:支給品一式 、
[服装]:白タキシード&シルクハット
[思考]:誰も殺さない。
第一行動方針:桜と一緒に安全そうな場所まで逃げる。
第二行動方針:双葉かリィンちゃんの友達を探す。(はやて優先?)
第三行動方針:殺し合いに乗ってない人と協力する。
[備考]
※リィンフォースⅡと梨々がお互いの知人の情報を交換しました。具体的にどんなことを話したかは後の書き手さんに任せます。

【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:血塗れ、左腕に矢傷(処置済)、全身に痺れ(ほぼ治りかけ)
[装備]:パワフルグラブ@ゼルダの伝説
    リインフォースII(待機フォルム)@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:基本支給品
[服装]:梨々の普段着
[思考]:た、たすかったぁ……でも、こわかった……
第一行動方針:梨々と一緒に安全そうな場所まで逃げる。
第二行動方針:他にも協力してくれそうな人を探す。
基本行動方針:小狼と合流する、襲われたら撃退する(不殺?)

後編

≪088:正義は必ず 時系列順に読む 090-2:狩人と獲物(後編)≫
≪089:おにごっこ 投下順に読む 090-2:狩人と獲物(後編)≫
≪049:まるで孤独の雪が解けるように 梨々の登場SSを読む 129:『』shift≫
≪056:「永沢、再び女の子を襲う」の巻 木之本桜の登場SSを読む
≪075:這い上がるくらいで丁度いい レックスの登場SSを読む 090-2:狩人と獲物(後編)≫

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