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  • ろりしょたばとるろわいある@ うぃき
  • 少年二人の幕間劇

ろりしょたばとるろわいある@ うぃき

少年二人の幕間劇

最終更新:2010年07月19日 12:11

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だれでも歓迎! 編集

少年二人の幕間劇 ◆e4BIWR8XtQ


宵闇の中、蛍の燐光にも似た白い何かが辺りを包む。
 それは、穏やかな風にさらされ、ふわりふわりと舞い散る桜だった。
 夜を迎えてなお旺盛に狂い咲く桜の姿は、幻想的なまでに美しい。
 そんな白く染まった木の下に、狗族と人間の混血に当たる少年、犬上小太郎は立っていた。
 ここの先にはそう大きくもない橋があり、そして橋を越えた果てには街が見える。
 ようやくして、小太郎は当面の目的地と決めた北東の街の目前まで辿り付いたのだ。

「思った以上に時間を食ってもうたな……」

 はぁ、と柄にも無くため息を吐く小太郎。
 それもやむなしだろう。本来、既に死んでしまったネギの最期を知ることに意味はない。
 これは自分の我侭だ。そんな身勝手によって本来の道理を……仲間と共に、
殺し合いを止めるという選択を置き去りにして単独行動を取ってきた。
 だと言うのに、成果は全く上がっていない。
 それでいて、時間だけは大量に消費してしまっている。これではため息の一つも吐きたくなる。

 特に時間を無駄にしたのは、ここに来る途中、湖城に臨む平原で二つの墓を発見した際だった。
 そこでは不特定多数の参加者が揉めていたらしく、足跡や血痕が多数残されていたのだ。
 距離的に考えて、ネギ殺害に関わった者がそこに居た可能性は十分ある。
 そう思った小太郎はいろいろと辺りを調べてみたわけだが、結局分かったのは、
そこに集った連中はバラバラに解散したのだろう、ということだけ。全く意味の無い情報だった。
 仕方ないので、野生の勘に頼ってそのまま北に進んできたのであるが、所詮は勘であり、
何ら根拠になるものではない。
 そしてその後、東に進路を取った理由は既に語られた通りというわけだ。

 かくして小太郎は今に至る――のならよかったのだが。
 実際は、数十分も前にはこの桜の前に辿り着いていた。
 ただ、この桜の木の根元には血痕と微かな肉片が残されていたので、一応ここの周囲も
詳しく調べてみようと思ってしまったのが間違いだった。
 その結果見つかったのは地面に描かれた奇怪な魔方陣くらいのものであり、
それがどうしたと言う話にしかならない。
 要するに、これまた時間の無駄だったわけだ。

 そもそもにして、そんなちまちました作業は小太郎の性に合わない。
 だが、やらねばならなかった。
 なぜなら、ネギを殺したであろう人形、そして現場に居たもう一人は、
最初から小太郎が追跡できる範囲には居なかったのだから。
 彼が追いかけようと決めたときには、ネギが殺されてからかなりの時間が経過していた。
 それを無理して追いかけるというのだから、時間より手掛かりを優先して探すべきなのは道理である。

 だから、時間を費やしてしまったことは、ある面で仕方ない。
 ただ、その結果として手掛かりが何一つ増えなかった――これは、想定外である。
 自分の判断ミスとは言え、これだけ長い時間をたった一人で……しかも
全く無駄に過ごす羽目に陥ったともなれば、

「あああ、イライラする! なんでこう上手くいかへんねん!?」

 まぁ、もとから気の短い小太郎では、キレるのも当然であった。
 頭をかきむしり、うがー、と夜空を仰いで咆哮する。
 そして、行き場の無い怒りは、往々にして怒りをぶつけやすい手ごろな存在へと向けられる。
 人、それを八つ当たりと呼ぶ。

「大体、ジェダかユダか知らんけど、あいつアホやろ!
 殺し合って欲しかったら、そういう趣味のヤツだけ集めてリングの一つでも用意すりゃええやん!
 そこでなんで島一個丸ごと使うっていう話になるねん!?
 歩き回る方の身にもなれや! 面倒くさいにも限度があるわ!」

この場にいない偉そうな態度の主催者を思い浮かべ、がつーん、と桜の木を蹴っ飛ばす。
 更に大量の花吹雪が巻き起こる。
 これだけでは怒りが収まらず、しかし別に桜に恨みがあるわけじゃないので
これ以上蹴るのもどうかなー、などと小太郎が考えていると、

「ひ、ひえっ」
「ん?」

 どさっ、と誰かがこける音がした。
 小太郎が胡乱な目つきで振り返ってみると、そこには尻餅をついて情けない顔を見せる一人の少年が居た。
 手には竹刀を持っているが、ぷるぷる震える腕を見ていると、それを扱えるようには到底思えない。
 というか、そもそもこの少年、何にそんな驚いているのか。
 小太郎が首を傾げる先で、少年は恐る恐る桜の木を指差す。
 小太郎の蹴りで、盛大に亀裂が走ってしまった桜を。

「あー……なんや、ひょっとして怖がらせたか?」

 少年がかくかくと首を縦に振る。
 振ったところで彼の視界が小太郎の足元へと動き――そしてまた、ピシリと停止する。

「ち、血……!」
「血?」

 つられて足元を見る小太郎。
 そこに広がった赤黒いものを見て、そう言えばここには大量の血痕があったんだったか、と思い出す。
 初見の人にはちょっと刺激が強いかも知れない。
 まして傍らに、蹴り一発で野太い木の幹に亀裂を入れるような危険人物がいるとなればなおの事。
 それは分かる。
 理解はできるが――

「お前なぁ……男やろ? この程度でいちいちそんなに驚くなや」
「で、でも」
「だいたい、これはとっくに乾いとる。誰か死んだんやろうし、気の毒とは思うけど、びびる筋合いはないやろ」
「そそ、そんなこと言われても……」

 あうあうと情けない声を上げる少年。
 小太郎は盛大に嘆息する。
 やっぱりジェダはアホだ。
 こんな弱そうなガキを殺し合いの場に放り込むなんて、何を期待しているんだか。
 もっとも、この際そんなことはどうでもいい。
 小太郎にとって重要なのは、こうして数時間ぶりに参加者と出会えたという一点に尽きるのだから。

「まあええわ。それよりお前、いくらか聞きたい事があるねんけど、ええか?」

 そう尋ねる声は、これまでのイライラなどもあって、多少険が篭っていたのは否定できない。
 それを受けて、少年はこれまたびくびくしながらカクカク頷く。
 ……頼りないな、コイツ。
 小太郎は本気でそう思った。戦いは男の仕事と考える小太郎は、軟弱な男を軽視する。
 これまでこの島で出会った少年達……小狼やリンク、そしてコナンは、力量の程がどうであれ、
少なくとも戦おうという意思がある『強い』連中だった。
 まぁヘンゼルとか言うやつはそれ以前の問題であり嫌悪の対象だから除外するが、
そうした場合のび太は今まででも最低の部類に当たる。

(ったく、こいつよくこれまで生きてこれたな)

 心底呆れ果てながら、とりあえず落ち着いて話をしようと考え、小太郎は少年を
桜の木陰までずるずる引っ張って行くのだった。


     ◇     ◇     ◇

(な、なんだかすごく乱暴な人だ……)

 犬上小太郎と名乗った少年に対し、のび太の感じた第一印象はそんなものだった。
 大体、いきなり叫びだして桜の木に蹴りを入れた時点で、危ない人と認定されても文句は言えないはずだ。
 しかも蹴りの威力も普通ではなかったし。

(けど……それだけで疑うなんて駄目だ。出来るだけ、人は信じないと)

 ぐっと身体に力を込めて、のび太は精一杯怯えないよう気を張った。
 そして小太郎に正面から向き合って、その三白眼でじろっと見られて思わず再びたじろいだ。
 なんだか良く分からないが、ひょっとしてこの少年、凄く不機嫌なんじゃないだろうか。
 しかし、だとしたら一体何に怒っているのか分からない。
 そんなのび太の困惑を知るわけもなく、小太郎が口を開く。

「お前、『カナ』が口癖の、黄色い服着た小柄な人形を知らんか?」
「小柄な人形……? それって、蒼星石みたいな……?」

 人形と言われて、のび太が最初に思い出したのは、当然ながらつい先ほど出会った小柄な女の子(?)のことだ。
 それは何気ない呟きだったが、小太郎は耳をぴくりと動かし、身を乗り出してのび太の肩を強く掴む。

「なんか心当たりがあるんか!?」
「え、こ、心当たりってほどじゃないけど。
 ただ、さっき蒼星石っていう人形に会って、確か姉妹がいるって言ってたから……
 もしかしたら、蒼星石なら知ってるかも」
「! よし……ようやく一つ手掛かりや!」

 のび太から手を離し、ぱんっ、と自分の掌に拳を打ち付ける小太郎。
 喜んでいるのは良いことだが、しかしのび太もまるで確信が無い推測なのに、そんな期待をもたれても困る。

「で、でも僕も詳しく聞いたわけじゃないし、勘違いかも知れないよ!?」
「別に構へん。どうせ手掛かりはゼロに近かったんや。
 この際、相手が誰であれ話を聞いてみることが重要やねん。で、そいつは何処に居るんや?」
「確か、夜の間はあっちの……西の森の塔にいるって……」
「西か――」

 むぅ、と小太郎は一瞬顔を顰めて考え込む。

「夜の間は動かんのやったら、先に東の市街地を見てきた方がええかもな」
「あ、小太郎君も、街に用事があるの?」
「用事っていうか、人探しや。それも全然手掛かりもないし、ほとんど勘頼りのな」

 お陰で随分無駄に時間を使っとるわ、と自嘲気味に笑う小太郎。
 しかし名前も知らない人形や、容姿すら知らない相手を探すなんて、一体どういう事情なのか。
 小太郎の質問も一段落したようだし、おずおずとのび太はその件について切り出した。

「あの、小太郎君……その探している人達って、君の仲間なの?」
「いや、違う。どっちかって言うと敵や」
「え……」

 その答えは予想外で、のび太は一瞬声を詰まらせた。
 だってそうだとしたら、蒼星石の姉妹とこの少年が敵だと言うなら、
蒼星石とも諍いが起きてしまうかも知れない。

「ネギが……俺の知り合いが、まぁ、殺されててな。
 そいつが死んだ場所に、『黄色い服の人形』と、『もう一人誰か』が居たはずやねん。
 だからそいつらに会って、事情を確かめたいんや」
「ま、まさか、か、敵討ちとか? だだだ、駄目だよ! い、いくら……友達が死んだからって、そんなの!」

 のび太は必死に詰め寄った。
 深い理由など考えてもいない、それは半ば反射的な行動だった。
 絶対に他の人を殺そうとしない……のび太の行った決意は、
同時に『誰かが誰かを殺そうとするなら、それを見過ごせない』という能動的な意味も持つ。
 のび太は自覚なしに、しかしその決意を実行したのだ。
 小太郎は最初驚き、そしてすぐに極めて迷惑そうな顔になって、のび太を片手で制した。

「あー、別にそんなつもりは無いから安心せい。場合によっては一発くらい殴るけど、そんだけや」
「な、殴るの……?」
「なんや、それも不満なんかい」
「う、ううん! ただ、痛そうだな、って……」

 小さな子供に杖で殴られたときだって、のび太はあまりの痛みに泣きそうだった。
 と言うか泣いてたかも知れない。
 それを、大木に亀裂を入れるような力がある少年に殴られたらどうなるのか。
 想像しただけで身体の節々が痛くなる気がする。
 そんなのび太を見る小太郎は冷ややかな目をしていたが、のび太がそれに気付くことは無かった。

 それから、二人は互いに知りたがっていることを簡単に尋ねあった。
 小太郎は『梨々』と『桜』という少女について。
 のび太は『レックス』という少年と『ジャイアン』の亡骸の場所について、だ。
 が、双方それらに関して知っていることは何も無かった。

「まぁしゃーないか。一度にそんな色々分かるとも思っとらんかったし」
「うん……」

 小太郎がそう言うのを、のび太はあまり聞いていなかった。
 というのも、ちょっと悩んでいたのである。
 そう、今しがた尋ねた『レックス』という少年は――蘇生魔法が、使えるらしい。
 そのことを、小太郎に伝えるかどうか。
 彼はネギという友人を失っているのだ、その復活が出来ると知ったら喜ぶかも知れない。

(で、でもそもそも何て説明すればいいのかな……)

 いきなり『実は彼、死んだ人を生き返らせることが出来るんです!』なんて言い出しても、
怪しい宗教のキャッチフレーズか何かにしか聞こえないだろう。
 だいたい自分にとっても半信半疑でしかない又聞きの情報を、他の人に信じてもらうなんて無理がありすぎる。
 少なくとものび太は、有効な説明を思いつくことは出来ない。
 そうこう迷っているうちに、小太郎の方が再びのび太に声をかけていた。

「で、お前はこれからどうすんねん?」
「え、あ、僕も街に向かう途中だったんだ! 街には知り合いがいるはずで……」

慌てて答えを返すのび太。なんだかのび太がぐずぐずする度に、
小太郎は機嫌が悪くなっている気がするのである。
 ……これで、蘇生については結局話す機会が無くなった。
 そもそも小太郎は後で蒼星石に会いに行くと言っていたし、あちらに任せればいい。
 ――とりあえず、のび太はそう思うことにする。

「知り合い、か。なら悪いけど、一緒に連れて行ってくれへんか?
 できるだけ色んなヤツから話を聞きたいんや」

 小太郎に頼まれ、のび太は少し腰が引けつつもしっかり頷いた。
 ちょっと怖いけれど、話をする限りでは危険人物というわけではないようだったから。
 ただ、のび太が懸念するのは、今現在のリルル達の状況だ。

「わ、分かった。でも、リルル達は――あ、その知り合いはリルルとトリエラって言うんだけど、
二人は今狙われてるんだ。ひょっとしたら、危ないことが起きるかも知れない……」
「狙われてる?」
「そうなんだ。人形を壊すのが使命だって言う人がいて、リルルはロボットだし、
トリエラさんも普通じゃないみたいだから……後で壊しに行くって」

 その人も、決して悪い人間じゃなかった。
『彼女』を騙し、殺そうとしたのび太の謝罪を受け入れ、許してくれたのだ。
 ただ、その人間性とは全く関係の無いところで、『彼女』は人形を壊すと言う。
 それもまた、ただ黙って見過ごすわけには行かなかった。

「物騒な話やな。相手が人形なら見境なし、ってことか?」
「うん……確か、そう言ってた」
「なら、放っても置けへんな。そいつの名前、分かるか?」

 小太郎の問いは、ただ危険人物を把握しておこう、という程度のものだっただろう。
 だからのび太も、あまり深く考えずに、『彼女』の名前を告げた。

「シャナ、だったと思う」


     ◇     ◇     ◇
そう言えば、シャナ達と分かれてから、もう何時間が経っただろうか。
 随分長い間離れているのは間違いないだろう。
 だが、それでも小太郎が彼女らを心配したことはない。
 なぜなら、シャナ達は『仲間』だったからだ。
 根拠など無くとも、信頼し得る存在、それが『仲間』だ。
 共に戦うと言っておきながらタワーに行けなかったのは悪いとは思う。
 だが、それもまた彼女なら大丈夫だろうという信頼の上に成り立った決断だった。
 ――その結果がこれだった。

 小太郎がシャナの知り合いだと知ると、のび太は自分が犯した罪を全て語った。
 恐怖に負けて、弱者を殺そうとしていたこと。
 その途中でシャナに出会い、襲い掛かった挙句返り討ちにされかけて逃げたこと。
 そしてリルル達に出会い、彼女らをだましてシャナと殺し合わせてしまったこと。
 結果、シャナは敗れ、彼女が殺されそうになって初めて自分の愚かさに気付き、謝罪したこと。
 リルルとトリエラはそれを受け入れ、重症だったシャナに不思議な水を与えて去ったこと。
 水を飲んだシャナは傷こそ癒えたものの、その容姿はすっかり変わり果て、
突然『人形は壊す』と言い出したこと。

「ごめんなさい――本当に、ごめんなさい!」

 頭を下げるのび太。
 その態度は、これまでの彼と同一人物とは思えないほど一途で頑固なものだった。
 小太郎は最初、顔面の形が変わるくらい殴ってやろうかと思っていた。
 弱者を狙い、女を騙して殺し合わせようとした男だ。容赦する理由は微塵もない。
 男は女を守るもの、という古典的な考えを持つ小太郎にとって、それはもっとも嫌うタイプの人間なのだから。
 だが、どうも噛み合わない。
 彼が口にした自分の罪過と、それを謝罪する今の彼には、随分と大きな隔たりがあるように見える。
 まして、あのシャナが、彼の謝罪を受け入れ、許したというのだ。
 のび太の額に刻まれた薄い切り傷は、そのときシャナが与えた免罪符だったらしい。
 ならば――
 小太郎は拳をぐっと握り締め、目の前ののび太を凝視する。そしてやがて、ぽつりと呟く。

「シャナはな」

 のび太が、その声に誘われたように顔を上げた。

「あいつは、かなり現実主義な女や。
 死にかけとる女を平気で捨て置くし、死体を見つけたと思ったらあっさり首斬って首輪取るようなやつや。
 俺は大分反発したんやけど、なかなか聞きよらん。
 あれは間違いなく男のロマンとか理解せえへんタイプやろな」
「……?」

 何を言っているのか分からない、という顔をするのび太。
 実際、小太郎も自分がいらないことまで喋っている、という自覚がある。あるが、勝手に語りだした口は止まらない。

「けど、なんだかんだ言って、結局死にそうやった女は助けたし、首斬った死体は丁寧に埋葬した」
「……」
「まぁ俺が知ってるのはそのくらいや。実のところ、半日も一緒におったわけやないしな。ただ――」

 そう、だから小太郎が確信していることなんて、たかが一つだけでしかない。

「――あいつは、『誠意』だけは汲み取る女や。
 だから、あいつがお前を許したって言うんなら……多分、お前は本当に反省しとるんやろ」

 小太郎はそう言って、握り締めていた拳からゆっくりと力を解く。
 のび太が呆然とそれを見ている。
 だがやがて、小太郎がのび太に大して怒っていないのだと気付いたのだろう、
顔を明るくしてもう一度頭を下げた。

「あ、あの、本当に反省してるべっ!?」

 瞬間、小太郎はのび太の頭にチョップをかましていた。
 舌を噛んだのび太はぎゃああ死ぬぅぅドラえもーんなどと言いながら盛大に地面をのた打ち回っている。

「けどやっぱムカつくから一発叩かせてな」

 その一言、もはやガキ大将のそれであった。
 なんだかんだ言って子供である小太郎は、『仲間』を傷つけられたことを、謝罪だけで
さっぱり水に流すことは出来なかったのだった。
 だが……のび太のことは、軟弱なだけだと思っていたが、そうではないということも分かった。
 なら、出来れば彼とも『仲間』でありたい。
 なればこそ、微妙な禍根を残すくらいなら、一発殴って全てをチャラにしたかった。

「さて、すっきりしたところで、行こか」
「そ、その言い方はさすがにひどいよ小太郎君! ……って、え?」
「そのリルルとトリエラってヤツのところに行くんやろ?」
「そ、そうだけど……あの、ひょっとしてトリエラさんのことも怒ってる?
 も、もしそうなら、そんなの駄目だよ! それだったら、代わりに僕を叩いて!」
「……」

 表面だけ聞くと、なんか変な人みたいだ。
 小太郎はげふん、と咳払いして馬鹿な考えを放り捨ててから、説明する。

「別にそういうわけやない。ただ、シャナが変わったのはリルルってやつの薬を飲んだからやろ?
 なら、あいつに何が起きてんのか知ってるかも分からん。それを聞きたいんや」
「あ……」
「それにどの道、ネギのことを片っ端から聞いていく予定やったしな」

 そう、だからこれは寄り道ではない。むしろ予定通りでしかない。
 ネギの死も、シャナの変貌も気になる。なら、両方纏めて調べていけばいいのだ。

(出来れば、シャナ達のところにも早く戻りたい。無事であることを、この目で確かめたい。
 けど、やっぱ一度始めたことを途中で放り出すことは出来ん。
 中途半端に終わるくらいなら、最初から単独行動なんぞせんかった)

 だから、もしのび太が言うように、シャナが人形を破壊するため街に現れるのならば、それこそ好都合だ。
 彼女がどういう状況にあるのか、直接話して聞くことも出来る。
 ――安全を確認することが、出来る。
 その後どうするかなんてその場で考えればいいことだ。
 迷いを振り切り、小太郎は強い一歩前に踏み出す。そして肩越しに振り返り、のび太を呼んだ。

「ってことで、行くで、のび太!」
「う、うん! そうだね、小太郎君!」

のび太が嬉しそうに歩き出す。リルル達の疑いが晴れたと思ったら、この笑顔だ。
 小太郎も苦笑しながら並んで足を動かし始める。
 まるで友達と並んで歩いているかのような雰囲気だった。
 それはお互いに、相手のことを仲間なんだと認め合った証だろう。

 だが――のび太には言っていないが、小太郎はもう一つ、気になっていることがあった。
 それは、トリエラのことだ。

(のび太が聞いた限りじゃ、トリエラってヤツはシャナを殺せば『ご褒美』がもらえるって言ってたらしいな。
 ……つまり、既に人を二人殺しとる)

 もちろん、なのはのような例もある。
 人を殺したからそれ即ち悪人也、と断じるほど小太郎も融通が利かないわけではない。
 だが、トリエラはのび太のいい加減な嘘にあっさり乗って、シャナを殺しに向かったらしい。
 つまり、彼女は人を殺すということに関して、抵抗がほとんど無いということだ。

(のび太には悪いけど、シャナのことを抜きにしても、トリエラってやつは要注意やな。
 ……いや、『抜き』になんて出来てへんのかも知れん。
 シャナのことがあるから、トリエラってやつが単純にムカつくだけなんかも知れん……。
 まあ、この際どっちでもええわ)

 いずれにしたって、友好的に挨拶を済ます、という風には行かないかも知れない。
 それでも、会わないなんて選択肢は無い。
 今の小太郎に必要なのは、とにかく多くの人に会って情報を集めることなのだ。
 トリエラは西の森に居たこともあるようだし、或いは『人形』のことも知っている可能性がある。
 最悪でものび太がいるのだ、情報交換くらいは出来るだろう。


 ――小太郎は、知らない。
 誤解からシャナを殺しかけた少女は、誤解から小太郎の親友である
ネギ・スプリングフィールドをも殺害しているなどということを。

 ――のび太も、知らない。
 トリエラは誤った推理から、一度は同行さえ許したのび太のことを、
もはや半ば以上も信用していないという事実を。

 知らぬままに、二人の少年は街へと向かって歩き出す。
 数多の不和を抱えた夜の町並みへ、新たな不和をその身に抱えて。



【F-1/道路/1日目/夜】

【犬上小太郎@魔法先生ネギま!】
[状態]:気が僅か、疲労(中)
[装備]:手裏剣セット×11枚@忍たま乱太郎
[道具]支給品一式(水少量、パン一個消費)、工具セット、包帯、指輪型魔法発動体@新SWリプレイNEXT
    未確認支給品0~1
[思考]:ようやく色々と話が聞けそうやな。しかしシャナのヤツは大丈夫やろか?
第一行動方針:のび太と共にリルル、トリエラに会い、情報交換を行う。
第二行動方針:ネギの死の真相を知るために、「黄色い服の人形」と「現場にいたもう1人」を探す。
第三行動方針:ネギの件が一段落した後、シャナ一行あるいは梨花一行との合流を図る
第四行動方針:双葉に頼まれた梨々、小狼に頼まれた桜を探す。見つけたら保護する。
第五行動方針:信頼できる仲間を増やす(必ずしも行動を共にする必要はない)
[備考]:紫穂に疑いを抱いていますが確信はしていません。
 のび太と情報交換をしました。のび太の改心を信用しています。
 トリエラに対し、僅かな不信感を抱いています。
 シャナのしろがね化を知りました。ただし容姿の変化以外は分かっていません


【野比のび太@ドラえもん】
[状態]:心身ともに疲労、鼻骨骨折、額に小さな切り傷
[装備]:こぶたのしない@FF4
[道具]:グリーンのランドセル(金属探知チョーク@ドラえもん、基本支給品(水とパンを一つずつ消費)、
   アーティファクト『落書帝国』@ネギま!(残ページ無し))、ひまわりのランドセル(基本支給品×1)
[服装]:いつもの黄色いシャツと半ズボン(乾いた失禁の染み付き)
[思考]:リルル達と小太郎君、仲良くしてくれたらいいな。
第一行動方針:小太郎と共に、リルル達に会う。
第二行動方針:最初の子豚≠ジャイアンだと確信するために、ジャイアンを探す。出来るなら、埋めてあげたい。
第三行動方針:レックスと接触する。
基本行動方針:今自分に出来ることをやる。もう、他の人を殺そうとしたり嘘をついたりは絶対にしない
[備考]:「子豚=ジャイアン?」の思い込みは、今のところ半信半疑の状態。
 蒼星石と情報交換をしました。それに伴い第一回放送の内容は確認。
 小太郎と情報交換をしました。
 蘇生については完全にできると信じたわけではありません。
 こぶたのしないに対してはやや抵抗を感じています。


≪217:19:00、B-7にて 時系列順に読む 223:侍も飛べば棒に当たる≫
≪217:19:00、B-7にて 投下順に読む 219:闇と幻の狭間で≫
≪198:プロパガンダも楽じゃない 野比のび太の登場SSを読む 227:Humpty Dumpty sat on a wall≫
≪186:集結の夜 犬上小太郎の登場SSを読む 227:Humpty Dumpty sat on a wall≫

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