守るもの、奪うもの ◆v5ym.OwvgI
冷たい濁流に流されるままに、ヤミはお城を離れる。
お城の対岸に渡って、彼女は陸に上がる。
お城の対岸に渡って、彼女は陸に上がる。
その下半身を人間の物に戻し、呆然と、ただ茫然とお城のある方向を見つめていた。
心にざわめく想いを声にしたら、謝罪になるか、未練になるか。
複雑な想いを、形にできないまま彼女はお城を見つめ続ける。
複雑な想いを、形にできないまま彼女はお城を見つめ続ける。
ヤミは自ら、大切な人を手放した。
大切な人が、自分のせいで傷つくのが嫌だから。
大切な人を傷つける、自分自身が嫌だから。
大切な人が、自分のせいで傷つくのが嫌だから。
大切な人を傷つける、自分自身が嫌だから。
それでも本心は、離れたくない。
彼らとともにいると、それだけで温かくなれるから。
彼らは自分にとっての、全てだから。
彼らとともにいると、それだけで温かくなれるから。
彼らは自分にとっての、全てだから。
だから彼女は、ヤミになる。
冷たいのは、自分だけでいいから。
冷たくあるべきなのは、自分だけなのだから。
冷たいのは、自分だけでいいから。
冷たくあるべきなのは、自分だけなのだから。
パキ、と
突然、後方から木の枝が折れる音が響く。
突然、後方から木の枝が折れる音が響く。
「……っ! 誰!?」
警戒し、音のした方を注視する。
そこに人の姿はない。だが確かに音がした。
そこに人の姿はない。だが確かに音がした。
ヤミが警戒していると、そこに誰かがいるという証明をするように足跡が突如現れる。
ぺた、ぺたとぬかるんだ地面を踏む音が聞こえる。
そして、目の前の光景がにじみ、一人の少女が姿を現す。
ぺた、ぺたとぬかるんだ地面を踏む音が聞こえる。
そして、目の前の光景がにじみ、一人の少女が姿を現す。
「イヴ……か?」
その名前を。
今の自分が忌み嫌う、過去の自分の名前を聞いた時、
ヤミの中にいやな感情が流れる。
今の自分が忌み嫌う、過去の自分の名前を聞いた時、
ヤミの中にいやな感情が流れる。
その名前は、自分の罪と同じだから。
自分が犯してしまった、罪と同じだから。
自分が犯してしまった、罪と同じだから。
「お前……生きてたのか!?」
自分だった名前を告げた少女。
茶髪の、銀のコートをまとった少女。
茶髪の、銀のコートをまとった少女。
ベルカナ達から聞かされた、自分が協力していた「ご主人様」のことを思いだす。
自分がイヴだった時、梨々を殺してしまうことになった原因を。
梨々を殺した、人間を。
自分がイヴだった時、梨々を殺してしまうことになった原因を。
梨々を殺した、人間を。
そう理解したとき、彼女の中の嫌な感情は、全てが怒りとなって少女へ降り注ぐ。
そしてその激情の赴くままに少女に襲いかかり、馬乗りになり動きを封じる。
記憶を消し去ってしまったとしても、彼女はもともと戦いの為に作られたナノマシンだ。
そして何年も身体に沁みつかせた掃除屋の動きも、身体の記憶に刻まれている。
そして何年も身体に沁みつかせた掃除屋の動きも、身体の記憶に刻まれている。
一般人にすぎない少女には、その動きに対応する暇さえなかった。
「イ、ヴ……?」
こいつのせいで。
こいつがレックス達を襲ったせいで。
こいつが梨々を殺したせいで。
こいつがレックス達を襲ったせいで。
こいつが梨々を殺したせいで。
そんな、八つ当たりでできた思いでヤミは少女に襲いかかる。
「あなた、のせいで……!」
「っ!!」
「っ!!」
無抵抗な少女の首を刈らんと、
彼女の髪が刃の形に変化する。
彼女の髪が刃の形に変化する。
そして、その刃が振り下ろされようとしたとき。
「ぶはあ!」
場違いの様な声が響く。
ヤミが驚き、その方向を見ると、そこにはさっき別れたはずのレックスの姿があった。
それも、濁流にのまれ、溺れた状態の。
それも、濁流にのまれ、溺れた状態の。
レックスは、躊躇していた。
『磁力』を使い、ヤミヤミを捕まえにいくか、否か。
『磁力』を使い、ヤミヤミを捕まえにいくか、否か。
使い捨て。故にたったの一度しか使えないそのカードを使うか、否か。
だが、その躊躇は、目の前で泣くアルルゥによって霧散した。
アルルゥの笑顔と、ヤミヤミの絆を守る。レックスはそう決意する。
アルルゥの笑顔と、ヤミヤミの絆を守る。レックスはそう決意する。
レックスはアルルゥに、必ずヤミヤミを見つけて戻ってくると約束し、
『磁力』を使い、ヤミヤミの下へ飛んでいったのだ。
ヤミヤミとのつながりを守るために、アルルゥを悲しませないために。
『磁力』を使い、ヤミヤミの下へ飛んでいったのだ。
ヤミヤミとのつながりを守るために、アルルゥを悲しませないために。
だが、飛んだ先がまずかった。
河の中に飛び込んだヤミヤミの下に飛んだということは、水中に転移したということだ。
河の中に飛び込んだヤミヤミの下に飛んだということは、水中に転移したということだ。
一応それはレックスも予想していたようで、衣服は全てランドセルに入れ、
アルルゥから海底探検セットをもらっていた。
そしてその中からエアチューブを取り出し、装着していた。
アルルゥから海底探検セットをもらっていた。
そしてその中からエアチューブを取り出し、装着していた。
だが焦っていたのだろう。他の道具は装着しなかった。
そしてヤミヤミは魚のような下半身をしており、普通の人間の何倍も泳ぐスピードが速い。
レックスの転位先に背を向けていたヤミヤミは気付くこともなく去っていく。
レックスの転位先に背を向けていたヤミヤミは気付くこともなく去っていく。
今になって海底探検セットを全て装備しようとするも、もう遅い。
豪雨による増水で流れが急になっている今、ランドセルを開いてしまったら確実に荷物は流されてしまう。
レックスもそれに気づいているがゆえに、不用意にランドセルを開けることはできなかった。
豪雨による増水で流れが急になっている今、ランドセルを開いてしまったら確実に荷物は流されてしまう。
レックスもそれに気づいているがゆえに、不用意にランドセルを開けることはできなかった。
レックスは持ち前の体力だけで、ヤミヤミを追いかけた。
だが鍛えられた体でも、強すぎる自然の力にはかなわない。
だが鍛えられた体でも、強すぎる自然の力にはかなわない。
勢いのある川の流れに流されるまま。
エアチューブのおかげで溺れることはかろうじてないが、流れのせいでなかなか陸に上がることができない。
エアチューブのおかげで溺れることはかろうじてないが、流れのせいでなかなか陸に上がることができない。
ヤミからみたレックスは、川の急な流れに攫われて必死で陸に上がろうとする姿であり、
まさしく溺れている人間そのものだった。
彼がエアチューブを装備しているなどということはわかるはずもない。
まさしく溺れている人間そのものだった。
彼がエアチューブを装備しているなどということはわかるはずもない。
自分の大切な仲間ゆえに、彼らを『冷たい私達』でいさせることが嫌で別れたが、
彼が、彼らが嫌いなわけではない。
彼が、彼らが嫌いなわけではない。
「レックス!!」
ヤミは無我夢中で千秋を突き飛ばし、すぐにその下半身を魚のひれへと変え、川へと飛び込む。
流されていくレックスを見つけ、抱え、陸を目指す。
しかし、ヤミは急に疲労感を覚る。規則的だった泳ぎにも荒れが出る。
しかし、ヤミは急に疲労感を覚る。規則的だった泳ぎにも荒れが出る。
制限された中での体の構造を大きく変えるトランスの連続。
子供一人抱えての激流の中の水泳。
それらの行為は、ヤミの体力を大きく削っていた。
子供一人抱えての激流の中の水泳。
それらの行為は、ヤミの体力を大きく削っていた。
しかし彼女は、この激流の中必死に体制を整え、泳ぎ続ける。
抱えた彼の身体を絶対に手放さないよう、かたく抱きしめて。
彼は、彼の温もりは、彼女のすべてといってもいい大切なものだから。
抱えた彼の身体を絶対に手放さないよう、かたく抱きしめて。
彼は、彼の温もりは、彼女のすべてといってもいい大切なものだから。
だが彼女の意思に反して、彼女の身体は急激に力を失っていく。
体力の限界が近いのだ。
体力の限界が近いのだ。
それでも。
この温もりを失わせたくはないから。
彼女は必死で泳ぎ、そして――――
この温もりを失わせたくはないから。
彼女は必死で泳ぎ、そして――――
※ ※
千秋は困惑していた。
目の前で起こった出来事全てに。
目の前で起こった出来事全てに。
協力者と思っていたイヴに襲われた。
生きていたことに驚いたが、それ以上に喜んでいる自分がいた。
生きていたことに驚いたが、それ以上に喜んでいる自分がいた。
彼女は先ほど、恐怖に出会ったばかりだったのだ。
化け物の生まれる瞬間を目にして。
その化け物のいる場所に一秒でもいたくなくて逃げてきた。
化け物の生まれる瞬間を目にして。
その化け物のいる場所に一秒でもいたくなくて逃げてきた。
そして、逃げてきた先で、唯一の仲間に会えた。
死んだと思っていた、協力者に。
死んだと思っていた、協力者に。
千秋にとって、イヴはこの場において唯一といってもいい味方だ。
例え最後には争う関係になるとしても、それまでは、今だけは味方といっていい存在だったはずだ。
例え最後には争う関係になるとしても、それまでは、今だけは味方といっていい存在だったはずだ。
その時の彼女は、余裕がなかったこともありとても喜んだのだ。
協力者が自分の知っている姿よりも幼くなっていたことにも気付けなかったくらいに。
協力者が自分の知っている姿よりも幼くなっていたことにも気付けなかったくらいに。
なのに。
その協力者は自分を殺そうとした。
出会ってすぐに彼女は自分に刃を向け。
そしてお城にいた、馬鹿みたいに強い少年が溺れているのを見て、迷わず川へ飛び込んだ。
そしてお城にいた、馬鹿みたいに強い少年が溺れているのを見て、迷わず川へ飛び込んだ。
わけがわからなかった。
何故?
最後には殺し合う中ではあるが、今はまだ仲間といえるはずなのに。
何故?
先ほど敵対していたはずの少年が溺れていて、助ける必要がある?
わからない。
わからないが、彼女がどうにかして城にいた連中の仲間になったことは理解できた。
わからないが、彼女がどうにかして城にいた連中の仲間になったことは理解できた。
そして、その連中がイヴにとって大切な存在になっているのだということを。
どうして。
イヴと自分は同じはずなのに。
何人も殺して、ご褒美をもらえるくらいに殺して。
何人も殺して、ご褒美をもらえるくらいに殺して。
なのにどうして、イヴばかりが暖かい目に会うのか。
自分は梨々も雛苺も殺して、冷たい雨の中走って、
会いたくもないモンスターの誕生を間近でみてしまって。
自分は梨々も雛苺も殺して、冷たい雨の中走って、
会いたくもないモンスターの誕生を間近でみてしまって。
散々な目にあったというのに。
なのにどうして。
彼女は温もりを手にしているのだろう。
彼女は温もりを手にしているのだろう。
「ふざけんな、馬鹿野郎……」
イヴが、憎かった。
どうしようもなく、憎かった。
どうしようもなく、憎かった。
暖かい場所で、暖かい思いをした彼女が。
そんな彼女の温かみを壊してやりたかった。彼女の悲しむ姿を見てやりたかった。
そんな彼女の温かみを壊してやりたかった。彼女の悲しむ姿を見てやりたかった。
そして今の自分にならそれが可能だ、と思う。
お城の戦い。
一番やっかいだった、リーダーシップを取る少年。
もっとも戦い慣れ、もっとも多種多様なことができていた少年。
力も一番強く、雷を操り、おまけに回復までできる奴。
一番やっかいだった、リーダーシップを取る少年。
もっとも戦い慣れ、もっとも多種多様なことができていた少年。
力も一番強く、雷を操り、おまけに回復までできる奴。
奴の名前はレックスだったはずだ。
そしてそいつは、どういうわけだか川を流されていた。
そしてそいつは、どういうわけだか川を流されていた。
奴がいなくなった今なら。
倒せないと思った城の連中にも、勝てる。
倒せないと思った城の連中にも、勝てる。
千秋はお城へと走り出した。
※ ※
暖かい。
ヤミがまず認識したのは、暖かさを感じる触覚だった。
自分の前面から感じる、暖かい感触。
それにもっと触れていたくて、頬をすりつける。
そうしているうちにだんだんと、他の感触も蘇ってくる。
それにもっと触れていたくて、頬をすりつける。
そうしているうちにだんだんと、他の感触も蘇ってくる。
等間隔で弾むような、振動を感じる。
振動と同じく等間隔で、くちゃくちゃとぬかるんだ土を踏む音が聞こえる。
霞む目には、金色の何かがちらつく。
振動と同じく等間隔で、くちゃくちゃとぬかるんだ土を踏む音が聞こえる。
霞む目には、金色の何かがちらつく。
自分はさっきまで何をやっていたんだっけ……?
ぼんやりとした思考がそこに至った瞬間、ハッとヤミは眼を覚ます。
「あ、目が覚めたんだ」
目を覚ました彼女は、自分がレックスに背負われていることをすぐに理解する。
川からはもう出られたみたいで、今は何処かに向かっているようだった。
川からはもう出られたみたいで、今は何処かに向かっているようだった。
「さっきは助けてくれて、ありがと」
照れくさそうに、レックスはそう告げる。
その姿は川の中のように裸じゃなく、城にいた時と同じ服を着ている。
自分の姿も、いつの間にか人魚から戻っていた。
その姿は川の中のように裸じゃなく、城にいた時と同じ服を着ている。
自分の姿も、いつの間にか人魚から戻っていた。
その言葉にくすぐったさをかんじるも、すぐにそれじゃだめだと思い、
「おろ、して」
「だめだよ、さっき気絶したばかりなんだから」
「大丈夫、だから」
「だめだよ、さっき気絶したばかりなんだから」
「大丈夫、だから」
そういって暴れるも、レックスは離さない。
「離すわけにはいかないよ。だってヤミヤミ、僕が離したら逃げちゃうでしょ?」
その言葉に、ヤミは息詰まる。
いなくなりたいわけじゃない。
本心は、レックス達と一緒にいたい。
だけどそんな自分を、ヤミは許せない。
いなくなりたいわけじゃない。
本心は、レックス達と一緒にいたい。
だけどそんな自分を、ヤミは許せない。
「その名前は、返しました。今の私は「それじゃあ、だめなんだよ」……え?」
だから、屹然と言い放つ。
言い放つも、その言葉はやはり、止められる。
言い放つも、その言葉はやはり、止められる。
「君だけが、冷たいままじゃアルルゥは悲しむ。
僕たちみんなが、冷たくなくっちゃ」
僕たちみんなが、冷たくなくっちゃ」
レックスは続いて、そう言う。
だけどそれは、ヤミが最も望まないものだ。
周りのみんなを、そうさせないために分かれたというのに。
だけどそれは、ヤミが最も望まないものだ。
周りのみんなを、そうさせないために分かれたというのに。
「今、僕の身体、あったかいでしょ?」
「え……う、うん」
「え……う、うん」
どうやって彼から離れようかと考えていたときに、
突然のわけのわからない問い。呆然と答えるヤミ。
突然のわけのわからない問い。呆然と答えるヤミ。
自分の身体は、レックスの身体と密着し、相手の身体を感じさせる。
レックスの身体は互いの体温で温もりに包まれる。
レックスの身体は互いの体温で温もりに包まれる。
「川から上がった後はとっても冷たかったんだ。川の水は冷たかったからね
僕がこうやってあったかくなったのは、ヤミヤミと一緒だったからだ」
僕がこうやってあったかくなったのは、ヤミヤミと一緒だったからだ」
そういって、レックスはヤミを降ろす。
そして、正面から向き合うと、ヤミに思いっきりだきついた。
お城でアルルゥにやったように。
そして、正面から向き合うと、ヤミに思いっきりだきついた。
お城でアルルゥにやったように。
「え……? え?」
いきなりのその行動に、ヤミは頬が染まる。
密着したレックスの身体からは、心音が響く。
密着したレックスの身体からは、心音が響く。
「アルルゥは、こうしたくて君をヤミヤミって名前にしたんだ」
動転するヤミに、レックスはそう、語る。
彼女の名前の真実を。
彼女の名前に込められた、アルルゥの想い。
彼女の名前に込められた、アルルゥの想い。
ヤミ……いや、再びヤミヤミと名乗ることになる彼女は、
身体と心にあふれるその暖かさに満たされた。
身体と心にあふれるその暖かさに満たされた。
※ ※
「これでよし、っと」
千秋は目の前にある物騒な砲台を目にして、満足げだった。
その砲台の名は無敵砲台。
とある未来の世界の秘密道具の兵器だ。
とある未来の世界の秘密道具の兵器だ。
千秋の残る追加支給品は、この無敵砲台と、ヴォーパルソードという氷の剣だった。
それに光学迷彩も加えた3つが、雛苺から奪った追加支給品だった。
それに光学迷彩も加えた3つが、雛苺から奪った追加支給品だった。
その中で、ヴォーパルソードは千秋にとってハズレだ。
レックス等の戦士達にとってはこの上ない当たりであろうこの道具も、
剣術の心得のない千秋にとっては包丁と同等の価値しかない。
それどころか、剣の重さに振り回されるため、包丁にすら劣るだろう。
レックス等の戦士達にとってはこの上ない当たりであろうこの道具も、
剣術の心得のない千秋にとっては包丁と同等の価値しかない。
それどころか、剣の重さに振り回されるため、包丁にすら劣るだろう。
光学迷彩も今の千秋にとって、実は使いにくい。
これは千秋が既に持っているシルバースキンとの併用ができないのである。
同時に装着しようとすればシルバースキンが光学迷彩の上に展開されてしまい、
服だけが浮いた状態になってしまうのだ。それでは意味がない。
これは千秋が既に持っているシルバースキンとの併用ができないのである。
同時に装着しようとすればシルバースキンが光学迷彩の上に展開されてしまい、
服だけが浮いた状態になってしまうのだ。それでは意味がない。
実質戦闘で使えるものは、無敵砲台しかなかったのだ。
故に、この追加支給品達でレックス達に再度挑んだとしても、勝てないだろうと千秋は考えていた。
故に、この追加支給品達でレックス達に再度挑んだとしても、勝てないだろうと千秋は考えていた。
例え雛苺と一緒に攻め入ろうとも、無敵砲台をあてるためには彼らの姿を見なければならない。
こちらが「発射」といわなければ無敵砲台は発動しないのだ。
その距離からだと相手からも自分が見えてしまい、攻撃されることになる。
こちらが「発射」といわなければ無敵砲台は発動しないのだ。
その距離からだと相手からも自分が見えてしまい、攻撃されることになる。
そしてレックスの雷の魔法は、シルバースキン越しでもダメージが通った。
もしそのダメージに怯んでいる間に、レックスが瞬く間に近づいて、渾身の一撃をたたきこんできたら。
シルバースキンは無敵の装甲だが、あの雷のように耐えられないものも存在する。
あの化け物みたいな少年に完全に手加減なしの一撃をくらわされたら。
本当に完全に耐えられるのか、と言われれば不安が残る。
もしそのダメージに怯んでいる間に、レックスが瞬く間に近づいて、渾身の一撃をたたきこんできたら。
シルバースキンは無敵の装甲だが、あの雷のように耐えられないものも存在する。
あの化け物みたいな少年に完全に手加減なしの一撃をくらわされたら。
本当に完全に耐えられるのか、と言われれば不安が残る。
こちらの姿が見えなければいいわけでもない。
光学迷彩をしていたなら、こちらの姿は見えないだろうが、
光学迷彩は姿以外は隠せない。
光学迷彩をしていたなら、こちらの姿は見えないだろうが、
光学迷彩は姿以外は隠せない。
「発射」という言葉でどこにいるか大体の位置は気付かれるだろうし、
そうなるとレックスの雷やアルルゥのドラゴンの広範囲攻撃で殺されてしまう。
シルバースキンをまとわないわけにはいかなかった。
そうなるとレックスの雷やアルルゥのドラゴンの広範囲攻撃で殺されてしまう。
シルバースキンをまとわないわけにはいかなかった。
故に、千秋は当たりともいえる無敵砲台があろうと、お城の面々に勝てないと思っていた。
だが、一番厄介なレックスは今どういうわけだが城の外にいる。
今この城の中には、ベルカナとアルルゥと呼ばれていた面々しかいない。
この二人は、レックスほど接近戦が得意ではない。
今この城の中には、ベルカナとアルルゥと呼ばれていた面々しかいない。
この二人は、レックスほど接近戦が得意ではない。
これなら勝てる。
にやり、と千秋は口の端を釣り上げるような笑みを浮かべる。
にやり、と千秋は口の端を釣り上げるような笑みを浮かべる。
「お前だけ、抜け駆けなんて許さないからな」
大切な存在がいなくなっていることに気づいたイヴが
一体どれほどの悲しみに染まるのか。
一体どれほどの悲しみに染まるのか。
それを考えるだけで、自然に笑みがでてきた。
彼女は気付いているだろうか。
今の彼女の笑みは、彼女が恐怖した存在とまったく同じだということに。
仲間を得たことで、機械のようだったころから再び暖かい存在になれたイヴ。
彼女は自身の記憶を対価にその温もりを手にすることができた。
彼女は自身の記憶を対価にその温もりを手にすることができた。
仲間も何もかも捨て、どんどん冷たくなっていく千秋。
彼女はいったい、何を対価に、何をしようとするのだろうか。
彼女はいったい、何を対価に、何をしようとするのだろうか。
【F-3/グランバニア城一階・宿屋/2日目/早朝】
【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:魔力消費(中)、右腕の手首から先が動かない。
[装備]:タマヒポ(サモナイト石・獣)、ワイヴァーン(サモナイト石・獣)@サモンナイト3
[道具]:基本支給品×2、クロウカード『泡』『駆』@カードキャプターさくら、
スタンガン@ひぐらしのなく頃に、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT
[服装]:普段着である民族衣装風の着物(背中の部分が破れ、血で濡れている)
[思考]:ヤムィヤムィ、レックスおにーちゃん……
第一行動方針:レックスがヤムィヤムィを連れて帰ってくるまで、お城で待つ。
第二行動方針:レックスについていき、レミリアやイエローを捜したい。
基本行動方針:優勝以外の脱出の手段を捜す。敵は容赦しない。
参戦時期:ナ・トゥンク攻略直後
[備考]:アルルゥは獣属性の召喚術に限りAランクまで使用できます。
ゲームに乗らなくてもみんなで協力すれば脱出可能だと信じました。
サモナイト石で召喚された魔獣は、必ず攻撃動作を一回行ってから消えます。攻撃を止めることは不可能。
アリス・イン・ワンダーランドに対して嫌悪を覚えています。
ベッキーは死亡したと考えています。
【アルルゥ@うたわれるもの】
[状態]:魔力消費(中)、右腕の手首から先が動かない。
[装備]:タマヒポ(サモナイト石・獣)、ワイヴァーン(サモナイト石・獣)@サモンナイト3
[道具]:基本支給品×2、クロウカード『泡』『駆』@カードキャプターさくら、
スタンガン@ひぐらしのなく頃に、アタッシュ・ウェポン・ケース@BLACK CAT
[服装]:普段着である民族衣装風の着物(背中の部分が破れ、血で濡れている)
[思考]:ヤムィヤムィ、レックスおにーちゃん……
第一行動方針:レックスがヤムィヤムィを連れて帰ってくるまで、お城で待つ。
第二行動方針:レックスについていき、レミリアやイエローを捜したい。
基本行動方針:優勝以外の脱出の手段を捜す。敵は容赦しない。
参戦時期:ナ・トゥンク攻略直後
[備考]:アルルゥは獣属性の召喚術に限りAランクまで使用できます。
ゲームに乗らなくてもみんなで協力すれば脱出可能だと信じました。
サモナイト石で召喚された魔獣は、必ず攻撃動作を一回行ってから消えます。攻撃を止めることは不可能。
アリス・イン・ワンダーランドに対して嫌悪を覚えています。
ベッキーは死亡したと考えています。
【F-3/城入口/2日目/早朝】
【南千秋@みなみけ】
[状態]:健康、疲労(中)、人間不信&精神衰弱。イヴに対する憎悪
[装備]:ロングフックショット@ゼルダの伝説/時のオカリナ、祝福の杖(ベホイミ残1回)@ドラゴンクエスト5、
首輪探知機、シルバースキン《核鉄状態》@武装錬金、光学迷彩《展開中》@絶対可憐チルドレン
[道具]:基本支給品×5(食糧、水のみ四人分)、ルーンの杖(焼け焦げている)@ファイナルファンタジー4、
コンチュー丹(容器なし)@ドラえもん、青酸カリ(半分消費)@名探偵コナン、
的の書かれた紙×5枚@パタリロ!、太一のゴーグル(血がついている)、替えのパンツ×2枚、
ころばし屋@ドラえもん、小銭入れ(10円玉×4、100円玉×3) インデックスのメモ、ご褒美ランドセル
F2000R(残弾12/30)@とある魔術の禁書目録、FNブローニングM1910(残弾0)、飛翔の蝙也の翼@るろうに剣心、
グラス×5、爆弾石×2@ドラゴンクエスト5、ヴォ―パルソード@TOS
[思考]:今ならやれる……!
第一行動方針:お城にいる奴らを殺す。そしてイヴの反応が見たい。
第二行動方針:グレーテルには、もうできる限り関わりたくない。
第三行動方針:他者を利用しつつ、殺し合いを促進させる。危険因子はその都度排除。
第四行動方針:全て終わったら、八神ヒカリに形見のゴーグルを渡したい(自分が殺した事実は隠す)?
基本行動方針:優勝狙い。優勝のご褒美で“殺し合いに参加していた自分”を消してもらい、元の世界に戻る。
[備考]:グレーテルに対し、シルバースキン以外の手の内をほとんど明かしていません。
グレーテルの再生能力、エネルギードレイン能力を把握しています。
木之本桜はレックス達に殺されたと思っています。
【南千秋@みなみけ】
[状態]:健康、疲労(中)、人間不信&精神衰弱。イヴに対する憎悪
[装備]:ロングフックショット@ゼルダの伝説/時のオカリナ、祝福の杖(ベホイミ残1回)@ドラゴンクエスト5、
首輪探知機、シルバースキン《核鉄状態》@武装錬金、光学迷彩《展開中》@絶対可憐チルドレン
[道具]:基本支給品×5(食糧、水のみ四人分)、ルーンの杖(焼け焦げている)@ファイナルファンタジー4、
コンチュー丹(容器なし)@ドラえもん、青酸カリ(半分消費)@名探偵コナン、
的の書かれた紙×5枚@パタリロ!、太一のゴーグル(血がついている)、替えのパンツ×2枚、
ころばし屋@ドラえもん、小銭入れ(10円玉×4、100円玉×3) インデックスのメモ、ご褒美ランドセル
F2000R(残弾12/30)@とある魔術の禁書目録、FNブローニングM1910(残弾0)、飛翔の蝙也の翼@るろうに剣心、
グラス×5、爆弾石×2@ドラゴンクエスト5、ヴォ―パルソード@TOS
[思考]:今ならやれる……!
第一行動方針:お城にいる奴らを殺す。そしてイヴの反応が見たい。
第二行動方針:グレーテルには、もうできる限り関わりたくない。
第三行動方針:他者を利用しつつ、殺し合いを促進させる。危険因子はその都度排除。
第四行動方針:全て終わったら、八神ヒカリに形見のゴーグルを渡したい(自分が殺した事実は隠す)?
基本行動方針:優勝狙い。優勝のご褒美で“殺し合いに参加していた自分”を消してもらい、元の世界に戻る。
[備考]:グレーテルに対し、シルバースキン以外の手の内をほとんど明かしていません。
グレーテルの再生能力、エネルギードレイン能力を把握しています。
木之本桜はレックス達に殺されたと思っています。
※無敵砲台@ドラえもんをF-3のお城中庭に設置しています。
【G-5/河川付近/2日目/早朝】
【レックス@ドラゴンクエスト5】
[状態]:魔力中消費、ヤミヤミを背負ってる。
[装備]:ドラゴンの杖@DQ5(ドラゴラム使用回数残り2回)、勇気ある者の盾@ソードワールド
[道具]:基本支給品×2、飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心
ドラゴンころし@ベルセルク、バトルピック@テイルズオブシンフォニア、
爆弾石×2@ドラゴンクエスト5、魔力の尽きた凛のペンダント、小さなメダル@DQ5
海底探検セット(深海クリーム、エア・チューブ、ヘッドランプ、ま水ストロー、深海クリームの残り、快速シューズ)@ドラえもん
[服装]:普段着
[思考]:戻ろう、ヤミヤミ
第一行動方針:ヤミヤミと共にお城に帰り、アルルゥを安心させる。
第二行動方針:仲間を守りつつ、レミリアとタバサを捜す。
第三行動方針:魔力が回復して余裕が出来たら、不明アイテムや水中の調査
基本行動方針:勇者としてタバサの兄として誇れるよう生きる。でも敵には容赦しない。
[備考]:エンディング後なので、呪文は一通り習得済み
アルルゥや真紅はモンスターの一種だと思っています。
ベッキーは死亡したと考えています。
お城の地下に迷宮があるのを確認しましたが、重要なことだと思っていません
【レックス@ドラゴンクエスト5】
[状態]:魔力中消費、ヤミヤミを背負ってる。
[装備]:ドラゴンの杖@DQ5(ドラゴラム使用回数残り2回)、勇気ある者の盾@ソードワールド
[道具]:基本支給品×2、飛翔の蝙也の爆薬(残十発)@るろうに剣心
ドラゴンころし@ベルセルク、バトルピック@テイルズオブシンフォニア、
爆弾石×2@ドラゴンクエスト5、魔力の尽きた凛のペンダント、小さなメダル@DQ5
海底探検セット(深海クリーム、エア・チューブ、ヘッドランプ、ま水ストロー、深海クリームの残り、快速シューズ)@ドラえもん
[服装]:普段着
[思考]:戻ろう、ヤミヤミ
第一行動方針:ヤミヤミと共にお城に帰り、アルルゥを安心させる。
第二行動方針:仲間を守りつつ、レミリアとタバサを捜す。
第三行動方針:魔力が回復して余裕が出来たら、不明アイテムや水中の調査
基本行動方針:勇者としてタバサの兄として誇れるよう生きる。でも敵には容赦しない。
[備考]:エンディング後なので、呪文は一通り習得済み
アルルゥや真紅はモンスターの一種だと思っています。
ベッキーは死亡したと考えています。
お城の地下に迷宮があるのを確認しましたが、重要なことだと思っていません
【ヤミヤミ(イヴ)@BLACK CAT】
[状態]:疲労(大)、10歳前後の容姿、レックスに背負われてる。
[装備]:レミリアの服、エッチな下着@DQ5、返響器@ヴァンパイアセイヴァー
[道具]:基本支給品×2、光子朗のノートパソコン@デジモンアドベンチャー、
フック付きロープ@DQ5、神楽の傘(弾0)@銀魂、エーテライト×1@MELTY BLOOD、
胡蝶夢丸セット@東方Project、ラグーン号操船マニュアル、病院服、ただの布切れ
[服装]:レミリアの服、その下はエッチな下着
[思考]:アルルゥ……
第一行動方針:アルルゥに会いたい。謝りたい。
第二行動方針:レックス達についていく。もう迷わない
第三行動方針:自分の過去を知りたい。そのために、ブルーや千秋から話を聞きたい。
基本行動方針:自分の過去を知りたい。そして罪と向き合いたい。
[備考]:記憶をすべて消し去りました。元世界の記憶、この島での記憶、共にありません。
再びヤムィヤムィ(ヤミヤミ)と名乗ることにしました。
[状態]:疲労(大)、10歳前後の容姿、レックスに背負われてる。
[装備]:レミリアの服、エッチな下着@DQ5、返響器@ヴァンパイアセイヴァー
[道具]:基本支給品×2、光子朗のノートパソコン@デジモンアドベンチャー、
フック付きロープ@DQ5、神楽の傘(弾0)@銀魂、エーテライト×1@MELTY BLOOD、
胡蝶夢丸セット@東方Project、ラグーン号操船マニュアル、病院服、ただの布切れ
[服装]:レミリアの服、その下はエッチな下着
[思考]:アルルゥ……
第一行動方針:アルルゥに会いたい。謝りたい。
第二行動方針:レックス達についていく。もう迷わない
第三行動方針:自分の過去を知りたい。そのために、ブルーや千秋から話を聞きたい。
基本行動方針:自分の過去を知りたい。そして罪と向き合いたい。
[備考]:記憶をすべて消し去りました。元世界の記憶、この島での記憶、共にありません。
再びヤムィヤムィ(ヤミヤミ)と名乗ることにしました。
【無敵砲台@ドラえもん】
巨大な砲台で、どこかに設置することで使用可能になる。
誰かを指差して「発射」と合図すると、思いのままにいつでも誰でも砲撃できる。
砲台の機能を停止できるのはセットした本人のみ。
それ以外の人間が停止したければ破壊しなければならない。
巨大な砲台で、どこかに設置することで使用可能になる。
誰かを指差して「発射」と合図すると、思いのままにいつでも誰でも砲撃できる。
砲台の機能を停止できるのはセットした本人のみ。
それ以外の人間が停止したければ破壊しなければならない。
本来なら砲台に接近するものがいた場合、レーダーにより探知され迎撃されるが、その機能は制限で使えないため、
使用者の目の届かないところで見つかってしまえば何もできない。
砲撃から逃げることも防ぐことも一切不可能だったが、本作では制限の為可能。
また本作では同エリア内にしか砲撃できないものとする。
使用者の目の届かないところで見つかってしまえば何もできない。
砲撃から逃げることも防ぐことも一切不可能だったが、本作では制限の為可能。
また本作では同エリア内にしか砲撃できないものとする。
【ヴォ―パルソード@TOS】
氷の属性を秘めた長剣。
物語のキーアイテムであるマテリアルブレードの片割れで、
フランベルジュと合わさることでエターナルソードに変化する。
作中では主人公ロイドの育ての親ダイクが作製し、ロイドに渡した。
氷の属性を秘めた長剣。
物語のキーアイテムであるマテリアルブレードの片割れで、
フランベルジュと合わさることでエターナルソードに変化する。
作中では主人公ロイドの育ての親ダイクが作製し、ロイドに渡した。
≪276:蒼星石/Lapislazuri Stern | 時系列順に読む | 278:Sneak Attack!!(前編)≫ |
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≪272:なまえのないかいぶつ | 南千秋の登場SSを読む | 278:Sneak Attack!!(前編)≫ |
≪273:つながり(前編) | アルルゥの登場SSを読む | |
イヴの登場SSを読む | 282:第二回定時放送≫ 283:死者への誓い≫ | |
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