原文:https://game.udn.com/game/story/122090/8098442
原始鳥熊(Obb Studio)が語る『活侠伝』の始まり――些細な冗談から始まった、非凡なる江湖の物語
原始鳥熊(Obb Studio)が開発した武侠インディーゲーム『活侠伝(英題:Legend of Mortal)』は、間違いなく2024年を代表する注目作の一つです。 本作は6月のリリース以来、生き生きとしたキャラクター描写、二転三転するストーリー、複雑に絡み合う人間関係がプレイヤーの間で大きな話題を呼び、多くのファンの心を掴みました。
驚くべきことに、本作の主要開発メンバーはわずか2人。スタジオ名にもなっている「鳥」と「熊」の二人です。ゲームデザインやシステムは二人の共同発案で、鳥がプログラミングとプロジェクト管理を、熊がシナリオとグラフィックデザインを担当しています。
『活侠伝』の熱烈なファンである当編集部(編集者の平均プレイ時間は50時間を突破)は、このたび「鳥熊」の二人にインタビューを行う機会をいただきました。開発の舞台裏や制作の裏話、そしてこの「一羽と一頭」がどのように深山で数年間修業を積み、今日これほど江湖(ゲーム界)を揺るがす作品を世に送り出したのか、その秘密に迫ります。
冗談から始まり、決意へと至る――「原始鳥熊」設立の歩み
鳥熊の二人の縁は高校時代にまで遡ります。卒業後は別々の道を歩んだものの、社会人になってからも連絡を取り合い、深い絆で結ばれた親友であり続けました。
友情で結ばれた二人の間では、雑談の中でたまに「起業」の話題が上ることもありました。鳥は「自分が牛肉麺(ニューローメン)好きだから、最初は牛肉麺の店を開こうかとも考えていた」と笑いながら明かしてくれました。
しかし、社会人生活が長くなり深く考えるにつれて、共同起業への決意は本物になっていきました。鳥がプログラミングを得意とし、熊の趣味が執筆と絵描きであったことから、二人の強みを活かしてゲーム開発に身を投じ、自分たちだけのIP(知的財産)を創造することを決意したのです。
そして2020年、原始鳥熊(Obb Studio)が設立されました。異業種から参入した二人は、まるで人里離れた深山にこもり、ひたすら修業に励む武林の門人のように開発に没頭し、あっという間に4年の歳月が流れました。
弱者の宿命は逃げること!――『活侠伝』誕生前夜
『活侠伝』は原始鳥熊が初めて正式に開発したゲームですが、初期段階では「弾幕を避けること」をメインのゲームプレイとした、モバイル向けのカジュアルゲームでした。プレイヤーは容姿が醜く実力も「モブ(雑魚)」並みの唐門の弟子となり、拳やキック、暗器が飛び交う武林の大乱闘に巻き込まれ、激しい戦いの中をひたすら逃げ回って命を守るという内容でした。
主人公は敵味方問わず、あらゆる飛び道具(投擲物)を避け続けなければなりませんでした。武功が低すぎるために自ら敵にダメージを与えることはできず、ひたすら逃げるのみ。唯一の対抗手段は、唐門の師兄や師姉を召喚して助けてもらうことでした。暗器に容赦はなく、絶世の達人たちがしのぎを削る戦いの中では、誰も主人公のちっぽけな命など気にかけてはくれないからです。
(初期の弾幕シューティング型デザインの画面。※現在は廃止。画像提供:原始鳥熊)
しかし、このゲームデザインだけではやはり内容が薄く、主人公がまったく反撃できないのもあまりに不憫だったため、鳥熊の二人はそれを起点に様々なストーリー展開を構想し始めました。
何度も改修を重ね、1年近くの歳月を費やした末、二人はモバイル向け開発を断念。PC向けの開発へと舵を切り、数多くのゲームシステムと膨大なシナリオを追加しました。原始鳥熊の公式Facebookページが開設される頃には『活侠伝』の全体的なプレイスタイルが確立され、かつてのヴァンサバ(サバイバー系)のようなゲームプレイは、最終的に「戦役(バトル)」モードへと昇華されました。
唐門の道化・趙活:いかに人生が険しくとも、私は生き抜く
『活侠伝』の主人公・趙活(ちょうかつ)の容姿は極めて醜く、劇中の人々を驚愕させ「妖怪変化の類」と罵られるだけでなく、プレイヤーの参入障壁にさえなるほどです。彼は僻地の農村出身で、天賦の才があるわけでも、隠された高貴な血筋があるわけでもありません。主人公補正は一切なく、その人生は「ハードモード」そのものです。
(『活侠伝』主人公・趙活)
鳥熊によれば、この設定にした理由は本作の英題が『Legend of Mortal』、すなわち「凡人の伝説」を意味しているからだそうです。
従来の武侠小説の主人公にも、物語を展開しやすくするための「不遇な設定」がよく付与されます。例えば「経絡(けいらく)が閉ざされている」という設定であれば、読者はのちに主人公が奇跡的にそれを克服し、神がかった武功を大成させるだろうと期待します。「家族を失い天涯孤独の身」という設定にしても、実質的にはしがらみがなくなり、自由に世界を旅しやすくなるメリットにすぎません。
これらと比較して、「外見の醜さ」はより直接的で言い訳の利かない弱点です。しかも、容姿が原因で不利益を被るような出来事は現実社会でもよくあることであり、プレイヤーにとっても共感しやすいポイントなのです。
主人公の所属を「唐門」にしたのは、『活侠伝』のプロトタイプ段階にあった弾幕要素の影響です。武林において、最も不自然なく無数に飛び道具を放てる門派といえば、暗器(あんき)の名門である唐門を置いてほかにありません。
また、一般的な武侠設定において、唐門は「良くも悪くも割り切れない(亦正亦邪)」、グレーゾーンの行いをする門派として描かれがちです。これにより、主人公がゲーム中で大善を行うことも、大悪に染まることも、より説得力を持って描くことができます。もし主人公が嵩山(すうざん)や峨嵋(がび)といった厳格な「名門正派」の弟子であれば、一歩でも道を踏み外した瞬間に破門され、始末されてしまうでしょう。
意外なことに、ゲームのタイトルは初期から『活侠伝』に決まっていたものの、主人公の名前は最初は全く違うものでした。
鳥熊の二人はこう語ります。開発中、様々な名前を検討しました。田舎の貧しい農家生まれという設定を踏まえ、物乞いの集団である丐幇(かいほう)の頭領にありそうな「王二壮(おうにそう)」といった泥臭い名前すら候補に挙がっていました。しかし、初の体験版を公開する直前になり、ようやく「趙活」という名前に決定しました。これは、人生がどれほど不遇でデコボコであっても、恐れることなく立ち向かい、しぶとく「生き抜く(中国語で趙活「Zhào Huó」と同じ発音の“照活”=それでも活きる、の意)」ように、という願いが込められています。
「どれほど不格好で、つまずきながらであろうとも、果敢に人生に挑み続ける。特別な能力を何一つ持たない者、それこそが真の『勇者』なのだから。」