原文:https://forum.gamer.com.tw/Co.php?bsn=73317&sn=15486
=== 第3篇 ===
== 鳥大侠 & 熊大侠 ==
Q5-1:3A級の大手スタジオから個人インディー開発者まで、多くの開発会社が新型コロナウイルス(パンデミック)によって開発の遅れを余儀なくされました。鳥熊のお二人が会社を退職して独立を決意された時期は、ちょうど台湾で感染が拡大した前後の時期だったのでしょうか? また、感染拡大は開発作業に影響を与えましたか?
鳥: ずっと家に引きこもって外出せず、健康状態も良好に維持できていました。髪の毛が伸び放題になり、まるで浮浪者のようになってしまったことくらいで、開発自体には特に影響はなかったと思います(笑)。
熊: 僕は2回コロナに感染しました。感染するたびに、自分の頭が少し悪くなって(おバカになって)しまったような気がしましたね。
Q5-2:新しいメンバーの公募が始まった当時、ファンからは「(要求されるスキルの)ハードルが高すぎて人が集まらないのでは」と心配する声もありました。差し支えなければ、当時どれくらいの履歴書(応募)が届いたのか、おおよその件数を教えていただけますか?
鳥: 優秀な経歴を持った素晴らしい履歴書をたくさんいただきました。おそらく20通以上はあったと思います。
熊: 本当に多かったです。しかも、非常に優秀な方ばかりで、強い印象を残す実力者も数多くいらっしゃいました。最終的には、その時の開発ニーズに照らし合わせて、なんとか苦渋の決断を下す形になりました。
*※履歴書の山に圧倒される原始森林(Obb Studio)*
Q5-3:『活侠サバイバー』の初期企画段階において、「武侠の世界観」と「サバイバー系のゲームシステム」のどちらが先に決まったのでしょうか? それとも、プログラムとシナリオが最初から同時に存在しており、素材をパズルのように組み立てていったのですか?
鳥: 当時のプロトタイプには一切のシナリオが存在せず、本当にただ弾幕を避けるだけのシンプルなゲームでした。
熊: 武侠の世界観と、弾幕を避けるサバイバル要素は、最初期のバージョンからのコンセプトでした。当時はシナリオのボリュームも非常に少なかったですね。
*※……ちょっと待ってください。お二人の話、絶妙に食い違っていませんか?*
熊(続き): 登場キャラクターの設定も現在とはかなり異なっており、初期設計における最初のバージョンの小師妹は、今よりもかなりぽっちゃりしていました。
*※ぽっちゃり小師妹のイメージ図*
Q5-4:鳥熊のお二人はプログラミング、グラフィック、脚本の3大セクションをそれぞれ分担されていますが、養成ミニゲームの廃止や、現在の決闘システムの実装といったゲームデザインの調整は、主にどちらが提案されたものなのでしょうか? それとも、お互いにアイデアを出し合って現在の形に統合していったのですか?
*※『活侠伝』初期開発時の開発イベント画像*
鳥: 二人で長い時間をかけて議論し、合意に至ったものです。今となっては、どちらが先に言い出したのかも思い出せません。
熊: 『活侠伝』のゲームデザインや各種提案は、すべて鳥と熊が何度もディスカッションを重ねて決めてきたものです。今ではどちらが何を発案したのか区別もつきません。
ただ、これだけははっきりさせておきましょう。南宮深(なんきゅうしん)の「鳳凰の肩当て(鳳凰肩甲)」のアクリルスタンドを作ろうと言い出したのは鳥で、これは紛れもない「クソアイデア(餿主意)」でした。
Q5-5:仮に初期の企画目標であった「活侠・雪山牧場物語・GTA」を人材や技術の面で完全に実現できるとしたら、そのゲームプレイは一体どのような体験になったのでしょうか? 『Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)』や『Kingdom Come: Deliverance(キングダムカム・デリバランス)』のような3Dオープンワールドですか? それとも『牧場物語』のような2Dクラフトサバイバルですか?
*※雪山を精力的に開拓・建設する趙活*
*※『Ghost of Tsushima』:1274年の元寇の歴史をベースにしたオープンワールドRPG。侵攻を受けた対馬で生き延びた主人公が、民を救うために誉れ高き武士道を捨て、裏から敵を葬る「冥人(くろうど)」となり対抗していく、和風の「侠義」を体現した物語。*
鳥: 僕にもまだ想像がつきませんが、おそらくとんでもない「スーパーキメラ(寄せ集めゲーム)」になっていたと思います。
熊: もっとのんびりとしたゲームになっていたかもしれませんね。一見すると明確な目的はなく、毎日師父に「いつ終わるとも知れない雑用」を言いつけられるような日々です。
積極的にスローライフを送って、家を建てたり拡張したりすることもできますが、自分の最低限の仕事だけをこなしてあとは「寝そべり(躺平)」生活を決め込んでいても、師父が口うるさく小言を言うことはありません。
ただし、彼女はそれを「根に持ちます」。プレイヤーはそんなこと気づきもしないでしょうが、お正月や節句の折に、小竹(郁竹)、小梅(梅)、小菊(魏菊)たちが遊びに来た際、彼女はこっそり妹たちにその不満を愚痴るのです。
逆に、あなたがとても精力的に生活していれば、師父は誇らしげに新・雪山派の建築群を彼女たちに自慢することでしょう。
そして、たまに「お前を倒して名を上げよう」とする武林の人間が、雪山派に殴り込んでくることもあるわけです。
*※妙に具体的ですね……!「GTA要素」というのは、もしかして道徳値の低い趙活の暴れっぷりのことでしょうか?*
Q5-6:インディーゲーム開発界隈ではよく、「ストーリー重視のゲームは新人開発チームに最も適している」と言われる一方で、「プレイ動画や実況配信によって、未購入の『動画勢(雲玩家)』に内容をすべて見られて満足されてしまいやすい」というデメリットも指摘されます。開発開始前に、そうした懸念はありましたか?
鳥: 全く心配していませんでした。僕も時間がある時はプレイヤーの皆さんの実況配信をよく見ていますし、彼らが面白いシナリオにたどり着く瞬間を見るのを楽しみにしています。
熊: ストーリーは単一のルートではないため、プレイヤー自身の選択が何よりも重要になります。
ですから、ただ動画を「見るだけ」では、ゲーム本来の本当の面白さを体験することはできません。自らその手でゲームに関与し、その足で「江湖(こうこ)」へと身を投じて初めて、真の答えに辿り着けるのです。
Q5-7:ストーリー重視のゲームにランダム要素を導入すること自体は珍しくありません。ストーリー主導のローグライクや、ステータスに応じた「ダイス検定RPG(スキルチェック)」によって成否が分岐するRPGなどが挙げられます。 しかし、『活侠伝』のように「安科(アンコ/ダイススレ形式)」と呼ばれる完全確率のダイスシステムをベースにした膨大な分岐シナリオを採用したゲームは、前代未聞です。 なぜお二人は、江湖の予測不可能な変化を強調するために、このような純粋な確率によるランダムダイス形式を採用されたのでしょうか? リプレイ性を高めたいという意図もあったのですか?
*※ダイス加算検定RPG:好感度や能力値などの補正をダイスの出目に加え、成否を判定するRPG。プレイヤー側である程度確率をコントロールできます。(例:『バルダーズ・ゲート3』、『ディスコ エリジウム』など)。『活侠伝』の一部の判定もこの方式を採用しています。*
*※安科(アンコ):ネット上のランダム掲示板スレッド(安価スレ)から派生した創作形態。選択肢や展開をあらかじめ決めた範囲のダイス(乱数)だけで決定するため、外部の補正に影響されない「純粋な確率のランダム性」を持ちます。これが『活侠伝』の全ランダムダイスシナリオのルーツです。安価(あんか)は「レス番号」を指定して、その書き込みの内容によって次の展開を決定する手法。*
( https://home.gamer.com.tw/artwork.php?sn=2214985 )
熊: 『ディエゴ・ブランドーはグランドオーダーに挑戦するようです』を読んだことがきっかけです。安科(ダイススレ)というジャンルの唯一無二の面白さに感銘を受け、このスリリングな面白さを何とかしてビデオゲームの中にも取り入れたいと考えたのです。
*※『ディエゴ・ブランドーはグランドオーダーに挑戦するようです』:JOJO第7部のキャラクターであるディエゴを『FGO』の世界観に放り込んだ、日本のネット掲示板で連載されたファンメイドの大ヒットAAダイススレ(安科作品)。ディエゴのスタンド能力は、あらゆる生物を恐竜化させること。* *※FGO:時空を超えて人類の歴史を救う冒険を描いた大人気スマートフォン向けロールプレイングゲーム。*
Q5-8:インディーゲーム業界には、「商業的に成功するタイトルはほんの氷山の一角にすぎず、資金を回収できずに散っていった死屍累々の屍が山をなしている」という生々しいブラックジョークがあります。 この世界に飛び込む前に、資金回収できるインディーゲームなど「日本製のコンプレッサー並みに非常に珍しい(※台湾の有名なCMフレーズ)」ことや、インディーゲームの生存競争が江湖(武林)以上に過酷であることをご存知でしたか? それとも、すべてを知った上でなお「退路を断って一か八かの勝負に出る」覚悟だったのでしょうか?
熊: 過酷なのは、何も市場競争の面だけではありません。また、直面した現実もそれだけではありませんでした。
*※(おそらく、何者かによるゲームデータ改ざんや誹謗中傷などの妨害行為も含まれるのでしょう)*
ですが、それでもなお作りたいと思ったのです。すべてを投げ打ってでも挑む価値があるからこそ、それを「夢」と呼ぶのではないでしょうか。
Q5-9:シナリオを熊大侠が担当し、ゲーム内のアニメーションやアクション演出を鳥大侠が担当されています。アクション時のキャラクターの動きなどは、鳥大侠がセリフをもとにアドリブでつけているのでしょうか? それとも、脚本の段階でアクションの細かな指示が含まれているのですか?
鳥: 脚本に大まかに書かれた演出の記述をもとに、基本的には自由に発想を広げて作っています。ただし、いくつかの重要な演出については、何度も二人で意見を交わし、修正を繰り返すこと(イテレーション)で現在の素晴らしいクオリティへとブラッシュアップしていきました。
熊: 僕からは簡単なテキストでの指示を添える程度で、実際のアクションや細かな演出の構成は、すべて「鳥監督」の素晴らしいディレクションによるものです。
特に、大師兄(唐布衣)と小梅(梅)が共闘して金烏上人(きんうしょうにん)をフルボッコにするシーンの演出は目を見張る出来栄えでした。あれを見た時は、まさかあそこまで躍動感のあるダイナミックな演出に仕上げてくれるとは思わず、僕も本当に驚かされました。
*※大師兄と小梅による金烏への猛攻:台湾の公共テレビのインタビューでも、鳥大侠がお気に入りの戦闘演出として語っていた「天龍地虎(てんりゅうちこ)式」の共闘シーンです。*
Q5-10:熊大侠がどうしても執筆したかったものの、鳥大侠に全力でブレーキをかけられてしまい「ボツ」になったストーリー分岐があれば教えていただけますか?(すでに完全に廃棄され、明かしても差し支えのないものに限ります)
熊: 全真(ぜんしん)教への留学ルートですね。
趙活が重陽真人のかつての宿敵である「幽山老祖(ゆうざんろうそ:別名・玄冥老祖)」の復讐劇に巻き込まれてしまうストーリーです。当時、すでに全真七子(全真教の幹部たち)はそれぞれ独立して一門を構えていたため、第三世代の若い弟子たちだけで組んだ「北斗七星陣」では、金国第一の実力者である幽山老祖に太刀打ちできませんでした。 結果、趙活は囚われの身となり、金国へと拉致されてしまいます。
彼の特殊な体質に目をつけた敵は、彼を人体実験にかけ、その血を抜き取って「あらゆる毒を無効化する生薬(人丹)」へと精錬し、金国の皇帝へ献上しようと企むのです。
*※ちょっと待ってください。趙活は三蔵法師ではないのですから、食べても不老不死にはなれませんよ。小梅以外の狂気的な人たちが、なぜこの唐門の不細工を薬にして食べようとしたのでしょうか!?*
しかし、金国の武林側にも良心を持った一人の「裏切り者」がいました。 小医仙こと梁有詩(りょうゆうし)は、唐門の唐芳(とうほう)と旧知の仲であったため、その同門の弟弟子である趙活が異郷の地で無惨に殺されるのを見過ごせず、密かに彼を脱獄させたのです。
しかし、その脱獄の手助けが露見してしまい、彼女は国を売った逆賊(スパイ)の烙印を押されます。これを好機と捉えた「嶺南(れいなん)派」は、民衆を扇動し、彼女の実家に放火して焼き払ってしまいました。
すべてを失い、天涯孤独の身となった梁有詩は、趙活と共に大宋国への決死の逃亡を図ります。しかし、その道中の襄陽・棗陽の境界付近で、棗陽の主である孟仙謠(もうせんよう)に不審者として捕らえられてしまいます。
この時、もしプレイヤーが上官螢(じょうかんけい)と良好な関係を築いていれば、彼女が大金を叩いて役人へ根回しをして、趙活を救出してくれます。その後、救われた梁有詩は「錦香宮」か「唐門」のどちらかに身を寄せることになります。
彼女が唐門に加入した場合、その破格の医術センスを認められ、すでにこの世を去った師叔の弟子として迎え入れられます。そして唐芳と共に、現在は不在となっている「二師兄(唐玄)」の仕事を引き継ぎ、薬を作る「煉丹房」の責任者となります。
梁有詩、唐芳、そして趙活の3人は手を取り合って薬炉の研究に没頭し、最終的に幻の秘薬である「万寿屍心丹(ばんじゅししんたん)」を完成させ、死の淵にいた葉雲裳を救うことに成功します。
命を救われた雲裳は心から感謝し、お礼としてごちそうを用意しますが、そこへ執念深く追いかけてきた嶺南派の刺客が台所に乱入し、せっかく作り上げた料理を食卓に運ぶ前に台無しにしてしまうのです。
*※なんというドラマチックな展開でしょうか!「全真教留学ルート×梁有詩ルート」、ものすごく面白そうです。ボツ企画になってしまったのが非常に惜しまれます。いつか別の形でも良いので、ゲーム内に復活してくれることを願ってやみません。*
Q5-11:決闘システムに関して、一部のプレイヤーから「中盤から終盤にかけての強敵との対決において、お互いの属性や技の相性(すくみ)が強すぎて、単に攻撃(突き)を連打するだけの『蛮勇』や『迎難而上(困難への挑戦)』などのゴリ押し以外、ジャンケンの相性を無視して戦うのが難しい。特に『言葉責め(嘴攻)』流派は、相性負けすると行動そのものをキャンセルされてしまう」という不満の声が上がっています。将来的に、嘴攻スタイルでも相性の不利を無視して叫び散らせる(嘴攻できる)チャンスは用意されますか?
熊: そのようなゲームバランスや基本システムの検証を行うには、検証用の追加人員(テスター)が必要となります。
使える力(人手)には限界があります。現在の私たちのチームはマンパワークオリティも開発資金も限られている状況ですので、どうか温かい目で見守りつつ、焦らずにお待ち(徐図緩進)いただければ幸いです。
Q5-12:集団戦(戦役システム)について、一部のプレイヤーから「趙活がこれまで習得してきた秘籍(武功)や奥義の効果が、大規模な戦役においてはまったく恩恵が得られず、せっかく医術を極めても戦役中はHPを自分で回復することができない」という意見があります。将来的には、戦役中にも習得した秘籍に応じた特殊能力などが反映されるようになりますか?
鳥: 『活俠伝』の設定上、集団戦に組み込んで戦闘をより豊かにするための要素は確かにたくさん存在します。
ただ、それらを追加したとしても、集団戦の本質的な面白さやシステムとしての手応えに直接繋がるかはまた別問題です。私たちは、プレイヤーの皆様が戦役をプレイする上での「明確なモチベーション(目標)」をどのように深め、提示していくか、その方向性を軸に適切なバランス調整を検討しているところです。
Q5-13:『活俠伝』は、台湾のインディーゲームイベント「G-EIGHT 2025」において、「全年齢(一般部門)人気インディーゲーム賞 第1位」を受賞されました。受賞式当日、壇上での熊大侠からのコメントはありませんでしたが、今この場で改めて、何か受賞の喜びやメッセージを添えられますか?
*※G-EIGHT 2025での第1位受賞トロフィー。* *※G-EIGHT人気賞:会場の入場券1枚につき投票用コインが1枚配られ、来場者が投票箱に投入するシステムですが、『活侠伝』のブースだけは、会場で唯一コインで投票箱が満タンになり、主催側が急遽2個目の投票箱を追加で用意するほどの盛り上がりを見せました。*
鳥: 僕たちの投票箱がコインでパンパンになり、溢れそうになっているのを見て、本当に嬉しかったです。
熊: 心の底から感謝しています。そして、非常に光栄に思います。
皆様からいただいた大切な一票一票に感謝します。この肯定(評価)は、僕たちにとって非常に大きな意味を持つものであり、かつて「完全に閉ざされていた(封絶されていた)道」を、再び切り開いてくれたように感じています。
*※これからさらに素晴らしいニュースや、彼らの「発言権」が広がっていくことを期待しています。*
== 鳥大侠(ニァオ・シオン) ==
Q6-1:少し変わった(イカれた)質問ですが、これまでプレイヤーがシナリオライターに言及する際、脚本を書いている「熊」個人ではなく、スタジオの総称である「鳥熊」と呼ぶことが大半です。鳥大侠自身は、そのことで困惑したり困ったりしていませんか?
鳥: まったく気にしていないです。でも、僕(鳥)はシナリオについての質問には一切お答えできませんのであしからず!(笑)
Q6-2:こちらの質問も少し突飛ですが、作中に登場する「大師兄(唐布衣)が描いた『逆鱗宝衣(げきりんほうい)』のデザイン画(ラクガキ)」と、「葉雲裳が毒キノコを食べてラリっている(嗑毒菇)カットシーン」のイラストは、もしかして鳥大侠が直接描かれたものですか?
*※大師兄の描いたラクガキ* *※毒キノコを食べる雲裳*
鳥: 雲裳が毒キノコを食べているイラストだけが、僕が直接「ペイント(小画家)」ソフトを使って手描きしたものです。
一方で、大師兄のラクガキのほうは、熊が僕の画風をわざわざ模倣して描き下ろしてくれたものです(笑)。
Q6-3:鳥大侠が手掛けるカットシーンのアクション演出やアニメーションのテンポコントロールは素晴らしい出来ですが、これは熊大侠が演出監督としてアシストしているのですか? それとも、アニメーションのテンポ表現などの専門技術を研究されたのですか? あるいは、ご自身の感覚(直感)を信じて根気強く調整していったのでしょうか?
鳥: 何度も何度も少しずつテスト(イテレーション)と修正を積み重ね、自分の理想とする形に近づけていきました。
Q6-4:派手なアクションや戦闘が目白押しの演出シーンを一つ制作するにあたり、どれくらいの作業時間(工数)がかかるか計算されたことはありますか? (例えば、大師兄と小梅の「天龍地虎式」や、趙活と瑞笙(ずいしょう)の決戦、その他お気に入りのシーンなどを基準にした場合)
鳥: これらの一連の制作時間は、その時のツールの習熟度によって大きく左右されます。それに、ほとんどの場合「一発で完成する」ということはなく、ふとした瞬間にインスピレーションが湧いて、より格好いい形に細かく調整し直すことも多いです。
Q6-5:一般的なIT・ソフトウェアエンジニア(プログラマー)からゲーム開発者、そして開発スタジオの経営者へと転身されたわけですが、その過程で経験した「辛かったこと」「面白かったこと」、あるいは特有のエピソードや教訓などはありますか?
鳥: 以前に在籍していたIT業界はどちらかというと単調で退屈な業務が多かったため、シェアできるような面白い物語はあまりありませんね(笑)。しかし、そこで培ったプログラミング経験や仕事に対する考え方は今でも大きな財産になっています。
起業した現在では、自分自身ですべてを決定しなければならない責任(意思決定権)が伴いますし、開発初期はあらゆる雑務をすべて自分でこなさなければならなかったのが一番ハードでした。
ですが、自分たちが「これを作りたい!」と思い描いたビジョンを、自らの手で実際に形にして世の中に届けられた時の達成感は、本当に何物にも代えがたいものがあります。
Q6-6:鳥大侠はもともと、熊大侠に勧められて武侠の世界を知ったとお聞きしました。『活侠伝』の開発に携わる前に、お好きだった武侠作品(小説、映画、アニメ等ジャンル問わず)はありますか?
鳥: 小説の『連城訣(れんじょうけつ)』と『笑傲江湖(しょうごうこうこ)』、それから途中で止まってしまっている『射鵰英雄伝(しゃちょうえいゆうでん)』を読んだことがあります。
*※『連城訣』:金庸(きんよう)が手掛けた武侠小説。熊大侠が小学校の時に初めて読んだ武侠小説でもあるとお聞きしています。* *※『笑傲江湖』:金庸の代表作の一つ。令狐冲(れいこちゅう)と「辟邪剣譜(へきじゃけんぷ)」を巡る恩讐を描いた大傑作。金庸は後記にて「特定の歴史的背景を持たせることを避けた。現実によく見られる人間の本質を描いており、どの時代にでも起こり得る寓話である」と解説しています。* *※『射鵰英雄伝』:金庸の代表的3部作の第1作目。何度も映画やドラマ、ゲームなどにメディアミックスされている不朽の名作。*
Q6-7:『活侠伝』のSteamストアページには「人生の難易度:EX-HARD」というキャッチコピーがあり、以前も「EX-HARDモード」の開発計画について言及されていました。 そもそも、リリース初期の極端に厳しかった「困難(ハード)モード」は、鳥大侠の発案だったのでしょうか? それとも、江湖の厳しさと冷酷さをシステム上のストーリーテリング(演出)として表現するために二人で取り入れたものですか?
*※『活侠伝』のSteamストアページに記載されている「人生の難易度:EX-HARD」の表記*
鳥: 元々は、江湖という世界の残酷さと過酷さを肌で感じてもらうために設計した難易度でした。ですが、やはりこれは「ゲーム」ですので、その後、より多くのプレイヤーの皆様が物語を円滑に楽しめるよう、易しい「普通モード」の実装や、様々なシステム改善を導入しました。
Q6-8:多くの熱狂的なプレイヤーたちは、現在の困難モードではまだ生ぬるいと感じており、中には「天命(やり直しポイント)を使用せずに困難モードをクリアする」という縛りプレイに挑む人々もいます。彼らは以前、開発チームが言及した「EX-HARDモード」の存在を聞いて大変興奮していますが、この新難易度にはどのような特徴があるのか、少しだけ明かしていただけますか?
*※天命なし困難チャレンジの様子* ( https://forum.gamer.com.tw/search.php?bsn=73317&q=%E7%84%A1%E5%A4%A9%E5%91%BD )\
鳥: 今の段階では「EX-HARD」の具体的な仕様を明かすことはできません。ただ、プレイヤーの皆さんが取り組んでいる「天命なし困難チャレンジ」には非常に興味があります。
皆さん、『ディアブロ』シリーズの「ハードコアモード」をご存知ですか? もし『活侠伝』にも究極のハードコアモードを実装するとしたら、「プレイヤーが死亡した瞬間に、使っているパソコンが物理的に大爆発する」仕様にしたいですね!(笑)
*※ハードコアモード:一度でも死亡するとキャラクターの復活は不可能になり、復活画面すら出ずに消去するしかなくなります。(※要するに、精神的なダメージ以外に物理的な被害はありませんのでご安心ください)*
Q6-9:ゲーム開発は決して容易な道のりではありません。鳥大侠がかつてIT企業でエンジニアをしていた際、主に使用していた開発言語は何でしたか? また、ゲーム制作にあたってUnityエンジンの「C#」に切り替えた際、適応するのは難しかったでしょうか? ゲーム開発のノウハウを学ぶために、合計でどれくらいの期間を要しましたか?
*※活侠伝の開発に使用されたUnityエンジンのロゴ*
鳥: 幸運なことに、僕が前職で担当していた開発業務でも、たまたま「C#」をメインに使用していました。そのため言語面での抵抗は低かったのですが、Unityというゲームエンジン自体の仕様や使い方は完全にゼロから覚える必要がありました。それらの勉強時間をすべて合計すると、実質半年以上はひたすら学習に費やしていたと思います。
Q6-10:もしも時間、人員、技術が無限に足りている完璧な状態だとしたら、何より優先して実装したい『活侠伝』の機能や追加コンテンツは何ですか?
鳥: もしすべての条件がそれほど恵まれているのなら、カットシーンの演出、グラフィック、アニメーション、そして全体的なゲームプレイ体験など、あらゆる面で徹底的な最適化とクオリティアップを行いたいです。――全部、欲しいですね。
*※鳥大侠は確かにそう語ってくれました。*
Q6-11:もし、他の業界で働くエンジニアがゲーム業界やインディーゲーム個人開発の道へキャリアチェンジしたいと考えた場合、どのような専門スキル、メンタル、心の準備を整えておくべきでしょうか? また、直視すべき過酷な現実や、捨て去るべき甘い幻想などがあればアドバイスをお願いします。
鳥: プログラミング言語などの専門的な実務スキルはもちろんですが、何よりも「タスクの優先順位を正確に見極める力」が必要になります。雑多な情報の中から正しい本質を抽出し、プロジェクトにとってのボトルネック(核心の課題)をピンポイントで解決していく能力が極めて重要です。
*※大局を冷徹に分析し、みずから西武林を結成へと導いた趙活*
ゲーム開発へのロマンティックで美しい幻想は、ひとまず胸の奥にそっとしまおきましょう。いつか自分が十分な経験とエネルギーを蓄積し、本当にチャンスを掴み取れたその時に、満を持してその夢を現実にするのが一番だと思います。
(次回:熊大侠への質問・第4篇)