現在に至るまでメモ

現在に至るまでについて記されたメモまとめ


アローヘッド計画1

+ ネタバレ注意
時々脳裏にどこか知らない何かの出来事が見えることがある。
僕は小説家を目指していたから、
てっきり一種の才能だろうと思って、
その出来事を小説として書いていたが、
さっぱり評価される気配がない。
時には異形の人物が出てくる光景であったり、
あるいは現実の世界の何かであったりする。
ただ単に一種の妄想癖なのだろうか。
そう思って精神病院に行ったこともあった。
医者は神妙な顔をしてあれこれそれらしいことを言ったあと、
ここへ行ってみろ、と紙切れを渡した。
紙に書かれていたものは精神病院の住所で、
てっきりたらい回しにされたのかと思っていたが、
診察を受けてみるとどこか妙だ。
一種の心理テストだとか言って、ヘッドフォンをかぶせ、
異様なテストを受けさせられた。
ちょっと見たところただの紙のテストで、
書いてある内容に回答を記入していくだけのなんの変哲もない
ものだったが、
よく見ていくとその内容がおかしい。
正しく言うと、おかしかった・・・ような気がする。
不思議なことに、内容をよく覚えていないのだ。
精神病院という自分にとって一種異世界での出来事で、
緊張していたのかもしれない。
テストの内容は、なんでもないような質問から始まり、
徐々に宗教がどうとか霊を信じるかだとか、
オカルトじみたものになっていき、
文章が崩れ始め、ヘッドフォンからはなにか唸り声のような
ものがひびき、
ただせかされるように質問に答えていって、
気づけばすべての質問に答え終わっていた。
質問の最後のあたりはもうすでに文章としての体を保って
おらず、
意味不明なノイズ混じりの単語が並んでいて、
普通に考えれば完全に理解不能な質問だったが、
何故かスラスラと答えていけたのを覚えている。
これはなんのテストですか?と聞くと、医者・・・
あるいは、医者のような人、だろうか。
医者にしてはなにか・・・雰囲気が違うというか、
うまく言えないが違和感のようなものがあった。
その医者らしき男が、なんの素っ気もない表情で
デルタ式異障親和性テストだとか何とか言っていた。
言葉で聞いただけなので字は違うかもしれない。
今まで聞いたこともないテストで、
一体なんのテストなのか軽くネットで検索をかけてみたが、
ヒットしない。
図書館に行って心理テスト関係の本を読みあさってみて
も、やはりそんなテストは見つからなかった。
そもそも本当にデルタ式異障親和性テストだとかいう名称
なのかさえ怪しいところだ。
診察らしいものが終わってから、
一週間後にもう一度来いといっていたが、
以来行っていない。行く気もしない。
あんなおかしなところに行きたくないというのもあるが、
時々うちに、精神病院の者だという人が来るようになった。
最初は気分が悪いからと言って帰ってもらったし、
その次からは居留守をしてしのいでいたが、
どう考えても明らかに異常だろう。あのテストは、
本当はなんのテストだったんだ?
精神病かどうかを確かめるものではないことは確かだ。
安全のためにこの部屋に夜逃げ同然で引っ越したあと、
数日経って前に住んでいた部屋の様子を確認しに行くと、
部屋の中には何もなかった。
その月の家賃はもう支払い済みだったはずだが、
おいてきたはずの家具も何もかもが消えていた。
何が起きているんだ・・・
これは・・・なんなんだ・・・・?

アローヘッド計画2

+ ネタバレ注意
最近おもしろい異能を持った男が見つかったそうだ。
なんでも、空間や時間を変質によって歪めることが
できるとかで、その能力を使って遠い何処かの出来
事がわかったりするらしい。独自の異能の中でも、
もっとも特殊なものだろう。他に類似する能力を聞い
たことがない。
ちょっと眉唾という感はあるが、その男の能力で、
次元の裂け目を大きくする計画があるそうだ。
普段は不安定で向こうの出来事を観測することが
難しいが、この男の能力を何らかの方法で高めれば、
容易に向こうの世界を覗けるようになる、とのことだ。
正直言って胡散臭い。
実現するとは思えないが・・・。

アローヘッド計画3

+ ネタバレ注意
「あの計画、うまくいくと思うか?」

「何の話です?」

「アローヘッド計画だよ。」

「ああ。異世界がどうのこうのってやつですね。
トットート博士がえらく反対してるらしいですけど。」

「他の研究施設はまじめに研究してるってのに、
メルヘンなことやってるよなぁ。」

「ですねぇ。」

アローヘッド計画4

+ ネタバレ注意
「成功したらしいですよ、あれ。」

「なに?」

「アローヘッド計画。」

「あったの?異世界。」

「らしいです。原住民には人間並みの知性もあって、
やろうと思えば意思の疎通も可能だとか。」

「すげー。宇宙人の発見と同レベルじゃねぇか。
これからどうなっていくんだろうな。」

「・・・なんでも、異世界にある希少な資源を得るために、
メーレスザイレは戦争をしかけるって話ですよ。」

「え、大丈夫なの?それ。」

「ええ。相手は銃も持ってない原始的な技術レベルの
種族で、楽勝だとかなんとか。
トットート博士は戦争も反対してるみたいですけど。」

「まぁ、道徳的にはあれだよな。」

「じゃなくて、戦争をしたら負ける、だそうです。」

「はぁ・・・?」

「我々が見つけたのはアリスが落ちたうさぎの穴ではなく、
破滅をもたらすルマルシャンの箱だ。とかなんとか。」

魔物との戦い1

+ ネタバレ注意
ハウンズももうもたないらしい。
各国の特殊部隊の隊員を集めた組織でも
そんなもんなのか。
俺達なんぞなおさらだ。

レーザーの前では防壁は無意味。
航空機は使えない。
戦車も、歩兵戦闘車も…。
勝負になりゃしないのに、上の連中は
まだわかってないんだ。

いくらでも湧き出てくる魔物に
対抗する方法なんて存在するのか?
一部では核も使用されたそうだが、
減っている様子は全くない。

怪我でもして…除隊するのだけが楽しみだ。

魔物との戦い2

+ ネタバレ注意
最初に編成された部隊はハウンズと名付けられた。
猟犬だ。相手は狩られるだけの存在、だと思っていたわけだ。

そして部隊はあっさり全滅して、次に編成されたのがアベンジャーズ。
復讐、ってわけだ。
ここでもまだ魔物の戦力を理解していなかったらしい。
なんといっても、復讐できる相手だと錯覚していたのだから。

結局それらも撤退して・・・やっとどんな相手に
喧嘩を売ったか理解したわけだ。

そのツケを俺たちが払う。あるいは払おうとしている。
全く最低だ。払えるなら払ってやってもいいが
      • 払えそうにない。

連合軍でさえこんなに簡単に・・・・。

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最終更新:2017年07月22日 12:13