第36回大会詳報
前回大会にて
GM軍との戦いも一山越えて、小休止の感があった今回大会。
しかし、それでも
LTWタイトルマッチに
LU3Wの次期挑戦者決定戦と
ファンを掴んで離さない魅力の試合編成には、東方
プロレスの、いついかなる
時でも全力という心意気が感じさせられ、その心意気に応えたファンは、
年末も押し迫り、寒風吹きすさぶ中、開催場所となった本部会場に足を運んだ。
第一試合 守矢神社vs紅魔館 タッグマッチ
守矢神社は
神奈子&
諏訪子の神様コンビ、対する
紅魔館は、
レミリア&
咲夜の主従コンビと、第一試合から、主役級の登場に沸く会場。
試合は、前大会からの好調を維持する紅魔館組が試合を支配。特に、レミリアが
絶好調で、華麗な空中技で守矢神社組を圧倒する。しかし、ただでやられる神様ではなく、
中盤から盛り返すと、見事な連携が炸裂する。
ダメージを受けたレミリアから交代した咲夜は、場外でふらふらしていた諏訪子に
とどめを刺すべく追うが、これが判断ミス。相手
コーナーまで誘導された上に、リング上にいた
神奈子に回復時間を与えてしまい、そこから怒濤のケロちゃんスピアー、注連縄
スープレックスと
連続被弾し、最後はエクスパンデッド・オンバシラによって3カウント。主の目の前で無念の沈没となった。
試合後、神奈子は次の
BRの結果次第では考えがある、と意味深な発言をするが、ここで
レミリアがその
BRのことを聞いていなかったことが初めて発覚。選手間の情報伝達に問題がある
ことが露呈してしまった。
第二試合 200回放送記念BR
ちょうど200回目の節目の放送となったこの試合。試合前には、
GM天子と
四季映姫本部長から
ファンに挨拶があった。もっとも
GM天子がまともにファンに挨拶するはずもなく、
リングアナの
文と放送禁止用語で罵倒しあうというていたらく。呆れた
本部長が、2人に一喝
して黙らせてから、改めてファンに感謝の言葉を述べた。
なお、
GM天子はこの直前まで集中治療室にいたと述べているが、さすがに天人は回復力が違った。
さて、
BRの参加者は、
幽々子、
紫、
萃香、
魔理沙、
永琳、
霊夢、
フラン、
小町と
各軍団を代表する
無差別級の強者が揃い踏みし、事実上の
LSWタイトルマッチの前哨戦と位置づけられた。また、試合形式は
OtTRルールなしの完全決着とされた。
しかし、その中でも霊夢が一人遅れて登場し、遅刻の理由を「コース料理を食べていたから」とのうのうと述べる
と共に、「こんな奴らなら楽勝」となにやらフラグを立てる。
試合は、霊夢が紫に投げられ幽々子に固められる形で真っ先に脱落という形でフラグを回収。メタボ巫女とファンから
罵倒されながら、リングを後にする。
一方、リング上ではここ数回の大会で悲惨な目にあっていた紫が鬱憤を晴らすがごとく大爆発。また、
ARMS立ち上げ
から結果が出なかった萃香もいい立ち回りを見せるが、その2人を最後に見事な形で沈めたのは、これまで沈黙を守っていた
月の頭脳こと永琳であった。
試合後、勝ち残った永琳は満を持して、現
LSW王者・幽々子に挑戦状を叩き付ける。しかし、幽々子は「資格はその後ろの奴を倒してから」と
それをいなした。そして振り返る永琳の前に、バットを片手にリングインしたのは、なんと
輝夜。
LSW攻略法なら
てゐが編み出したと高らかに宣言し、永琳に挑戦権を渡せと迫るが、永琳は
「後ろの奴はあなたじゃない」と一蹴。さらに言いつのろうとした輝夜だったが、その背後から鳴り響くは『神さびた古戦場 〜 Suwa Foughten Field』。
風の音と共にリングインしてきた守矢の軍神神奈子は、驚く輝夜を、永琳の得意とする逆落としで投げ飛ばして
見せてから、自らの必殺技・蛇神万力で締め落とすという強烈なアピールをし、輝夜が這々の体でリングから逃げ出すのを尻目に、
自らもLSWへの挑戦を宣言。それに永琳も応じ、次大会で、
が決定した。
試合中も、そして試合後も二転三転する展開に、思ってなかったビックプレゼントを受けたファンは、心地よい熱気に酔いしれた。
第三試合 本部軍vs八雲・白玉連合軍
前試合の興奮も冷めやらぬ中開始された第三試合は、
文、
にとり、
椛に、前大会で
LU3Tを戴冠した
虹川楽団から
ルナサを
加えた特別編成の
本部軍に対し、
藍、
橙の式神コンビ
八雲ちぇんに
ミスティアと
妖夢という
白玉楼新旧従者という新生八雲白玉連合という
組み合わせでの試合となった。
奇しくも、烏(文)に雀(ミスティア)、狼(椛)、狐(藍)、猫(橙)、河童(にとり)と動物(?)ばかり、残りは幽霊(妖夢とルナサ)となった、
まさに「幽霊と愉快な動物たち」のこの試合、
本部軍側は、前回
LU3Tを失ったにとり&椛ペアと、奪った側のルナサが同じ組という微妙な立場ながら、
そこはスポーツアスリートな
U3級のこと、特に遺恨もなくきれいな連携を見せる。一方の新生八雲白玉連合も、前回大会の顛末でこれまた
微妙な立場となる妖夢と他の3人との連携が心配されるが、こちらも特に問題なくスムーズに展開した。
試合の方はというと、前回不覚を取ったものの好調なにとり&椛の山の妖怪ペアが今回もその調子を維持し、序盤からスムーズな連携で展開を引っ張る形に。
しかし、中盤にさしかかったところで、文がリングアウトした橙を追って自らも場外に降りたところで妖夢に捕まり、
楼観剣から久しぶりに見せるしらたまカッターと、なぜか妙に様になった場外乱闘をくらってカウント19と危うく初のリングアウト負け寸前に。
ここから流れが一気に八雲白玉連合に傾く中、好調のにとりが一人気を吐き、橙に
バックドロップ、デスバレーボムと連続してフォール技を見舞うが、
ここに来て橙が、往時の
LU3W王者の頃のような粘りを見せていずれもカウント2で跳ね返すと、
八雲回転蹴りで局面ごと
にとりを吹き飛ばし、
ウルトラウラカンラナで固めるが、にとりも、つい先日までは私も王者だったと言わんばかりに、これをカウント2で返すという一進一退。
しかし最後は、さらに八雲回転蹴りでダウンさせたにとりに、久々に見せる王者の舞、飛翔毘沙門天でフィニッシュ。
かつての絶対王者が、いよいよ本格的に再始動かと、
U3級ファンが喜ぶ締めとなった。
さすが そうすいは かくがちがった。
序盤の
秋姉妹の好調ぶりとか雛の回転とかそういうものを全て吹き飛ばしたのは、
総帥の奥義、
エターナルフォースブリザード(くらったあいてはしぬ:総帥談)。
これで雛を轟沈させたチルノ総帥は、高らかに
L⑨W挑戦を宣言し、次大会で
L⑨Wタイトルマッチ チルノvs雛が決定、って本当か?
ともかく、いろいろな意味で、ファンの心に深く刻まれる伝説の試合となったことは間違いなかった。
第五試合 LU3W次期挑戦者決定戦 レティvsアリス
いずれも
U3超級同士のシングルマッチ、そして勝者が
LU3Wへの挑戦権を得るコンテンダーマッチとあっては、
盛り上がらないほうがおかしいだろうという第五試合は、まさしくパワーとテクニックのぶつかり合う死闘となった。
結果としては、次大会にて
LU3Wタイトルマッチ 美鈴vsアリスとなることが決定した。
試合後、リングに登場した美鈴に、
アリスは選手生命を賭けてもらうと宣言し、会場はこれまで
U3級同士ではあまり
見られなかった凄惨な試合の予感に身震いする者が多かった。
第六試合 メインイベント LTWタイトルマッチ もこけーね(王者)vsゆうさな(挑戦者)
今大会の
メインイベントは、前回からの遺恨試合でもある、
GM軍の
もこけーねと、
四軍連合の
ゆうさなの
LTWタイトルマッチ
となった。
なお、この試合の
レフェリーは、前回大会で
てゐの片棒を担ぎ、
幽々子に公開調理されてしまった紫もやしこと
パチェリーが、首にギブスをはめたまま強行出場した。
卑劣な方法でベルトを巻いたとはいえ、純粋に実力から見ても最強
タッグと言ってもよいもこけーねに対し、
前回大会でお互いに共感するものを感じたというかつての仇敵同士であり、急造タッグでもあるゆうさながどこまで行けるのか、
注目を浴びた試合だったが、
実際に始まってみると、やはりもこけーねの連携はゆうさなを圧倒的に上回り、
さらに場外でのラフファイトでも終始リード。
終わってみれば
幽香が
妹紅に必殺のヴォルケイノイラプションで焼かれてしまうという結果で終わり、
初の越境タッグの戴冠を期待していたファンは、やはり高かった最強タッグの壁を前に、絶望の声を上げるしかなかった。
これにより、
王者もこけーねがLTWタイトルを防衛。防衛記録を2に伸ばした。
決着後、リングに
GM天子と
輝夜が乱入。激闘に疲れて動きもままならぬ幽香を、
再び
肉座布団にしようとする。
だが、以前から輝夜とは対立している
慧音がここでもそれを拒否。タッグパートナーを尊重した妹紅も
それに同調し、そそくさとリングを後にしたため、取り残されて憤懣やるかたない輝夜はGM天子に
八つ当たりするという乱行ぶりに、先の第二試合後の乱入失敗と併せて、
GM軍内の輝夜のポジションに
疑念の声を上げるファンもいた。
一方、危うく
肉座布団を免れたゆうさなは、タッグ解消を発表し、将来の再結成を匂わせながらも、
今はそれぞれの軍団に戻って活動すると述べ、リングを後にした。
第六試合の終了後、
本部長がリングに上がり、本年の興行はこれで終了すること、
来年最初の興行で、予定されている各タイトルマッチ、
コンテンダーマッチの他に、U3級でシングルマッチのトーナメント戦を
行うことを発表し、次大会への期待を持たせつつ、大会を閉めた。
こうして、東方プロレスの初年の興行は幕を閉じ、リングは来年のさらなる発展を願うファンと共に、しばしの静寂を取り戻した。
2008年12月31日
最終更新:2010年01月26日 17:40