マドレーヌに関連したちょっとしたキーワードを解説する辞典風のページ
【え】
【衛星アニメ劇場】
NHK衛星第2テレビで1990年から2011年まで放映されていたアニメ専門の番組。1989年6月4日より放映されていた子供向け番組枠『衛星こども劇場』を前身とする。週7日ごとに毎日異なるプログラムで、1日に2作品ずつ国内外の子供向けアニメ作品を放映していた。
『マドレーヌ』は1998年の1月より、毎週木曜日夕方6時半から第1シーズンと第2シーズンの日本語版が順次放映された。
【き】
【きょうのおはなしは、これでおしまい】
TVシリーズの日本語版におけるエピソードの締めくくりの決まり文句。
原文は “That's All there is,there isn't anymore” で、「もうこれ以上はなにごともない」、つまり「今日のお話はおしまいです」という意訳。
この「That's All there is,there isn't anymore」というフレーズ自体はアメリカの著名な女優エセル・バリモアがカーテンコールを熱望する聴衆を黙らせるためにしばしば使っていたもので、1920年代から30年代にかけて、ある種の流行語としてしばしば引用やパロディの対象になっていたそうである。
【く】
【クークーフェイスとフリーバック】
クークーフェイスとはいわずもがな、原作第2作『マドレーヌといぬ』に登場する学校評議委員の紳士の名前だが、フリーバックは完成前段階における犬の名だった。
『この2つの名前だけがどうにも漫画チックで安っぽく作品にふさわしくない』という編集者の助言に基づき、犬の名前は『ジュヌビエーブ』に変更されたが、『クークーフェイス』のみそのまま残った。
【た】
【テレビ映画】
テレビでの放映を前提として作られた映画作品。その性質上、劇場では公開されない。1999年度と2002年度版の長編アニメ版もテレビ映画として制作されている。
【テレビシリーズにおける時系列】
第1シーズン第12さ「お誕生日はビックリ!」ではマドレーヌの誕生日ケーキのろうそくは7本であり、第3シーズン「マドレーヌとアイススケート」では10本になっている。それに加えて第1シーズン「マドレーヌとハリウッド」で出会ったシュガー・ディンプルが、明確な後日談の形で後のシーズンにも再登場しているため、テレビシリーズにh明確な時系列が存在していると言っていいだろう。
また、テレビシリーズとスペシャル版の関係についてだが、第1シーズン第1話「マドレーヌと40人の盗賊」の冒頭では、夜にまくら投げを始めようとした女の子たちが怪しい影に気づいてベッドの下に逃げ込み、ダニエルが「またマドレーヌのいたずらじゃないの?」というシーンがある。これは恐らくスペシャル版「げんきなマドレーヌ」の冒頭において、まくら投げに興じていた女の子たちが、マドレーヌがいたずらで作った影絵に驚いてベッドに逃げこむシーンを投影したものだろう。スペシャル版では女の子たちの頭身が低くアニメ版よりも幼い感じに描かれているため、テレビシーズンよりも前の時間軸だという解釈も成り立つ。また第1シーズン第5話「あたらしいおうち」では、屋敷を離れて引っ越すことになった女の子たちの話を聞いたぺピートが「ロンドンに引っ越すのかい?」と驚くシーンがある。これは明らかに「ロンドンのマドレーヌ」を指しているセリフで、スペシャル版でロンドンへ引っ越してしまったぺピートが、しばらくの後再びパリにもどってきたから、とも考えられるかもしれない。
【み】
【ミス・クラベルの謎】
ミス・クラベルは、キリスト教の修道女(シスター)であるという認識が一般的だが、実は本当はどうなのかは判然としていない。
そもそもまず、修道女であるならば「シスター・クラベル」と呼ばれるべきで、「ミス」と呼ぶのは常識的に考えて不自然。また、ミス・クラベルの身にまとっている服は、シスターではなく看護婦の服装であり、それが彼女が修道女ではないことの根拠である、という意見も海外ではあるらしい。
けれども服はともかく、頭に被っているベールはどう見ても、修道女の被るベールの形状そのままなので、やはりシスターにしか見えず、国内外の読者の間でも混乱を招いているようだ。
管理人の推測だが、恐らく設定上はそのままシスターであって、英文で韻を踏む関係上、韻を踏みやすくするために、「シスター」ではなくあえて「ミス」と書いているということなのではないだろうか?
そもそも、作品の着想自体が、作者の母親が修道院経営の寄宿舎で生活していた頃のことを、幼い頃の作者に良く話して聞かせていたことから来ているわけなので、それを踏まえた上でもやはりミス・クラベルはシスターである方がしっくりくると個人的には思う。
ちなみに、1952年の短編アニメ版と1962年の『不思議の国のアリスインパリ』内の2本のアニメ化作品内ではミス・クラベルの服装は原作を踏襲していない。恐らく上記のことから来る変更点なのだろう。1998年度の実写版では、そこのところ割り切ったか、完全に修道女として扱われている。
【ミス・クラベルの故郷】
ベーメルマンス氏は1つの作品を完成させるのに数年物月日を費やし、膨大な量の絵を描き文章の推敲を繰り返していたことで知られており、完成作品には結実しなかったお話のプロットやアイデアも数多く存在する。
『ロンドンのマドレーヌ』の初期構想段階では、教育に対する長年の誠実な献身を認められ表彰されたミス・クラベルが、褒賞として長期休暇をもらい、自分の生まれ故郷であるロンドンへ女の子たちを連れて行くいう筋書きになっていた。
【へ】
【ベーメルマンス マドレーヌの作者の絵と生涯】
作者ルードヴィク・ベーメルマンスの孫、ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ氏が祖父の生涯をまとめた伝記本。複雑な生い立ちを背景に持つ人生の歩み、そして、そのすさまじいまでの創作活動への情熱と作品制作過程を、豊富かつ貴重な数々の絵や写真、文と共に綴る。マドレーヌ制作秘話に関してもページを多く割いて描かれておりファンなら必読の1冊。
マドレーヌシリーズ作品のの邦訳版も手がけているBL出版から邦訳版も出ており、このサイト内の原作に関する情報の多くは、こちらの邦訳版に拠っている。
【ま】
【マドレーヌのクリスマス ― Madeline's Cristmas ―】
現在、出版されている原作本では、風邪を引いてしまった仲間たちのため、ただ独り元気に働くマドレーヌの元にじゅうたん商人がやってきて、じゅうたんを売るものの寒さに凍えてしまい、助けてもらったお礼にみんなの病気を治し、魔法のじゅうたんで両親の待つ家に送り届けてくれるという筋となっている。だが、これはあくまでプロトタイプで厳密な完成品ではない。
作者の制作スタイルとして、完成した作品をまず雑誌に掲載して読者の反応を見て改訂を施し、最終稿として完成させた後に初めて絵本として出版するというやり方をしていたためで、作中に登場する魔術師に焦点を当てたストーリーに改訂し直した後に「Madeline and the Magician(マドレーヌと魔術師)」のタイトルで改めて絵本として出版する予定だった。残念なことに改訂作業半ばにして作者が死去したため、改訂前の内容のまま出版されたのである。
その際、原画が見当たらなかったため、多数のイラストレーターの協力の下、雑誌に掲載されたものの挿絵を写真撮影して引き伸ばしたものに、上から彩色を施したものが使われた。それまでの作品の絵のタッチや色使いと相違が見られるのはそのためである。
【T】
【That's All There is】
テレビアニメ版のエンディングテーマ曲。歌詞のないインスト曲だが、最後の最後で締めのコーラスが入って終わる。第2シーズン以降ではこれに歌詞をつけたものが『
Hats off to Madeline』のタイトルで主題歌として用いられている。
テレビシリーズ全シーズンで共通して用いられているが、2、3シーズン目では再アレンジと歌い手の変更が施されており、第1シーズンのものよりも尺が大幅に短縮されている。
最終更新:2022年12月03日 00:09