肉眼検査
ダイヤモンドは、特徴的な金剛光沢を示します。 ファイアとよばれる、虹色の光の分散効果ともあいまった、独特の外観です。 ある種の合成石やイミテーションは、あまりにキラキラしすぎて、不自然で人工的な印象を与えるでしょう。 ダイヤモンドを見慣れた眼には、このちがいが分かります
ルビーや
サファイア、
エメラルドやひすいでも、その光沢と独特の色の様子を観察して、見当をつけます。 数多くのホンモノを見続けてきた眼が、それを教えるのです。
もうひとつ、肉眼で見当をつけるときに、知っておくといいのは、石を見る角度をいろいろ変えてみることが大切だ、ということです。 つまり、石を上からだけでなく、横からも、下からも見てみること。 多色性という性質をもった宝石があります。 見る角度によって、二色(三色)の色が見えるという性質です。
アイオライトはブルー・サファイアによく似た青色の宝石です。 けれどこれは著しい多色性を示す宝石なので、見る角度を変えると、ちがった色が現れます。 タンザナイトもまたそうです。 けれどサファイアはそれほどの多色性を示さないので、区別がつく訳です
光源を利用するのも有効です。 ペンライトというものがあります。 これはペン状のライトです。 ボールペンみたいに胸ポケットなんかにさしておけるようになっています。 このペンライトの光を、石の底部から照らして、上から見ると、内部の様子が、肉眼でも見やすくなります。 内部キズの様子を知りたいときにはこれは便利です。
さて、以上のようなのが肉眼検査です。 専ら、石の外観の様子を見ることが目的でした。 ペンライトで照らしてやると、内部は見やすくなるのですが、それほど多くのことは知れません。
ルーペ検査
天然石は特徴的な内部横造をしています。 天然石は、自然のなかで長い時間をかけて成長する訳ですから、その痕跡をどこかに残している訳です。 ところが合成石は短い時間で人工的につくられるものですから、天然石がもっているような痕跡を残すのは難しい。 そこで区別がつく訳です。
キズのない、クリーンすぎる内部は、合成石の疑いがあります。 ぷつぷつとしたまるい気泡のようなものが見えたら、ガラスの疑いがあります
鑑定は、ダイヤモンドにのみ
インクルージョン
* フィンガープリント:指紋のような粒々
* 二層:液体の中に結晶があるもの
* 三層:液体の中に結晶と気泡があるもの(コロンビア産エメラルド)
* ゼブラストライプ:シマウマのような模様(アメジストに多い)
* 結晶:宝石の中に結晶(他の宝石)があるもの
* 微小:結晶のうち、ルーペで見えないもの
* 針状(ニードル):針のようなもの
* ルチル:ニードルが交差しているもの
* シルク:ルチルの小さいもの
* リリーパット:CDみたいなもの(ペリドット)
* チューブ:チューブ状のもの
* ホールスティール:馬の尻尾状のもの(デマントイドガーネット)
* フラクチャー:割れにくい方向に割れているもの
* クリベージ:割れやすい方向に割れているもの
* カラーゾーニング:色が変わっているもの
* 液体:液体状のもの
* カーボン:黒い点
最終更新:2010年03月26日 15:31