それぞれの本分 ◆n7eWlyBA4w



「はあっ……はあっ……はあっ……はあっ……!」



 深夜の雑木林に、少女の荒い息遣いが響く。

 櫻井桃華は、今この時、生命の危機にあった。

 背中のディパックが、抱えている武器が、自分の体そのものすらいつもより重く感じる。
 必死に走っているはずなのに、背後の気配が全く引き離されている気がしない。
 それを確認するために振り返るような勇気はとても持てなかった。


「――きゃっ!?」


 明かりもなしに夜の林を走ればこうもなるか。
 桃華の右足は張り出した根っこに取られ、その小さな体躯は堆積した腐葉土の上に投げ出された。
 全身をしたたかに打ち、桃華の口から声にならない呻きが漏れる。

 転んだ拍子に桃華の手から放り出された拳銃が、数メートル先に転がった。
 コルトガバメントという名で呼ばれるその大型自動拳銃は、桃華の武器として支給されたもの。
 誕生以来数十年にわたって生産されている、オートマチックの傑作と呼ばれた名銃である。
 しかし、銃身だけで1キロ以上、それに弾倉と追加装備のサプレッサー(消音器)まで加えたその重量は、
 サプレッサー装着による重心のズレも相まって、とても12歳の少女に扱いうるものではなかった。
 つまるところ、この銃は元々桃華の身を守る役には立たず、襲撃者には完全に無力だった。


「くうっ……痛っ……足が……!」


 木の根に引っかかった時に捻ったのか、立ち上がろうとすると鈍い痛みが右足首に走る。
 それほどひどい捻挫ではないはずだが、今この時においては文字通り致命的な負傷だった。
 そう、致命的。このままでは、死に至ると、肌を通した実感として分かる。
 これでは逃げ切れない。追いつかれて、殺されると。


「ふふっ。追いつきましたよ」


 その声を聞いた瞬間、桃華の背筋がぞわりと粟立った。
 なけなしの意地を込めて襲撃者を睨む。その視線の先の女性は、意に介したようもなく歩み寄ってくる。

 新田美波。そう彼女は名乗っていた。

 つい数分前まで、桃華と彼女は普通に接していたはずだ。
 殺し合いなど野蛮だと主張する桃華の言葉に、微笑みながら相槌をうっていたはずだ。
 自分の銃を見せたのだって、彼女を信頼しようとしたからだ。
 それが、間違いだったのだろうか? みすみす付け入る隙を与えてしまったから?

 美波が握る凶器が、木々の隙間から僅かに差し込む月光を浴びて光る。
 それは布の裁断に使うような大振りのハサミだった。
 その煌めきには、人の生き死にに関与しない道具だからこその、猟奇的な恐ろしさがあった。

 その刃が自分の体に食い込めば、どれだけの痛みと流血をもたらすのか。
 それを想像するだけで、挫いていない方の足まで力が抜けていくような感覚があった。。
 死は痛みの後にあった。死そのものを恐怖として捉えるには、櫻井桃華は少しだけ幼すぎた。


(なんで……こんなに震えが止まらないんですの? このわたくしが、こんなに無様な姿を……)


 自分の意志とは無関係に体が竦んで動けない。無意識に滲む涙で視界が霞む。
 そのことが、優雅であれとする心に幼い体がついて来れていないことが、悔しくてたまらない。

 それでも、桃華は相手を睨みつける目を逸らさなかった。
 それが彼女を支える最後の矜持であり、生まれ持った気高さ、今彼女に出来る唯一の抵抗だった。
 せめて、せめて心だけは、立ち向かうことを辞めないまま終わりたかった。


(――ちゃま、わたくしは、わたくしは最後の最後まで気高くありましたわ……
 きっと、きっと桃華のこと、褒めてくださいますわよね? ねえ、――ちゃま……)


 美波が最後の一歩を踏み出す。
 桃華はぎゅっと目を閉じた。誇り高き12歳の少女の、これが限界だった。
 凶刃が、振り下ろされる。


「その子からっ! 離れろぉぉぉーーーーーっ!」


 振り下ろされる、その直前だった。
 烈昂の気合と共に、小さな剣風が両者の間に飛び込んできたのは。


 ▼  ▼  ▼


「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 相手の凶器を払い落とすべく振るったゴルフクラブは、しかし軌道と間合いの狂いで当たらない。
 使い慣れた竹刀や木刀とは重心もリーチも違う。自分の剣の腕を活かすには拙い武器だ。
 それでもこの場はなんとかこれで切り抜けるしかない。
 脇山珠美は、その高校生らしからぬ小柄な体には長すぎる獲物を構えて、金髪の童女を庇うように体を構えた。


「かような狼藉、もはや見過ごせませぬ! 懲りぬと見えるなら、ここから先はこの脇山珠美がお相手つかまつる!」


 咄嗟によくもこんな口上がすらすら出てきたものだと自分自身に場違いな関心すら覚えてしまう。
 まるで、いつも憧れていた時代小説の女剣士のようではないか。

(……ええい、酔うな酔うな! これは小説でもなんでもない!)

 改めて言い聞かせるまでもない。
 これは絵空事のチャンバラではなく、今まさに自分の命を左右する現実だ。
 生きるか死ぬか。真剣勝負という言葉に唾を吐きかけるような、冒涜的な現実だ。
 それを自覚しながらも、珠美の心は信念の炎に燃えていた。


 実際のところ、この僅か数分前までの珠美は、今の気勢が嘘のように途方に暮れていた。
 凛々しい女剣士を目指しているとは言うものの、元々調子に乗りやすいが臆病なのが彼女である。
 加えてオカルトめいたものには滅法弱く、この闇の中では文字通り疑心から暗鬼を生み出しかねない勢いだ。
 彼女が一人ぼっちで真っ暗な林の中に置き去りにされ、今まで自棄にならなかったのが奇跡だった。

 そんな珠美が、この一部始終を目撃したのは殆ど偶然だった。
 こそこそと隠れるように動いていたのが功を奏したか、二人のどちらにも珠美の存在は気付かれていなかった。
 そして木々の影から、、丸腰の幼い少女が今まさに刃によって倒れようとしているところを目にしたのだ。

 それは、許されない行いだと思った。
 この理不尽極まる「イベント」は、あろうことか殺し合いをその趣旨とするのだという。
 珠美自身は納得できないが、プロデューサーの命を盾にされれば、殺し合いに乗るアイドルがいてもおかしくはない。
 それでもこれは、弱き者が一方的にその命を奪われるというのは、珠美の価値観に反していた。
 更に言うなら、珠美が憧れ、信じ、そして今も進んでいる剣の道に、珠美の在り方に、反していた。

 それでも最初は迷っていたのだ。
 自分の中で燃え上がる正義感の疼きと戦いながら、必死で冷静になろうとして。
 お話みたいにかっこよくはいかない、下手を打てば死んでしまうと自分を戒めて。
 自分が生き延びなければいけないと、これは間違った自己満足なんだと、そう納得しようとして。

 次の瞬間、珠美は一瞬前までの自分を恥じた。

 誰かに話せば、気のせいだと笑われるかもしれない。
 だがその時の珠美は、振り上げられた凶刃が血とその先を求めて煌くその瞬間、
 死に瀕しているはずのあの金髪の少女の瞳に、矜持と気高さの輝きを見たのだ。


 迷いは一瞬で吹き飛んでいた。気付いた時には気合の叫びを上げて飛び込んでいた。
 死なせてはならないと、救わなければならないと、そう感じた時には動いていた。
 軽率さはあったと思う。それでも、今この瞬間もその決断に後悔はない。


(プロデューサー、申し訳ありません……しかし珠美は、剣を振るう意味を見つけました!
 アイドルとしてではなく、剣士として戦うことを、今だけはお許し下さい……!)

 背後に少女の気配を感じながら、珠美は眼前の敵を睨みつける。
 相手の武器はハサミのようだ。間合いならこちらに完全に分がある。
 後の先を取れば負けはないはず。可哀想だけど、腕か肩を砕いて再起不能になってもらうしかない。
 珠美はじりじりと、その瞬間を待つ。


   ▼  ▼  ▼


 新田美波の中に、確かに焦りはあった。
 乱入者の存在そのものはもちろん、明らかに武器に慣れた相手だったということにも。

(うん、これはもう勝ち目がないかな……) 

 しかし、そう判断してからの美波は素早かった。
 握っていた裁ちバサミを振り上げ、しかし切りつけるのではなく、勢いをつけて投げつける。
 その先には無防備な桃華がへたり込んでいる。とても避けられる状態ではない。

「そんなものーっ!」

 珠美と名乗った少女がゴルフクラブを振るい、ハサミを弾き飛ばす。
 ハサミは狙ったところに刺さることなく、吹き飛ばされて茂みに落ちる。
 しかし、それで十分だった。一瞬だけでも、注意とクラブの動きを引きつけてくれさえすれば。

「……しまっ、囮――――!?」

 意図に気付いた珠美が声を上げた時には、もう美波の体は二人のそばをすり抜けて飛び出していた。

 飛び出した先にあったのは――大型自動拳銃M1911、通称コルトガバメント。

 先ほど桃華が放り出した、彼女の手に余る、しかし彼女以外には扱い得る凶器だった。


   ▼  ▼  ▼


 桃華の目には、美波の動きがスローモーションのように見えていた。

 いけない、と叫んだような気がする。自分の声すら自分に届かない、嫌な感覚。

 美波が銃を拾い上げた。バランスを崩しながらも、銃口をこちらに向ける。

 彼女もまた素人なのだろう、その動きに映画のような華麗さは見当たらず、
 代わりに必死でチャンスを拾おうとするなりふりの構わなさがあった。

 素人目にも無茶な体勢で、それでも強引に撃とうとする美波。

 もう、今度こそ駄目だと思った。
 顔も知らない乱入者によって死が先延ばしにされた時は確かに希望を感じたけれど、
 結局自分はここで死んでしまうんだと、前より確かに実感してしまった。

 ただ、自身の危険すら顧みずに助けようとしてくれた彼女まで巻き込んでしまうことへの、
 申し訳なさと謝罪の念が新たに加わっていた。 

 しかし次の瞬間、桃華の目は驚愕に見開かれた。

 珠美と名乗った少女が、自分を庇うように立ちはだかったのだ。

 どうして、と問いかける時間さえなかった。全ては一瞬の出来事だった。

 だから、桃華にはそのあと起こったことをただ見ているだけしかできなかった。

 不格好な消音器の付いた銃口が、真っ直ぐに珠美へと向けられた。

 そして引鉄が躊躇なく引き絞られる。


 銃声は、聞こえなかった。


 ………………。


 …………。


 ……。


   ▼  ▼  ▼


 ……。


 …………。


 ………………。


 珠美は、冷たい地面に仰向けに倒れ伏していた。
 自分は撃たれたのだという事実が、彼女の心を支配していた。
 痛みは感じなかった。弾が当たったという実感もなかった。
 死ぬ時というのはこんなものなのか、それとも当たり所が悪かったのか。
 そう言えば、銃声も聞こえなかった気がする。あれが消音器というものなのだろうか。
 つまり珠美は、死の実感とは遠いところにいた。なんというか、確かな感触がなかった。
 それでも、きっともう長くはないのだろう。そんな気がした。

 薄く目を開けると、金髪の少女が不安げな顔でこちらを覗き込んでいた。
 見る限りでは、どうやらどこも撃たれてはいないらしい。
 ああ、よかった。咄嗟に体を張った甲斐があった。
 珠美は弱々しく彼女の方を見やり、最期の言葉を託そうと口を開いた。

「珠美は、珠美は幸せです。こうして信念に殉じることができたのですから……」

 少女は神妙な面持ちで珠美の方を見つめている。 

「死ぬのは怖くありませぬ。ただ、心残りはプロデューサー殿に御恩返しが出来なかったこと……。
 しかし、人を守って命を落とすというのは、剣士としての本分。悔いはありませぬ。
 願わくば、この脇山珠美の生き様を、後世の者たちに語り伝えて頂きたく存じます……」 

 それは、珠美にとっての嘘偽りのない遺言だった。
 カッコつけすぎかとも思ったが、悪くない気持ちだった。
 珠美は満ち足りた気持ちのまま、そっと目を閉じた。


 ………………。


 なかなか死なないのでもう一度目を開けてみた。


 おや、急に少女がどことなく呆れ顔になっている。
 これは何か変だぞと珠美の中の警報装置が鳴り始める。
 そう言えば自分はあとどれくらいで死ぬのだろうか。
 なんだか、全然、そんな気配がないのだけど。


「死ぬ気になってらっしゃるところ申し訳ないのですけれど、あなた、どこも撃たれてませんわよ?」


 少女の言葉を聞いた珠美の頬を冷や汗が伝い落ちた。
 慌てて上体を跳ね起こし、試しに全身をぺたぺたと両手で触って確認してみる。
 確かにどこにも傷跡がない。出血もない。あとついでに胸もない。

 事実を認識した珠美はゆっくりとぎこちない動きで少女のほうに顔を向けた。
 それからその姿勢のまま硬直し、そのまま一瞬青くなり、今度は赤くなった。
 そして最終的には、頭を抱えてその場に倒れ、そのままごろごろと地面を転がり回り始めた。


「……えーと、なんでしたかしら? 脇山珠美の生き様を、後世の者たちに、語り伝えて頂きたく」
「わ、忘れてくださいいいいい! お願いします後生ですからあああああ!」


 さっきまで自分が死ぬと思い込んでいたとは思えない勢いで足をバタバタさせる。
 そのまましばらく七転八倒したあげく、おとなしくなったと思ったら今度はすんすんと泣き始めた。
 逆に少女の方が狼狽して、恐る恐る声をかけてくる始末だった。


「あのー……、珠美さん、でよかったかしら?」
「くすん。現在進行形で生き恥を晒している珠美に何か御用でも?」
「お、落ち着いてくださいまし! わたくしの命の恩人なのですから、胸をお張りになって!」
「胸……起伏が少なくて面目次第もございませぬ……ぐすっ」
「そういう話ではありませんわ……」

 なおもうなだれている珠美に、少女――桜井桃華というらしい――は今までの流れを説明してくれた。
 肝心の「どうして珠美は撃たれずに済んだのか」の部分はいまいち要領を得なかったが。
 どうやら弾が出なかったのは襲撃者の女性、新田美波にも想定外だったらしく、
 こちらにとどめを刺すことなく逃げていったらしい。
 撃たれたものと勝手に思い込んでひっくり返った自分が滑稽過ぎて珠美は一層落ち込んだが、
 桃華は(多少の呆れはあるように見えるけれど)大いに恩を感じているようだった。

「あなたがわたくしの命を救ってくださったのは本当のことですもの。恥じる必要なんてないですわ」

 桃華は珠美の手を取ると、今まで見せたことのない柔らかな表情を浮かべた。
 幼さの中に気品と育ちの良さを匂わせるその笑顔は、その名に違わず華のように可憐で。
 ああ、これがアイドルなのだと見る者を納得させるような魅力を湛えていた。

「そこで、ぶしつけなお願いなのですけど……珠美さん、わたくしのナイトになってくださらない?」

 だから、その彼女流の同行の誘いに珠美が必要以上に取り乱したのも、きっと無理ないことに違いない。 


【D-6(林)/一日目 深夜】

【櫻井桃華】
【装備:なし】
【所持品:基本支給品一式×1、予備マガジン(コルトガバメント)×4】
【状態:右足首に軽い捻挫(処置次第で治る範囲)】
【思考・行動】
基本方針:殺し合いなんて野蛮な手段以外でPを助けたい
1:信頼できる仲間を集めなくては……
2:珠美には是非同行してほしい


【脇山珠美】
【装備:ゴルフクラブ】
【所持品:基本支給品一式×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:非道は見過ごせない。正しい剣の道を貫く。
1:な、ナイトよりはサムライがいいです!(混乱)


※美波の支給品である裁ちバサミは近くに落ちています。


   ▼  ▼  ▼


 空気の抜けるような奇妙な音と共に、樹皮に銃創が穿たれる。
 全身を駆け抜ける反動を押さえ込むと、新田美波はその場にへたり込んだ。
 たった今初めて銃を撃ったという衝撃で上気した顔のまま、気だるげな溜め息をひとつつく。

 今の試し撃ちではっきりした。
 このコルトガバメントという銃は、グリップを強く握り込むことでセーフティが解除される仕組みなのだ。
 先ほどあの二人を仕留め損ねた理由は、不安定な握り方で撃とうとしたからに違いない。
 銃を入手するという目的こそ果たしたものの、こんなにも銃を知らない自分が使いこなせるだろうか。
 どうしても、この先のことが不安になってしまう。
 加えて弾数も心許ない。今1発撃ったから、残りはマガジン内の7発のみだ。
 予備の弾丸は全部あの子が持っているはずだが、引き返す気にはなれなかった。
 代わりに今できる最善の手立てを、冷静に考えていく。

(私の腕前、弾の数、そして消音器。絶対に当たる距離から『暗殺』するのがいいかな……)

 思考の組み立てに淀みはない。
 勉強も、スポーツも、あるいは趣味の資格所得にしても、もちろんアイドルの仕事もそう。
 何をやってもそれなり以上にこなしてしまう、適応力と要領の良さが新田美波の武器だった。

 しかし、いくら思考を切り替えられても、彼女も元は一人のアイドルに過ぎない。
 人殺しなんかとは無縁の生活を送ってきた、普通の19歳に過ぎない。
 むしろ切り替えられることが一つの悲劇なのかもしれなかった。
 恐怖、あるいは倫理観というものを捨て切れているわけではないのだから。


 だからこそ、割り切るしかない。余計な感傷は、意識して封じ込めるしかない。



 例えば――さっき出会った少女達を殺さずに済んで、本当はほっとした、とか。



 そういった感情は、押し殺すしか、ない。


(――これからは、今まで以上に慎重にならないと。他の人達の動向も気になるし……あら?)

 良くない方向に流れそうになった考えを無理矢理に押し込めようとしていた美波は、
 遠く、山頂の方角から響く掠れ気味の声に現実に引き戻された。




『みなさん、私の声が聞こえますか? もし私の声が聞こえたら、山頂の見晴台まで――』




 拡声器を使っているのか、ところどころ不鮮明ではあるけれども遠く離れたここまで聞こえる声。
 いったいどういうつもりなのだろう。参加者を集めて一網打尽にでもするのだろうか。
 一瞬そういう考えが浮かんだが、それにしては無警戒な感じの声に聞こえる。
 意図は分からないけれど、きっとこの呼び掛けがきっかけで事態が動く、そういう予感があった。
 呼びかけている子の思惑に沿うかは別として、きっと何かが起こるはず。
 危険に近付き過ぎさえしなければ、有利に立ち回ることができる可能性は十分にあるだろう。


(よし、決めました。待っててくださいね、プロデューサーさん……みなみ、頑張りますっ♪)


 ディパックを背負うと、美波は山頂に向かって歩き出す。



【D-6(林)/一日目 深夜】

【新田美波】
【装備:コルトガバメント+サプレッサー(7/7)】
【所持品:基本支給品一式×1】
【状態:健康】
【思考・行動】
基本方針:他の参加者と接触しつつ、可能なら暗殺する
1:拡声器の声を目指して山を登る
2:可能な限り慎重に行動したい


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最終更新:2013年08月14日 21:15