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  • 朋也「軽音部? うんたん?」 4/7 水

自分用SSまとめ

朋也「軽音部? うんたん?」 4/7 水

最終更新:2011年05月09日 16:28

meteor089

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管理者のみ編集可

朋也「軽音部? うんたん?」

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84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:40:06.49:1qYNd8dxO


4/7 水

唯「おはよう、岡崎くん」

朋也「…はよ」

唯「わ、今日は返事してくれるんだねっ」

朋也「無視したことなんかあったか」

鞄を下ろし、席に着く。
ついで、思い返してみる。
一応、態度は悪くとも反応はしていたはずだ。

唯「きのうは挨拶かえしてくれなかったよ?」

朋也(ああ…)

そういえば、そうだったような気がする。
あれはただ注目の的になったせいでたじろいでしまい、そんな余裕がなかっただけなのだが…。

朋也「悪かったな」

いちいち釈明するのも煩わしかったので、謝って話を終わらせることにした。

唯「いいよ。これからずっと返事してくれればね」

これからも挨拶され続けるのか、俺は。
別に、そこまで親しくなろうとしなくてもいいのに。


87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:45:15.88:1qYNd8dxO


朋也「できるだけな」

だから、イエスともノーともとれるよう、そう答えておいた。

唯「うむ、よろしい」

腕を組み、こくこくと頷く。

唯「あ、それと、岡崎くん。やっぱり、遅刻はだめだよ?」

朋也「いいんだよ、俺は。不良だって知ってるだろ」

唯「う~ん、でも、そうは見えないんだけどなぁ…」

唯「だって岡崎くん、優しいよね。ちょっと乱暴なところもあったけど…」

もうこれは、あの時のことを言っていると思って間違いないんだろう。
平沢が体をぶつけられ、プリントをばら撒いてしまった時のことだ。
ならやっぱり、昨日もそうだったのだ。
大勢の前で、俺がいい人であるなんてことを保障していた。
…そんなわけないのに。

朋也「その乱暴なところが不良だっていうんだよ」

唯「でも、あれはその…私のためにっていうか…」

朋也「馬鹿。勘違いするな。あいつらが気に入らなかっただけだ」

朋也「おまえのためじゃない」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:50:13.59:1qYNd8dxO


唯「でも、止めたらちゃんと聞いてくれたし…そのあと一緒にプリント拾ってくれたよ?」

朋也「そのくらいで優しいなんて言ってたら、悪人なんてこの世にいないぞ」

唯「そんなぁ…私には十分いい人に思えるけどなぁ…」

朋也「思い違いだ」

唯「そんなことない」

朋也「なんでそう言い切れるんだよ…」

唯「う~ん…なんでかな」

首をかしげる。

唯「でも、そう思うんだよね」

朋也「そう思って、いつか痛い目見ても知らねぇからな」

唯「大丈夫。そんな目にはあわないよ」

また言い切っていた。
唯「私は、岡崎くんがいい人だって信じてるから」

結局、この結論に戻ってきていた。いい加減、面倒になってくる。

朋也「…好きにしろよ」


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:53:12.07:1qYNd8dxO


どうせ、俺がどういう奴かわかれば、すぐ離れていくだろう。
こいつが好意的に接してくるのも、それまでだ。

唯「うん、好き放題するよっ」

朋也(はぁ…)

また、妙な奴と関わってしまったものだと…
窓の外、晴れ渡った空を見ながら思った。

―――――――――――――――――――――

………。

―――――――――――――――――――――

唯「ん~、やっとお昼だ」

隣で平沢が伸びをして、解放感に浸っていた。

唯「ねぇ、岡崎くんも一緒に食べない?」

ひょい、と手前に弁当箱を掲げた。

朋也「いや、俺、学食だから」

唯「学食かぁ、私いったことないなぁ…おいしいの?」

朋也「別に。普通だよ」


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:56:05.45:1qYNd8dxO


唯「そっかぁ…あ、引き止めちゃってごめんね。いってらっしゃい」

朋也「ああ、それじゃ」

見送られて席を立ち、いまだ机に突っ伏している金髪を起こしに向かった。

―――――――――――――――――――――

春原「おまえね…もっと普通に起こせよ…」

朋也「なにがそんなに不満なんだよ」

春原「不満しかないわっ! 起きたら黒板けしの粉の霧に包まれてたんだぞっ!」

春原「なにが、ミノフスキー粒子散布だよっ! ちょっと気管に入っただろっ!」

朋也「それくらい許せよ。ちょっとした余興だろ」

春原「昼飯前の余興で変なもん口に含ませないでくれますかねぇっ!」

―――――――――――――――――――――

春原「そういやさ…」

春原が水を飲みほし、口を開いた。

春原「軽音部の手伝いが終わったら、次はなにさせられるんだろうね」

春原「まさか、これだけで終わりなんてことはないだろうしさ」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:57:35.18:1qYNd8dxO


朋也「さぁな。草むしりでもさせられるんじゃねぇの」

言って、カレーを口に運ぶ。

春原「うげ、めんどくさ。雑用系は勘弁して欲しいよなぁ…」

春原「とくにトイレ掃除とかはね。この前なんか、見ちゃったんだよね、僕」

春原「便器にさ、すっげぇでかいウン…」

ぴっ、と春原の目にカレーの飛まつを飛ばす。

春原「ぎゃあああああああああぁぁあぁ辛口ぃぃぃいいっ!!!」

地面に倒れこみ、もんどりうつ春原。

朋也「カレー食ってるときにそんな話題は避けろ、アホ」

春原「うぐぐ…そんなの、口で言ってくれよ…」

這い上がるようにして、なんとか体勢を元に戻す。

春原「いつつ…ふぃ~…うわ、なんか福神漬け出てきた…」

おしぼりで目を冷ましつつ、拭き取り始める。

春原「ところでさ、軽音部って、よく見たらかわいいこばっかだったよね。部長は除くけど」

春原「おまえもそう思わない? 部長は除くけど」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 12:59:03.04:1qYNd8dxO


朋也「そうか? つーかおまえ、あの部長敵視してんのな」

春原「まぁね。なんか気に食わないんだよね、生意気だし、下品だし」

明らかに同属嫌悪というやつだった。

朋也(つーか、おまえがそれを言うのか…)

部長が気の毒でならなかった。

―――――――――――――――――――――

唯「おかえり~」

学食から戻ってくると、軽音部の連中が平沢の周りに集まっていた。
相変わらず部長は俺の席に陣取っている。
各自弁当箱を机の上に置いているところを見るに、食事が終わってそのまま雑談でもしていたんだろう。

律「おかえりって…夫婦のやり取りかよ。それも、こんな昼下がりに…」

律「意味深だなぁ、おい」

紬「まぁ、りっちゃんたら、深読みして…ふふ」

唯「う~、違うよぉ。っていうか、昼下がりなことがなにか関係あるの?」

律「ふ…そう、それはずばり、昼下がりの情事…」

澪「昼下がりの…情…うぅ…」


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:00:23.85:cUBlBpOS0


唯「りっちゃんなに言ってんの」

朋也「なんでもいいけど、部長、どいてくれ」

律「こりゃ失敬」

俺は席に着き、部長は平沢の後ろに回った。

唯「はっ、まずい、りっちゃんに背後取られたっ!」

唯「ま、間に合わない…アレを…くらうっ…あのハンマーフックをっ…」

律「もうお前ができることは病院のベッドの上で砕けたあごを治療することだけだっ」

スローモーションで平沢の顔面にこぶしをくりだす。

唯「お…おおっ…!!!?」

ぐにゃり、と緩やかにめり込んでいった。

紬「唯ちゃんは殴られる直前に後ろに跳んでる…まだ戦えるよっ」

澪「ムギ…おまえまでこんな茶番に合わせなくていいからな…」

男子生徒「あの…すんません。いいですか」

澪「え? あ…」

いつの間にか一人の男子生徒が所在無さげに立ちつくしていた。
その席本来の主だった。


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:02:25.97:1qYNd8dxO


澪「こ、こっちこそ、すみません…」

慌しく立ち上がり、席を譲る。

律「あ~あ、いつまでも人の席でだべってるからそういうことになるんだよ」

律「和を見習えよな~。ちょっと話した後すぐ席に戻って次の授業の準備してんだぜ?」

澪「う、うるさいな、おまえが言うな」

澪「でも、そろそろ戻ったほうがよさそうなのは確かだな。私はもう戻るよ」

紬「じゃ、私も」

律「待てっ! 部長である私が一番戻るんだよぅっ」

澪「一番戻るって…意味がわからん…」

紬「あはは」

かしましくそれぞれの席へと散って行った。

―――――――――――――――――――――

………。

―――――――――――――――――――――

配布係の仕事のため、平沢と共に職員室までやってくる。
俺はここで、さわ子さんにひとつ訊いておきたいことがあった。


98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:02:42.03:cUBlBpOS0


朋也「平沢、先いっててくれ」

唯「え? なんで? 一緒にいこうよ」

朋也「野暮用があるんだよ。すぐ追いつくから、行け」

唯「ちぇ、わかったよ…」

平沢を先に帰し、さわ子さんのもとへ向かう。

さわ子「あら? なにか用? 岡崎くん」

朋也「あのさ、軽音部の手伝いのことなんだけど、明日まででいいんだよな?」

さわ子「う~ん、そうね、明日だものね、軽音部の新勧ライブ」

さわ子「うん、いいわよ」

朋也「それで俺たちの遅刻、欠席のペナルティはチャラ、ってことには…」

さわ子「そこまで甘くないわよ」

予想はしていたが、やっぱりまだなにかしら続くようだった。

―――――――――――――――――――――

………。

―――――――――――――――――――――


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:04:10.12:cUBlBpOS0


放課後。

唯「岡崎くんたち、今日も来てくれるの?」

朋也「手伝いを命じられてるからな」

唯「そんなこと関係なく来てくれていいのに」

朋也「迷惑だろ」

唯「そんなことないよ。なんか男の子いるのって、新鮮でいいもん」

朋也「じゃ、男の部員が入ってくること祈っとけ」

唯「でも、どこの馬の骨かわからない人より、岡崎くんたちのほうがいいよっ」

それはせっかくの新入部員に対して失礼なんじゃないのか…。

律「おぅ、唯、いこうぜ~」

軽音部の連中が固まってやってくる。

唯「うん、待って~」

平沢もそこに加わり、廊下へ出ていった。

春原「いこうぜ、岡崎」

入れ替わるようにして春原が現れる。


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:07:07.02:cUBlBpOS0


朋也「ああ」

―――――――――――――――――――――

律「うん?」

廊下、軽音部員たちの後ろを歩いていると、部長が振り返った。

律「あんたら、なんでついてきてんの?」

春原「今日もいやいや手伝ってやるっつーんだよ。それ以外の理由があるかっての」

律「いや、今日はいらねぇよ。練習するだけだし。明日の設備搬入の時にこいよな」

春原「あん? せっかくここまでついて来てやったんだから、茶ぐらい出せよ」

律「頼んでねぇし、ありがたくもねぇ! 帰れ帰れ、しっしっ!」

紬「まぁまぁ、お茶なら私が出すから」

律「ムぅギぃ~…」

春原「お、さすがムギちゃん、話がわかるねぇ」

律「なにがムギちゃんだよ、ほんっと馴れ馴れしいな…」

春原「ふん、僕とムギちゃんの仲だから、愛称で呼び合っても不思議じゃないんだよ」

律「きのう会ったばっかだろ…」


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:11:23.78:cUBlBpOS0


春原「時間は関係ないさ。ね、ムギちゃん」

紬「えっと…ごめんなさい、春原」

春原「呼び捨てっすか!?」

律「わははは! ナイス、ムギ!」

春原「うう…くそぅ…」

朋也「その辺にしとけ。帰るぞ」

春原「なんでだよ、お茶出してくれるって言ってんだぜ」

朋也「わざわざ練習の邪魔することもないだろ」

律「お、岡崎。あんた、いいこというねぇ。目つき悪いくせに」

朋也「そりゃ、どうも。ほら、帰るぞ」

春原「ちっ、なんだよ、もったいねぇなぁ…」

唯「まって!」

きびすを返しかけた時、平沢に手を引かれ、立ち止まる。

唯「せっかくだから、お茶していきなよっ」

朋也「いや…」


102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:13:08.47:1qYNd8dxO


唯「いいからいいから。澪ちゃんも、それでいいよね?」

澪「私? 私は…」

と、俺と目が合う。

澪「うぅ…文句ないです…」

顔を伏せ、そうつぶやいた。

律「おまえ、ビビってYESしか言えなかっただけだろ」

澪「う、うるさい…」

唯「ほら、裏の部長である澪ちゃんもいいって言ってるんだし」

律「唯~、そんな裏とか表とか使い分けてないからなぁ~」

唯「ムギちゃん、手伝ってっ」

紬「任せて~」

朋也「あ、おい…」

ふたりに両脇をとられ、連行される犯罪者のようになってしまった。
力ずくで振り払うこともできたが、それはあまりに感じが悪すぎる。
こうなってしまうと、そのまま従うより他なかった。

春原「ちっ、うらやましい連れてかれ方しやがって…」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:13:26.37:cUBlBpOS0


律「あんたは私がつれていってやるよっ」

がしっと、春原のネクタイをつかみ、そのまま歩き出した。

春原「ぅうっ…おま…やめっ…呼吸っ…」

どんどん首に食い込んでいくネクタイ。

律「さっさと歩けぃ、この囚人がっ」

だっと走り出す。

春原「うっ…だ…れがっ…つかっ…止まっ……」

半ば引きずられるようにして、視界から消えていった。
…部室に着いた時、まだあいつの息があればいいのだが。

―――――――――――――――――――――

紬「はい、どうぞ」

律「…サンキュ」

部長を最後に、全員に紅茶とケーキ(俺にはお茶とせんべい)がいき渡った。

唯「もう、りっちゃんが春原くんのネクタイ引っ張るのがいけないんだよ」

澪「律、謝っときなよ。大人気ないぞ」

律「…悪かったな」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:18:12.62:cUBlBpOS0


俺たちが部室の扉を開けた時、いきなり春原が血を吹いて倒れこんでいた。
死んでいるように見えたが、ただの鼻血だった。
なんでも、部長と言い争いになり、ドラムスティックで殴られたらしい。
今は琴吹の介抱により、血は止まっていたが。

春原「…おまえはアレだけど、ムギちゃんのふとももに免じて許してやるよ」

春原は膝枕してもらっていたのだ。

律「…なにがふとももだよ、変態め」

春原から目を逸らし、小さくつぶやく。

春原「聞こえてるんですけどねぇ」

唯「あーっ、やめやめ、喧嘩はやめ! ね? ケーキ、食べよ?」

春原「ちっ…」

律「ふん…」

いらだちを残したままの様子で、ふたりともケーキと紅茶を口にした。
それを機に、俺たちも手をつけ始める。
その空気は、ふたりの発する負のオーラでひどく歪んでいた。
こんなことなら、やっぱりあそこで帰っていた方がよかったのかもしれない。

がちゃり

梓「こんにちは…」


105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:20:57.91:1qYNd8dxO


そんな中、新たな来訪者が現れる。二年の子だった。

梓「あ…」

入ってきて、俺と春原に気づく。

梓「どうも」

軽く会釈し、ソファに荷を降ろし始めた。

朋也「ああ、よお」

春原「よぅ、二年」

梓「………」

無言で春原をじっと見つめる。

春原「あん? なに?」

梓「あの…春原先輩、血が…」

春原「ん?」

手で鼻の辺りに触れる。

春原「おあっ、やべ…」

紬「はい、ティッシュ」


106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:21:27.01:cUBlBpOS0


春原「お、ありがと」

朋也「お前を見て興奮したんだろうな。気をつけたほうがいいぞ」

梓「え…」

朋也「こいつ、告る前には血が出るからさ」

春原「力みすぎだろっ!」

律「ぶっ…けほけほ」

澪「律…なんか私にかかったんだけど」

律「わり」

梓「………」

春原にじと~っとした視線を向け、警戒しながら一番遠い席に座った。

春原「信じるなよっ! こいつの脈絡のない嘘だからなっ!」

紬「梓ちゃんの分、今持ってくるね」

梓「ありがとうございます」

春原「聞いてんのか、こらっ」

唯「って、春原くん、もう片方からも血が…」


107:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:22:55.78:1qYNd8dxO


春原「おわ、やべ…」

朋也「おまえ…まだ告白もしてないのに、そんなことやめろよ」

春原「血の出具合によってやること変わるって設定で話すなっ!」

律「わははは!」

春原「笑うなっ!」

唯「春原くん、今ので血の勢いが増したよっ」

春原「うぉっ…」

律「いやん、私、こいつになにされるのぉ、こわぁい」

春原「うぐぐ…」

さっきまでの重い空気は立ち消え、もう普通に軽口を叩けるまでになっていた。
ひとまずは場の修復ができたようで、安心した。

―――――――――――――――――――――

澪「よし、じゃ、そろそろ練習しよう」

梓「ですね」

律「え~、もうか? まだ紅茶のこってるぞ。飲んでからに…」

澪「だめだ。明日は新勧ライブなんだぞ」


108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:23:17.59:cUBlBpOS0


梓「そうですよ。出来次第で部員の獲得数が変わってくると思います」

唯「そうだよ、がんばらなきゃ」

律「へぇ~ええ、そんじゃ、やるかぁ…」

律「あ、残りの紅茶、あんたらで処理しといて」

軽音部の面々が立ち上がり、準備を始めた。
俺たちはぼーっとその様子を眺めながら、紅茶をすする。
そして、飲み干してしまうと、もうここにいる意味もなかった。

春原「そんじゃ、帰ろうか」

朋也「ああ」

俺たちも席を立った。

春原「じゃあね、ムギちゃん。ケーキも紅茶もおいしかったよ」

紬「あれ? 聴いていかないの?」

春原「ん? うん、まぁ…」

同意を求めるような目で俺と向き合った。
練習を見てもしかたない、とは俺も思う。
さして演奏に興味があるわけでもない。
そこはこいつも俺も同じところだろう。

唯「私も聴いててほしいな。リハーサルみたいにするからさ、観客ってことで」


109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:24:39.85:1qYNd8dxO


唯「そのほうがいいよね、澪ちゃんも」

澪「そうだな。見られてるのを意識できていいかもな」

唯「あずにゃんも」

梓「そうですね。いいかもしれません」

唯「りっちゃん」

律「ん? まぁ、なんでもいいよ」

唯「ね? どうかな」

特にこのあとなにがあるわけでもなかった。
時間を潰せて、なおかつ役に立てるのなら、断る理由もない。
俺は部室のドアではなく、軽音部の連中がいる方に歩いていった。
そして、まるで観客席であるかのように備えつけられたソファーに腰掛けた。

春原「じゃあ、僕も」

春原も俺に続き、隣に座った。

唯「ようし、がんばるぞぉ」

律「じゃ、いくぞ。ワンツースリー…」

演奏が始まる。
そこにいる全員の表情が真剣だった。
あの、茶を飲んでいる間にみせる顔とはまったく違う。


110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:25:06.88:cUBlBpOS0


何かに情熱を傾ける人間のそれだった。
そう…それは、俺や春原のような奴らからは、最も遠いところにあるものだ。

春原「………」

こいつも今、俺と同じことを思っているんだろうか。
こいつらといて、そんなに居心地は悪くなかった。
だがやはり、根本の部分で俺たちとは相容れることがない、と。

春原「ボンバヘッ! ボンバヘッ!」

ただのアホだった!

唯「ぶっ」
律「ぶっ」
澪「ぶっ」
梓「ぶっ」
紬「……」

春原のヘッドバンキングを使った野次によって演奏が中断された。

唯「もう、なにぃ、春原くん…」

春原「いや、盛り上がるかなと思って…」

律「全然曲調にあってないわっ、あんたの動きはっ!」

梓「デスメタルじゃないんですから…」

春原「はは、悪いね」


111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 13:27:37.69:1qYNd8dxO


澪「も、もう一回な。律」

律「はいはい。ワンツースリー…」

―――――――――――――――――――――

春原「ま、なんだかんだいって、僕らとは違うよね」

ベッドの上、仰向けになり、ひとり言のように漏らす。
それは、今日の軽音部でのことを言っているのだろう。

朋也「………」

やはり、こいつも俺と同じようなことを感じていたのだ。
こいつにしてはめずらしく気を許し始めていたのかもしれない。
だから、その分、見せられた違いを心苦しく思っているんだろうか。

春原「いいけどね、別に」

また、誰に言うでもなくつぶやいた。
………。
かける言葉が見つからなかった。
だが、考えてみれば、あいつらと関わるのも明日で最後だ。
埋まらない溝があったところで、なにも問題はない。
所詮、短い間のつき合いだったのだ。
俺は一度寝返りを打った。
いや…
平沢とはまだしばらく関わることになるのか…。
といっても、席が隣で、クラス係が同じというだけの、薄いつながりだったが。


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