自分用SSまとめ
朋也「軽音部? うんたん?」 4/12 月
最終更新:
meteor089
-
view
朋也「軽音部? うんたん?」
268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 15:57:27.28:1qYNd8dxO
4/12 月
朋也(……朝か)
カーテンの向こう側から朝日が透過して届いてくる。
その光が目に痛い。頭も擦り切れたように思考の巡りが悪い。
先日は起きる時間が遅れていたので、うまく寝つくことができなかったのだ。
俺は今の今まで、小刻みに浅い眠りと覚醒を繰り返していた。
その光が目に痛い。頭も擦り切れたように思考の巡りが悪い。
先日は起きる時間が遅れていたので、うまく寝つくことができなかったのだ。
俺は今の今まで、小刻みに浅い眠りと覚醒を繰り返していた。
朋也(今日はもうだめだ…サボろう…)
混濁する意識の中、そう思った。
まぶたを下ろす。
………。
そういえば…
まぶたを下ろす。
………。
そういえば…
朋也(今日も待ってんのかな、あいつ…)
あの日、待つことにした、とそう言っていた。
俺が今日サボれば、あいつも欠席になってしまうんだろうか。
まさか、そこまでしないだろうとは思うが…。
きっと、適当なところで切り上げるだろう。
俺が今日サボれば、あいつも欠席になってしまうんだろうか。
まさか、そこまでしないだろうとは思うが…。
きっと、適当なところで切り上げるだろう。
朋也(関係ないか、俺には…)
頭の中から振り払うように、寝返りをうつ。
朋也(だいたい、俺が風邪引いて休むことになった時はどうするつもりだったんだよ…)
朋也(………)
269:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 15:57:54.25:cUBlBpOS0
朋也(……ああ、くそっ)
考え出してしまうと、気になってしょうがなかった。
俺は布団から出た。
学校へいく準備をするために。
俺は布団から出た。
学校へいく準備をするために。
―――――――――――――――――――――
唯「おはようっ」
やっぱり、いた。
朋也「…おはよ」
唯「今日は早いんだねっ。これならまだ間に合うよっ」
朋也「ああ、そう…」
唯「なんか、すごく眠そうだね。やっぱり、体が慣れてない?」
朋也「ああ…」
唯「これから徐々になれていこう。ね?」
朋也「ああ…」
270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 15:59:08.63:1qYNd8dxO
唯「じゃ、いこっ」
朋也「ああ…」
―――――――――――――――――――――
唯「岡崎くんさ、今日早かったのって、もしかして…私のため?」
朋也「ああ…」
唯「そ、そうなんだ…うれしいよ。やっぱり、岡崎くんはいい人だったよっ」
朋也「ああ…」
唯「岡崎くん?」
朋也「ああ…」
唯「さっきからリアクションが全部 ああ… なのはなんで?」
271:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 15:59:29.50:cUBlBpOS0
朋也「ああ…?」
唯「微妙な変化つけないでよ…もう、真剣に聞いてなかったんだね…」
ざわ…
ざわ…
ざわ…
朋也「ああっ…!」
ざわ…
ざわ…
ざわ…
唯「某賭博黙示録みたいになってるよっ…!」
―――――――――――――――――――――
学校の近くまでやってくる。
うちの生徒もまだ多く登校していた。
こんな風景を見るのはいつぶりだろうか。
もう、長く見ていなかった。
うちの生徒もまだ多く登校していた。
こんな風景を見るのはいつぶりだろうか。
もう、長く見ていなかった。
朋也(にしても…)
こんな中をふたり、こいつと一緒に歩くのか…。
周りからはどう見られてしまうんだろう。
みんな、そんなの気にも留めないのかもしれないけど…
万が一、軽音部の連中のように、勘違いする奴らが出てきたらたまらない。
周りからはどう見られてしまうんだろう。
みんな、そんなの気にも留めないのかもしれないけど…
万が一、軽音部の連中のように、勘違いする奴らが出てきたらたまらない。
朋也「おまえ先にいけ」
272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:01:21.11:1qYNd8dxO
立ち止まり、そう告げた。
唯「え? なんで? ここまで来たんだから最後まで一緒にいこうよ」
朋也「いいから」
唯「ぶぅ、なんなの、もう…」
不服そうだったが、しぶしぶ先を行ってくれた。
俺も少し時間を置いて歩き出した。
俺も少し時間を置いて歩き出した。
―――――――――――――――――――――
教室に着き、自分の席に座る。
唯「なんであそこから別行動だったの?」
座るやいなや、すぐに訊いてきた。
朋也「おまえ、恥ずかしくないのか。俺と一緒に登校なんかして」
唯「恥ずかしい? なんで? おとといだって一緒だったじゃん」
朋也「いや、だから、それが原因で俺たちが、その…」
唯「うん?」
きょとん、としている。
そういうことに無頓着なんだろうか、こいつは。
そういうことに無頓着なんだろうか、こいつは。
273:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:01:56.37:cUBlBpOS0
朋也「…付き合ってるみたいに言われるのがだよ」
唯「あ、そ、それは…えっと…」
唯「私は別に……あ、いや…岡崎くんに迷惑だよ…ね…?」
朋也「まぁ、な…」
というか、おまえはいいのか…。
唯「あはは……だよね…気づかなかったよ、ごめんね…」
朋也「ああ、まぁ…」
唯「………」
少し驚く。あの平沢が目に見えて落ち込んでいた。
今までなら、そっけなくしても、ややあってからすぐ持ち直していたのに。
少し打ち解けてきたと思ったところで拒絶されたものだから、傷も深いんだろうか。
…でも、これでよかったのかもしれない。
これで朝、俺を待つなんて、そんな不毛なことをしなくなってくれれば。
それがお互いのためにもいいはずだ。
今までなら、そっけなくしても、ややあってからすぐ持ち直していたのに。
少し打ち解けてきたと思ったところで拒絶されたものだから、傷も深いんだろうか。
…でも、これでよかったのかもしれない。
これで朝、俺を待つなんて、そんな不毛なことをしなくなってくれれば。
それがお互いのためにもいいはずだ。
―――――――――――――――――――――
………。
―――――――――――――――――――――
4時間目の授業が終わり、昼休みになった。
274:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:03:32.16:1qYNd8dxO
朋也(はぁ…きっつ…)
朝から授業を受けて蓄積した疲労が堪える。
休憩時間も、全て机に突っ伏し、回復に当てて過ごしていたにも関わらずだ。
そもそも、俺が朝からいたことなんて、ほんとうに数えるくらいしかないのだ。
出欠を取ったとき、さわ子さんも俺がいることにたいそう驚いていた。
替え玉じゃないかと疑っていたくらいだ。
そんな、代返ならまだしも、替え玉出席なんて聞いたこともないのに。
それくらいイレギュラーな事態だったのだ。
休憩時間も、全て机に突っ伏し、回復に当てて過ごしていたにも関わらずだ。
そもそも、俺が朝からいたことなんて、ほんとうに数えるくらいしかないのだ。
出欠を取ったとき、さわ子さんも俺がいることにたいそう驚いていた。
替え玉じゃないかと疑っていたくらいだ。
そんな、代返ならまだしも、替え玉出席なんて聞いたこともないのに。
それくらいイレギュラーな事態だったのだ。
朋也(飯、いくか…)
ふと、隣が気になった。
思えば、ずっと静かだったような気がする。
いつもなら、軽音部の誰かがやってきてふざけあっていたのに。
少し心に余裕ができた今、ようやくそのことに違和感を覚えた。
窺うようにして、隣を横目で見てみる。
思えば、ずっと静かだったような気がする。
いつもなら、軽音部の誰かがやってきてふざけあっていたのに。
少し心に余裕ができた今、ようやくそのことに違和感を覚えた。
窺うようにして、隣を横目で見てみる。
唯「…ん? なに」
朋也「いや…別に」
唯「…そ」
朋也「………」
まだ、引きずっているのだろうか。
あの、たった一回の拒絶で、ここまで落ちてしまうものなのか。
…いや
回数の問題でもないか…
あの、たった一回の拒絶で、ここまで落ちてしまうものなのか。
…いや
回数の問題でもないか…
275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:03:52.45:cUBlBpOS0
春原「岡崎、昼いこうぜ」
そこへ、春原がやってくる。
朋也「ああ…」
席を立ち、教室を出た。
―――――――――――――――――――――
春原「なんか、おまえ、元気ないね」
朋也「いつものことだろ。俺が元気振り撒いてる時なんかあったか」
春原「まぁ、そうだけどさ…今日は一段とね」
朋也「眠いんだよ」
春原「ふぅん…」
結局、いつかはこうなっていたはずだ。
いくら平沢が歩み寄ってきてくれても、俺自身がこんな奴なのだ。
無神経に振舞って、人の好意を無下にして…
そういうことを簡単にやってしまう人間だ。
だから、再三警告していたのに。
ロクでもない不良生徒だって。
いくら平沢が歩み寄ってきてくれても、俺自身がこんな奴なのだ。
無神経に振舞って、人の好意を無下にして…
そういうことを簡単にやってしまう人間だ。
だから、再三警告していたのに。
ロクでもない不良生徒だって。
―――――――――――――――――――――
ああ…それでも…
277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:05:26.97:1qYNd8dxO
ずっと関わり続けようとしてきたのが、あいつだったんだ。
そんなやつ、あいつしかいなかったんだ。
………。
そんなやつ、あいつしかいなかったんだ。
………。
―――――――――――――――――――――
春原より先に食べ終わり、一人で学食を出た。
昼休みは中盤にさしかかったころだった。
教室へ戻っても、まだ軽音部の連中が固まって食後の談笑でもしているはずだ。
そんな中へひとり入っていく気にはなれない。
どこかで時間を潰して、予鈴が鳴る頃を見計らって帰った方がいいだろう。
俺は窓によっていき、外を見た。
食堂から続く一階の廊下。俺のいるこの場所からは中庭が見渡せた。
そこに、見覚えのある後姿を見つける。
昼休みは中盤にさしかかったころだった。
教室へ戻っても、まだ軽音部の連中が固まって食後の談笑でもしているはずだ。
そんな中へひとり入っていく気にはなれない。
どこかで時間を潰して、予鈴が鳴る頃を見計らって帰った方がいいだろう。
俺は窓によっていき、外を見た。
食堂から続く一階の廊下。俺のいるこの場所からは中庭が見渡せた。
そこに、見覚えのある後姿を見つける。
朋也(なにやってんだ、あいつ…)
横顔が見えたとき、同時に一筋の涙がこぼれて見えた気がした。
ここからじゃ、正確にはわからなかったが、確かにそう見えた。
顔を袖で拭う動作。
こっちの、校舎の方に振り向く。
向こうも俺に気がついた。
目が合う。
一瞬、躊躇した後…
笑顔を作っていた。
また、涙が頬を伝い、それがしずくとなって地面に落ちた。
今度は間違いなく、それが見て取れた。
………。
俺は駆け出していた。
中庭に直接出ることができる、渡り廊下へ向けて。
ここからじゃ、正確にはわからなかったが、確かにそう見えた。
顔を袖で拭う動作。
こっちの、校舎の方に振り向く。
向こうも俺に気がついた。
目が合う。
一瞬、躊躇した後…
笑顔を作っていた。
また、涙が頬を伝い、それがしずくとなって地面に落ちた。
今度は間違いなく、それが見て取れた。
………。
俺は駆け出していた。
中庭に直接出ることができる、渡り廊下へ向けて。
278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:05:53.83:cUBlBpOS0
―――――――――――――――――――――
上履きのまま、夢中で外へ出てきた。
そして、辿り着く。今はもう、石段のふちに腰掛けているその女の子。
俺も隣に座り、少し息を整える。
そして、辿り着く。今はもう、石段のふちに腰掛けているその女の子。
俺も隣に座り、少し息を整える。
朋也「…こんなとこでなにやってんだよ」
もっと言いたいことはあったのに、こんなセリフしか出てこない。
唯「…岡崎くんこそ、くつに履き替えもしないで、どうしたの」
朋也「急いでたんだよ」
唯「どうして」
朋也「おまえが泣いてたから」
唯「…私が泣いてたら、急いでくれるの?」
朋也「ああ」
唯「どうして」
朋也「そりゃ…」
どうしてだろう…。
自分でもよくわからない。
自分でもよくわからない。
279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:07:12.27:1qYNd8dxO
朋也「…泣いてるからだよ」
唯「…ぷっ…あはは。見たまんますぎるよ」
朋也「ああ…だな」
作ったものじゃない、素の笑顔。
ここまで出てきたその行為が報われたような気分になる。
ここまで出てきたその行為が報われたような気分になる。
唯「私、泣いてないよ」
朋也「あん?」
唯「あくびだよ、あ・く・び」
朋也「…マジ?」
唯「マジ」
なんてくだならいオチなんだろう…。
じゃあ、なんだ、俺が単に空回りしていただけなのか…。
じゃあ、なんだ、俺が単に空回りしていただけなのか…。
唯「でも、うれしかったよ。そんなふうに思って、駆けつけてくれて」
朋也「そっかよ…」
唯「また泣いたら、今みたいに来てくれる?」
朋也「ああ、すぐ行く。借りてた1泊2日のレンタルDVD返したら、駆けつける」
280:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:07:31.79:cUBlBpOS0
唯「それ、私がついでみたいになってるんだけど?」
朋也「しょうがないだろ。もう三日も延滞してるんだから」
唯「そんな事情知らないっ。最初からその日数で借りなよっ」
朋也「ちょっと見栄張ったんだよ。二日あれば俺には十分だ、ってさ」
唯「意味わかんないよ、もう…」
困ったように笑う。
けど、その表情にはもうかげりがなかった。
けど、その表情にはもうかげりがなかった。
朋也「それで、ひとりでなにしてたんだよ。こんなとこでさ」
唯「ひなたぼっこだよ。いい天気だし、気持ちいいかなって」
朋也「ほかの奴らは」
唯「誘ったんだけどね~。断れちゃった」
朋也「そっか」
唯「みんなわかってないよ、光合成のよさを」
朋也「植物か、おまえは」
唯「む、哺乳類でもできるんだよ。みてて」
はぁ~…と気合のようなものをためていく。
281:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:08:45.59:1qYNd8dxO
唯「ソーラー…ビーーームッ!」
ズビシッ、と俺に人差し指を突き刺した。
朋也「ビームって…ただの打撃だろ…肉弾攻撃だ」
唯「えへへ」
笑ってうやむやにしようとしていた。
朋也「がんばって光合成でもしといてくれ」
立ち上がり、校舎に引き返す。
唯「あ、私もいくっ」
声がして、後ろから元気な足音が近づいてきていた。
―――――――――――――――――――――
律「よ」
帰ってきた俺を見て、部長が声をかけてくる。
今日は俺の席ではなく、空いた平沢の席に腰掛けている。
今日は俺の席ではなく、空いた平沢の席に腰掛けている。
朋也「…ああ、よぉ」
平沢が抜けたことにより散会になったとばかり思っていたのだが…
まだ三人とも残っていた。
とりあえず自分の席につく。
まだ三人とも残っていた。
とりあえず自分の席につく。
282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:09:02.82:cUBlBpOS0
律「なぁ…」
と、また部長。
朋也「なんだ」
律「あんた、唯のことでなんか知らない?」
それは、今朝からの平沢の様子を気にして訊いてきているんだろう。
容易に想像がついた。
容易に想像がついた。
律「あいつ、朝ちょっかい出しにいった時から元気なかったしさ…」
俺が机に突っ伏している間、やっぱり今日も平沢のもとに訪れていたのだ、部長は。
その時異変に気づいたと、そういうことだろう。
その時異変に気づいたと、そういうことだろう。
律「どうしたのか訊いても、曖昧にこたえるし…」
律「そんで、唯から聞いたんだけど、あんたたち、今朝も一緒に途中まで登校してきたんだろ」
律「だから、あんたならなんか知ってるんじゃないかと思ってさ」
他のふたりも、俺をじっとみてくる。
なんと言っていいのだろうか。
俺が原因だなんていったら、自惚れにもほどがある気もするし…。
今までの流れを言葉で説明すると、途端に安っぽくなるし…。
なんと言っていいのだろうか。
俺が原因だなんていったら、自惚れにもほどがある気もするし…。
今までの流れを言葉で説明すると、途端に安っぽくなるし…。
唯「やっほ、帰ったよ」
そこへ、ちょうど平沢が戻ってきた。
285:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:10:17.09:1qYNd8dxO
下駄箱で上履きに履き替えるため、途中で別れていたのだ。
だから、この時間差が生まれたのだ。
だから、この時間差が生まれたのだ。
律「あ、おう…」
紬「おかえり、唯ちゃん」
澪「おかえり」
唯「ただいまぁ」
言いながら、自然に部長の上から座った。
律「ちょ、唯、重いっ」
唯「あれ、悦んでクッションになってくれるんじゃないの」
律「んな性癖ないわっ。どかんかいっ」
唯「ちぇ、思わせぶりなんだから…」
部長から身をどける。
律「なに見てそう思ったんだよ…ったく」
立ちあがり、平沢に席を譲った。
澪「唯…その、もういいのか?」
唯「ん? なにが?」
286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:10:39.42:cUBlBpOS0
澪「いや…ちょっとテンション低かったじゃないか」
唯「ああ、もう大丈夫! 陽の光浴びて満タンに充電してきたからっ」
澪「そっか…」
部長、琴吹と顔を見合わせる。
そして、みな一様に顔をほころばせた。
そして、みな一様に顔をほころばせた。
律「ま、元気になったんなら、それでいいけど」
紬「そうね」
澪「ああ」
唯「えへへ」
―――――――――――――――――――――
………。
―――――――――――――――――――――
放課後。
さわ子さんによると、今日普通に登校してきた俺は、奉仕活動を免除されるということだった。
なので、春原だけが捕まっていってしまった。
唐突に暇になる。
あんな奴でさえ、いれば暇つぶしにはなっていた。
やることもない俺は、すぐに学校を出た。
さわ子さんによると、今日普通に登校してきた俺は、奉仕活動を免除されるということだった。
なので、春原だけが捕まっていってしまった。
唐突に暇になる。
あんな奴でさえ、いれば暇つぶしにはなっていた。
やることもない俺は、すぐに学校を出た。
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:11:54.75:1qYNd8dxO
―――――――――――――――――――――
着替えを済ませ、折り返し家を出る。
―――――――――――――――――――――
いつものように、春原の部屋でくつろぐ。
今はこの部屋本来の主人も戻っておらず、俺が暫定主人だった。
無意味に高いところに立ってみる。
今はこの部屋本来の主人も戻っておらず、俺が暫定主人だった。
無意味に高いところに立ってみる。
朋也(………)
朋也(アホくさ…)
むなしくなって速攻やめた。
―――――――――――――――――――――
がちゃり
春原「…あれ、来てたの」
朋也「ああ、おかえり」
春原「つーか、人の部屋に勝手にあがりこ…うわっ」
上着を脱ぎ、コタツまで来たところで驚きの声を上げる。
春原「なにしてくれてんだよっ」
289:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:12:41.62:cUBlBpOS0
朋也「なにが」
漫画を読みながら、おざなりに返す。
春原「これだよっ! このフィギュアっ!」
朋也「おまえの大事な萌え萌え二次元美少女がどうしたって?」
春原「ちがうわっ! 僕のでもないし、そんな感じのでもないっ!」
朋也「じゃ、なんだよ」
春原「よくわかんないけど、電灯の紐で首くくられてるだろっ!」
朋也「いいインテリアじゃん」
春原「縁起悪いよっ!」
必死に紐を解く春原。
春原「なんなんだよ、これ。どうせおまえが持って来たんだろ」
朋也「ああ、なんか飲み物買ったらついてきた」
春原「やっぱりかよ…いらないなら、捨てるぞ」
朋也「いいよ」
ゴミ箱までとことこ歩いていき、捨てていた。
戻ってきて、コタツに入る。
戻ってきて、コタツに入る。
290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:14:12.28:1qYNd8dxO
時を同じくして、俺は飲みほしたペットボトルをゴミ箱に向かって投げた。
ぽろっ
朋也「春原、リバウンドっ」
春原「自分で行けよっ! つーか、今ゴミ箱までいったんだから、そん時言えよっ!」
朋也「ちっ、注文多いな…めんどくせぇやつ」
春原「まんまおまえのことですよねぇっ!」
俺はコタツから出て、こぼれ球を拾ってゴールに押し込んだ。
また戻ってきて、コタツの中に入る。
そして、スナック菓子を食べながら漫画を再開した。
また戻ってきて、コタツの中に入る。
そして、スナック菓子を食べながら漫画を再開した。
春原「ったく、しおらしかったと思ったら、もう調子戻しやがって…」
春原「…ん? おまえ、そのコミック…」
朋也「これがどうかしたか」
表紙を見せる。
春原「やっぱ、最新刊じゃないかよっ! べとべとした手でさわんなっ」
朋也「ああ、悪い」
ちゅぱちゅぱと指をなめとった。
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/25(土) 16:14:37.73:cUBlBpOS0
春原「そんな方法できれいにしても納得できねぇよっ!」
春原「台所で手洗ってこいっ!」
朋也「遠いからいやだ」
春原「すっげぇむかつくよ、こいつっ!」
朋也「ま、いいじゃん。また新しいの買えばさ」
春原「おまえが自腹で自分の買えよっ!」
春原「くっそぉ、やりたい放題やりやがって…」
朋也「これにこりたら、早く帰ってこいよ」
春原「あんたが大人しくしてればすむでしょっ!」
―――――――――――――――――――――