モチーフ:バロール(ケルト神話に登場する巨人族の王。普段は閉じているが、開くと見たものを殺す魔眼を持つ)+バロット(孵化寸前のアヒルの卵を茹でた料理)
能力:眼を奪う程度の能力
→『最初の魔眼/瞳の王』としての権能。視界内すべての魔眼持ちの能力を支配下に置き、操ることができる。
解説:
frontier第22話『深淵』に登場する、ヌバタマ種の綺石獣。
『眼窟』イーヴィライズの領主、
ユウゲンが切り離した
さとりと
こいしの奇跡獣としての部分を封じた水晶の義眼から発生。
外観は閉じた目の付いた水色と赤紫のまだら模様の卵を数珠のようにリング状に繋げたもの。
いのちの輝きくん
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ストーリー |
☆
『すみません。なにも思い出せないです…』
前回の戦いで記憶を失ったこいしを前に途方に暮れる一行。
そこに、コンガラ共和国の一都市、イーヴィライズから通信が入った
「コンガラの密偵頭、ユウゲンだ。こいしを連れてこちらに来てもらえないか、力になれるかも知れん…」
★
こいしを連れて『眼窟』イーヴィライズへやって来た一同。
見せたいものがある、と水晶採掘用のトンネルを降りて行くユウゲンは
その道すがら、ぽつり、ぽつりと一同に語り始めた
『古明地の姉妹が昔、ここに居たことは知っているか?』
「あ、はい、さとりさんから以前…」
「"人間化"して奇跡獣士じゃ無くなったから地球側に来たんだったっけ?」
『……。』
『…少し違うな。……あの二人を人間にしたのは…わしだ』
「!?」
驚く一行に、トンネルを降りながらユウゲンの語りが続く
『無論、理由はある』
"魔眼持ち"と呼ばれる、『普通見ることのできぬモノを見る』ことに特化した能力を持つシキ種の奇跡獣士は稀に突然変異的に産まれる。
思考、夢、トラウマ、無意識…何が見えるかは千差万別だが、この能力は本人にも制御がきかない
そのために周囲から疎まれることが多く、自身も魔眼持ちであるユウゲンはそうした者たちをこの街に集め、匿っていた
『なぜ"魔眼持ち"が産まれるのか。常々考えていた』
魔眼持ちは例外なくシキ種、またはシキ種の性質を帯びる。シキである以上は造り出している何者かがいるはずだ…
ユウゲンの足が止まる
『この水晶洞窟の奥深くで、ついに"それ"は見つかった』
「…!?なに…これ…?」
そこにあったのは闇の中に転がる巨大な目玉だった…
「……目玉の…水晶像?」
『いや、信じがたいことだが…造り物ではなく、この眼は生きている』
この目玉が発見されてからユウゲンたちは総力あげて調べたが、その正体も材質もなにも分からず
それでも、ただ一つ分かったことがある。それは…
『この目玉が時折、不定期に輝きを放つ。そして輝きが放たれると世界のどこかで"魔眼持ち"の奇跡獣士が産まれる』
『産まれた"魔眼持ち"を探しここへ連れてきて、保護する。それを我々は続けてきた。だが…』
★
「ユウゲン様!こいしが水晶洞の奥に!」
その日連れて来られた子供がここに迷い込んだ時、それは起きた。
目玉と共鳴するこいし。村の者たちが押さえようとするも目を合わせただけで動けなくなる者、逆に隣の者に襲いかかる者、恐慌を起こす者…イーヴィライズの村は一時、壊滅寸前に追い込まれたが。
『キクリとコンガラ殿の救援が無ければどうなっていたことか…』
事態が収束した後、こいしとその姉さとりは奇跡獣士としての力を封印され、人間として向こう側へと送られた
『あの時も、こいしは事件の間の記憶を失っていた。その心を読んでしまったさとりも同様に。いったい何を"観た"のか…今となっては知る由もないが』
『これは推測だが、おそらく記憶を探られた際に心の底に仕舞い込んだあの時の記憶を思い出してしまったのかも知れん…』
「ごめいとーう」『!?』
空間が歪み、 こいしに瓜二つの影が水晶の目玉の上に降り立つ
「ボスから伝言だよ」
「もう一人の私の記憶を取り戻したければ"こいつ"を倒してあの日見えたモノを直視しろ…だってさ♪」
水晶の目玉の表面に開くリヴァラック。そしてマーヤーの手にしたリヴァピースがそこに嵌め込まれ…
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その瞳を見た瞬間、ハルトマンは思い出した。あの日見た光景と、仲間達の記憶を |
☆
身体を置いて、 視界だけが天高く離れ、登ってゆく。世界がソフトボールから豆粒、芥子粒の大きさに縮み、ついに見えなくなった時… "それ"が見えた
『"この世界"は龍の夢。朝が来れば儚く消える泡沫の夢』
こいしの背後から、ジェナマーヤーが語りかける
『あなたもあのこもどこかのだれかさんのゆめかもしれない。なにもかもあやふやなあなたになにができるのかな?』
仲間たちが戦っている。バロットールに操られるユウゲンやイーヴィライズの住民たちと。
戻らなければ。戻って助けなければ。しかし…
『あなたが、心から"これだけは夢じゃない"ときっぱり言い切ることができれば戻ることはできるよ?もっとも、出来れば…だけどね?』
「…………」
「たとえ私もあの子も夢だとしても…"私が、あの子を好きなこと"。それだけは、確かに…!」
「夢じゃ…ないっ!」
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『……!!』 |
『excellent‼︎』
ここではなく、 そこでもない、 どこかのモニター室。
古明地こいしのその言葉を聞いて、 白衣の科学者は手を打った…
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最終更新:2024年04月02日 08:15