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いつまでも、ずっと

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いつまでも、ずっと


『プロデューサーさん……お客さんの声、すごいですね……!』

ライブが始まる数分前の事だった。
衣装に着替え、私は準備を終えていた。
あとは、時間が来次第ステージに向かうだけである。
それまでの時間を、プロデューサーさんと話そうと思ったのだ。

『私、こんなにたくさんのファンの人とライブが出来るなんて……』
『本当に、嬉しいです!』
『プロデューサーさん、ありがとうございます!』

私が、こんなアイドルになれたのはプロデューサーさんのおかげなのだ。
あの日の静香ちゃんのライブを見たのは始まりだった。
だけれど、そこから受け入れて私を面倒見てくれたのは、プロデューサーさんだ。

『えへへ……私、まだまだ半人前ですから』

でも、私はまだ一人前のアイドルではないから。
もっと、キラキラと輝くアイドルになれるはずだから。

『これからも傍で見ていてくださいね、プロデューサーさん!』

これからも、ずっとプロデューサーさんと一緒に頑張っていけば。
私も一人前のアイドルになれるはずだから。

時間が来た、今からはアイドルとして頑張らなくちゃいけない。


『それじゃあ、行ってきます!』


私は駆けていく。
たくさんの人が待つステージへ。
私達という、アイドルを待っている人たちのために。



◆           ◆           ◆



今、私はステージの上に立っていた。
観客席には、誰もいなかった。
ステージも薄明かりがついているだけで、ライブの時のような明るさはない。

「……」

握っているマイクを見る。
備品として置いてあったものを借りてきた。
電気は通っているため、使用できるのは先ほど確認した。

「……ふぅ」

息を吐いた。
目を閉じる。
誰の声も聞こえない。
でも、ここはステージだ。
だから、私は――――。


歌を歌った。
誰もいなかろうが、ここはステージだから。
アイドルが輝く場所だから。


最初にステージに立ったときは、緊張しつつもワクワクしてた。
それは、今でも同じだけれども。
失敗しちゃわないか不安だったりする。

でも、私には仲間がいた。
初めてのお客さんの前でのライブは、響さん、風花さん、奈緒ちゃん、杏奈ちゃんと一緒だった。
このみさん達のライブの時に、翼と静香ちゃんと一緒に歌った。
ずっと、ずっと誰かと一緒だった。

そう、皆がいたんだ。
皆の声があるから、一人じゃないから、勇気が湧いてきたんだ。
素敵なキセキを起こすことができたんだ。





歌を歌い終わっても、歓声も何もなかった。
当然である、誰もいないのだから。
しばらく、沈黙が続く。


「……やっぱり、ワクワクしない」


その沈黙を春日未来自身が破った。
舞台裏に戻り、台にマイクを置く。


歌ってる時から、楽しくなかった。
観客がいなかった、というのもあるかもしれない。
でも、一番楽しくない原因は明らかだった。

「皆がいないなんて、つまんないよ」

一緒に喜び合う仲間がいない。
それだけで、楽しさがなくなってしまう。
皆がいて、ファンがいて、初めて楽しいんだ。


「……やっぱり、諦めたくなんかない」


もう、日常には戻れないと諦めかけた。
実際問題、元に戻るのは難しいだろう。
でも、歌を歌ってわかった。

自分は、ただアイドルでいたいわけじゃない。
皆と一緒に、楽しみたいのだ。
あのキラキラしたステージを、一緒に。


「一人で生き残ったって、そんなの嬉しくないよ!」


自分ひとり生きて帰って、ステージに立って歌いたいとは思わない。
そもそも、生き残るという事はつまり、皆を殺すことを意味する。
それくらい、春日未来でもわかっている。

そんなアイドルを、アイドルとして、人間として見てくれるファンはない。
誰も知らなかったとして、自分が認めたくはない。
自分に嘘をついたとして、皆がいない。


そして、再びステージに戻る。
周りを見渡すが、やはり誰もいない。
「すぅ」と息を吸った。


「春日未来、アイドルです!」
「プロデューサーさん、私は皆とまた一緒にアイドルがしたいんです!!」
「だから、絶対、何があっても……!」


「私らしい『アイドル』でいます!!」


言い終わると、息を吐いた。
この宣言は、誰も聞いてないかもしれない。
それでも、自分を戒めるのには十分だ。

「……よし、皆を探そう」

近くに置いてあったバックを取り、舞台袖に戻る。
今度、ステージに来る時は……皆で一緒に来るんだ。
そう心に言い聞かせ、外に向かった。


【一日目/朝/E-3コンサートホール・アリーナ舞台袖】

【春日未来】
[状態]健康
[装備]
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(1~2)
[思考・行動]
1:皆でまた、楽しくアイドルがしたい
2:皆を探してプロデューサーさんを止める


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