アバンテJr.


【基本データ】

●全長128mm ●全幅86mm ●全高50mm
●Item No:18014
●本体価格600円 ●1988年12月15日発売
●本体価格900円(2012年5月26日[土]再販時)
●本体価格1,100円(2024年9月再販時)


【本体内容】

RCカーで「アバンテショック」と呼ばれるほどの衝撃を巻き起こしたマシンのJr.版。
そのため、それにふさわしく多くの画期的な新機軸を搭載したTYPE-2シャーシを引っさげて登場した。
TYPE-2TYPE-1で発覚した多くの問題点を解決し、新機軸も多く取り入れ、VSシャーシに至るまでの基礎を確立させた存在といっても過言ではない。
ギヤ比はTYPE-1系列よりも速い5:1と4.2:1を採用。駆動系全体を見てもギヤの半分ほどが刷新された。
また、現在でもその規格が受け継がれる大径ホイールや、それ用の大径スリックタイヤもセットされていた。
スリックタイヤが付属したキットはこのアバンテが初。
その速さは「コロコロ見てフルチューンした俺のファイヤードラゴンが、ノーマルのアバンテにちぎられた」という話までw(まぁギヤ比の違いもあったんだろうけど・・・)



【RCカーについて】

コロコロ等のタイアップでラジコンバギーブームが巻き起こる中、競技用のマシンが台頭し始め、当初タミヤは「組み立てやすさ」「美しさ」にこだわり、また自社でRC大会を主催していたことなどもあり他社とは一歩引いた態度をとっていた。
しかし、ゆえに他社に対して競技用車種の開発には後れをとり、子供たちの間で「タミヤは遅い」という風潮が立ち込め始め、それを見過ごすことが出来なくなり、持てる技術のすべてを集めて開発したのがタミヤ初の本格的競技用バギーRC「アバンテ」であった。
実はこれ以前に発売されたオフロードRC「ポルシェ959」をベースに開発されている。
単純に速さを追求しただけでなくデザインにもこだわり、走りと美しさの両立を目指していた。ちなみに設計者はあの滝文人博士である。
その速さへの追及が後にTRFを設立する事となる。TRFは本来、このRCアバンテのテストチームだったのである。
各種の新規軸により素晴らしい性能を持ち、「美しさ」を追求したそのデザインも相まって非常に高い人気を博したが、空振りに終わった新技術やそれらに起因する・しないに関わらず欠点も少なくはなく、廉価盤だったバンキッシュやアバンテ2001の方が気負いがなく軽いので良く走る、と言われるほどだった。
その為、わずか1年足らずで改良型のイグレスにフラッグシップモデルの座を明け渡す事となった。
しかしこのマシンが残した成果は大きく、後のタミヤRCだけではなく他社の競技用RCにも影響を与えたと言われる。
わずかな販売期間で市場から姿を消したアバンテだったが、そのデザインや専用に設計された各部品・メカニズムに魅せられたRCファンは多く、やがては伝説的な存在となった。
2000年代に入ると、その希少さと人気ゆえ価格がアホみたいに高騰してしまい、しまいには未組み立てのキットがウン十万で取引されるなどラジコン版2000GT状態となっていた。
しかしついに2010年、2011年の復刻販売が発表されこの状況がようやく打破された。
アバンテ(2011)と銘打たれたこのキット(あばんて2011とは全然関係ないよw)は、外見こそ変わらなかったが現代の技術により欠点がほぼ解消され、監修に携わった滝博士をして「今だからこそ出来たアバンテの理想形」と言わしめている。

ちなみに名前の由来は、英語および仏語のavant(前衛的な)に由来する。

2011版はミニ四駆と同じくブラックスペシャルが設定された。

【漫画、アニメでの活躍】

樫本学ヴ作「爆走!ダッシュクラブ」で主人公のマシンとして登場している。

ダッシュ四駆郎でも鬼道院率いるチームUの2軍チーム「U2」がアバンテJr.の改造マシン「クルーセイダー」として登場している。
ちなみに、U2という名前の元ネタはアメリカ空軍およびCIAの高高度偵察機U-2 ドラゴンレディから、クルーセイダーはアメリカ海軍艦上戦闘機F-8 クルーセイダーから来ていると思われ。

2次ブーム以降もレッツ&ゴーにモブとして登場したりミニ四駆DSにライバルマシンとして登場したりと出番は多い。

「レッツ&ゴー!! 翼 ネクストレーサーズ伝」にも、主人公の一人「駿」の初めて作ったマシンとしても登場。
ボディはコックピット以外マーキングされてないが、シャーシがTYPE-2なので間違いなくこの初代。
烈や豪が20代後半ごろの時代の話なのに、えらく渋いチョイスだw
また、駿がコスモソニックを受け継ぐ際、烈が勝負のために相模模型店に展示してあったモノを使っている。

2020年リリースのスマホゲーム「ミニ四駆 超速グランプリ」では初代アプリアイコンを務める。
ゲーム本編ではダッシュ1号・皇帝(タイプ1シャーシ)マグナムセイバーと並ぶ初期車両候補の1台となっている。

【VIP内での評価】


【公式ページ】

  • アバンテJr.
  • クリヤーボディ
  • スモークキャノピー

【備考】

ボディをスモークブラックに変更し、シャーシやホイールの色も変更したブラックスペシャルも登場。

イベント限定でボディをゴールドメッキ、ホイールを蛍光グリーン、タイヤをレッドに変更したチャンピオンズスペシャルという限定キットも販売された。
静岡ホビーショウではボディとシャーシのみ(ギヤやシャフト、ステッカーなどは無し)のボディセット扱いで販売もしていたようだ。

シャーシを無色クリヤー、タイヤをイエローに変更したアバンテJr.スペシャルが、同じTYPE-2シャーシのバンキッシュJr.スペシャルスコーチャーJr.スペシャルと共に90年7月15日に発売になっている。
あれ、なんか忘れてるような・・・

また、21世紀に入ってシャーシをVSに変更してリメイクされたアバンテRSが発売されている。

GUPではア前テ アメリカンという、前ちゃんプロデュースの肉抜きボディ(肉抜きだけじゃなくサスなども省略)が販売されていた。
ようは当時のサイクロンマグナム TRFなどのTRF仕様みたいなもんか。
二次ブーム以降のレーサーにとって、何を持ってアメリカンなのかさっぱり謎。
当初は限定品の予定だったのか、ITEMナンバーが2種類存在する(ITEM 92048とITEM 15087。商品名も若干違う)

ポリ塩化ビニル製のクリヤーボディが第一次ブームの頃に登場(ITEM 15056)し、第二次ブーム後期に再販、さらに2009年4月にも再販されている(ともにITEM 94343)。
そして目出度く通常GUPとして2016年3月5日に復活となった(ITEM 15496)。素材がポリカーボネートになり、ステッカーは透明タイプに変更されている。
他にも、イベント販売用の赤タグパッケージもあったようだ(ITEM 94327)。

さらに、コックピットのみをクリヤー化したアバンテJr.スモークキャノピーがボディ単体でGUPとして発売。


シンガポールなど東南アジアでは、このスモークキャノピーに完全塗装でステッカーまで貼ってあるバージョンも販売されている。
サスペンションなども細かく塗装されていて、ぶっちゃけかなり欲しいw

ミニ四駆PROにも進化型のアバンテ Mk.IIアバンテ Xが発売されている。
また、ミニ四駆REVにもエアロ アバンテ (ARシャーシ)が登場。

2012年5月26日(土)アバンテJr. スポット再販(価格:税込み 945円)
アバンテJr.ブラックスペシャルも同時にスポット再販。

2018年には30周年記念として、ノーマルキットの他にブルーメッキボディと30周年ホイルシールを同梱したアバンテ Jr. 30周年スペシャルキットが販売された。


歴代ミニ四駆売り上げ堂々の1位を誇る(ちなみに2~5位はビクトリーマグナムネオトライダガー ZMCサイクロンマグナムビークスパイダーの順)。
更に2019年にツイッターで行われたミニ四駆総選挙でも第1位を獲得している。
アバンテの高い人気とカリスマ性が伺える。

2024年9月に再販。

最終更新:2024年05月26日 13:07