IPAとは、イソプロピルアルコールの略です。
これにはプラスチック素材をほとんど傷めずに塗料を剥離させる能力があるため、知る人ぞ知る塗装落としの重要アイテムとなっています。
必要なモノ
- 塗装を落としたい対象物
- IPA
- タッパー
- 適当な密閉容器(使用後のIPAの保存用)
- じょうご
- 歯ブラシ
それから新聞紙も敷いておきましょう。結構こぼれます。
あと、できるだけ手袋をして作業した方が良いです。IPAは傷口に入るとめっちゃ痛いです。
IPAは薬局などでも入手できますが、カー用品として売ってる燃料用の水抜き材として販売されているものが安くて手軽に入手出来ます。
その場合、ガソリン車用のモノを買いましょう。ディーゼル用のモノは余計な成分が入っているので、効果が劣る上にプラスチックに影響が出る恐れもあります。
また、ごく稀な事ですが主成分がIPAではない水抜き材も存在するようです。
そのため、成分表示をよく確認してから購入しましょう(水抜き材ではなく、IPAであることが重要です)。
出来るだけ成分がIPA100%に近いものが好ましいです。
漬け置きします
今回、塗装を落とす
スピンコブラ。
リサイクルショップで入手しましたが、以前の持ち主が筆塗りでベタベタ塗っていたらしく筆ムラ色ムラが結構ひどい・・・
と、いうわけでタッパーに放り込んで、IPA漬けにします。ラッカー塗料か水性アクリル塗料ならきれいに落ちます(エナメル塗料はなぜか効果が薄いようです)。
タッパーはしっかり密閉できるものを使用してください。
揮発性の液体で結構においがキツい上、隙間があると減りが速くなります。
どうやらこのボディは水性塗料で塗装されていたようです。
水性塗料の場合、このように漬け込んだ直後から塗料が溶けだし始めます。
ラッカー塗料では溶け出すことは殆どないのですが、数時間~数日付け込めばIPAの作用で塗膜がふやけてダイダロスアタックを食らったゼントラーディー艦のごとくボロボロになります。
数時間付け込んだ状態です。
水性塗料なので、比較的早く塗膜が侵食されました。
なお、シールごと付け込んでもIPAがノリまで溶かしてくれるので、一緒に剥がれ落ちます。
塗膜がふやけたら
後は歯ブラシ等でコスってあげればキレイに塗料が剥がれます。
落ちにくいところがあれば再びIPAに漬けつつ、綺麗になるまで繰り返し洗浄していきます。
最後は水と中性洗剤でキレイに洗い流しましょう(IPAは水溶性なので、最後に水で洗えば流れる)。
多少青みが残りましたが、綺麗に塗装を落とせました。
使用後のIPA
IPAはいくら使用しても、揮発して消滅しない限り塗膜の剥離能力はそのままです。
なので、ここまで汚れても再利用可能で、再び別の塗装済み部品を投入すれば塗装落としが出来ます。
ただし、素材によっては色移りする場合もあるので、それを避けたい場合は新品を使ってください。
再利用したい場合、密閉容器に入れてしっかり封をしておけば長期保存も可能です。
じょうごにろ紙としてティッシュペーパーを敷き、剥離した塗膜のカスをろ過しつつ容器に注ぐと良いでしょう。
最終更新:2016年10月20日 20:11