※注意
塩素系の洗剤を使用します。
くれぐれも換気と取り扱いには注意してください。
立体レイアウトのコースで必要不可欠となってきたマスダンパー。
真鍮製のこのパーツは標準状態では金色、限定品でブラックとシルバーのカラーバリエーションがありますが、限定品ゆえ好きな時に欲しい形の好きな色が手に入りにくいという問題があります。
塗装しているユーザーもいますが、金属への樹脂塗料の定着力は限界があるので、走行中の衝撃などで剥げてくる場合が多いです。
また、何も加工しない標準状態ではいずれくすんでしまいます。それこそみっともない程に
そこで、身近に手に入るもので簡単にシルバーメッキにする方法を紹介します。
必要なモノ
①適度な大きさのタッパー
②トイレ用塩素系洗剤
③電池ボックス
④単三電池×2
⑤メッキ材
⑥水
⑦パーツクリーナー
⑧配線
⑨適当な計量カップ
⑩針金
⑪手袋
⑫研磨剤
これらが作業に必要なものです。
タッパーはあまり大きなものだと電解溶液をたくさん必要としますので、メッキする部品や電極が窮屈にならず適度に収まるサイズにしましょう。
今回は発売されたばかりのスクエア ショートをメッキしたいと思います。
コレならまだカラーバリエーション発売されてないから既製品持ってきたんだろーとか言われないもんねー
作業手順
今回は「電解メッキ」という方法でメッキします。
希塩酸を電解液とし、正極(プラス)側にメッキ材、負極(マイナス)側にメッキする部品を取り付けて電解液中で通電することによってメッキできるわけです(詳しい原理はググってくれw)。
塩素系トイレ用洗剤を希塩酸液として使用するため、通称便所メッキ考案者が最初に使用したとされるサンポールの名をとってサンポールメッキと呼ばれることが多いようです。
表面の研磨・洗浄
まずは研磨剤で表面を一皮むきます。
ピカピカに見えても、真鍮ですのである程度空気に触れていると酸化被膜が形成されています。
酸化膜はメッキの邪魔になるので、綺麗に取り除きます。
電動リューターがあると便利ですね。
次に、研磨剤と研磨剤中の油分などを除去するためにパーツクリーナーで洗浄します。
そもそも金属は油と相性が悪く、パーツ表面に油分が残っているとそこだけメッキが阻害されてムラになることがあるので、綺麗に洗浄しましょう。
また、洗浄後は素手で触らないようにしましょう。せっかく洗っても、皮脂が付いたら台無しです。
メッキ作業
今回電解液として使用するのはコレ↓
その名も「NEOナイス」。
サンポールじゃなくていいの? と思われるかもしれませんが、似たような成分(要はある程度塩酸が含まれているか)であればおk。
むしろ、こちらのナイスの方が着色されていないため透明で溶液内が見やすく、値段も安いためサンポールメッキではよくつかわれるようです。
ダ〇ソーで売ってます。
これをタッパーで5倍に薄めます。
5倍というのは先人たちの経験則。これくらいの濃度で、3V程度の弱い電圧でじっくりメッキしてあげると綺麗に仕上がるそうです。
部品がつかりやすい水位まで注ぎましょう。
今回は錫(スズ)メッキをしようと思います。
錫は鉛フリーハンダとして入手が容易なので、手軽にメッキしたいなら最適です
ホントは丈夫で酸化しにくいニッケルメッキにしたかったけど純ニッケルなんかそうそう手に入らん。
これは成分が99%錫なので、錫メッキの材料として使用できます。
電源は3V程度あればいいので、
ミニ四駆用の単3電池で十分です。
配線さえあれば、電池ボックスはホームセンターとかで100~200円で売ってるものでおk。
電解液中にメッキする部品を吊るすための電極ハンガーを針金で造り、そこにパーツを吊り下げます。
私はこのような形にしましたが、皆さんやり易い形に好きに作ってください。
適当な長さに切りだした鉛フリーハンダを電解液に沈むようにこんな形にして、
配線をつないで電解液中に沈めます。
通電が始まると、負極側(部品を吊るした方)からブクブクと発泡しだします(逆側から大量の泡が出ると配線が逆になっています。その時はつなぎなおしましょう)。
横から見るとこんな感じ。
しばらく放置したらこんな感じに、負極の電解液に付けた部分がモコモコした灰色の結晶で覆われました
何この汚いマリモ。
取り出してきれいな水でサッと洗って、表面のモコモコを落とします。
最後に表面に残った灰色の幕をふき取ってあげれば、白銀色にメッキされた部品が姿を現します。
そのままでは白っぽく曇っているので、気になる人は研磨剤できれいに磨いてあげると良いでしょう。
但しやりすぎると角の所からメッキが剥げるので注意しましょう。
左が研磨前、右が研磨後です。
判り難いですが、研磨すると白っぽさが取れて綺麗な銀色になります。・・・まぁ錫なので暫くするとまた若干くすんできますが
だからニッケル欲しかったんだよおぉぉぉぉ。
後は好きなところに取り付ければ完成です。
なお、使用後の溶液は塩酸が飛ばない限り繰り返し使えます。
むしろ、溶液中にメッキ材の金属イオンが多量に溶け込んでいるため、次にメッキする時に有利に働くと言われています。
但し、メッキ材を変えるときは別の電解液を用意しましょう。
最終更新:2017年10月15日 07:44