「・・・ここ、は、」
薄らと開けた瞳。
目に映るは、暗黒の外。少し肌寒い。
未来世界へと戻ってきたのか、との淡い期待を抱いたが、
直ぐ傍にまた死体が散乱していたのを見つけまだ此処が夢の中だという事を悟る。
(確か、此処で少女を見つけて・・・それで手をかして・・・)
少し思考を巡らせるが、何が起きたのか分からない。よって、この話は打ち止めとした。
また周りを見渡す。
何回か訪れを経験した、そう、悪夢の中の夜。
星なんて見えやしない。あるのは漆黒の空と、それを覆うようなどす黒い雲。
気持ち悪いじとりとした空気。あまり遠い所までは見渡せない。
「・・・寒い、な。」
小さく溜息。
「 見 つ け た 。 」
「っ・・・!?」
急に、かけられる声。
そちらを向く前に、足場が貫く岩へと変わっていく。
慌ててバランスを取りながら声の主から距離を取る。
「だ、誰だっ!?」
狙われる心当たりは特に無し。
・・・だった、が。
相手の姿を見た瞬間、悟った。
「レイを、返せよ。」
ゆらりと笑う彼・・・いや、彼女は。
『捜し人の"片割れ"』を慕う、パートナー。
ラグラージのウズミだった。
思考が凍る。
本能で、体が動く。
元自分の居た場所が彼女の放った『れいとうビーム』に凍りついた。
今待てと叫んでもきっと彼女は止まらないだろう。
自分は彼女の最愛の人を無くしたも同然の相手。
ふと自分の中に、とある考えがよぎる。
(死ねば、夢の中から出られるんじゃないのか?)
一瞬、思考に体を支配され、足が止まる。
眼前に、彼女の放った冷風が迫っていた。
止まった足が、凍りつく。
「捕まえた。」
ゆらり、彼女が笑う。
貫かれる、緑の体。
「これでレイは僕のものだ。」
Barrenwort = イカリソウ(あなたをとらえる)