「・・・て・・・・・・きてくだ・・い・・・・・起きてください!」
(ちょっと!さっさと起きなさいよこの馬鹿!)
「っ・・・・・ぅあ゛っ?!」
「痛っ!?」
遠い過去に聞いていた声が聞こえた気がした。
バッと上体を起こすと、声の主と頭を盛大にぶつけ合った。
「わ、悪い・・・」
「痛いですよ・・・」
額を摩る相手が、視界に入る。
見慣れた、金の髪。
「レイ・・!?」
「此処では無/ゼロですけどね。」
苦笑する相手は、彼女・・・岬の捜し求めていた張本人だった。
「吃驚しました。見知った顔がこんな所で寝ているんですから。」
確かに、"こんな所"で寝るのはどうかしているかもしれない。
周りは無造作に地面から生えた岩に囲まれ、それも所々凍りついたり砕かれた跡がある。
しかし・・・寝ていた?自分は確かにあの時死んだはずなのに。
自分の体を見れば、寝違えて痛むところはあるものの、怪我などは見当たらない。
(この中では死んでも出られないってことか・・・。)
少し残念だったが、確信した。
此処は現実世界では無い。
「それにしても・・・そうか、レイまでこっちに来てたのか・・・。」
「アインさんの他に誰か居たんですか?」
「あぁ・・・・・・・・、待てよ?」
今、こいつは俺のことを何と呼んだ?
"ein"は、この中での俺の名。そして、未来世界での俺の名。
しかし目の前のこいつは、俺が名乗っても居ないのに俺の事をアインと呼んだ。
こいつが知っている俺の名は"エイネル"の筈なのに。
そもそも、チーム『ノクターン』の"レイ"はこんなに小さくないはずだ。
幼い顔立ちには、ライチュウ特有のあの耳が見当たらない。
そう、その姿はまるで未来世界の”天上院 零”。
「・・・どう、しましたか?」
もしかするとこれは、大変な状況になっているのかもしれない。
それでも、こいつと居れば何か思い出せる。そんな気がした。
Snowdrop = スノードロップ(慰め、希望、まさかのときの友)