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私とワルツを

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mato4869

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私とワルツを


一曲、私といかがかしら。



少女の差し出す手には不思議な魅力があった。
それは彼女が先刻嘯いていた言葉の魔法かもしれない。
『貴方は生きていたいと、思ってる?』
鈴の音のような声なのに、胸の奥でどろりと揺らめく。
変わらぬ赤い空は想う心を摩耗させ、
散らばる赤い躯は思う心を摩耗さす。
残ったものはなんだろう。
脊髄が虚空への飛翔を命じ、衝動が過ぎ去る頃に苦笑で濁す。
その繰り返しだ。
なぁお嬢さん、正直に言おうか。
どっちでもいいんだ、そんなもの。

ああきっと、これも衝動なのだろう。
少女の白い手に自分の手を重ね た。


赤くても黒くても、住む人の心は変わらないのね。
横たわった死体のやすらかな寝顔になんともいえない気分になる。
私はただ利用させてもらっただけなのだけど、彼らはきっと別の意味で捉えてるから。世界から、ようやく解放させてくれた、と。
「…可哀想な人たち。」
心を殺がれた人たちはとても哀れ。だってそんなの死んでるも同然。心臓が動くかどうかなんて関係ないのよ。
想わない人は、想えない人は、死んでるも同然。
誰かを何かを想わない人は、生きてるって言えない。
「ごめんなさいね。」
だから私は、頂くの。
つないで"心中した"手をそっと離して、白い手のひらにキスをする。
「好きなんだもの。」
私は生きるわ。愛しい彼と死ぬために。


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