ドラえもん・のび太のポケモンストーリー@wiki

バトルロワイヤル その1

最終更新:

akakami

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※注意

  • 作中、かなりグロいシーン連発です。苦手、不快だと思う方は
 読むのをお止めください。
  • 登場人物は全て作者やその関係者です。
 了承はとっていないので、批判があったら即終了です。
  • 足の長い人は嫌いです。(個人的に)

まぁ自己責任で



<序章>
「そんな! 何でこんな田舎の学校に……!」
まだ若い教師、ドラーモンが机を叩く。
それに尻込みすることもなく、wikikanは冷たく言い放った。
「政府の命令です。逆らうと貴方、死にますよ?」
「私のクラスの生徒は誰一人として殺させはしない!」
ドラーモンの叫び声が終わると同時に、職員室に乾いた音が響いた。
「従えば死ぬことは無かったでしょうに……」
wiki補佐は「バカですねぇ」と呟きながら、手の拳銃を腰に収める。
Wikikanは机に乗せた足を荒々しく下ろすと、校長室へと向かう。
「後1時間後に始めるぞ、用意はいいな?」

既に冷たくなったドラーモンの右手にはクシャクシャになった紙が握られている。
その紙には、「第1回 校内バトルロワイアル」と黒字で大きく印刷されていた。

ガラガラと扉の開く音がし、各自着席する生徒達。
教室に入ってきたのは見慣れない顔の人だ。
教室内はその事態に少々騒がしくなっている。
「静かにしろ」
wiki補佐の声を上げるが、お喋りな面々は一向に黙る気配は無い。
「静かにしろって言ってるだろ!」
怒鳴り声に流石に驚いたのか、教室のザワメキは消える。
「……今からお前らにちょっと殺し合いをしてもらう」
「え!? 殺し合いだっ……」
プラチナの声は銃声と共に掻き消えた。
顔が半分飛び散る。
ゼリー状の何かが床にボトボトと落ちた。
プラチナの後方からは、叫び声と言うか、金切り声と言うか、
もしくは両方か、そんな声が教室内を支配した。
「ルールを守らないとこうなる」
wiki補佐は「予定が少し狂ってしまったな」と手にしたプリントに何やらメモをする。
「さて、お前達には少し眠ってもらう。
 目覚めた瞬間からゲームスタートだ、分かったな」



<殺し合い>
目が覚めると、俺は音楽室の隅で横になっていた。
俺はバッと体を上げ、起き上がる。
その瞬間、先ほどの出来事を思い出してしまった。
飛び散る「何か」。滴る血。物凄い叫び声。
一瞬吐き気を催すも、気持ちを落ち着かせる。
「そうさ、何かが間違ってるんだ。殺し合いなんかあるハズが無い……」
俺は自分に語りかけるかのようにぶつぶつと呟く。
改めて教室内を見回す。
窓から見えるのは暗い校庭。
壁のベートーベンやら何やらも怖いとすら感じる。
「ん? このバックは……?」
足元に少し大きめのリュックが置いてあった。
俺は震える手でリュックのチャックに手を当てる。
「これは……!」
俺は慌てて一枚の紙を手に取り、目を走らせる。

 第一回校内バトルロワイアル 大会規約
  • 生徒29名は最後の一人になるまで殺しあうこと
  • 3日間以内に決着が着かなかった場合、全員についている首輪を爆破する
  • 校内にあるものだったら何を使っても良い
  • 校外に出た者の首輪は爆発する
  • 一定時間ごとに3階から順に禁止エリアとしていく
  禁止エリアとなった場所に立入った者、もしくは居た者の首輪は爆発する
(以下略)

大会規約を読み終わった俺はプルプルと小刻みに震えていた。
(そんな! 今日が終わったら冬休みだったんじゃないのかよ……!)
俺は無言で床を叩き付ける。
辺りは変わらず、冷たい空気が漂っていた。
気を間際らすためか、俺は必死にリュックの中を漁る。
出てきたのはペットボトルに入った水、そして大きめのコッペパン。
それと……ナイフ。
俺はとりあえず教室の隅でじっとしていることにした。
殺し合いなんかしたくない、俺たち外伝組の奴らが殺し合いなんかするハズがない。
そうだ、コレは悪い夢なんだ……。
マブタを閉じかけた瞬間、大きな音が校内に響く。
(じゅ、銃声……!!)
俺は真っ白な頭を抱え、ただ下を向いていた。
目から一筋の水滴が流れ、「ドラミ」と書かれた名札に落ちる。
ドラミは恐怖の中、ただ教室の隅で震えていた。



<殺し>
一通り大会規約を目にした挑戦者は、ピストルを手に取る。
「……殺し合い、か……」
俺はしばらくまじまじとピストルを眺めた後、立ち上がった。
暗い教室をとりあえず見回す。
壁に貼られた学級目標……どうやら此処は3-Aの教室のようだ。
と、なると此処は2階。
つまり北棟だ。
銃の扱いは良く分からないが、引き金を引けば弾が出て人が死ぬ。
……何だ、引き金を引くだけで人が死ぬんじゃないか。
簡単だ、そのまま殺し続ければ俺は最後の一人となり、もとの平和な生活に戻れるんだ。
俺はさほど重くも無いピストルを片手に足音と息を殺し教室を出る。
その時、ヒソヒソと話し声が聞こえた。

――近い、かなり近い。
俺は興奮しながらも冷静だった。
こう言うと変な感じだが、何と言うかそんな言葉しか今の俺に当てはまるものは無い。
手汗を仕切りにズボンで拭きながら話し声の近くへと歩み寄る。
……A階段の踊り場からだ。
暗くてよく分からないが、2人居ることは確かだ。
「誰だ?」
話し声が止まる。
しばらくすると聞きなれた声で返事がきた。
「その声は挑戦者か? 俺は新カントーだ。
 ついでにドラAAモンも一緒だ」
「殺し合いなんかしたくねぇよ……」
ドラAAモンが溜息混じりに呟いたとき、俺は目を凝らし、2人の居る場所を把握する。
……昔からコイツ等は好かなかった。
新カントーは俺の邪魔ばっかり。
ドラAAモンはバカ騒ぎしてウザいだけ。
右手に力が篭る。……こんな邪魔な奴ら、俺に消されて当然なんだ。
「なぁ、挑戦者も俺達と一緒に」
「ヤダね」
俺は素早く新カントーの額に銃口を向け、引き金を引いた。
ドサッと新カントーが倒れる音がする。きっと即死だろう。
「ドラAAモン、お前殺し合いしたくないんだな?
だったら俺が殺してやるよ」
ドラAAモンの顔は恐怖そのものに変わる。
俺は続いて2発目を放った。
「う、うあああ!!」
階段を駆け下りる音が響く。
間一髪のところであの野郎、逃げ出したがった。
「……殺すのなんてどうってことないじゃないか
 これなら俺が勝ち残るな……」
笑いを堪えながら挑戦者は次なる獲物を捕らえるべく、南棟へと向かう渡り廊下へと
歩き始めた。



<把握>
「はぁ……どうしたらいいものか」
リュックの中を一通り確認したアクアマリンは体育座りのままぼーっとしていた。
それもそのはず、武器がDSだから。
多分此処は部室。
どうやら此処も校内に含まれるようだ。
何と言うか、独特の臭いが部屋を支配している。
「仕方ない、暇つぶしにゲームでもするか」
どうせ俺が此処にいるとは誰にも分からないはず。
それなら皆が適当にやりあっててくれれば結構。
俺は寒さに悴む手を温めながら、DSのスイッチを押す。
「……これ、は……」
俺は咄嗟に息を飲み込んだ。
これは地図のようだ。
校内に赤い点々が各地にある。
その上には番号が振られていた。
そして右下には残り29人中27人と書いてある。
多分、残り人数の事だろう。
俺は赤い点々をひたすらに見つめた。
まだ大半は動いていない。
強いて言うならば……12番が13番かなり動き回っている。
……出席番号12番は「挑戦者」。13番は「ドラAAモン」だ。
「プラチナはもう居ないはずだから……新カントーが……」
きっと殺したのはどちらかだ。
つまりコイツ等は要注意人物となる。
俺は2人の動きに注意しながらも画面を食い入るように目をはる。
「えーと……これはビギナーとチュシコク、か……」
2人は職員室の隅で固まっている。
他はまだ単独行動のようだ。
(これなら、俺が勝てるかもしれない……!)
俺は小さくクシャミをすると、また画面へと目を写した。



<説得>
「ハリセンはいくらなんでもないよなぁ……」
職員室の隅で溜息をついているのはビギナー。
先ほどの銃声を聞いてからは自分の武器の弱さに嘆いているところだった。
「さっきの銃声、やっぱり拳銃とか貰ってる奴ら居るんだろうな……
 もし遭ったら勝ち目無いよなぁ……はぁ」
俺は再度深い溜息をつくと目を瞑った。
もう深夜だ。眠い。
俺がウトウトし始めたとき、誰も居ないはずの職員室に声が出た。
「ビギナー? 居るの?」
「その声は……チュシコクか」
「う、うん」
チュシコクはキョロキョロと辺りを警戒するように見回しながらこっちに近づいてきた。
「僕の武器、シャーペンの芯だよ。もうね、アホかと」
チュシコクは「ほら」と一本のそれほど長くも無いシャー芯を見せてきた。
(これならまだハリセンの方がマシか……)
「ところでビギナー、僕殺し合いなんかしたくないよ……」
チュシコクの顔は曇る。
それは俺も同様だったかもしれない。
「俺も、だよ」
「ね、ねぇ! 皆に止めるように呼びかけない? 皆ならきっと分かってくれるよ!」
「でも全員に呼びかけるって……あぁ、放送室か」
俺は言いかけたとき、ふと思い出しまた悩む。
校内放送なんかしたら場所は一発でバレる。
そんなことしたらチュシコク自身が危ないのではないか?
しかし、その時俺には何かが、何かが乗っ取っていた。
「そうだね、それがいいよ。
 俺は此処で待ってるから、頑張って来い。
 皆分かってくれるさ」
「そ、そうだよね……」
チュシコクは少し顔を引きつらせたが、笑顔を見せた。

チュシコクが去った後、俺はただ頑なに座り込んでいた。
多分、チュシコクは死ぬだろう。
そうなれば殺したのは俺同然。

いや……違うさ。
アイツが勝手に行くって言い始めたんだ。
俺は、俺は悪くない。
悪くないさ……

ビギナーは呪文を唱えるかのように「悪くない、悪くない」と呟いていた。



<鉄砲>
俺こと、金銀物語!宜しくな!
……何言ってんだろ、俺。
理科室の片隅に小柄な少年がふぅ、と溜息をつく。
「水鉄砲で何が出来るっつーの、ふざけてるよまったく……」
先ほどの銃声といい、他の奴らはどうも強い武器を持っているようだ。
鉄砲と言う点では同じだが、あっちは弾だ、弾。
こっちは水だよ、もう嫌になるさ……
半ば鬱状態だった俺に、ふと名案が浮かぶ。
「そうだ、塩酸とかを水の代わりに入れればそれなりにはいけそうだ……」
俺はそう決めると、立ち上がり、理科準備室へと小走りで向かう。
幸い鍵は開いていた。
俺は茶色いビンを片手に、水鉄砲を取り出す。
「コレを入れれば……」
一通り塩酸や石灰水や他色々入れた鉄砲。
中の液体は気持ち悪い感じの色となっている。
理科は苦手だったので適当に混ぜたけど……爆発とかしなくて良かった。
その時、頭上から大きな声が聞こえた。

チュシコクの声だ――

「皆!チュシコクだよ!
 僕、殺し合いなんかしたくないよ!
 話し合えばきっと解決の道はあるはずだよ!」
鼓膜が破けそうな声が耳部屋を支配する。
俺は堪らず耳を塞いだ。
きっと音量は最大だろう。
(バカ、そんなこと放送したら自分の居場所がバレるって言うのに……)
俺は力の限り耳を塞ぎながら、その場に座り込んだ。
その時、チュシコクの叫び声とは少し違う音が聞こえた。
……多分ドアを開ける音か何かか。
「チュシコク、お前も馬鹿だな。自分の居場所を教えてるようなもんだぜ?」
赤髪の声だ。
心なしかその声は震えているようにも感じられる。
「あ、かかみ……」
ガタッと椅子から跳ね上がる音がしたかと思うと、今度は気持ち悪い音と
叫び声がマイク越しに聞こえた。



<赤髪>
死ぬんだ、僕は死ぬんだ、此処で。
赤髪の日本刀は僕の足を掠った。
物凄い勢いで血があふれ出し、水溜りならぬ血溜りを作る。
しかしそれっきり赤髪は何も行動を起こさなかった。
「何で、何でトドメを刺さないんだい?」
チュシコクの震えた声が気に障ったのか、赤髪は肩を震わせる。
「……ごめん、な」
赤髪が小さく呟いたかと思うと、右手がスッと僕の真横を通る。
真一文字に体を切られた僕は、その場に蹲った。
もう、歩けないし、痛くて痛くて、何も出来ない。
薄れる意識の中、僕はぼやけた視界の中、赤髪を見つける。
「あり……がと」
チュシコクは一言言い終わると満足げな顔をして静かに息を引き取った。

残り26人



<ダイブ>
目覚めたとき、俺は屋上のど真ん中で寝そべっていた。
「寒!」
両手で肘を押さえ、いかにも「寒い」と言うような格好をする。
先ほど確認したが、俺の武器は手榴弾(みたいなもの)が2つ。
降り続く雪の中、俺は3階への道のすぐ近くで蹲っていた。
一刻も早く校内に入らないと凍死してしまいそうだが、窓ガラスにチェーンが張り巡らされているし、鍵がかかっているので簡単には開いてくれそうにも無い。
(コレを使えば多分開くんだろうけど……大事な武器を使うかどうか、だ)
2分ほど考えた末、俺は武器を使うことにした。
ピンのようなものを抜き、窓ガラスの近くへと投げ捨てる。
俺は全力疾走で反対側に駆け抜けた。
数秒ほどすると、それなりの大きさの爆発音が辺りに響く。
「やった……開いた」
が、問題はそこからだった。

俺が校内に入ろうとした瞬間、コツコツと誰かが階段を登ってくる音が聞こえたのだ。
咄嗟に全神経を尖らせ、その足音の正体だけに集中する。



「お前か、ギンガ」
片手に銃のような物を持った少年が俺を睨みつける。
……未来大冒険だ。
「俺を殺す気なのか?」
「……まぁ、そんな感じかな」
未来大冒険は短くそう言うと俺に銃口を向けた。
未来大冒険がゆっくりと、近づいてくる。
俺たちはしばらくスローの鬼ごっこを続けた後、手すりの近くで止まった。
雪が音も無く屋上のアスファルトにゆっくりと、着地し、溶ける。
「死ね!」
未来大冒険が遂にその人差し指を引いた。
俺は成す術を無く、後ずさりした。
その時だった。
雪に足を滑らせた俺は思い切り尻餅をついた。
……弾は、当たってない。
すぐ2発目が飛んでくると思ったが、その様子は無い。
(もしかして一発撃ったら終わりなのか?)
俺は確信した。
神は居た。しかも俺の味方をしてくれる。
オロオロする未来大冒険に、俺は渾身のタックルを決めた。
それほどガッチリとした体系でも無い未来大冒険の体は浮いた。
その勢いは手すりさえ越える。
「お前も、だあああ!!!」
不意に俺の手首を引っ張る未来大冒険。
勝利を確信していた俺に予想外のトラブルが起きたのだ。



「放せよ!」
何とか両脇で手すりにぶら下がる俺だが、下半身が異常に重い。
それもそのはず、未来大冒険が俺の足首を掴んで放さない。
まるで映画のワンシーンのようだが、今俺は見てる側じゃない。
死ぬもぐるいで振り落とそうとするが、未来大冒険は一向に放そうとしなかった。
(ヤバイ、これじゃ後30秒ももたないぞ……!)
その時、又も神は俺の味方をしてくれた。
リュックの中から手榴弾が一つ落っこちたのである。
その先端が未来大冒険の目に刺さった。
「キャアアアアアァァアアァァアア!!!」
まるで女のような叫び声が下の方で聞こえたかと思うと、今度はグシャッと
やけに気持ち悪い音がした。
滑りそうな手すりを何とか登った俺は、息を荒くしながらも、柵に寄りかかった。
俺はなるべく下を見ないようにしながら、屋上から逃げるように3階へと向かった。


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