戦いは、佳境を迎えていた。相手は古より伝わる悪魔そのままの姿をした、魔王。
「これで、終わり!」
魔剣使い、七瀬晶の一撃が正確に心臓を刺し貫く。そして、魔王が倒れ込む。
「くはははは。おめでとう。私の負けだ。だが、私は蘇る。すぐになあ」
そう言って魔王は消え去る。一見すれば負け惜しみにも聞こえる魔王の最後の言葉を、晶は悔しそうに聞いていた。
魔王の言ったこと、それは事実だった。どれだけ深手を負わせても、決して滅することはできない。
1ヶ月もすれば、奴はまた蘇り、再び襲ってくるのだ。
「クソッ!」
晶は悔しそうに吐き捨てた。
「これで、終わり!」
魔剣使い、七瀬晶の一撃が正確に心臓を刺し貫く。そして、魔王が倒れ込む。
「くはははは。おめでとう。私の負けだ。だが、私は蘇る。すぐになあ」
そう言って魔王は消え去る。一見すれば負け惜しみにも聞こえる魔王の最後の言葉を、晶は悔しそうに聞いていた。
魔王の言ったこと、それは事実だった。どれだけ深手を負わせても、決して滅することはできない。
1ヶ月もすれば、奴はまた蘇り、再び襲ってくるのだ。
「クソッ!」
晶は悔しそうに吐き捨てた。
「ご苦労様でした。晶殿。これでしばらくは奴も大人しくしておりましょう」
額に石を埋め込んだ青年が言う。彼はアルフ、このミッドガルドにおいて、最も発達した文明を持つ種族だった。
「いえ…私では、どうやってもあれを倒すことは出来ませんから…」
晶は疲れた声で言った。
「倒せないのは仕方ありません。それに晶殿の知識のお陰でレーヴァテインの研究も順調に進んでおります。いずれ奴を封印することも出来るでしょう」
「…そうですね。それまでは私も精一杯頑張ります。少し、休ませてもらいますね」
そう言って部屋を出て行こうとする晶を、アルフの青年、ここの指導者だ、が呼び止めた。
「…ときに晶殿」
「何ですか?」
晶は振り向いて、固まった。目の前の男は笑っている。笑っているが、目が笑っていない。
「貴方には感謝しております。私たちでは為す術がなかったあれと戦う事が出来、新たな知識ももたらしてくれた。ですが…若い者に変なことを吹き込まないで頂きたい」
「…変なこと?」
気圧されながら、晶は聞き返す。
「はい。最近の若い者は、口を開けばホワイティだのゴレンジャイだのスパムだの口走り、言葉も乱れております。聞けばこれらの話は晶殿から聞いたとのこと。
彼らはこれからのアルフを担うものたち。あまり変なことをお教えにならないよう、お願いしますよ」
額に石を埋め込んだ青年が言う。彼はアルフ、このミッドガルドにおいて、最も発達した文明を持つ種族だった。
「いえ…私では、どうやってもあれを倒すことは出来ませんから…」
晶は疲れた声で言った。
「倒せないのは仕方ありません。それに晶殿の知識のお陰でレーヴァテインの研究も順調に進んでおります。いずれ奴を封印することも出来るでしょう」
「…そうですね。それまでは私も精一杯頑張ります。少し、休ませてもらいますね」
そう言って部屋を出て行こうとする晶を、アルフの青年、ここの指導者だ、が呼び止めた。
「…ときに晶殿」
「何ですか?」
晶は振り向いて、固まった。目の前の男は笑っている。笑っているが、目が笑っていない。
「貴方には感謝しております。私たちでは為す術がなかったあれと戦う事が出来、新たな知識ももたらしてくれた。ですが…若い者に変なことを吹き込まないで頂きたい」
「…変なこと?」
気圧されながら、晶は聞き返す。
「はい。最近の若い者は、口を開けばホワイティだのゴレンジャイだのスパムだの口走り、言葉も乱れております。聞けばこれらの話は晶殿から聞いたとのこと。
彼らはこれからのアルフを担うものたち。あまり変なことをお教えにならないよう、お願いしますよ」
「はぁ…」
自室のベッドに倒れ込み、晶はため息をついた。そして壁に飾られた自らの使う魔剣とまったく同じ形の魔剣を見る。
「柊くん、無事なのかな…」
あの戦いのあと、色々と聞き回っては見たものの、柊らしき人物はついに見つからなかった。
「おみそ汁、食べたいな。ガキ使取ってるHDD,そろそろいっぱいになってるよね。みんな、元気にしてるかな…」
アルフたちと話しているときや戦っているときは、まだいい。こうして1人になると、無性に泣きたくなる。
「柊くん、会いたいよ…」
知らず知らずのうちに晶は思い人の名前を口走る。その時だった。
「う~ん。こんなのが本当にファルガイアを救えるのか?」
「誰ッ!?」
突然の声に晶は驚いて振り向く。
「ボクは、ダン・ダイラム。これでもガーディアン…君に分かるように言うと世界の守護者の1人さ」
そこに立っていたのは、二足歩行の猫だった。
「守護者?ミッドガルドの?」
どう見てもそんなご大層なものに見えなかったが元々いたファー・ジ・アースの守護者が女の子なのは知っている。
ならば異世界の守護者が二足歩行の猫と言うのもアリなんだろう、と。
だが、猫はクビを振って答える。
「いいや。ボクはファルガイアの時空を司るガーディアンさ」
「ファルガイア?」
聞いたことのない世界だ。
「そう、ファルガイア。まあ一言でファルガイアって言ってもたくさんあるんだけどね」
「それで、そのファルガイアの守護者がなんの用なの?」
つかみ所の無い猫に、晶は少しいらつきながら聞く。
「ああ、実は君にファルガイアを救って貰いたいんだ」
猫の言い出したことはとてつもないことだった。
「へ?救う?」
思わず、聞き返す。
「うん、そうそう。君には一緒にファルガイアに来て、助けて貰いたいんだ。君なら出来るって言われたからね」
その言葉に、晶は弱気になった。この世界に来ることになったのも、自分の力不足が原因なのだ。正直、自信が無い。
「そんな…無理だよ。大体、だれがそんなこと言ったの?」
その言葉を聞き、猫はしばらく部屋を見渡し、ニヤリと笑って、部屋の一カ所を指さして、笑みを浮かべて、言う。
「ああ、あれあれ。あれの使い手」
「柊くんが!?」
その言葉に、晶は驚いた。猫が指さしたのは、壁に飾ってある魔剣。柊蓮司の魔剣だったのだ。
「そうそう、そのヒイラギクン。むしろ君がいないとどうしようもないって言ってたよ」
柊蓮司は、生きていた。だが、自分と同じく異世界、自分とは違う、ファルガイアと言う世界に飛ばされた。
そして、自分に助けを求めた。それは晶ならやってくれると信じてくれたから。そんな考えが晶の頭に浮かび、晶の心に希望の光をともらせた。
晶は立ち上がり、拳を握って高らかに宣言した。
「私、やるよ!ファルガイアを救う!」
晶の言葉を聞いて、猫は更に笑みを深める。それはまるで詐欺師のような笑みだった。
「よし、そうと決まれば早速行こうか」
そう言って次元の穴を開き、晶の手を引っ張る。その勢いに晶は押されつつ、言う。
「ちょっと待って、柊くんの魔剣も持ってかないと困るんじゃないの?魔剣のない魔剣使いは、ただの使いだよ?」
「ああ、大丈夫大丈夫。それと、ボクが出来るのは案内までだから。向こうに着いた後は頑張ってね」
「へ?ちょっとーーー!?」
抗議の声と共に1人と1匹が消える。そして後には、誰もいない部屋だけが残された。
自室のベッドに倒れ込み、晶はため息をついた。そして壁に飾られた自らの使う魔剣とまったく同じ形の魔剣を見る。
「柊くん、無事なのかな…」
あの戦いのあと、色々と聞き回っては見たものの、柊らしき人物はついに見つからなかった。
「おみそ汁、食べたいな。ガキ使取ってるHDD,そろそろいっぱいになってるよね。みんな、元気にしてるかな…」
アルフたちと話しているときや戦っているときは、まだいい。こうして1人になると、無性に泣きたくなる。
「柊くん、会いたいよ…」
知らず知らずのうちに晶は思い人の名前を口走る。その時だった。
「う~ん。こんなのが本当にファルガイアを救えるのか?」
「誰ッ!?」
突然の声に晶は驚いて振り向く。
「ボクは、ダン・ダイラム。これでもガーディアン…君に分かるように言うと世界の守護者の1人さ」
そこに立っていたのは、二足歩行の猫だった。
「守護者?ミッドガルドの?」
どう見てもそんなご大層なものに見えなかったが元々いたファー・ジ・アースの守護者が女の子なのは知っている。
ならば異世界の守護者が二足歩行の猫と言うのもアリなんだろう、と。
だが、猫はクビを振って答える。
「いいや。ボクはファルガイアの時空を司るガーディアンさ」
「ファルガイア?」
聞いたことのない世界だ。
「そう、ファルガイア。まあ一言でファルガイアって言ってもたくさんあるんだけどね」
「それで、そのファルガイアの守護者がなんの用なの?」
つかみ所の無い猫に、晶は少しいらつきながら聞く。
「ああ、実は君にファルガイアを救って貰いたいんだ」
猫の言い出したことはとてつもないことだった。
「へ?救う?」
思わず、聞き返す。
「うん、そうそう。君には一緒にファルガイアに来て、助けて貰いたいんだ。君なら出来るって言われたからね」
その言葉に、晶は弱気になった。この世界に来ることになったのも、自分の力不足が原因なのだ。正直、自信が無い。
「そんな…無理だよ。大体、だれがそんなこと言ったの?」
その言葉を聞き、猫はしばらく部屋を見渡し、ニヤリと笑って、部屋の一カ所を指さして、笑みを浮かべて、言う。
「ああ、あれあれ。あれの使い手」
「柊くんが!?」
その言葉に、晶は驚いた。猫が指さしたのは、壁に飾ってある魔剣。柊蓮司の魔剣だったのだ。
「そうそう、そのヒイラギクン。むしろ君がいないとどうしようもないって言ってたよ」
柊蓮司は、生きていた。だが、自分と同じく異世界、自分とは違う、ファルガイアと言う世界に飛ばされた。
そして、自分に助けを求めた。それは晶ならやってくれると信じてくれたから。そんな考えが晶の頭に浮かび、晶の心に希望の光をともらせた。
晶は立ち上がり、拳を握って高らかに宣言した。
「私、やるよ!ファルガイアを救う!」
晶の言葉を聞いて、猫は更に笑みを深める。それはまるで詐欺師のような笑みだった。
「よし、そうと決まれば早速行こうか」
そう言って次元の穴を開き、晶の手を引っ張る。その勢いに晶は押されつつ、言う。
「ちょっと待って、柊くんの魔剣も持ってかないと困るんじゃないの?魔剣のない魔剣使いは、ただの使いだよ?」
「ああ、大丈夫大丈夫。それと、ボクが出来るのは案内までだから。向こうに着いた後は頑張ってね」
「へ?ちょっとーーー!?」
抗議の声と共に1人と1匹が消える。そして後には、誰もいない部屋だけが残された。
かつて尊い犠牲を払い、ファルガイアは救われた。全てが終わった後、ARMSは解散され、メンバーはそれぞれの道を歩み始めた。
それから2年。この物語は始まる。それは、2つのファルガイアと2つの異世界を結ぶ物語。
それから2年。この物語は始まる。それは、2つのファルガイアと2つの異世界を結ぶ物語。