「…ようやく来たか」
テレポートジェムを使い、バスカーの村へとやってきた5人を、カノンがどこか疲れた顔で出迎える。
バスカーの村の入り口、そこには異常な数のモンスターの残骸が転がっていた。
「遅れてすまなかった。まさかここまで発生しているなんて…」
それを見たアシュレーが申し訳なさそうに言う。
だが、カノンは首を横に振って答えた。
「かまわん。これをやったのは私でもティムでも無いからな」
「…どういう事だ?」
ブラッドが首をかしげた。それにカノンが黙って村長の家の方にあごをしゃくって見せる。
「…まあ、見れば、分かる」
テレポートジェムを使い、バスカーの村へとやってきた5人を、カノンがどこか疲れた顔で出迎える。
バスカーの村の入り口、そこには異常な数のモンスターの残骸が転がっていた。
「遅れてすまなかった。まさかここまで発生しているなんて…」
それを見たアシュレーが申し訳なさそうに言う。
だが、カノンは首を横に振って答えた。
「かまわん。これをやったのは私でもティムでも無いからな」
「…どういう事だ?」
ブラッドが首をかしげた。それにカノンが黙って村長の家の方にあごをしゃくって見せる。
「…まあ、見れば、分かる」
「と、言うわけで少年よ。我輩との契約に応じるか否か、はいかyesで返答してもらおう!」
「いえ、あの、その…」
「君には素晴らしい侵魔召還師の才能が眠っている。これはもう我輩と契約する運命にあると言うことだ」
「いえ、ですから先ほども言ったとおり僕はバスカーの神官で、もうガーディアンにお仕えしてる身なので…」
「そうかそうか。まあ無理もない。あの程度の雑魚を蹴散らした程度では我輩の実力を信用出来ぬと言うのも頷ける。
とはいえ、これ以上蹴散らしてはベアトリーチェ嬢にも悪いので、それは出来ないのだ。分かってくれ。
そうだ。代わりと言ってはなんだが我輩との契約の記念に対価をくれてやろう。
さあ、望みを言いたまえ。使い切れぬほどの財産か?永遠の命か?
…おおっと、この我輩自身と言うのは無しだぞ。君のような子供にはこの我が儘ボディは刺激的過ぎるからな」
(どうしようどうしようこのままだとティムくんがこのひとにとられちゃうそりゃあわたしとくらべたらスタイルもいいし
げんきでおとなでティムくんはむらのおんなのこにももてるしおにあいとかいわれたらわたしなんかじゃどうしようもないけど
それでもわたしはティムくんいがいとけけけけけっこんするなんてああいやそうじゃなくて…)
「だから、対価とかそう言うのでは無くて!」
「とはいえ君ぐらいの年ならば波にも反応するくらい若い欲望を持て余してしまっても仕方のないこと。
よし、特別にこのエリィ=コルドン自費出版写真集(特別定価5000v)をプレゼントしようではないか」
「いりません!」
「我輩の貴重な水着姿も載っていると言う代物だ。更に初回限定版には豪華特典のクロウ=セイルとの2ショット温泉入浴生写真もついてくる。
もちろんタオルや水着をつけるなんて無粋な真似はしていない。つまりだ、この教育的配慮から異常に色の濃いお湯の下には…」
「ああああの!てぃてぃてぃティムくんも困ってるのでへへへ変な誘惑するのはやめてくだしゃい!」
「おおそうだ。そちらの少女も我輩と契約してみないか?見たところまだまだ未熟のようだが磨けば光るものを感じるぞ」
「ええッ!?」
「いえ、あの、その…」
「君には素晴らしい侵魔召還師の才能が眠っている。これはもう我輩と契約する運命にあると言うことだ」
「いえ、ですから先ほども言ったとおり僕はバスカーの神官で、もうガーディアンにお仕えしてる身なので…」
「そうかそうか。まあ無理もない。あの程度の雑魚を蹴散らした程度では我輩の実力を信用出来ぬと言うのも頷ける。
とはいえ、これ以上蹴散らしてはベアトリーチェ嬢にも悪いので、それは出来ないのだ。分かってくれ。
そうだ。代わりと言ってはなんだが我輩との契約の記念に対価をくれてやろう。
さあ、望みを言いたまえ。使い切れぬほどの財産か?永遠の命か?
…おおっと、この我輩自身と言うのは無しだぞ。君のような子供にはこの我が儘ボディは刺激的過ぎるからな」
(どうしようどうしようこのままだとティムくんがこのひとにとられちゃうそりゃあわたしとくらべたらスタイルもいいし
げんきでおとなでティムくんはむらのおんなのこにももてるしおにあいとかいわれたらわたしなんかじゃどうしようもないけど
それでもわたしはティムくんいがいとけけけけけっこんするなんてああいやそうじゃなくて…)
「だから、対価とかそう言うのでは無くて!」
「とはいえ君ぐらいの年ならば波にも反応するくらい若い欲望を持て余してしまっても仕方のないこと。
よし、特別にこのエリィ=コルドン自費出版写真集(特別定価5000v)をプレゼントしようではないか」
「いりません!」
「我輩の貴重な水着姿も載っていると言う代物だ。更に初回限定版には豪華特典のクロウ=セイルとの2ショット温泉入浴生写真もついてくる。
もちろんタオルや水着をつけるなんて無粋な真似はしていない。つまりだ、この教育的配慮から異常に色の濃いお湯の下には…」
「ああああの!てぃてぃてぃティムくんも困ってるのでへへへ変な誘惑するのはやめてくだしゃい!」
「おおそうだ。そちらの少女も我輩と契約してみないか?見たところまだまだ未熟のようだが磨けば光るものを感じるぞ」
「ええッ!?」
―――そこでは、3人の熱い交渉(ただしもっぱら喋っているのは1人だけ)が繰り広げられていた。
熱心な勧誘を受けているのは、バスカーの神官、ティムとその許嫁であるコレット。そしてそれをやっているのは…
「貴様ッ!?」
派手な格好と鎧がまぶしい、魔王エリィ=コルドン。
「うん?確か君はいつぞやの勇敢な若者ではないか。悪いが我輩は今忙しいのだ話なら後に…」
熱心な勧誘を受けているのは、バスカーの神官、ティムとその許嫁であるコレット。そしてそれをやっているのは…
「貴様ッ!?」
派手な格好と鎧がまぶしい、魔王エリィ=コルドン。
「うん?確か君はいつぞやの勇敢な若者ではないか。悪いが我輩は今忙しいのだ話なら後に…」
ガチャッ
「…ほほう。1度ならず2度までも我輩に銃を向けるとは、よほどの愚か者か、はたまた勇者かどちらなのだろうな?」
話を遮りアシュレーはARMをエリィに向ける。どのみちこうでもしないとマトモに話にならないのは、経験済みだ。
「…俺は、このファルガイアを守る。相手がどれだけ強大であってもだ、魔王」
「ふっ…覚悟の上と言うわけか。この世界の勇者も、なかなかにやる」
「さあ、剣を抜け。ここで、決着をつけてやる」
「…勇敢な若者よ。お前は言ったな。相手がどれだけ強大であっても、ファルガイアを守る、と」
「そうだ」
「ベアトリーチェ嬢はすでにこの世界を半ばまで掌握している。完全に乗っ取るのも時間の問題だろう。
そうだな、あと3日もすればこの世界の赤い月は永遠に不滅の存在となり、君たちも含めて誰も疑問を抱かなくなるだろう。
状況は、君たちに圧倒的に不利だ。それでも、君はベアトリーチェ嬢と戦うと言うのかね?」
「…言ったはずだ。相手がどれだけ強大であっても俺は、ファルガイアを守る!ただ、それだけだッ!」
「ふっ…そうか…」
強大なプラーナを発しながら、エリィは立ち上がる。
「…ティム、コレットを安全なところへ」
その異常な雰囲気に、状況を察したのか各々が戦闘の用意を行う。
ティムが震えるコレットを連れて出て行ったのを確認して、全員が身構える。
「ならば、致し方あるまい」
エリィは虚空より再び剣を取り出す。アガートラーム。この世界に伝わる、伝説の聖剣。
そしてエリィは剣を握りしめ…
「受け取るがよい!勇敢な若者よッ!」
…アシュレーへと放った。
「なッ!?」
アシュレーは思わず剣を受け取ってしまう。
何かの罠かと思いとっさに向きなおるが、エリィはその場に腕を組み立っているだけだった。
「何のつもりだッ!?」
「ふっ…我輩は魔騎士、エリィ=コルドンだぞ。常に弱者の味方をするのが我輩の、美学だ」
「そんなの…信用できるかッ!?」
「侮ってもらっては困るな。確かに我輩ら魔王は、人であろうと神であろうと同じ魔王であろうと平気で欺く。
だがな、ただ1つ、おのれの美学にだけは決して背かぬ。背いたのならば、それはもう魔王である資格がない。
それにだ、ベアトリーチェ嬢も我輩らの中に名を連ねようというのならば、この程度のハンデは乗り越えてしかるべきだ」
「そんな馬鹿な話があってたまるかッ!?」
「ふっ…強情だな。まあよい、確かにアガートラームはお返しした。これより先は当人同士で決着をつけるがよい。
双方の武運を祈ってやろう。ではアディオーーーーーーーーーーーーーーース!!!!」
話を遮りアシュレーはARMをエリィに向ける。どのみちこうでもしないとマトモに話にならないのは、経験済みだ。
「…俺は、このファルガイアを守る。相手がどれだけ強大であってもだ、魔王」
「ふっ…覚悟の上と言うわけか。この世界の勇者も、なかなかにやる」
「さあ、剣を抜け。ここで、決着をつけてやる」
「…勇敢な若者よ。お前は言ったな。相手がどれだけ強大であっても、ファルガイアを守る、と」
「そうだ」
「ベアトリーチェ嬢はすでにこの世界を半ばまで掌握している。完全に乗っ取るのも時間の問題だろう。
そうだな、あと3日もすればこの世界の赤い月は永遠に不滅の存在となり、君たちも含めて誰も疑問を抱かなくなるだろう。
状況は、君たちに圧倒的に不利だ。それでも、君はベアトリーチェ嬢と戦うと言うのかね?」
「…言ったはずだ。相手がどれだけ強大であっても俺は、ファルガイアを守る!ただ、それだけだッ!」
「ふっ…そうか…」
強大なプラーナを発しながら、エリィは立ち上がる。
「…ティム、コレットを安全なところへ」
その異常な雰囲気に、状況を察したのか各々が戦闘の用意を行う。
ティムが震えるコレットを連れて出て行ったのを確認して、全員が身構える。
「ならば、致し方あるまい」
エリィは虚空より再び剣を取り出す。アガートラーム。この世界に伝わる、伝説の聖剣。
そしてエリィは剣を握りしめ…
「受け取るがよい!勇敢な若者よッ!」
…アシュレーへと放った。
「なッ!?」
アシュレーは思わず剣を受け取ってしまう。
何かの罠かと思いとっさに向きなおるが、エリィはその場に腕を組み立っているだけだった。
「何のつもりだッ!?」
「ふっ…我輩は魔騎士、エリィ=コルドンだぞ。常に弱者の味方をするのが我輩の、美学だ」
「そんなの…信用できるかッ!?」
「侮ってもらっては困るな。確かに我輩ら魔王は、人であろうと神であろうと同じ魔王であろうと平気で欺く。
だがな、ただ1つ、おのれの美学にだけは決して背かぬ。背いたのならば、それはもう魔王である資格がない。
それにだ、ベアトリーチェ嬢も我輩らの中に名を連ねようというのならば、この程度のハンデは乗り越えてしかるべきだ」
「そんな馬鹿な話があってたまるかッ!?」
「ふっ…強情だな。まあよい、確かにアガートラームはお返しした。これより先は当人同士で決着をつけるがよい。
双方の武運を祈ってやろう。ではアディオーーーーーーーーーーーーーーース!!!!」
ハーハッハッハッハッハッハッハッハッハ…
そして高笑いと共にエリィは何処かへと去った。そしてそこには茫然とした5人だけが残された。
「こいつは確かに俺の魔剣だ。だが、使い手は俺じゃないな」
アシュレーからアガートラームを受け取った柊はひとしきり剣を眺めた後に言う。
「え?ど~ゆ~ことレンジ?」
意味不明な言葉にリルカが柊に尋ねる。それに柊は簡単に説明する。
「おう。こいつは、確かに俺の魔剣と同じものだ。だが、今のこいつの主は俺じゃあねえ。全然手に馴染まねえしな。
魔剣使いと魔剣は一心同体。他の武器じゃあ、それこそ箒や伝説の武器クラスのもんでも魔剣使いの真価は引き出せねえ。
それと同じで、魔剣が選んだ使い手以外が魔剣を振っても、そこいらにある普通の剣と大して変わんねえ。
んで、俺の見る限り、こいつの今の主は…」
そう言いつつ、柊はアガートラームの柄をアシュレーに向ける。
「アシュレー、お前が持っててくれ。お前なら、こいつを使いこなせるはずだ」
「ちょっと待ってくれ。俺は剣はあまり得意じゃないんだ」
柊の発言にアシュレーはかぶりを振って言う。
「自警団時代に一応武器の扱いは一通り叩き込まれてはいるが、正式に隊員になった後はずっとバイアネットとARMで戦ってきたんだ。
今さら剣を使えと言われても、正直、困る」
「問題ねえよ」
アシュレーの懸念を柊は一言で切り捨てる。
「どういうことだ?」
「魔剣ってのは自分の意思を持った武器だ。必要になりゃあ使い方は魔剣が勝手に教えてくれる。
たとえ昨日まで剣を触ったことも無かった素人でも自分の魔剣ならば使いこなせる。魔剣使いってのは、そういうもんだ」
柊の発言に晶も頷く。
ウィザードとして覚醒する前は普通の女子高生だった晶はその言葉が真実であることは自らの体験から知っていた。
「それに、どのみちお前以外が持っててもこいつはただの剣にしかならねえ。魔剣は使い手がもっててこそだ。
こいつのためだと思って、持っててやってくれ。頼む」
魔剣の無い魔剣使いの辛さを知る柊は、同時に使い手のいない魔剣の辛さに思いをはせる。
それゆえに柊の頼みは真摯なものだった。
「…分かった。そこまで言うなら、アガートラームは俺が預かるよ」
柊の頼みに折れ、アシュレーはアガートラームを手にする。
それは確かに使い慣れたARMのように手に馴染んでいるようにアシュレーには感じられた。
アシュレーからアガートラームを受け取った柊はひとしきり剣を眺めた後に言う。
「え?ど~ゆ~ことレンジ?」
意味不明な言葉にリルカが柊に尋ねる。それに柊は簡単に説明する。
「おう。こいつは、確かに俺の魔剣と同じものだ。だが、今のこいつの主は俺じゃあねえ。全然手に馴染まねえしな。
魔剣使いと魔剣は一心同体。他の武器じゃあ、それこそ箒や伝説の武器クラスのもんでも魔剣使いの真価は引き出せねえ。
それと同じで、魔剣が選んだ使い手以外が魔剣を振っても、そこいらにある普通の剣と大して変わんねえ。
んで、俺の見る限り、こいつの今の主は…」
そう言いつつ、柊はアガートラームの柄をアシュレーに向ける。
「アシュレー、お前が持っててくれ。お前なら、こいつを使いこなせるはずだ」
「ちょっと待ってくれ。俺は剣はあまり得意じゃないんだ」
柊の発言にアシュレーはかぶりを振って言う。
「自警団時代に一応武器の扱いは一通り叩き込まれてはいるが、正式に隊員になった後はずっとバイアネットとARMで戦ってきたんだ。
今さら剣を使えと言われても、正直、困る」
「問題ねえよ」
アシュレーの懸念を柊は一言で切り捨てる。
「どういうことだ?」
「魔剣ってのは自分の意思を持った武器だ。必要になりゃあ使い方は魔剣が勝手に教えてくれる。
たとえ昨日まで剣を触ったことも無かった素人でも自分の魔剣ならば使いこなせる。魔剣使いってのは、そういうもんだ」
柊の発言に晶も頷く。
ウィザードとして覚醒する前は普通の女子高生だった晶はその言葉が真実であることは自らの体験から知っていた。
「それに、どのみちお前以外が持っててもこいつはただの剣にしかならねえ。魔剣は使い手がもっててこそだ。
こいつのためだと思って、持っててやってくれ。頼む」
魔剣の無い魔剣使いの辛さを知る柊は、同時に使い手のいない魔剣の辛さに思いをはせる。
それゆえに柊の頼みは真摯なものだった。
「…分かった。そこまで言うなら、アガートラームは俺が預かるよ」
柊の頼みに折れ、アシュレーはアガートラームを手にする。
それは確かに使い慣れたARMのように手に馴染んでいるようにアシュレーには感じられた。
用意してもらった両手剣用の鞘にアガートラームを納め、7人はバスカーの村の広場に立つ。
「そう言えばティム、準備がどうとか言ってたけど、どうするの?
あの子…ベアトリーチェがいる場所は大体想像がつくけど、あそこまで行くのは大変だよ?」
リルカがティムに尋ねる。
「はい。実はプーカに、ロンバルディアさんに連れて行ってくれるよう頼みに行ってもらってます。
プーカとはクアトリーで待ち合わせてます。ですからまずはクアトリーに行こうと思うんです」
「本来なら、何人かは村に残り、残りのメンバーでグラブ・ル・ガブルを調べにいく手筈だったが、
あの女がこの辺りのモンスターを根こそぎ倒してしまったからな。私たち全員で行っても問題ないだろう」
ティムの言葉にカノンが続いて言う。
「ところでブラッド…」
「なんだ?」
「まだ信じられぬのだが、本当にあんな女が魔王なのか?」
2人にも一応事情を説明したが、やはり納得はしていなかったらしい。
困惑した顔でカノンはブラッドに尋ねる。
「…同感だが、間違いないらしい。それにテレパスタワーで出会ったベアトリーチェと言う魔王も少女だったぞ」
「…そうか。異世界とは、奧が深いな」
「まったく同感だ」
今、ファルガイアはたった1人の少女の手で侵略されようとしている。
まるで冗談のようなその話に、微妙についていけてない大人2人だった。
「そう言えばティム、準備がどうとか言ってたけど、どうするの?
あの子…ベアトリーチェがいる場所は大体想像がつくけど、あそこまで行くのは大変だよ?」
リルカがティムに尋ねる。
「はい。実はプーカに、ロンバルディアさんに連れて行ってくれるよう頼みに行ってもらってます。
プーカとはクアトリーで待ち合わせてます。ですからまずはクアトリーに行こうと思うんです」
「本来なら、何人かは村に残り、残りのメンバーでグラブ・ル・ガブルを調べにいく手筈だったが、
あの女がこの辺りのモンスターを根こそぎ倒してしまったからな。私たち全員で行っても問題ないだろう」
ティムの言葉にカノンが続いて言う。
「ところでブラッド…」
「なんだ?」
「まだ信じられぬのだが、本当にあんな女が魔王なのか?」
2人にも一応事情を説明したが、やはり納得はしていなかったらしい。
困惑した顔でカノンはブラッドに尋ねる。
「…同感だが、間違いないらしい。それにテレパスタワーで出会ったベアトリーチェと言う魔王も少女だったぞ」
「…そうか。異世界とは、奧が深いな」
「まったく同感だ」
今、ファルガイアはたった1人の少女の手で侵略されようとしている。
まるで冗談のようなその話に、微妙についていけてない大人2人だった。