ウィザードは、適応する。
晶は柊によわよわしい笑顔を向けて、言った。
「これで…おあいこだよ。前にかばって…もらった分」
「バカ野郎!んなこと、言ってんじゃねえ!」
柊の方は必死に言い返す。
「ずっと…気にしてたんだよ」
晶の脳裏に映るのは、ファー・ジ・アースでの最後の任務の想い出。
自らの未熟さゆえに目の前の男に迷惑をかけたこと。
「んなの、気にしてねえよ!仲間だろ!?」
柊は叫ぶ。
「仲間…はは、柊くんらしいや。ちょっと、残念」
「これで…おあいこだよ。前にかばって…もらった分」
「バカ野郎!んなこと、言ってんじゃねえ!」
柊の方は必死に言い返す。
「ずっと…気にしてたんだよ」
晶の脳裏に映るのは、ファー・ジ・アースでの最後の任務の想い出。
自らの未熟さゆえに目の前の男に迷惑をかけたこと。
「んなの、気にしてねえよ!仲間だろ!?」
柊は叫ぶ。
「仲間…はは、柊くんらしいや。ちょっと、残念」
それまでの、ウィザードにとっての常識が変わるとき、ウィザードはその新たな常識に適応するよう自らを変える。
「待っててアキラ!今、回復を…」
リルカは必死の形相でクレストグラフに再び魔力を込め始める。
だが、それに対し、晶はよわよわしい笑顔のままかぶりをふって、言った。
「ううん。いらない。こうなっちゃったら、もう、回復魔法、効かないから…」
「そんなの、やってみなくちゃ分かんないよ!」
リルカは、泣きそうになりながら反論する。
「回復は、私よりもアシュレーさんやブラッドさんに…」
「そんな…だって…!」
その言葉はまるで、生きることを諦めたようにリルカには聞こえた。
リルカは必死の形相でクレストグラフに再び魔力を込め始める。
だが、それに対し、晶はよわよわしい笑顔のままかぶりをふって、言った。
「ううん。いらない。こうなっちゃったら、もう、回復魔法、効かないから…」
「そんなの、やってみなくちゃ分かんないよ!」
リルカは、泣きそうになりながら反論する。
「回復は、私よりもアシュレーさんやブラッドさんに…」
「そんな…だって…!」
その言葉はまるで、生きることを諦めたようにリルカには聞こえた。
それは、魔剣使い、七瀬晶にとっても例外では無い。
「あれ?みんな…どうしたの?まるで私が死ぬみたいな顔しちゃって…」
周りの様子を見て、晶は首をかしげる。
「アキラ…」
アシュレーは思い出す。自警団時代、致命傷を負って朦朧とした仲間の隊員がこんな顔をしていた、と。
「クソッ…!俺には、守ることは、できないのか…!?」
周りの様子を見て、晶は首をかしげる。
「アキラ…」
アシュレーは思い出す。自警団時代、致命傷を負って朦朧とした仲間の隊員がこんな顔をしていた、と。
「クソッ…!俺には、守ることは、できないのか…!?」
七瀬晶もまた、新たな常識に適応していた。異世界、ミッドガルドの常識に。
「ああ、そっか。みんなは、知らないんだっけ。私が、大丈夫だってこと…」
「…どういうことだ?」
晶のつぶやきにブラッドは冷静に問い返す。晶とのつきあいが長いわけではないが、大体の性格は把握している。
命がけで仲間をかばった後、あっさり死を受け入れるような人間では無い、そう、知っている。
『私ならもし食らっても、大丈夫だから』
晶は、おとりを買って出たとき、そう言ってはいなかったか?
「こういうこと、戦ってるとよくあるんです。だから、私はまだ戦える」
にこやかに笑みを浮かべ、晶はブラッドに言う。
「よくある…ああッ!?」
柊はようやく思い至る。晶の、言っていることに。
過去の自らの記憶、ミッドガルドでの戦いの記憶に。
「行くよ…」
晶が1つ、息を吸い込んだ。
「…どういうことだ?」
晶のつぶやきにブラッドは冷静に問い返す。晶とのつきあいが長いわけではないが、大体の性格は把握している。
命がけで仲間をかばった後、あっさり死を受け入れるような人間では無い、そう、知っている。
『私ならもし食らっても、大丈夫だから』
晶は、おとりを買って出たとき、そう言ってはいなかったか?
「こういうこと、戦ってるとよくあるんです。だから、私はまだ戦える」
にこやかに笑みを浮かべ、晶はブラッドに言う。
「よくある…ああッ!?」
柊はようやく思い至る。晶の、言っていることに。
過去の自らの記憶、ミッドガルドでの戦いの記憶に。
「行くよ…」
晶が1つ、息を吸い込んだ。
ミッドガルドにおいて、異能の力をふるう力を持つ七瀬晶。運命の“加護”を受けた彼女は今やウィザードであると同時に…
「…ブレイクッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
クエスターなのだ。
晶の魔剣から、大量のプラーナが流れ込む。プラーナはみるみるうちに晶の傷を癒し、再び立ち上がる力を与える。
少しよろけながらもしっかりとした足取りで、晶は立ち上がる。
「くっ…そんな隠し技、魔剣使いのあなたにあるなんて…」
また、想定外の出来事。ベアトリーチェの顔がわずかに歪む。
あのとき、データベースからウィザードの基礎情報を得ている。
それゆえに死から復活する技は魔剣使いには無いことを知っていた。
「あなた、勇者にでもなっていたと言うの?」
当てはまりそうな事項をベアトリーチェは晶へと聞く。だが、それに晶は笑って首をふる。
「あはは。残念。これは魔剣使いの、ううんウィザードの技じゃない」
それは、ベアトリーチェの誤算。
主8界以外にも、世界があること、そしてその世界、ミッドガルドのクエスターの情報。
それは、魔術協会データベースにすら記載されていない。ウィザードの常識すら乱しかねないが故に。
「ようやく分かった。何で、私がこの世界に呼ばれたのか」
あの猫は言っていなかったか?この世界に自分を呼んだのは『あれの使い手』だと。
「アシュレーさん!剣を、アガートラームを抜いてください!」
「アガートラームを?どういうことだ?」
「いいから早く!」
「わ、分かった!」
晶に気圧されるようにアシュレーはアガートラームを抜く。
「この世界で、私がやるべきこと、私じゃないと、できないこと…」
晶の魔剣の宝玉が、静かに青い輝きを放ち始める。
シャード。運命の加護を受けた、クエスターの証であるそれは、持ち主に様々な加護を与える。
「…アガートラーム、思い出して。この世界の想い出を。あなたの使い手、ファルガイアの魔剣使いの想い出を」
そして異世界よりの来訪者であるクエスターに与えられる加護は…
「―――ガイア。願う奇跡は…アナスタシアさん、力を、借して!」
…小さな奇跡をおこすこと。
晶の言葉と共にアガートラームが覚醒する。
自らに宿る想い出、それを通じ、その人の意思を伝えるために。
(ようやく、私のこと呼んでくれたのね。お姉さん、待ちくたびれちゃったわ)
アシュレーの頭の中で声がする。やさしい、女性の声。
「アナスタシア…?」
アシュレーは彼女の声を一度だけ、聞いたことがある。あの世界、事象の地平で出会ったときに。
(アシュレーくん、久し振り。さっそくで悪いんだけど、一緒に、戦ってくれる?)
そのときの想い出のままにアナスタシアは軽い調子でお願いをする。
「ああ、俺でよければ、いくらでも力を貸すよ」
アシュレーにも今なら、分かる。彼女は『剣の聖女』というおとぎ話の英雄なんかじゃない。
ただ、誰よりもファルガイアを愛し、守ろうとするだけの、普通の女性だと。
(うんうん。それでこそ、アシュレーくん。じゃあ、頼んだわね)
その言葉と共に、アシュレーの中に強い力が流れ込んでくる。
荒ぶる魔神のそれとは違う、やさしさに満ちた、包み込むような力。
それはアシュレーの中で静かに脈うっている。
「ああ…分かっている」
アシュレーは、それを自我の鎖から解き放つ。一体化するために。
自らを真のアガートラームの使い手とせんがために。
その、力を解き放つ魔法の呪文を呟いた。
「―――アクセス」
「…ブレイクッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
クエスターなのだ。
晶の魔剣から、大量のプラーナが流れ込む。プラーナはみるみるうちに晶の傷を癒し、再び立ち上がる力を与える。
少しよろけながらもしっかりとした足取りで、晶は立ち上がる。
「くっ…そんな隠し技、魔剣使いのあなたにあるなんて…」
また、想定外の出来事。ベアトリーチェの顔がわずかに歪む。
あのとき、データベースからウィザードの基礎情報を得ている。
それゆえに死から復活する技は魔剣使いには無いことを知っていた。
「あなた、勇者にでもなっていたと言うの?」
当てはまりそうな事項をベアトリーチェは晶へと聞く。だが、それに晶は笑って首をふる。
「あはは。残念。これは魔剣使いの、ううんウィザードの技じゃない」
それは、ベアトリーチェの誤算。
主8界以外にも、世界があること、そしてその世界、ミッドガルドのクエスターの情報。
それは、魔術協会データベースにすら記載されていない。ウィザードの常識すら乱しかねないが故に。
「ようやく分かった。何で、私がこの世界に呼ばれたのか」
あの猫は言っていなかったか?この世界に自分を呼んだのは『あれの使い手』だと。
「アシュレーさん!剣を、アガートラームを抜いてください!」
「アガートラームを?どういうことだ?」
「いいから早く!」
「わ、分かった!」
晶に気圧されるようにアシュレーはアガートラームを抜く。
「この世界で、私がやるべきこと、私じゃないと、できないこと…」
晶の魔剣の宝玉が、静かに青い輝きを放ち始める。
シャード。運命の加護を受けた、クエスターの証であるそれは、持ち主に様々な加護を与える。
「…アガートラーム、思い出して。この世界の想い出を。あなたの使い手、ファルガイアの魔剣使いの想い出を」
そして異世界よりの来訪者であるクエスターに与えられる加護は…
「―――ガイア。願う奇跡は…アナスタシアさん、力を、借して!」
…小さな奇跡をおこすこと。
晶の言葉と共にアガートラームが覚醒する。
自らに宿る想い出、それを通じ、その人の意思を伝えるために。
(ようやく、私のこと呼んでくれたのね。お姉さん、待ちくたびれちゃったわ)
アシュレーの頭の中で声がする。やさしい、女性の声。
「アナスタシア…?」
アシュレーは彼女の声を一度だけ、聞いたことがある。あの世界、事象の地平で出会ったときに。
(アシュレーくん、久し振り。さっそくで悪いんだけど、一緒に、戦ってくれる?)
そのときの想い出のままにアナスタシアは軽い調子でお願いをする。
「ああ、俺でよければ、いくらでも力を貸すよ」
アシュレーにも今なら、分かる。彼女は『剣の聖女』というおとぎ話の英雄なんかじゃない。
ただ、誰よりもファルガイアを愛し、守ろうとするだけの、普通の女性だと。
(うんうん。それでこそ、アシュレーくん。じゃあ、頼んだわね)
その言葉と共に、アシュレーの中に強い力が流れ込んでくる。
荒ぶる魔神のそれとは違う、やさしさに満ちた、包み込むような力。
それはアシュレーの中で静かに脈うっている。
「ああ…分かっている」
アシュレーは、それを自我の鎖から解き放つ。一体化するために。
自らを真のアガートラームの使い手とせんがために。
その、力を解き放つ魔法の呪文を呟いた。
「―――アクセス」
青く、長い髪、純白の鎧。そしてその手に握られたアガートラーム。
アシュレーの姿が変わる。伝説に残る、その姿のままに。
「その姿…そう、あなたが新しい『剣の英雄』と言うわけね」
ベアトリーチェもまたアガートラームを構える。そして不敵に嗤って、言った。
「あなたを殺せば、アガートラームの使い手はいなくなる。まずは、あなたから、殺してあげるわ」
再び神速の一撃でもってベアトリーチェは迫る。だがそれは阻まれた。
「…あなたたちには、もう用は無いの。邪魔をしないで」
「あなたの相手は、私たちよ!」
2人の魔剣使いの手によって。
「次から、次へと…しつこい男は嫌われるわよ?」
「うるせえ!後衛に簡単に近づかせる前衛がいるか!」
ベアトリーチェの言葉に柊は反論する。
「アシュレー!こいつは俺らで抑える!とどめは任せるぜ!」
「ああ!分かった!」
アシュレーはそこから動かず、精神を集中する。
力を溜めるため、アガートラームの最大の一撃を放つために!
「邪魔をするのね…だったらあなたから死になさい!」
速さと重さを兼ね備えた一撃で、ベアトリーチェは今度こそ晶を倒しにかかる。
考えうる限りの完璧な一撃。これをかわす術は、晶には無い。
「…ヘイムダル!」
そう、奇跡でも起こらない限りは!
「…かわされた!?」
晶の姿が瞬間的にかき消える。そして、ベアトリーチェの一撃は空を切る。
晶に攻撃をかわされたことでベアトリーチェの体勢が崩れる。
「いっけえええええええ!!!!!!!!!!!!!」
その瞬間を見逃さず、晶の剣がベアトリーチェの左肩を切り裂く。
そして、ベアトリーチェはアガートラームから左手を外してしまう。
「うおりゃああああああ!!!!!!!!!!!!!」
柊の剣がアガートラームと衝突する。そして…
「みんな!受け取って!ミスティック…フォースキャロット!」
アイテムに宿る力を引き出すリルカのミスティックによって、全員のプラーナが限界まで回復する。
「ロックオンプラス…」
ブラッドは正確に狙いを定める。その狙いは…
「リボルバーカノン!」
柊の魔剣の刃!
「こいつで、終わりだああああああ!!!!!!!!!!!!」
柊の魔剣に弾丸がぶつかったことで瞬間的に爆発的な勢いがつく。
そしてついに押し負け、ベアトリーチェのアガートラームは弾き飛ばされた!
「…ベアトリーチェ、てめえの敗因は2つだ」
柊が言う。
「てめえは、晶の、クエスターの力を知らなかった、それがひとつ」
晶が後を引き継ぐ。
「もう一つは…」
最後は2人で。
アシュレーの姿が変わる。伝説に残る、その姿のままに。
「その姿…そう、あなたが新しい『剣の英雄』と言うわけね」
ベアトリーチェもまたアガートラームを構える。そして不敵に嗤って、言った。
「あなたを殺せば、アガートラームの使い手はいなくなる。まずは、あなたから、殺してあげるわ」
再び神速の一撃でもってベアトリーチェは迫る。だがそれは阻まれた。
「…あなたたちには、もう用は無いの。邪魔をしないで」
「あなたの相手は、私たちよ!」
2人の魔剣使いの手によって。
「次から、次へと…しつこい男は嫌われるわよ?」
「うるせえ!後衛に簡単に近づかせる前衛がいるか!」
ベアトリーチェの言葉に柊は反論する。
「アシュレー!こいつは俺らで抑える!とどめは任せるぜ!」
「ああ!分かった!」
アシュレーはそこから動かず、精神を集中する。
力を溜めるため、アガートラームの最大の一撃を放つために!
「邪魔をするのね…だったらあなたから死になさい!」
速さと重さを兼ね備えた一撃で、ベアトリーチェは今度こそ晶を倒しにかかる。
考えうる限りの完璧な一撃。これをかわす術は、晶には無い。
「…ヘイムダル!」
そう、奇跡でも起こらない限りは!
「…かわされた!?」
晶の姿が瞬間的にかき消える。そして、ベアトリーチェの一撃は空を切る。
晶に攻撃をかわされたことでベアトリーチェの体勢が崩れる。
「いっけえええええええ!!!!!!!!!!!!!」
その瞬間を見逃さず、晶の剣がベアトリーチェの左肩を切り裂く。
そして、ベアトリーチェはアガートラームから左手を外してしまう。
「うおりゃああああああ!!!!!!!!!!!!!」
柊の剣がアガートラームと衝突する。そして…
「みんな!受け取って!ミスティック…フォースキャロット!」
アイテムに宿る力を引き出すリルカのミスティックによって、全員のプラーナが限界まで回復する。
「ロックオンプラス…」
ブラッドは正確に狙いを定める。その狙いは…
「リボルバーカノン!」
柊の魔剣の刃!
「こいつで、終わりだああああああ!!!!!!!!!!!!」
柊の魔剣に弾丸がぶつかったことで瞬間的に爆発的な勢いがつく。
そしてついに押し負け、ベアトリーチェのアガートラームは弾き飛ばされた!
「…ベアトリーチェ、てめえの敗因は2つだ」
柊が言う。
「てめえは、晶の、クエスターの力を知らなかった、それがひとつ」
晶が後を引き継ぐ。
「もう一つは…」
最後は2人で。
だッッッッッッッ!!!!!!!!!」
「「魔剣使いに剣で勝負を挑んだこと
よッッッッッッッ!!!!!!!!!」
「「魔剣使いに剣で勝負を挑んだこと
よッッッッッッッ!!!!!!!!!」
「今だ終わらせろ!アシュレー!」
「今です、アシュレーさん!」
「ああ、行くぞベアトリーチェ!」
2人の言葉に答えアシュレーはアガートラームを構える。すべてを終わらせるために。
「い、いや…」
ベアトリーチェは顔を白くして呟く。これから起こることを察して。
「今です、アシュレーさん!」
「ああ、行くぞベアトリーチェ!」
2人の言葉に答えアシュレーはアガートラームを構える。すべてを終わらせるために。
「い、いや…」
ベアトリーチェは顔を白くして呟く。これから起こることを察して。
「消えるのは…いやあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…アアアアアアアアアアアアアアアアアクウウウウウウウウウウインパルスッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
「…アアアアアアアアアアアアアアアアアクウウウウウウウウウウインパルスッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
ベアトリーチェの絶叫と共に、アシュレーは最後の一撃を放った。
それは吸い込まれるようにベアトリーチェの肉体をとらえた!
それは吸い込まれるようにベアトリーチェの肉体をとらえた!
「…なんてね。20年間ずっと続けてきただけあって、なかなかの演技だと思わない?」
ベアトリーチェは嘲笑う。その結果に。
「馬鹿なッ!?アークインパルスが効かないだとッ!?」
アシュレーが驚愕の表情を浮かべる。
アークインパルスは、確かに発動した。その一撃は確かにベアトリーチェに深手を負わせた。
だが、足りない。アークインパルスを受けてなお、ベアトリーチェは倒れなかった。
アシュレーの表情を見てベアトリーチェは更に笑みを深める。
「いいえ。効かないわけじゃないわ。ただ、私を消滅させるには、出力が足りなかっただけ」
「なっ…どういう事だ!?」
ベアトリーチェの言葉にアシュレーが聞き返した。
ベアトリーチェは嘲笑う。その結果に。
「馬鹿なッ!?アークインパルスが効かないだとッ!?」
アシュレーが驚愕の表情を浮かべる。
アークインパルスは、確かに発動した。その一撃は確かにベアトリーチェに深手を負わせた。
だが、足りない。アークインパルスを受けてなお、ベアトリーチェは倒れなかった。
アシュレーの表情を見てベアトリーチェは更に笑みを深める。
「いいえ。効かないわけじゃないわ。ただ、私を消滅させるには、出力が足りなかっただけ」
「なっ…どういう事だ!?」
ベアトリーチェの言葉にアシュレーが聞き返した。
ベアトリーチェはいたずらがうまくいった子供のような顔で言う。
「私が、魔神をも滅ぼす攻撃を、警戒してないとでも思ったのかしら?
あの赤い月は、あなたたち以外にとっては、ごく普通の“常識”
変なことも、悪いことも、何も起こっていない。
世界は今、とっても平和。2年前のあの日から、ね。
そんな平和な世界で、他の人間が、グラブ・ル・ガブルで戦うあなたたちに気づくと思う?
心をひとつに、できると思う?
あの時のように、心がつながると思う?
みんなの心を束ねて力を発揮するアガートラームが、真の力を発揮できると思う!?
…そう、あなたたちの負けは、あの赤い月が昇ったその時に、決まっていたのよ…」
そして、ベアトリーチェは笑った。アシュレーの絶望に歪む顔を見て、くすくすと、くすくすと…
「私が、魔神をも滅ぼす攻撃を、警戒してないとでも思ったのかしら?
あの赤い月は、あなたたち以外にとっては、ごく普通の“常識”
変なことも、悪いことも、何も起こっていない。
世界は今、とっても平和。2年前のあの日から、ね。
そんな平和な世界で、他の人間が、グラブ・ル・ガブルで戦うあなたたちに気づくと思う?
心をひとつに、できると思う?
あの時のように、心がつながると思う?
みんなの心を束ねて力を発揮するアガートラームが、真の力を発揮できると思う!?
…そう、あなたたちの負けは、あの赤い月が昇ったその時に、決まっていたのよ…」
そして、ベアトリーチェは笑った。アシュレーの絶望に歪む顔を見て、くすくすと、くすくすと…