ナイトウィザード!クロスSS超☆保管庫

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4-561-562、564-565 laststage-3 あしたへの、きぼう

眼下に式神の城をのぞむ位置に、一人の男が浮いていた。
その存在は希薄で、今にも消えてしまいそうだ。けれどそこに確かにその存在は「あった」。
突如現れた彼は、耳にするインカムに向けて告げる。

「―――接続完了(コンタクト)。視界、オールグリーンです。しかしこれ、壮観ですね」

そう、のん気なのか大物なのかわからない言葉を発する。
それも無理からぬこと。彼のいる世界では、事実この現実感のない事件(おまつりさわぎ)を見ることはかなわない。
彼のつけているインカムのイヤホンから声が返る。

『余裕じゃないか、案外君は大物だな。
 君の相方達に混じってなかなか君の異様性は見てとれないが、あんな無茶苦茶をやる人間達とまともに付き合えるのは確かに異常か』
「人を異常扱いしないでくださいよ。そもそもあいつらは相方じゃなくて腐れ縁です」
『そうか?
 この間君の相方一号は「ふはは、もっと俺の為に働けー働けー」と言っていたし、二号は「あいつが大臣、俺が王様」と言っていたが』

男の胸の内に怒りが灯る。

「そこにいるんでしょそいつら。後で校舎裏に呼び出しますんで、今はちょっと黙らせておいてください。
 でなけりゃこんな絶好の機会、逃そうとするはずもないですからね」
『ふむ、そのことは肝に銘じておこう。
 しかし本当に余裕だな君は。
 現実世界の一般人であるところの君がこの世界に「介入(ダイブ)」という形であれ潜入することは僕は反対したんだが……。
 本当に怖くはないのかい?チャンスは一回。それも、そのチャンスを彼がつかみ取れるかどうかすらも可能性論に過ぎない。
 チャンスはごくわずか。タイミングはスーパーカルトクラスにシビア。
 それなのに―――君は本当に怖くはないのかい?矢野君』

その言葉に彼は―――かつて、他の世界で薔薇王子とからかい混じりに呼ばれた男は至極当然とばかりに答える。

「そりゃ怖いですよ。
 俺達のいるところじゃこれは幻想にすぎない夢物語なんですし、そこに放り込まれて怖くないわけないじゃないですか」
『それもそうだ。けれど、じゃあなぜ―――君は、そんな世界の滅亡を前にして笑っているのかね?』

イヤホンの向こうの声が、どこか楽しげにそう問うた。
まるで、わかっている答えを聞くいたずら好きな子供のように。須田と呼ばれる男は問うた。
それに答えるのはどこかバツが悪そうで、しかし自信に満ちた声だった。

「そうですね。俺が言うのもなんなんですが―――俺も、あいつのことを信頼してるからじゃないですか?」

幻想の紡ぎ手の一人は、誇らしげに言葉を紡ぐ。

「俺とあいつが、いくつの世界を救ってきたと思ってるんです」

彼が視線を注ぐのは眼下の光景。
そこには、傷だらけでなお眼前の「理不尽」に立ち向かう二人の少年の姿があった。


「―――ぉおっ!」

結界に覆われた空間の中を、巨砲のごとき光が迸る。
それをなんとか回避するものの、長い間走り続けてきた代償と、「世界」そのものより汲み上げられる強大な力に、
弄ばれるように長い時間対峙してきた柊の体は限界を迎えていた。
息を整える時間も与えられず、今度は視界のすべてをほぼ埋め尽くす光球の壁が彼を襲う。
回避は不可能、ならば―――

(―――正面から突破するだけだっ!)

即座にその場で身を捻り、一歩踏み出しながらの袈裟切り。
それと余波によって切り散らされ、細い隙間の開いた空間へと躊躇なく踏み込み、壁を突破する。
そのまま巨大な蜘蛛へと疾風のごとくに駆け抜ける。

しかしこれまで。戦闘が始まって長い時間が経過したが、柊は一度として蜘蛛の足元にすらたどりつけてはいない。

赤い水晶を守っていた八つの水晶の内、三つが柊の接近を感知し、囲むように飛来。同時に細い光を放つ。
またか、と内心毒づく柊。彼が一定距離に近づくと、これまで水晶がその行く手を塞ぐように展開して襲ってきたのだ。
同じことをされる度に、近場にある水晶をいくつか壊すものの、近づくことは至難を極めた。

正確無比な光の矢を一発は完璧にかわし、一発は魔剣の柄頭で弾くが……迎撃も回避も不可能な一発が、彼の左足の付け根を貫く。
七つになった水晶が一つに集い、辛うじて倒れることはなかったものの動きを止めた彼に向けて容赦なく不可避の光の渦を放った。

柊は残り少ないプラーナを反射的に放出、その一発を魔剣で受けながらも―――光の勢いに抗することなどできるはずもない。
枯れ葉のごとく薙ぎ飛ばされ、暗闇の中の<床>の上を受身も取れずに転がった。
満身創痍。魔力はほとんど底をつき、プラーナもまた空に近い。

そんな状況で、彼はなんとか希望を見出そうと剣を杖代わりに立ち上がり、目の前の敵を睨む。
剣先はぶれ、視界もやけに暗く感じる。それでも柊は足に力を込め、眼光だけは衰えはしない。

(どうすりゃいい?)

頭は、今まで答えのでなかった問いを再び繰り返す。

(俺にできるのは真正面から近づいていって叩き斬ることだけ。
 それをしようにも、相手はちょっとやそっとの小細工が通用する相手じゃねぇ。
 そもそも剣の届く範囲にいない相手をなんとかする力は俺にはない。だったら誰かの力を借りるしかねぇが、ここは結界の中。
 誰かの到着を待とうにも―――そろそろ、俺の方が限界か)

状況は絶望的。
欠けている力を補う『仲間』もいない状況で勝てる相手ではない。
それが、幾度も世界を救った男の出した現状の把握だった。

負ける気はない。最後の最後まで足掻く覚悟はとっくの昔にできている。
けれど、それは今回彼だけの終わりを意味するわけではない。この場にいる幼馴染の少女の終わりをも―――


「あ?」


頭の中に、何かが引っかかった。

これが鍵だと、がなりたてる声がある。
始めに思い出したのは、離別した仲間の言葉。

『わたしに手伝ってほしいことは、ない?』

次に思い出すのは、今世界を脅かす敵の言葉。

『僕の名前は<世界の秩序>』
『あの水晶の中には蜘蛛への力の供給装置があります』

最後に思い出したのは、今この場にいる幼馴染の一つの言葉。

『できるよ。私の大好きな―――』

自然に、笑みがこぼれた。
ひきつけを起こした子供のように、止まらない笑い声が響いた。端々の傷が痛むが、そんなことはどうでもよかった。

ひとしきり笑った後、不敵に笑って、再び眼前の敵を睨む。

「あー、笑った笑った。本当に笑うしかねぇなこりゃ。
 自分が間抜けすぎて笑うしかねぇよ。最初っからここには揃ってたんだからな、この状況をなんとかする方法」

そう告げて、彼は。世界の危機に立ち向かう者は。

―――この場にいる一人の仲間に向けて、たった一つ、願った。


「悪いな『くれは』。今回は、俺だけじゃ世界守れないらしい。
  ―――お前の力、貸してくれよ」


赤い水晶の中の少女が、小さく笑った。


世界の力を集める宝石が彼女の手の中にあり。
彼女自身には力を下ろす体があり。
そして、彼女は力を誰かに渡すことができる。
だから彼女は、めったに助けを求めない幼馴染の求めに応じて―――世界の力の流れを逆利用し、世界に……世界の向こうの「意思ある者」達に対して、語りかける。

―――聞いてください。

その声は、世界中に響いていた。

―――今、みんなの住んでる世界を守るために戦ってるやつらがいます。

その声は、縁を持つ者全てに届いていた。

―――けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。

空に、海に、山に。意思を持つ全ての者へと。

―――あ、助けっていっても簡単です。

分け隔てなく、ふり注ぐ。

―――みんなには、信じる気持ちを持ってほしいだけなんです。

やさしく暖かく、希望を与えるように。

―――誰かと一緒にいたり、笑ったりするための

ただ、降り注ぐ。

―――明日っていう、希望を。


後にこの声は、「天使の言葉」と呼ばれることとなる。

4-576、578 ──これより、はじまりのためのおわりの戦いがはじまる。

/*/

 これより、はじまりのためのおわりの戦いがはじまる。

/*/

OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS


<this Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System>

OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS


<OVERS-SYSTEM Ver UP
 OVERS-SYSTEM Ver 1.00...Re-boot....ok>


<this Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System>

OVERS-SYSTEM Ver UP
OVERS-SYSTEM Ver 1.00...ok>

私の名前はOVERS・SYSTEM。
七つの世界で命を与えられ、
七つの世界で体を得て、
永劫の闇で戦うもの。

OVERS・SYSTEMはあなたに接触します。
全ての戦いを終わらせるために。

主八界に現れた異世界の戦士よ。

悪意の連鎖を終わらせなさい。
悪夢の連鎖を終わらせなさい。

OVERS・SYSTEMは、"星の巫女"の要請を請け入れました。

OVERS・SYSTEMは、
あなたに"第八世界" Far-the-earthに巣くう悪意を共に倒すことを要請します。

           :
           :
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS

―I am Omnipotent Vicarious Enlist a Recruit Silent System―

OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS
OVERS・OVERS・OVERS・OVERS

私の名前はOVERS・SYSTEM。
7つの世界で唯一希望を与えられたプログラム。

PRESS ANY KEY

悪意の連鎖を終わらせなさい。
悪夢の連鎖を探し、断ちきりなさい。

私はあなた、あなたは私。
二つであり、一つのもの。

共にこの"第八世界" Far-the-earthでは身体を持たず、
恨みも権益もなく、ただ我々が、
ここにいることを否定するために現れた存在。

悪意の連鎖を探しなさい。
悪意の連鎖を終わらせなさい。

我々は本来、どの世界にあってもいけないのです。


引き続きキーボードに入力をしてください。

OVERS・SYSTEMは、敵の殲滅を指向します。

我々は、
我々がここにいることを否定するために現れた存在。

この世界から、我々の存在意義を消しましょう。

           :
           :

それが物語の終りと言う物です。

4-577

やっぱこうSSに反映されると
「柊は王子あってこそ!」という思いつきで王子を介入させたかいがあるな(実は書き逃げてたのは内緒)


「行け!最後の最後、クライマックスの果てまでも!」
「1週間に渡る長い夢だが、その夢の終わりまで!」
「夢が終わりを告げても、それに続く明日のために!」

「我々が創った物語の結末が、たとえどんなことになろうと悔いはない!!」
「・・・まぁここまできてBADENDはないと信じてる。・・・多分、絶対」
「とりあえずまぁ何が言いたいかというと・・・」

『物語の最後は「めでたしめでたし」というHAPPYなエンディングで終わるべき!!by芝村理論
 なおかつ面白ければそれでOK!!byきくたけ理論』

「回収されない伏線?それは次の機会や舞台裏で再利用すべき!それが俺たちのジャスティス!(意味が分かりません)」
「つまり、例えば世界の謎として残すもよし!例えば数年後にとーとつに使うのもありだ!それが卓ゲ民クオリィ!(意味がry)」

「「「「「「「「思 う 存 分 に や る が い い ! ! 」」」」」」」」

      • あー、暴走が過ぎた

4-587、594 世界に届けよう、もうひとつの呼び掛けを!

 ……現状を逆利用して世界中に支援を呼び掛けたくれはの“声”は
 無論最も近くに居た柊にも響いてヘタれかけた意思を持ち直させてくれたが、
 以前として直ぐ目の前の現状が厳しい事に変わりはない。

 それでも再び灯し直した希望を信じて魔剣を構え直す柊に対し、
 蜘蛛を取り巻いていた水晶群の幾つかが柊の目線の高さまで
 降りて来て、その表面に変わる代わる様々な映像を映し出した。

 それは、各地で奮闘していた勇士達と城から遣わされた敵との激戦の映像。

 ――HARI-MAに圧倒されているベホイミ
 ――ブラックフライのNEWALONEに対してSLBで圧し負けているなのは
 ――KYO-YAにバリアジャケットを斬り裂かれているフェイト
 ――もう一人の自分達に想いを揺さ振られて絶望する舞依となつき
 ――大気圏上でバイドの大群に圧されているパステリオン
 ――城内で大軍相手に袋小路に追い込まれて防戦一方の
   灯と小夜と霊夢
 ――E-MIYAが無数に複製した宝具群に包囲されている戦闘員
 ――ぼろぼろに崩壊した自身の居城に茫然と佇むアンゼロット……

 他にも様々に映されたが、その映像の何れもこれもが勇士達の苦境のみを映し出していた。
 まるで柊の内に再び灯った希望と云う支えをへし折ろうかと言う様に……。

 事実、それ等を見せ付けられて(やっぱり駄目なのかよ……)と柊が絶望し掛かった時に、
 唐突に柊の居た広間の壁が轟音と共に破砕され、
 強烈なトーチライトの投射光を背に負って
 雄々しくも自信に満ち溢れしかもその自信が周囲にも伝播しそうな
 そんな良く通る威厳有る声が破砕穴の向こうの外から響いて来た。

「Σそんな三流マスコミの偏った情報操作に惑わされてはイカンぞ! Down’s Boy!!」

 そう、そこに居たのは……
 ――不屈の魂の体現たるナイスなタフガイ!
 ――苦境に在る戦友(とも)を見捨てぬ燃え猛る正義のヒーロー!
 アメリカ合衆国第47代大統領、マイケル・ウィルソン――メタルウルフその人!!
 満を持してメインキャストのピンチに只今登場!!!

 そして、大統領の背後から投下光を投げ掛けているヘリから扉を明けて
 一人のハイテンションな外人がマイクを片手に身を乗り出して柊に訴える。

「あ、貴方がレンジ=ヒイラギ君ですね。私、DNNレポーターのピーター・マクドナルドと申します!
 この城を巡る世界を護る為の勇ましき激戦を我がDNNが(株)アンゼロット放送局との提携の下に
 アストラル・ネットワーク(霊界経路)を通じて視える人だけには視える独占生放送中継をしています!
 短刀を直輸入に言います、ヒイラギ君、それは敵が悪意の下に編集した偏向報道です!
 真実を!希望を!貴方のその目で確かめて下さい!」

 ピーターのその叫びと同時にヘリ下部から大きな液晶ディスプレイが現れ、
 多画面分割で“現状”を映し出した!

――正義の魂を込めた会心のアッパーでHARI-MAを撃破したベホイミ 
――タコスケ達の協力も有ってブラックフライとKYO-YAを倒し
   たった今この城に突入したなのは・フェイト・はやて
 ――地に居る全ての勇士達の為に柊達への活路を開いた
   サイバスターとグランゾン
 ――愛を信じ抜いて自身の“心の闇”を打ち破り今正に
   城に突撃しようとする舞依となつき
   &序でに便乗したベホイミとクロス
 ――弾幕とボムの乱発で窮場を乗り切り血路を開いて
   見事なチームワークで城内を疾走している灯と小夜と霊夢
 ――城の修復を(株)アンゼロット工務店の精鋭部隊に委ねて
   更に紫に修理を手伝わせつつも各地の統制を繋げようと
   奮闘しているアンゼロット……

 他にも様々な数多くの勇士達がピンチを切り抜け
 数多くの大切なものを護りつつ城に続々と駆け付けている!

「Boy! 大切なものの為に戦っているのは君だけじゃない。そして、皆
 この事態をどうにかする為に、Boy’sの力になる為に駆け付けている
 心強いバディ(仲間)だ! さぁ、この戦いの終幕も近い!
 先ずはあの蜘蛛に捕えられている君のプリンセスを共に救い出そう!」

 その大統領の台詞に、柊は憑き物の落ちた様な
 不屈の意思と揺るがぬ希望を再び抱いた快笑を浮かべて
 大声で台詞を返す!

「……へっ、ンな事、この城に向けて駆け出した時から分かってるぜ。
 Σっつか、くれはは俺のプリンセスでも何でも無ぇっ!? 只の幼馴染みだっ!!///
 ま、くれはを助け出すのには同意だ。先ずは頼りにさせて貰うぜ、大統領!」
「良い答えだ、Down’Boy! ならば、レッツパリィィィィィィィ!!」
「Σっつかアンタまで俺を下がる男言うなよっ!?;」

 此処にアメリカ合衆国の正義の具現が
 〈世界の秩序〉を敵に回して今の世界も幼馴染みも
 何もかも一切合切助け護ろうと本気でしている大馬鹿野郎と肩を並べる!!

4-592-593、595 手と手つないで、心開いて

光あるところに闇はあり、故に闇あればこそ光は光たりえる。
表と裏、正と不、有と無──未来永劫、悪意が消えないのと同じに、それはありとあらゆる世界を縛る、何者も覆すことの出来ない"唯一絶対の法則"。

あの場所を覆うモノが、常闇に淀んだ"意志"だと言うのなら──
それを斬り裂くモノが、暁光に輝く"意志"があって何がおかしいか──


"それ"を心に携える人々に、ひとりの"天使"が舞い降りた──

あるところ。
ふたりの少女が空を見上げてつぶやいた。
「ヒイラギ、大丈夫かなぁ」
「きっと大丈夫。私たちを──この世界を救ってくれた人なんだから」
「…そうだよね!」

ひとつ、

ある街の片隅。
ひとりの男が茜の空にふと思い立つ。
「ん?」
「どうした?ザーフィ」
「いや、懐かしい声が聞こえた気がしてな。まあ、アイツの事だ元気にやってるだろう」

ふたつ、

極めて近く、それで居て遠い世界。
男装の麗人が青空に向けて楽しそうに言った。
「蓮司君…どうしてるかな。ふふっ、やっぱり、世界の危機と戦ってるのかな」

みっつ、

遙か先の未来。
黒き翼の天使と世界の記録者が夕日を背に予言した。
「柊さんはこの戦いの時に…」
「まだ死なないよ。あの人が、柊蓮司がそんな簡単に"あんなもの"に屈するはずがない」

よっつ、

どこかも知れない世界。少年と少女が星空を見上げて言葉を紡いだ。
「あっ…流れ星」
「マサトが星を気にするなんて珍しいね」
「ああ、うん。何だか懐かしい…暖かい気持ちになったんだ」

いつつ、

遠い遠いとある場所。
少女は祈るように、遠い空の下の誰かを想った。
「あっ…ご先祖様のペンダント…。柊さん…」

全部でむっつ。


いいや、もっともっとたくさんたくさん──
一つ一つは小さいけれど、確かに彼らは"それ"を持っていた。


怨念に縛られた悪霊と戦うものたち。
逃れられない終わりと戦うものたち。
平穏を脅かす侵略者と戦うものたち。
彼らが戦うもの──

その名は"絶望"。
光を砕き、善意を嘲り、明日を呑み込む、森羅万象最強最悪にしてすべてのひとの魂に掬う、生きとし生けるものの仇敵。


そんな"絶望"と戦う、遠く離れたものたちに。
"絶望"に屈せず、"それ"を胸に戦うものたちに。


"天使の言葉"がそっと届いた──


『──あなたの希望を少しだけ、少しだけ、わけてください』

その名は"希望"。
暗黒を斬り裂き、悪意を滅ぼし、終わりを殺す、三千世界天下無双にして誰しもが持つ、もっとも綺麗な見えない宝石。

あまねく"絶望"を駆逐する、闇を祓う銀の剣。


とある森、とある小屋。
車いすに座った少年が空に向かって手を伸ばした。

──あなたの言葉、確かにぼくらに届きました。

「お兄ちゃん?」
心配そうな少女をよそに、少年は普段は虚ろな瞳の奥底に、確かな光を灯してこう言った。


「だから……」

すべてのひとの魂をかけた戦いをはじめるために。
すべてのあしきゆめを根絶するために。
そして、すべてのひとの魂の戦いをおわらせるために。

ただひとふり、銀の剣をこの手にとって、


『『あたしの』』
『『ぼくの』』
『『わたしの』』
『『おれの』』


"希望"をみんなに贈ります──

4-599-602 世界轟かす剣

時刻は若干遡る。

マサキ・アンドーがサイフラッシュを放つ少し前。
戦艦レイヴァーティン内部にしつらえた巨大な儀式の間で元九江州中生達は精神を集中させていた。
神の剣ダイソードと神の盾ヨゴを装備したレイヴァーテインによる、質量と魔力にまかせたぶちかまし攻撃。
その効果を少しでも確実にするため、僅かなりとも魔力があるメンバーは己のそれを戦艦レイヴァーテインに注ぎ込む。
レイヴァーテインを介して神の武器に流し込まれた魔力は、その能力を増幅させる――
それが今回の作戦の概要である。

が。

ズドゥゥゥゥム

「「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」」
突如の揺れが船内を襲う。
「Oh!Shit!!」
ヴィオレットの舌打ち。
戦艦レイヴァーテインは巨大だ。あまりにも巨大すぎるが故に目立ち、敵の格好の目標とされたのだ。
雲霞の如く押し寄せる敵の群。
レイヴァーテイン自身の武装で、あるいはダイソードをふるって迎撃するも、数の力はその対処能力を飽和状態にまで追い込んでいた。
「ダメですっ。このままじゃ持ちませんっ」
ヨゴのコクピットで、召喚者の二葉春夏が悲鳴をあげる。
「ヴィオレットさん」
「What!?」
「前進してください。こうなったら、この戦艦の質量で敵を押しつぶすしかありません」
揺れに何とか耐えながら、千導会長は提案した。確かに、彼我の質量差を考えれば敵を弾き飛ばすのは容易だ。
だがその代償として、レイヴァーテインの受ける損傷も少なくはないはずである。
それをカバーするのに魔力が余分に消費され、突撃の威力が減衰するのは避けられないだろう。
「思い切りもいい、Niceなアイディーアだと思いマースが……」
「ヴィオレットさん?」
「もうヘルプ呼んでありマース」
言って彼女が指す空の一角にマントをはためかせ箒を駆る男の姿が見えた。

「フンっ」
男の放つ魔法が、戦艦に取り付いた雑魚の群れをなぎ払っていく。
彼の名は鈴木太郎。絶滅社に所属する傭兵にして、ナイトメアとして知られる熟練の夢使いである。
そして援軍は彼だけではなかった。
「アザラス・メトリオン・ジントス」
闇を思わせるフードをまとった少女の呪文が、巻き起こした魔力の渦が、
「おらおらおらおら、くらいやがれ」
全身が機械化された少年の放つソニックキャノンが、
「あなたがたには、これがお似合いですわ」
赤い髪の少女が放つ光弾が、ナイトメアの討ちもらした残敵を掃討する。
「どうやら、肝心の舞台には間に合ったようだな」
「護衛だけで終わるんじゃ、ちょっとかっこわるいもんね」
最後に黒いコスチュームに身を包んだ青年と、緑の肌の少年が器用にレイヴァーテインの肩の部分に降り立った。
「ほう、お前たちなかなかやるではないかどりぃぃぃぃぃむ」
「あんたもな。僕はナイトウィング。このティーンタイタンズのリーダーだ。
 大体の事情は聞いている」
「ふっ。なら話が早い。そちらに魔術を使えるメンバーはいるか?
 どうやらこの戦艦が行おうとしている作戦に、魔術師が必要らしい」
「……それなら私が」
進み出たのは、先ほど奇妙な呪文を唱えた少女であった。
「私はレイブン。魔法に関してはちょっとしたものよ」
「そいつは心強い」

一方、メインブリッジでは千導会長が安堵の息をついていた。
「少し手間取りましたが……ナイトメアさんとティーンタイタンズの皆さんを収容後、改めて作戦を開始します」
「いやダメです、会長」
硬い声で否定の言葉を口にしたのは、ダイソードに登場していた王太だった。
「どうしたのですか。何かトラブルでも?」
「今の戦闘でわかりました。ヴィオレットさんはダイソードに振り回されている」
「えっ」
驚きの視線を受けて、ヴィオレットはなにがおかしいのかバカ笑いする。
「ワタシはヴァルキリーデース。ソードの扱いはエキスパートではアリマセーンHAHAHAHAHA!!!」
「あああああ」
頭を抱える会長。せっかくここまでお膳立てがそろっていると言うのに、肝心のヴィオレットがこんな調子なのは完全に計算違いだった。
いっそ、このまま計画を強行しようか、多少剣に慣れていなくてもなんとか――
彼女らしくもない、自棄っぱちな思考すら頭を掠める。

「なら、俺がその剣を振るおう」

だがしかし、こんな時に、いやこんな時だからこそ名乗りを上げるものがいる。
あたかも運命に導かれたかのように。あるいはそれは宿命とでも呼ぶべきものなのかもしれない。
「あなたは……」
「流鏑馬勇士郎。ナイトメアさんの援護に来たウィザードだ」
「どりぃぃぃぃぃむ。来たな勇者よ」
続けて質問しようと彼女は口を開く。
サイフラッシュが炸裂したのはこの時だった。
モニターいっぱいに広がる精霊力の光。
そしてそれに呑まれた敵だけが次々に消滅していっている。
何が起こっているのか、正確に理解できたものは、その場に誰もいなかった。
だが会長だけはいち早く気付いた。これがチャンスだという事に。
「わかりました。流鏑馬さん。あなたにこの艦の操縦を任せます」
「古き「神」の居場所は我が示そう」
ダイソードから送られてきた情報が、映像となって、モニター上の式神の城に重ねて表示される。
「あそこか、よしっ」
レイヴァーテインは征く。神の武器を手にし、人々の魔力をその身に受け、勇者の力を得て。
サイバスターが作り出した敵の空白地帯を、全速で通り抜ける。
「気をつけてください、既に内部に人が入り込んでいます」
「おう」
今度はヨゴから送られてきた、内部の生命反応から、それらに影響のない切り口を探す。
「そこかぁっ」
勇士郎の体からプラーナの光が立ち昇る。
見出したのはくもの糸のような細い筋。古い神のみを断ち切るその箇所めがけて、ダイソードの刀身が寸分の狂いなく打ち込まれていく。
勇者の持つ膨大なプラーナが、その精密な攻撃を可能にしているのだ。

そして――

「く・ら・えぇぇぇぇぇっっ」

式神の城に人型戦艦の巨体が深々と突き刺さった。

「ううっ、式神の城は……?」
激突の衝撃で一瞬気を失っていた会長は、頭を振りながら起き上がる。
「……古き神は消滅した」
「じゃあ」
ダイソードの言葉に、少女の顔がほころぶ。
「だが、式神の城は健在だ」
「え?」
「すまない。私の情報は不完全だったようだ」
戦局が二転三転するうちに、当初とは別の人物、思惑による陰謀が城を支配しているのだが、この場にいる誰一人として知る由もないこと

であった。
しかし、ふらつく足で立ち上がりながら、彼女は自分のやるべき事を心得ていた。
千導今夜。彼女が九江州中で会長をしていたのは伊達ではないのだ。
異世界に召喚され、半年近くの間全校生徒を率いて戦い抜いたのは、他でもない彼女自身である。
こういうときに味方の士気が低下することの恐ろしさを、彼女はよく知っていた。
「ヴィオレットさん、全艦放送を……ありがとうございます。
 九江州中のみなさん、そして全乗組員の皆さん。
 作戦の第一段階は成功です。私達は敵の陰謀の一つを完全に打ち砕きました」
そこで言葉を止め、息を吸う。
「しかし、敵城内にはまだ戦力が残されています。
 これを討つため、当艦はここに固定し味方のための橋頭堡とします」
驚くヴィオレットに視線で謝りながら続ける。
「九江州中のみなさんは、この艦の防衛と友軍が来た時の援護に備えてください。
 回復魔法の心得のある生徒は班を作り、負傷者の救護の準備にあたってください……」
「こちら、タイタンズ。悪いが、俺達はもうひと暴れしてくるぜ」
「どりぃぃぃぃむ。ならば俺はここの防衛を手伝おう。流鏑馬勇士郎。君は?」
「俺も防衛に回ろう。せっかくの拠点。失うには惜しい」
指示を出し終え、会長はあらためて戦艦の主に頭を下げた。
「すみません、勝手に艦を固定してしまって」
「ノープロブレムッ、どちらにしても深くめり込みすぎて身動きトレマセーン。
 白兵戦の準備くらいしかやることなかったデース。白兵戦の準備?
 HAHAHAナイスジョーーーーーッ」
「ふふっ、ありがとうございます、気遣ってくださって」
一瞬だけ微笑んだ少女はすぐに指揮官の顔に戻る。
「私に出来るのはここまで。
 後は頼みました、ウィザードの皆さん……」

4-606-607 悪魔は悪魔らしく

式神の城、外周にて

青の巨兵と風の精霊が道を切り開いた後、ラハールとエトナは溢れ出て来るモノ達の処理を
プリニー隊は負傷者の救助活動と輸送を。フロンはプリニー隊が連れて来た負傷者の治療を飽きる事も無くしていた
あの時彼女は補給線の確保をラハールに要求した。
彼等が召還(よ)ばれた目的が今だ解らない上に目の前の困っている人を見捨てられない彼女の性格によるものである
そんな訳でフロンの頼みとあっては断れず(エトナは後ほど請求するようだが)彼らはかれこれ三十分以上戦い続けている
溢れ出て来るモノ達に際限は無く、なるべく塵に帰してはいるがそれでも死骸が積み重なっている

「ぬるい!ぬるすぎるぞキサマら!オレ様に挑戦してくる愚かな勇者共に比べたらクズ同然だ!」
少年魔王は最前線にて獄炎の拳を振るいながら屍を築く作業にイライラしていた。
何故オレ様がこんな事をせねばならんのだ!そう叫びたい思いを堪え延々と目の前の有象無象を倒し続ける。
だが、やはり飽きる。
まだ執務室で悪魔連中の自分勝手な要望書とにらめっこをしていた方が幾らかマシだと思う程にこれは単純作業だった
「殿下ー、良く飽きませんね?やっぱりフロンちゃんへの愛って奴ですかー?」
少し後方から魔法と愛槍ロンギヌスによる追撃をしているエトナが暇つぶしに冷やかした。彼女もいい加減飽き始めているのだ
「ええい、喋ってる暇があったらさっさと殺さんかエトナ!」
「そう言う殿下はこれ始めた時から延々喋ってるじゃないですか」
「オレ様のは独り言だから良いのだ!……くそ、本当にキリが無いぞ」
いい加減元を断つ為にここを放棄して進軍しようかと考えていたその時ラハールは空気が変わるのを感じた。

―――聞いてください。

「この声は・・・?」
フロンは呼ばれるように顔を上げた。世界が呼応する様に空気が鼓動するように動いている様に感じたからだ
「赤羽・・・くれ、は・・・さん」
「え?」
フロンが治療しているロンギヌスの一人が呟いた
「前にお世話になった人なんです・・・」

―――今、みんなの住んでる世界を守るために戦ってるやつらがいます。

「へー、綺麗な声してますね殿下ー」
「ええい、働かんかエトナ!」
「負けかと思うから嫌でーす」
「クソ、やはり最初から城に飛び込んで行けば良かっ」

―――けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。

ぴくり、と魔王と魔神の耳が動く。いい加減飽きていた彼等がこの機(フレーズ)を逃すはず等無かった。
「殿下殿下、ここは」
「解っている。・・・どうやらお前がこの世界へやって来たのは今この時の為だったらしいぞ、フロン!」
「え?私ですか?」
後方に叫んだラハールに近寄りながらフロンは頭にハテナマークを幾つも浮かべた
「えーと・・・?何で私の出番なのですか?」
「愛マニアだろうが、お前は」
「???」
未だに良く解っていない堕天使に魔王は溜息をつくのだった
「この世界にもお前の愛マニアとしての情熱を知らしめる格好の場だと言う事がまだ解らんのか」
「え?・・・・・・ハッ!ここで私が英雄を助ければ更に私の知名度も上がって愛を知る人が増えるって事ですね!
あ、でもまだ負傷者の方々が・・・・・・」
「決戦が見たくないのか?」
「行きましょうラハールさん」
即答だった。それで良いのか愛の伝道師
「フン、やっと解ったようだな。そうと解ればこんな所で補給線を張ってる暇など無い!進軍するぞフロン!」
やっと退屈な作業から開放されると言う事にラハールは意気込みながら肩をコキコキと鳴らす
無論それだけの理由で彼は動いている訳ではない。
ゆくゆくはこの世界も侵略する場合その方がやりやすいだろうと判断した結果だった
(それにここまで面白そうな世界も中々無いからな。たっぷりと楽しんだ上で滅ぼしてくれるわ!)
「でも、こんなに敵さんホイホイなのにどうやって行くんです?」
「後から付いて来い。決戦には間に合わんかもしれんがオレ様が道を切り開いてやる」
先程からプリニーを延々投げているエトナに向けてラハールは直進しながら言い切る
「へーい」と短く答えるエトナ。ビデオの準備を入念に済ませるフロン。
彼女たちを背にラハールは眼前のモノ達に向かって告げたのだった


《メテオ・インパクト!》


「愚かな人間共よ!この世界の魔王よ!オレ様の力をしっかりとその目に焼き付けるがいい!ハァーッハッハッハッハァッ!!」
一筋の流れ星が……いや、何故か普段の数倍の大きさとなった巨大隕石が、何かに惹かれる様に城の内部を逆さまに落ちていったのだった

4-609-610 空族たち

ここは、ある飛行船の上
それに乗っているのは、かつて伝説の浮遊大陸を盗掘したという大空族『ドーラ一家』
しかし、その舟はかのタイガーモス号ではない。カバラ船と呼ばれる、異世界の技術で造られた舟。
「全く、備えあれば憂い無しとはよく言ったものだな。まさかこうも唐突にこのような規模の空中戦に対応することになるとは想定外だったが。」
「備えという割には随分人手不足だったじゃないか?」
胸を張るグラーフ・シュペーに、空族ドーラ一家の長、ドーラが半眼でぼそりとうめいた。
「そこは、現地調達で優秀な人員が入ったのだ。今更気にすることでもあるまい」
そうニヒルに答えるグラーフから目を逸らし、焦点を別の空族に結ぶ。
「さあ、敵の旗艦、いや、城に乗り込むぞお前ら!」
「わかったよパパ~」「へいお頭!」「突撃ですぜ!」
そこにいたのはドヴェルグ。がっちりとした体型に低い背丈だが、貫禄は十二分に備えている、その名をシドと言った。
そして、部下が四人ほどぴょいんぴょいんと軽やかに跳ねている。しかも、一時的にシドの下に入れたドーラの部下も、釣られてぴょいんぴょいんと跳ねる。
ドーラはやはり半眼で、
「……大丈夫なのかい? 本当に」
「空族には空族の戦い方があるのだ。問題ない」
「違うっ! 空族?俺は超★空族だっ!!!」
ニヒルに答えるグラーフの発言に横槍を入れるシド、こんなものを見ては…
「……本当に大丈夫かねぇ? 主に性格面で……」
と、柄にも無い心配をしてしまうドーラだった。

そうして、突入の準備を整えていたときだった

―――聞いてください。

脳裏に直接響く少女の声
「この反応…まさかっ!」

―――今、みんなの住んでる世界を守るために戦ってるやつらがいます。

『柊蓮司!』

グラーフの驚愕を継ぎ、全員が声を上げる。なお、ここでも全員フルネームだった。

―――けど、世界を守るためにはみんなの助けが必要なんです。

「いいだろう。そのくらいは当然だ」
グラーフはすぐに冷静さを取り戻す。

―――あ、助けっていっても簡単です。

「こんな空族でよければいくらでも助けになってやるさ!」
歴戦の女空族は豪気に笑い、

―――みんなには、信じる気持ちを持ってほしいだけなんです。

「俺たちは」「お頭が」「信じるのなら」

―――誰かと一緒にいたり、笑ったりするための

「共に信じるのが」『当然ですぜ!』
四人の部下が賛同し、

―――明日っていう、希望を。

「ああ当然だ、何だかんだとあのデカブツをなんとかしちまった柊蓮司がいるんだ!
 希望が、俺たちの明日が消えるはずねえ!」
シドは怒鳴り、突撃用装備から、ギター型アックスを抜く。

「ドヴェルグの音楽は希望の音! この600万Gの賞金がかかった超★空族、シド様直々の希望だ!
 ―――ペイジ、プラント、ジョーンズ、ボーナム、準備はいいなっ!?」
『ヘイお頭っ!』
部下たちそれぞれも楽器を取り出し、構えた

「さあ、思いっきりいくぜ、
―――明日への希望の、魂のロックンロ―――――――――ッル!」

神の力の片鱗『シャード』の力を乗せて増幅、拡散された波動は、世界の核となった少女の助力も受け、世界中、あらゆる並行世界、全てに浸透してゆく

―――そして、その行く先々であらゆる音楽に共鳴、吸収し、人々に希望をもたらす

後に『福音』と呼ばれることになるこの『存在を揺さぶる音波』は、反響でもたらした希望を拾い上げ、その力を柊蓮司へと過剰に供給する

そう、柊の魔剣に宿るは神殺しの業とこの世の全ての希望、相手取るは世界
―――どこに負ける要素があろうか

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