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りえパート(少し変えました。)

変更しました。11/10 20:51

りえメモ
  • 浸透の対象 後とのつながり
  • 問題意識のところ
  • CSRフォント
  • 章番号




2 CSRの効果
すでに多くの研究者がCSRに関する論文を発表しており、CSRは企業を取り巻くステークホルダー、そしてその企業自体に様々な影響を与えているという結果が出ている。本論文ではCSRを、経営理念を具体化したものであると述べた。それでは、企業理念としてのCSRが企業内外に浸透すると企業はどのような効果を得られるのだろうか。
効果について述べていく前に、企業価値の重要性について考えていきたい。企業価値は、水尾順一氏によると経済業績と社会業績から構成されるという(1)。前者は企業活動の中でも売上など財務的な数値として表すことが出来る業績のことであり、後者はコンプライアンスや社会貢献などを行うことでステークホルダーが企業に対して与えるイメージのことである。なお、ここでは経済業績のことを有形資産、社会業績のことを無形資産と呼ぶことにする。水尾氏の研究によると両者は表裏一体の関係にあるため、どちらかが欠けても企業の業績に悪影響を与えることに繋がる。つまり企業価値とは企業が持続的な成長を遂げる上で必要不可欠な要素であるということができる。
以上を踏まえた上で、
①企業価値の主要な決定因子が、有形資産から無形資産へと移行していること
②無形資産の中核に位置するものがコーポレートブランドであること
この二点より、“コーポレートブランド価値の向上”という観点からCSRの効果をみていく(4)。


2-1 コーポレートブランド
 では、コーポレートブランドとは一体どのようなものであるのか。一橋大学大学院の伊藤邦雄教授によると、コーポレートブランドとは「人々がその会社に対して抱くイメージを決定づける無形の個性」と定義している(2)。
 コーポレートブランドの構成要素は大きく三つに分けられる。それは、経営者のビジョン、企業文化、顧客や株主が持つイメージである(3)。しかしこの三つは独立したものではない。経営者のビジョン(経営理念)が企業内で浸透し、それが企業文化として企業に定着すると、従業員の行動に一貫性が保たれるようになり顧客や株主にも反映されるようになるのだ。つまりこの三要素がうまくかみ合うことでコーポレートブランドを創造できるということである。
次に、コーポレートブランドはどのような意義があるのだろうか。前述したようにコーポレートブランドは無形資産の中核に位置し、無形資産は企業価値をを決定する主因子である。ここからコーポレートブランド価値を向上させることは企業価値を高めることに繋がることがわかる。企業価値を高めるためにも、他社と差別化された個性を形成し、ステークホルダーにより魅力に感じさせるようなコーポレートブランドを創造することが求められる。

2-2 CSRとコーポレートブランド
 前節では、コーポレートブランドの要素と意義について述べたが、これらをを踏まえ次はCSRがどのようにコーポレートブランドに繋がるのかを考える。

2-2-1 CSRのコーポレートブランドへの働き
 CSRがコーポレートブランドに繋がるには二つの経路があるといえる。まず一つ目は、ステークホルダーをひきつけることでブランド価値に通じる経路である。CSRを行うことでステークホルダーに良いイメージや評判・魅力を与え、より当該ブランドを選択するようになる。二つ目は、取引を成功させることでブランド価値を高める経路である。こちらはCSRによって消費者団体などのターゲットになるリスクを減らし、ステークホルダーの不安要素を取り除きより信頼性のある取引を促すことができる。これらの経路を通して、CSRはコーポレートブランドの要素である「顧客や株主のイメージ」
にプラスの作用を与え、ブランド価値向上をもたらすことがいえる。


2-2-2 CSRを浸透させるために
 しかし、CSRを行えば必ずしもコーポレートブランドに結びつくというわけではない。CSRを行っているということをステークホルダーに認知させることでその経路を通じ、効果が得られるわけであるが、日本人には陰徳を美とする文化が根付いているためひけらかすのを嫌うからである。この問題を解決するためにも、これまで述べてきたように企業はCSRを経営理念やビジョンと結びつけることでステークホルダーへ伝えていくことが重要なのである。その伝達方法としては二種類が挙げられる。一つ目は、企業が直接伝える方法だ。例えば工場見学や株主総会などといった機会を利用してステークホルダーへ伝えていく。もう一つは媒体を利用して間接的に伝える方法だ。こちらは、CSR報告書や環境報告書などの冊子、またホームページを利用することで伝える。「CSR元年」である2003年前後でCSR報告書類を発行し始めた企業が多く、現在は後者による伝達方法が主流であると考えられる。

2-3 問題提起
 前節までから、CSRを行いそれをステークホルダーへ浸透させることで、コーポレートブランドという企業価値決定の主因子の価値を高めることを示した。では、第二章でも述べたようにCSRが注目を浴びブームが存続する理由は果たして企業価値向上のためだけなのであろうか。以下の章ではその他の可能性について検討していく。


(1)水尾 (2003) pp252-253
(2)伊藤 (2004) p275
(3)原 (2002) p64
(4)伊藤 (2002) p34
(5)岡本 (2006) pp10-17

参考文献
伊藤邦雄・日本経済新聞社広告局 編 (2002) 『企業事例に学ぶ実践・コーポレートブランド経営』 日本経済新聞社
岡本大輔・梅津光弘 (2006) 『企業評価+企業倫理 CSRへのアプローチ』 慶應義塾大学出版会
古室正充・白潟敏朗・達脇恵子(編著) (2005) 『CSRマネジメント導入の全て』 東洋経済新報社
高巌・日経CSRプロジェクト編 (2004) 『CSR 企業価値をどう高めるか』 日本経済新聞社
日本経済新聞社 編 (2004) 『会社の価値はトップで決まる』 日本経済新聞社
水尾順一 編著 (2003) 『ビジョナリー・コーポレートブランド』 白桃書房
最終更新:2009年11月10日 20:57
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