超神ビビューンの最終回


決戦妖怪城!!
さよなら超神




ダイマ超神研究所の上空に暗雲が立ち込め、研究所内がどんどん闇に閉ざされてゆく。

ダイマ「やや、これはどうしたわけじゃ?」

雷鳴が轟き、研究所が激しく揺れる。
月村たちが駆けつける。妖怪パネルが異常を示している。

ダイマ「これはいかん!」
月村たち「博士!」「妖怪パネルが!?」「ガルバーの仕業だな!」「とうとうやって来たのか!」
ダイマ「そうじゃ。大魔王を失い、怒り狂って大攻撃に出てきたのじゃ!」

三太とベニシャークもやって来る。

三太「お、お爺ちゃん! 上空に、怪しい雲が!」
ベニシャーク「わぁ~っ! 恐ろしや…… あの雲に妖気がぁ!」
月村たち「よぉし、行くぞ!」

月村たち3人が外へ飛び出す。
上空の雲間を、妖怪たちの本拠地・妖怪城が漂っている。

月村たち「あれだ!」「妖怪城だ」「ついに出たな!」「今度こそ、最後の決着をつけてやるぞ!」

妖怪城が3つに分裂する。

月村たち「妖怪城が3つだ!?」「ガルバーめ、何を企むのか?」「こうなれば、こっちも三方に分かれるだけだ!」「よし、行こうぜ!」「超──神!! ヤァッ!!」

月村が超神ビビューン、渡部がズシーン、菅がバシャーンに変身する。
3体となって三方に飛び去る妖怪城を、それぞれ別々に追う。

ビビューンたち「逃がしてなるものか!」「よぉし!」「妖怪城め!」

それぞれの追っていた妖怪城が、ビル街、岩山、海上に舞い降りる。

ビビューンたち「よし、妖怪城に乗り込んでやる!」「待ってろ、ガルバー! 今行くぞ!」
バシャーン「水の上ならこっちのもんだ!」


ビビューンは、ビル街の妖怪城に乗り込む。

ビビューン「よし、妖怪ルームに乗り込むぞ。ガルバー、姿を見せろ! ビビューンだ!」

無人の室内に、煙が立ち込め始める。

ビビューン「ガ、ガルバーか!? くッ!」

かつてビビューンたちに敗れたはずの妖怪、山鬼とカナダマが現れる。

ビビューン「山鬼! カナダマも! ガルバーはどこだ!?」


ズシーンは、岩山の上の妖怪城に乗り込む。

ズシーン「ズシーン! 出て来い、ガルバー! どこだ!」

またもや、敗れ去った妖怪、猫又とサカサバシラが現れる。

ズシーン「猫又に、サカサバシラか! 用があるのはガルバーだぁ!」


バシャーンは、海上の妖怪城へ乗り込む。

バシャーン「ガルバー!」

彼の前にも、敗れ去った妖怪のガマガンマとノブスマが現れる。

妖怪たち「ガマガンマ!」「ノブスマが相手だ!」
バシャーン「ガルバーの力で生き返ったのか! ガルバーはどこにいる!?」


ダイマ研究所では、ダイマ博士が妖怪パネルで戦いの模様を窺っている。

ダイマ「甦った妖怪ども、超神と戦っておるな」
三太「お爺ちゃん! お爺ちゃん、ベニシャークが震えてるんだ!」
ダイマ「お前、何をそんなに怖がっておるんじゃ?」
ベニシャーク「は、は、博士、ダイマ博士、悪いことは言わない。早くここから出たほうがいい。研究所全体が妖気に包まれている!」
ダイマ「研究所全体が妖気に?」
三太「どうする、お爺ちゃん?」
ダイマ「ふむ、三太はな、ベニシャークと一緒にどこか安全な場所へ行くのじゃ。わしはここに残ってな、超神の運命を握る破軍星を守らなければならんからな」
三太「大丈夫かい?」
ダイマ「心配するな。わしにはな、八門遁甲の秘法があるのじゃ。この陣の中にいる限り、たとえガルバーとて手も出せんのじゃ」
ベニシャーク「さぁ、三太、は、早く出るんだ!」
三太「うん! お爺ちゃん、がんばってね!」
ダイマ「ベニシャーク、三太を頼むぞ!」


ビビューンたちは、再生妖怪と戦い続ける。

ビビューン「ガルバーはどこにいる!?」

ズシーン「行った先はどこだ!?」

バシャーン「白状しろ! ガルバーはどこだ!?」
ガマガンマ「へっ、教えてやらぁ! 偉大なるガルバー様は、ダイマ研究所の上空、本当の妖怪城の中よ!」
バシャーン「何ぃ!? 本当の妖怪城!?」


ダイマ研究所から、ベニシャークが三太を乗せて空へ飛び立つ。

ベニシャーク「あ~っ!?」
三太「どうしたの、ベニシャーク?」
ベニシャーク「よ、妖怪城だぁ!」
三太「何だって!?」

研究所上空の黒雲の中から、真の妖怪城が姿を現す。

ベニシャーク「研究所が、危ない!」
三太「ベニシャーク、超神に連絡だ!」
ベニシャーク「だ、駄目だ、動けない…… ガルバーだぁ!」

ベニシャークは恐怖のあまり、ふらふらと墜落してゆく。

三太「お爺ちゃあん! わぁ、ベニシャーク!?」

研究所ではダイマ博士が八門遁甲の陣を張り、呪文を唱え続ける。

ダイマ「一門臨── 二門兵── 三門闘── 四門者──」


ビビューン「何だと、ガルバーはダイマ博士を狙って研究所だと!?」
カナダマ「へっ、馬鹿め! この妖怪城は、幻の妖怪城よ!」
ビビューン「何ぃ!?」

ビビューンのいた妖怪城が忽然と消え、ただのビルの屋上となる。

カナダマ「見たか! 本当の妖怪城は、ダイマ研究所の上よ!」
ビビューン「くっ、しまった!」

ズシーンのいた岩山の上の妖怪城も消える。

ズシーン「はっ、妖怪城が消えちまった!?」

バシャーンのいた海上の妖怪城も、やはり消えてしまう。


ダイマ研究所の窓から、妖怪軍団の支配者・ガルバーの巨大な目玉が覗き込む。

ダイマ「一門臨── 二門兵── 三門闘── 四門者── 五門皆── 六門陣── 七門列── 八門在──」
ガルバー「おのれダイマ、八門遁甲の陣を構えたか!? 近づけぬ、ガルバーの力をもってしても!」

そこへ、明智リサが駆けつける。

リサ「博士、博士!」

ガルバーの巻き起こす落雷で、研究所が激しく揺れ、天井から瓦礫が降り注ぐ。
轟音の中でリサが転倒し、陣を囲む蝋燭を倒してしまう。

ダイマ「はっ!?」

すかさずガルバーの魔力が炸裂し、陣が破壊されてしまう。

ダイマ「あぁ、あぁっ……」
リサ「博士! さぁ、逃げましょう!」
ダイマ「八門遁甲の陣が…… 破軍星が……」
ガルバー「そうとも! 八門遁甲の陣に守られた破軍星は、ガルバーの妖気に遮られて、地上に届かぬ! ハハハハハ!」
リサ「は、博士! ど、どうなるんです!?」
ダイマ「超神は、その力を失う……」
リサ「えぇっ!?」

上空にたちこめる黒雲が、次第に破軍星を覆い隠してゆく。
妖怪たちと戦っているビビューンが突如苦しみ出し、変身が解けてしまう。

月村「はっ、どうしたというんだ!?」

ズシーンも妖怪たちに投げ飛ばされたかと思うと、変身が解ける。
バシャーンもやはり、変身が解ける。

渡部「やりやがったな、このぉ! はっ…… 元に戻ってる!?」
菅「あぁっ、どうなってるんだ!?」


月村と渡部が、ダイマ研究所に帰還する。

月村たち「博士!」「ガルバーの狙いは、何なんです!? なぁ、明智くん!?」
リサ「わ、私が…… 私が悪かったんです」

そこへ菅も帰還して来る。

菅「先輩! 何してるんですか!? 妖怪城はまだ、この上にいるじゃないですか!」
月村「あぁ、今度こそガルバーを倒してやる!」
渡部「よぉし!」
ダイマ「それはできんじゃろう……」
渡部「えっ、どうしてですか?」
ダイマ「八門遁甲の陣が破れ、破軍星の光が地上に届かん…… 超神は存在しなくなったのじゃ」
月村たち「そんなぁ!?」「……やってみるんだ!」「よぉし!」

3人が研究所から飛び出す。

月村たち「みんな、行くぞ!」「超──神!! ヤァッ!!」

ダイマの言うとおり、変身はできない。

月村「やっぱり駄目だ!」
ガルバー「見たか! ガルバーに逆らった、愚かな人間の最期よ! 甦りし妖怪よ、倣え! 攻めて攻めて、攻め滅ぼせ!」

すべての再生妖怪たちが一気に現れる。

「山鬼!」「ノブスマ!」「サカサバシラ!」「猫又!」「カナダマ!」「ガマガンマ!」

妖怪たちが6人がかりで襲撃してくる。
月村たちが応戦するが、生身の体では相手にならない。

三太「駄目だ! あのままじゃ月村のお兄ちゃんたち、殺される…… ガルバーの勝ちだ!」
ベニシャーク「三太よ、俺が死んだら泣いてくれるか?」
三太「……? 当たり前だ!」
ベニシャーク「このままでは、地上はガルバーに支配される。そうしたら俺はどっちみち、生きてはいられない……」
三太「ベニシャーク、どうしようと言うんだ?」
ベニシャーク「妖怪城を動かしてやるんだ! そうしたら、破軍星も輝きを取り戻す。三太、色々と楽しかったなぁ…… 元気でな!」

ベニシャークが空へ飛び立ち、ダイマ研究所の上空の妖怪城目がけ突進する。

三太「ベニシャーク!?」
ベニシャーク「あばよ、三太!!」
三太「ベニシャーク──!!」

ガルバー「そろそろ息の根を止めてやれ!」
ベニシャーク「ベニシャークの最期を見よ!!」
三太「やめろぉ! ベニシャーク──!!」

ベニシャークが妖怪城に、果敢に体当たりする。
火花が飛び散り、妖怪城が激しく揺れる。

ガルバー「おのれ、ベニシャーク! 死ね!」
ベニシャーク「わあぁぁ──っっ!?」

妖怪城からの攻撃を浴び、ベニシャークが炎に包まれて墜落、大爆破……

三太「ベニシャーク──!!」

ベニシャークが、壮絶な最期を遂げる、
三太は燃え盛る炎を見つめ、涙をこぼす。

三太「ベニシャーク……」

上空の黒雲が晴れ、破軍星が再び輝き始める。

ダイマ「お、おぉ!? 破軍星の光が戻った!」


妖怪たちに苦戦する月村たちのもとに、リサが駆けつける。

リサ「破軍星が輝いたわ! 超神復活よ!!」
月村たち「……よし、行くぞ!」「超──神!! ヤァッ!!」

3人が超神に変身する。

ビビューンたち「超神ビビューン!」「超神ズシーン!」「超神バシャーン!」「行くぞ!」

形勢が一気に逆転する。
ビビューンたちが、妖怪たちを次々に倒してゆく。

ビビューン「スカイ剣!」

ビビューンがスカイ剣でとどめを刺し、再生妖怪たちは全滅する。
妖怪城が空の彼方へと飛び去って行く。

リサ「見て、妖怪城が飛んで行くわ!」
ビビューン「逃がしてなるものか! 行くぞ!」

3人が大ジャンプで、妖怪城に降り立つ。

ビビューンたち「よし、乗り込むぞ」「おぅ!」

3人が妖怪城の中へ突入する。

ビビューン「ガルバー!」
ガルバー「来たか、憎き超神ども! 片付けてやる!」

妖怪城が大きく揺れ、ビビューンたちは地上に投げ出される。
そして3人の前に、ガルバーが不気味な姿を現す。

ガルバー「ガルバー、殺人光線!」
ビビューンたち「うわぁっ!」
ガルバー「ガルバー殺人ロープ! 絞め殺してやる」
ビビューンたち「ぐうぅっっ!」

ガルバーの放つ攻撃が、次々にビビューンたちに降り注ぐ。

バシャーン「ピピート!」

ガルバーは眼光ひとつで、バシャーンの攻撃をたやすく吹き飛ばす。

ズシーン「おい、バシャーン!? よぉし、モンケーンだ!」

ズシーンの攻撃も、やはり吹き飛ばされる。

ビビューン「行くぞ、スカイ剣! ビビューン火の玉アタ──ック!」
ガルバー「バカめが、火の玉返し!」

ビビューンの必殺技までもが、はね返される。

ズシーン「ビビューン!?」
バシャーン「ガルバーは不死身なのか!?」
ガルバー「ガルバーの偉大なる力、思い知ったか!」
ズシーン「俺たちの力では勝てんのか!?」
バシャーン「負けたらどうなる!? 今までの戦いは、すべて水の泡だ!」
ビビューン「くッ……! 聞いてくれ、破軍星! 私たちの守り星よ! 私たちの命を捧げる! 最後の……最後の力を与えてくれ!」
ガルバー「無駄なことを!」
ビビューンたち「は、破軍星──っ!」「クッ…… 破軍星!」「はっ、見ろ! 破軍星を!」

天空に輝く3つの破軍星が動き出し、一つの星となってまばゆく輝く。

ビビューンたち「今だ! 今こそ超神の命をかけた、超神アタックだ!」「おぅ!」

3人がスクラムを組み、空高く大ジャンプ、巨大な火の玉と化す。

3人「超神アタァ──ック!!」
ガルバー「グワァァ──ッッ!!」

ガルバーが超神アタックを食らって、大爆発を遂げる。

そして妖怪城も炎に包まれ、ガルバーと運命を共にする。


リサ「終わったのね……」
三太「月村のお兄ちゃんも、渡部さんも……」
リサ「菅くんも、みんな死んでしまった……」
ダイマ「いや、破軍星と共に超神はこの世から消えた。そして、すべての妖怪も二度と現れんじゃろう。しかし……」
リサ「しかし?」

声「お──い!!」
三太「あっ……」

月村、渡部、菅の3人が、彼方から駆けて来る。

月村たち「お──い!!」
三太「お兄ちゃぁ──ん!! お兄ちゃぁ──ん!!」
月村たち「お──い! 三太ぁ!」
リサ「無事だったのね!」
ダイマ「あの若者たちは、これから人間として…… みんなと同じ人間として生きていくんじゃ」
三太「お兄ちゃぁ──ん!! あ!?」

三太が大喜びで駆け出し、転倒する。
月村たちがすかさず、変身ポーズをとる。

3人「超──神!! ヤァッ!!」

3人が大ジャンプする。
しかし人間に戻った3人はもはや変身できず、尻餅をつく。

月村たち「あ……!?」「駄目だこりゃ!」「おい!」「あっははははは!!」


おわり

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最終更新:2016年04月17日 12:42