デュフォー「ジガディラス・ウル・ザケルガ!!」
ゼオンの手から出た雷が天使を模した巨大な砲台を作り、
その中心から雷の奔流が放たれる。
清麿「バオウ・ザケルガ!!!」
ガッシュの口から放たれた雷が巨大な龍の姿となる。
バオウとジガディラスの雷が激突する。
バオウは上に上がり、側面からの激突でジガディラスの雷をかき消した。
しかし、ジガディラスの本体が再度、雷の奔流を放つ。
バオウはジガディラスの雷に押しのけられ、
柱に激突し、その余波で清麿が吹き飛ばされた。
清麿「ぐっ!うわっ!」
バオウが再び飛び上がる。
清麿「いけぇぇ!!」
バオウは、奔流を押し切り、ジガディラスの本体に食らいつく。
ジガディラスの羽の一部が欠け落ちる。
ゼオン「バカな・・・デュフォー!もっと心の力を!!」
デュフォー「おぉぉぉ!!」
デュフォーは魔本をより輝かせるも、ジガディラスの崩壊はさらに進んだ。
バオウはジガディラスを地面に叩きつけ、砕いた。
その衝撃でゼオンとデュフォーが吹き飛ぶ。
ゼオン「これがバオウの力・・・」
バオウがゼオンに迫る。
ゼオン「バオウよ・・・」
ゼオンは笑みを浮かべながら、バオウに飲み込まれた。
バオウは空へ上がり、そして消滅した。
デュフォーとゼオンは倒れていた。
ゼオン「デュフォー・・・」
投げ出されたゼオンの魔本に火がつき、燃え始めた。
ゼオン「くぅ・・・」
清麿「ゼオン、お前の野望はこれで途絶える!」
ガッシュ「よかったのだ」
「だって、そうであろう。私の兄弟がこの世界で酷いことをする前に止めることができたのだから」
ゼオン「貴様・・・」
ガッシュ「魔界で再び出会ったその時は、ゆっくり話をしようぞ・・・」
「そうすれば、きっと分かり合えるのだ。私達は兄弟なのだろう・・・」
ゼオン「来るな!!」
ガッシュ「ゼオン・・・」
ゼオン(何故だ!何故ガッシュにバオウを!?俺は認めない!断じてだ!!)
ゼオンの体が透け始めた。
ゼオン「確かに俺は負けた。間もなく魔界へ帰ることになる・・・、だがな、ただで帰るつもりはないぞ!残念だったな、ガッシュ!お前は俺を止められなかった」
ゼオンは額につけていたファウードのコントロールキーを外す。
ゼオン「これでこの世界は終わりだ!」
ゼオンの手でファウードのコントロールキーは砕かれた。
ゼオン「本当にお前がバオウを受け継ぐべきものだと言うなら・・・」
ガッシュ「なっ・・・」
ゼオン「ファウードを止めてみろ!!」
ゼオンは魔界へ送還された。
コントロールから解放されたファウードが咆哮をあげる。
決戦!ファウード 金色の輝き やさしい王様 |
ファウードは、まっすぐに日本を目指す。
清麿「ガッシュ・・手を貸してくれ・・・」
清麿が起き上がろうとする。
ガッシュ「清麿!」
清麿「俺を、コントールパネルまで連れてってくれ…早く・・・」
倒れかけた清麿をガッシュが支え、前に連れていく。
ガッシュ「清麿!一体、何がどうしたと言うのだ!?」
清麿「ゼオンが握り潰した宝石は・・・ファウードのコントローラーだ・・・」
清麿はコントロールパネルを操作する。
清麿「駄目だ・・・」
ガッシュ「駄目!?それは一体どういう意味なのだ!」
清麿「あの宝石が無ければ、ファウードを止めることが出来ない・・・ファウードはもう止められないんだ!!」
ガッシュ「清麿、今何と!?」
清麿「みんなを起こしてくれ!話はそれからだ!」
ガッシュ「ウヌ!」
ガッシュは倒れた皆の方へ向かった。
ガッシュ「起きるのだ、ティオ!恵殿!」
「ティオ、目を覚ませ!大変なのだ!恵殿!」
清麿「みんな、起きてくれ!サンビームさん!」
起きかけていたウマゴンをガッシュが踏みつける。
ガッシュ「ウマゴン!」
エリー達も目を覚ました。
エリー「一体どうなったのだ・・・」
ガッシュ「モモン!しっかりするのだ!キャンチョメ、いつまで寝ている!」
ガッシュに蹴られたキャンチョメが目を覚ました。
キャンチョメ「・・・ひぃい!ゼオン!ゼオンはどうしたの・・・」
ガッシュ「ゼオンは魔界へ帰ったのだ」
キャンチョメ「本当なのかい!?」
ガッシュ「・・・ウヌ」
エル「助かったのね・・・」
キャンチョメ「えらい!さすがガッシュだ!!」
フォルゴレ「やれやれ、やっとイタ~リアに帰れる!」
清麿「安心するのはまだ早い・・・」
フォルゴレ「ファウードが暴走している・・・?」
清麿「あぁ、コントローラーがゼオンによって破壊されてしまった」
恵「そんな・・・清麿君、なんとかかならないの!?」
清麿「ファウードへの指令は一切断たれた」
モモン「ファウードの日本上陸まで・・・」
エリー「およそ15分!」
キャンチョメ「ウ、ウソだろぉ!?」
テッド「たったそれっぽちか!」
ティオ「そんなのあんまりよ!!せっかくここまで辿り着いたのに・・・」
恵「ティオ・・・」
ティオ「がんばってここまで来たのに・・・」
リイエン「全てムダだったあるか・・・」
ウマゴン「メルメル・・・」
テッド「くっそぉ・・・」
ガッシュ「諦めるな!まだ!まだ何か方法があるはずなのだ!!」
キャンチョメ「だけどガッシュ・・・方法たって・・・」
ガッシュ「ここまでずっとあきらめずにやって来たではないか!!」
テッド「俺達に何が出来るって言うんだよ・・・」
清麿の持つ金色の魔本が光を放つ。
清麿「ガッシュの言う通りだ・・・諦めるのはまだ早い、最後までやり通そう!」
ガッシュ「ウヌ!必ず最後まで!」
恵「分かったわ!やりましょう!」
ジート「やってやろうじゃねぇか!」
サンビーム「それで、清麿。私達は何をすればいい!?」
清麿「まずは、ファウードの中にいる全員をここに集めてくれ」
ほとんどが脊髄のどこかにいるはずだ」
ジート「しかし奴らは敵だぜ・・・素直に話をきくかどうか」
清麿「緊急事態なんだ!それに最初に決めたはずだ、誰も死なせないって!!」
恵のアナウンスが脊髄の部屋に流される。
恵「ファウード内部に残っている全ての皆さんへ、緊急事態です!」
至急コントロールルームへと移動してください!
ファウードが暴走しています!!」
清麿「ただちに全員を退避させなければ!」
モモン「手伝うよ、少しだけボクもこれ分かる」
ガッシュ達は脊髄の方へ向かう。
ガッシュ「手分けしてみんなを連れてくるのだ」
ウマゴン「メルメルメ~!」
脳の一つ前の部屋の出入り口には、バリーとグスタフがいた。
ガッシュ「お主はバリー!」
キャンチョメ「ひ、よりによって一番面倒なのに出くわしちゃったよ!」
ガッシュ「バリー!今は戦ってる時ではないのだ!」
グスタフ「話は聞いた。我々もここで戦う意思はない」
2人はガッシュ達へ道を譲る。
ガッシュ「ウヌ!ありがとうなのだ!!」
バリー「ガッシュ、これだけは約束しろ。お前との決着は必ず付ける、いいな!」
ガッシュ「分かったのだ」
バリー「だったら、俺の気が変わらないうちにとっと行きやがれ!!」
ガッシュ「ウヌ!」
敵の魔物のパートナー(本の持ち主)だった人間達と生き残った魔物にバリーとグスタフがコントロールルームに集められた。
清麿「状況は分かってもらえたと思う。急いでここから退避してもらいたい!」
グスタフ「このファウードを止める算段はついているのだろうな?」
清麿「あぁ、何としてでも止めて見せる!」
グスタフ「いいだろう」
モモン「清麿、こっちはOKだよ」
サンビーム「こっちもだ!」
清麿「みんな、固まってくれ!」
床が魔本の模様と同じ紋章を浮かばせて、
バリー達を外へ転送した。
ガッシュ「消えたのだ・・・」
ウマゴン「メル、メルメルメル・・・」
サンビーム「転送装置だよ」
清麿「リオウ達が使っていたファウードのシステムを作動させたんだ」
フォルゴレ「そうか!だったら、その機能を使ってファウードを・・・」
リイエン「そうアルね!」
清麿「いや、無理だ。」
フォルゴレ達「え?」
清麿「質量が大きすぎる上に、時間がない。仮に出来たとしても、ファウードが地上からいなくならない限り、危機が去ったとは言えない」
恵「それじゃあ、どうするつもり!?」
清麿「これが最後の希望だ」
清麿が金色の魔本を掲げる。
恵「本の色か金色に・・・」
清麿「ゼオンとの戦いの途中で、色が変わった。この新たなる力で、ガッシュと俺とでファウードを止める!」
清麿「ウヌ!」
ウマゴン「メルメル―!」
キャンチョメ「やめなよ!!」
テッド「そんなの作戦とは言えねぇぞ!」
ティオ「無茶よ!」
ジード「ガッシュも清麿もゼオンとの戦いでボロボロじゃないか!!」
フォルゴレ「そんな状態で・・・」
リイエン「心の力を使い果たして、一体何が出来るアルか!」
サンビーム「例えバオウを撃てたとしても・・清麿は・・・」
清麿「分かっている・・・」
エル「そんなのダメです!みんなで力を合わせて!!」
モモン「僕も一緒に戦う!」
清麿「いや、俺達だけでやらせてくれ」
キャンチョメ「ガッシュ!」 ティオ「どうして!どうしてなのよ・・・」
恵「清麿君!」
エリー「・・・任せよう!アースが常々言っていた。ファウードを止める唯一の希望はガッシュの持つバオウだと・・・バオウ以外にファウードを止める方法はない!」
そして、仲間達も転送装置の上に立った。
ガッシュ「みんな、ここまで一緒に戦ってくれて、ありがとうなのだ!!
後は清磨と私に、ファウードは必ず止める!約束なのだ!!」
清麿(今まで本当にありがとう・・・)
恵「清麿君!」
ティオ「ガッシュ――!!!」
仲間達も外へ転送されていった。
ガッシュ「行ってしまったのだ・・・」
清麿「あぁ・・・」
ファウードが加速する。
ガッシュ「おお・・・」
清麿「まずい!更にスピードを上げた!あれは・・・モチノキ町!モチノキ町にまっすぐ向かっている!」
ガッシュ「清麿!私達は一体どうするのだ!?」
清麿「俺達も外へ!ファウードの正面に出る!」
ガッシュ「だったら早くするのだ!」
清麿「そんなに簡単にいくか!手動で!入力してんだぞ!!
正確に、ファウードの正面に出る必要がある。距離も適切じゃないと、バオウの効果は半減する!」
ガッシュ「何を言ってるのかさっぱりなのだ!」
清麿「今のままじゃ、どこに飛び出すが分からないってことだ!」
ガッシュ「ウヌ!何でもいいのだ!だから、急ぐのだ!!」
モチノキ町の人々は既に避難していたが、
鈴芽だけが山の上で迷っていた。
鈴芽「町の人が一人もいないなんて、どういうことなのよ~」
鈴芽にもモチノキ町へ迫るファウードの姿が見えた。
鈴芽「・・・!! これは夢なのね・・・ねぇ、みんな~どこに隠れてるの~~?」
ファウードが灯台を壊し、港に接近する。
清麿「ダメだ!間に合わない・・・」
ガッシュ「あぁ!誰かいるのだ!」
清麿「何!?」
港にはブラゴとシェリーが待っていた。
シェリー「これがファウード、話の通り、すごい大きさね」
ブラゴ「何を呑気なことを言ってる。さっさと心の力を貯めろ」
シェリー「安心なさい。もう、準備は出来てるわ」
シェリーの持つ黒色の魔本が輝く。
シェリー「バベルガ・グラビドン!!!」
ブラゴ「うおぉおお!!」
ブラゴの放った重力波がファウードを転ばせた。
港はファウードの体に潰され、ブラゴとシェリーは砂浜へ下がる。
シェリー「さてと、後はあの子達に何とかするでしょう」
ブラゴ「シェリー」
シェリー「勘違いしないで、ゾフィスの時の借りを返しただけの話よ」
ブラゴとシェリーはその場から去って行った。
ガッシュ「ブラゴ・・シェリー・・・ありがとうなのだ!!」
清麿「よし、入力完了だ。行くぞ。ガッシュ!」
ガッシュ「ウヌ!」
清麿とガッシュもファウードの前へ転送された。
仲間達はファウードより後ろの海岸に転送されていた。
ティオ「ガッシュ・・・」
清麿「ガッシュ!」
ガッシュ「清麿、いつでもいいのだ!これ以上一歩も進ませぬ!」
清麿「ファウードなんかにモチノキ町を壊されてたまるか!」
ファウードが一歩踏み出し、2人は飛びのく
ガッシュ「私は守る!友達を!全ての人たちをだ!!」
清麿「あぁ、誰一人犠牲にはしない!俺の心の力、全てを注ぎ込む!」
清麿(例え、この命尽きようとも…)
ここで、清麿はファウードへ向かう前のことを思い出す。
鈴芽が清麿にお守りを渡す。
鈴芽「あ、あああ、赤い糸よ・・・細い糸を編んでその先をお守りに・・・」
「戻ってくるための・・・おまじない・・・」
清麿「安心しろ、ちゃんと戻ってくるよ」
清麿(お守りか・・・)
清麿は笑みを浮かべる。
ガッシュ「清麿!私たちは2人だけではない!みんながついているのだ!」
清麿「ああ!そうだ!みんなが俺達を支えてくれる!」
金色の魔本が輝きを放つ。
ガッシュ「清麿!必ず止めるぞ!!」
ガッシュはファウードの拳をかわし、そこから昇っていく。
清麿はファウードの拳から逃れるも、余波で吹き飛ばされる。
清麿「バオウ・ザケルガ!!!」
ガッシュがバオウを放った。
ファウードが右手の指から十指砲(カーファーロウ)を撃つ。
バオウはその砲撃を受けるも、そこから2体に分裂した。
清麿「バオウが・・・2体に!?」
ファウードは2体のバオウに両手の十指砲を撃つも、
それを受けたバオウは4体に分裂した。
4体のバオウがファウードに絡みつく。
清麿「バオウがファウードを・・・」
ファウードは口の主砲からのビームで足元を攻撃し、
一体のバオウが地面に倒れた。
清麿「バオウ・・・行けぇええ!!」
3体のバオウが一つになって、
ファウードの主砲も飲み込み、ファウードより遥かに巨大になる。
サンビーム「な、何だ!あの巨大なバオウは!!」
エリー「あれがアースの言ってた力・・・最後の希望!!」
バオウがファウードを飲みこむ。
宇宙に届くほどの閃光が瞬き、バオウが宇宙で吠える。
黒焦げとなったファウードが、バラバラに崩れ落ちていく。
清麿(ファウードが帰っていく・・・生まれた時のようにまた大地の一部へ・・・帰って・・いく・・・)
清麿がゆっくりと倒れていく。
鈴芽がくれたお守りも地面に落ちた。
鈴芽「高嶺・・・君・・・?」
ガッシュ「やったのだ、清麿!!」
「清麿・・・」
「清麿―!清麿―!」
「しっかりするのだ、清麿・・・」
「清麿!清麿・・・」
清麿は意識を失いながらも、笑みを浮かべていた。
ガッシュ「笑っているのだ・・・」
「清麿!やったぞ、私達が・・・勝ったのだ―!!」
その後、ガッシュはフランスの草原に来ていた。
ガッシュ「ウォォォ・・・何をしているのだ!早く早く!急げ清麿!」
追いついた清麿は、鬼の形相でガッシュを驚かすも、すぐに笑顔になる。
清麿「ハハハ、そんなに焦らなくてもいい。あの二人は逃げやしない」
ガッシュ「分かってるのだ!だけどじっとしてはいられないのだ!」
ガッシュは清麿を引きずるようにして、走りだした。
2人を待っていたのは、ブラゴとシェリーだ。
ガッシュ「ブラゴ!シェリー!お久しぶりなのだ!!」
シェリー「元気だったようね、ガッシュ。清麿」
ガッシュ「ウヌ!名前を呼んでくれたのだ」
ブラゴとシェリーが構える。
清麿「行くぞ、ガッシュ!」
ガッシュ「ウヌ!」
シェリー「ギガノ・レイス!」
清麿「ザケルガ!」
ガッシュ達の戦いの幕が上がったところで、
物語の幕は下りる。
そして、タイトルロゴの下で3体のバルカンが跳ねて、一つの文字を出した。
最終更新:2024年07月28日 13:48