スペースコロニー、ネオジャパン。
森林地帯。MS、ガン・マグナに乗ったウルベ・イシカワ少佐が指揮するMSブッシの部隊が、地上のとあるMSを包囲していた。
ウルベ「全機砲撃準備!!ヤツの出現と同時に砲撃開始せよ」
パイロット「了解!ウルベ少佐!!」
ウルベ「よいかっ!なんとしても逃すなっ!!」
だが、そのMSが放った無数のビームが全てのブッシを撃ち落とした。
ウルベ「!!!、なっ、なんだと!?一瞬で全滅!?ぐおっ」
ガン・マグナも掠めたビームで右半身を破壊され、墜落していった。
そして、一瞬で部隊を全滅させたMS,デビルガンダムが浮上していった。
ウルベ「これがデビルガンダム!!!」
デビルガンダムはネオジャパンコロニーから地球へ向かっていった。
ウルベ「デビルガンダム・・・このままではすまさんぞーーーー」
ウルベは顔の右方に傷を負っていった。
謎の「ガンダム」が地球におちていってから一年後――――未来世紀六〇。
この都市は四年に一度のGファイト第十三大会の年。
Gファイトとは各国コロニー代表のファイターが自分の「ガンダム」をあやつり、コロニー国家ナンバー1の座をかけて闘う試合のことである。
代表のファイターとガンダムはこの年、闘技場に集う。
そう!!リングは地球、エリートたちが見捨てた汚れきった地球なのだ。
イタリア ローマ市街
そこに宇宙から謎の物体が落下し、ベルチーノ警部と部下のメジナ警部が向かっていた。
ベルチーノ「こちらベルチーノ。謎の物体の落下地点へ急行中。場所はB―51地区だ。
すんでいた金持ち連中はコロニーへあがってしまったーーーー今はゴーストタウンとなっている場所だ」
落下したのは巨大なカプセルだった。
ベルチーノ「すさまじい衝撃波がおきたようだな」
メジナ「宇宙からきたことはまちがいないようですね・・・なんでしょうか」
ベルチーノ「国籍をしめす標識はみあたらないか?」
メジナ「無理です。黒こげですよ、警部」
ベルチーノ「「ガンダムファイト」に関係するものかもしれん。なにがはいってるかもわからんが、厳重に警戒しておかないとな」
そこへ、ベイクに乗った一団が近づいてきた。
一団「ひゃっほう」「おらおら」
メジナ「警部、ヤツらです」
ベルチーノ「ミケロ=チャリオット一家か!?」
来たのはマフィア、ミケロ一家の一員、レテ、アンドレ、カミラ達だった。
メジナ「立ち入り禁止だ。マフィアの手下のくる所じゃない。かえれ!かえれ!!」
アンドレ「いいのかよ、そんな口くいいて」
レテ「ボスのミケロはこのネオイタリアのGファイターだぜ。おちてきた物をしらべようってんだ」
ベルチーノ「メジナとおしてやれ!」
レテ「ふん!」
レテ「なんでぇこりゃ」
メジナ「なんたってあいつらのボスなんかが、今度のガンダムファイターにえらばれたんですかね」
ベルチーノ「オレもしりたいくらいだ。上の連中はなにもかんがえてないのさ。でなきゃ、マフィアのボスなんかが国の代表にえらばれるわけないだろう」
メジナ「裏金でもうごいたんですかね」
ベルチーノ「さあな、われわれ警官にゃわからないのさ」
二人の後ろで、赤いマントを纏った男、ドモンが他の市民に混じって遠巻きにカプセルを見ていたが、その場から離れて、町はずれの酒場に行った。
そこで、物売りの子供たちが話しかけてきた。
マルコ「よう!旅の人、コンピュータチップのいいのがあるぜ!かってくんないか」
ボロー「ガムもあるんだけど」
ソフィア「お花はいかがですか?」
マルコ「あっ!あの音は!!」
レテ達が酒場に乗り込んできた。
レテ「おうおう、どいたどいた。ミケロ一家のおでましだァ。ん!?」
レテが隠れようとしてたマルコを掴み上げた。
レテ「おら!逃がすかよ。今日のかせぎをだしな」
マルコ「そんなもんあるかよ!!」
レテ「とぼけやがってーーーーもってんじゃねえか!!」
レテがマルコの持っていた小銭を取り上げた。
マルコ「あ!かえせ!!」
レテ「オレたちをなめんなよ!!ガキが!」
そこから、マルコを地面に叩き付けた。
ポロー「兄ちゃん!」
レテ「ヒーッヒッヒッ!!ん!?」
ドモンがレテの肩を叩いてから、殴り飛ばした。
レテ「なっ、なにすんでェ!!」
ドモン「ガキの金まきあげるとはセコイ野郎だな」
レテ「野郎!!なめたマネを」
ドモンはレテに古ぼけた写真を見せた。
ドモン「この男をみたことはないか?」
レテ「しるか!!」
ドモン「そうかい!!」
殴りかかろうとしたレテをドモンが蹴り飛ばした。
アンドレ・カミラ「「「こいつ!!やっちまえっ!!」」
アンドレとカミラを含めた3人も、ドモンは一蹴した。
ドモン「フン」
ベルチーノ「うごくな!!」
ベルチーノがドモンの背中に銃を突き付けた。
ベルチーノ「おとなしくしろ!チンピラども、全員逮捕する」
警察署。
警察官「警部、主要幹線道路の検問所配置おわりました」
ベルチーノ「よし!そぶりのおかしいヤツは市内にいれるな。とくにガンダムファイターには注意しろよ」
メジナ「警部、面会の方がおみえです」
ベルチーノ「面会?誰だ!」
メジナ「美人のドクターです」
ベルチーノ「美人のーーーー?とおしてくれ」
レイン「こんばんは警部さん。わたし、ネオジャパンコロニーの政府職員―――レイン=ミカムラと申します」
ベルチーノ「出ろ!!ガンダムファイター、ドモン=カッシュ!!」
レイン「ハ~~イ♪ドモン!!」
ベルチーノ「釈放だ!そのかわり一時間以内にこの街から出ていけ!!理由はわかっているな」
ドモン「文句があるなら上のエライヤツらにいえ!四年に一度、コロニー国家どうしにバトルなんてことを決めたヤツらにな」
ベルチーノ「ああ、いっておくともーーー地球はリングじゃないってな!!」
ドモンとレインは、警察から出た。
レイン「ミケロの手下は、弁護士がひきとりにきて釈放されたわ」
ドモン「頭にくるヤツらばかりだぜ、地上の連中ってのは!!」
レポーター「―――次のニュースです。51地区に落下した物体はガンダムファイトに関連するものと、警察は警戒を強めてます。わが国の代表となったガンダムファイター、ミケロ=チャリオットとの戦いがーーーー近々市内でおこなわれることもかんがえられ、警察は市民のみなさんに注意をよびかけてます」
レイン「わたしたちって、ほんとうに嫌われているのね・・・」
ドモン「あたりまえだ。戦いのたびに街をぶっこわしているからな。やられるほうはたまったものじゃない」
レイン「でもガンダムファイトがあるおかげで、国どうしの全面戦争がさけられているのも事実なのよ」
マルコ「おーーいアニキ!!」
マルコたち3人が来た。
マルコ「警察できいたんだけど、アニキってガンダムファイターだってね」
ポロー「ボクたちはネオジャパンコロニー最強の男に助けられたんだね」
ドモン「オレは助けたおぼえはない」
マルコ「でもさ、その強いアニキにいうのもなんだけど・・・さっさとこの街からでていったほうがいいよ」
ドモン「おまえらもオレをおいだしたいのか」
マルコ「ちがうよ、あいつらのボスのミケロはひどいヤツなんだ!」
ポロー「気にいらないヤツは自分のガンダムでふみつぶすんだ」
ソフィア「そう!ふみつぶすのよ」
マルコ「オレたち親はいないけどさ、兄弟でせいいっぱい生きているんだ。それをヤツらは・・・せめてホテルまでおくらせてくれよ、アニキ!」
ドモン達はホテルに着いた。
レイン「それじゃ、ありがとう。ここでいいわ」
ドモンが部屋に入ろうとしたが、扉が内側から蹴り破られた。
ドモン「!!!レイン!子供たちをたのむ!!」
マルコ「アニキ!こいつがミケロだ!!」
扉を蹴破って出てきたのは、マフィアのボスにして、ネオイタリアのガンダムファイターのミケロ=チャリオットだった。
ミケロ「ただのネズミではなさそうだな・・・なに者だ、キサマ」
ドモン「オレの名はドモン=カッシュ。ガンダムファイターだ!!」
ミケロ「やはりガンダムファイターか!!相手にとって不足なし!!」
ミケロが口から火炎を吐いた。
ドモン「うわっ」
ミケロ「オレはオレより強そうなヤツをみると、ムショウにハラがたつんだ」
ミケロは蹴りと火炎でドモンを攻める。
ドモン「こっちだミケロ!!」
ミケロ「おのれ」
ミケロは飛び上がったドモンを火炎で狙うも、火炎が天井のスプリンクラーを作動させてしまい、水がミケロに降り注いだ。
ミケロ「ぐおおっ」
ドモン「へっ、どうだガソリン野郎!小細工が通用するか!!」
レイン「ドモンたいへん!!ミケロの部下がソフィアをさらって屋上に!!」
ドモン「バカやろう!!」
ドモンが屋上に上がると、レテがソフィアに包丁を突き付けていた。
ドモン「その子をはなせ、クズ野郎!!」
レテ「く、くるな。オレにちかよると、このガキの命はねぇぞ・・・」
ドモン「ひきょう者め!!子供をたてにしないと戦えないのかっ」
怒るドモンの後ろに、モビルファイターが現れた。
ドモン「ガンダム!?」
ミケロ「ドモン!おまえのような目ざわりな野郎は、このネロスガンダムで始末してやるぜ!!」
ドモン「ミケロか!!ガンダムファイトなら、ルールにしたがって勝負しろ」
ミケロ「ルールはオレが決めるのよ!これがオレのガンダムファイトだ!!」
ネロスガンダムのパンチがドモンの近くの床を砕いた。
ミケロ「ガハハハハッ!!!」
ドモン「どわあああっ」
ミケロ「どうだドモン!!ム!?野郎逃げやがったな」
警察官「警部!!ミケロが女の子を人質にとってさわいでます」
ベルチーノ「なんだとっ」
ベルチーノ達警察が、ミケロとソフィアを抱えたレテが屋上にいる建物の前に来た。
ミケロ「それ以上ちかづくな。人質をおとすぞ!!」
ベルチーノ「ミケロめ、なんてマネを」
マルコ「ソフィア!!」
ベルチーノ「ミケロっ!!おまえはそれでも、この国の代表か!!要求はなんだ」
ミケロ「ガンダムファイトよ。ドモン=カッシュをつれてこい!!」
ドモンは既に来ていた。
ドモン「オレならここにいるぜっ。さっきはたのしませてくれたな、ミケロ!!」
ベルチーノ「ドモン!!」
マルコ「アニキ!!」
ミケロ「ドモン=カッシュ!!おまえにガンダムファイトを申しこむぞ!!」
ドモン「よかろう、うけてやるぜ」
ドモンが指を鳴らすと、先程落ちてきたカプセルがドモンの元に来た。
ベルチーノ「なんだとっ、あの落下物が」
カプセルが展開し、その中には一体のガンダムが、そうーーーー
ドモン「シャイニングガンダム!!」
ネオジャパンのガンダム、シャイニングガンダムだ。
ドモンがシャイニングガンダムに乗り込み、ミケロのネロスガンダムと相対する。
ドモン「ガンダムファイト、レディーゴーッ」
ミケロ「ドモン、娘のことをわすれるなよ」
ドモン「うっ!!ソフィアか」
ネロスガンダムがシャイニングガンダムを蹴り飛ばした。
ドモン「ぐおっ」
ミケロ「どうした、ドモン」
ネロスガンダムはシャイニングガンダムを殴り飛ばす。
ドモン「うぐぐぐぐぐっ」
レイン「ドモン・・・・・・」
ネロスガンダムは更にシャイニングガンダムを攻め立てる。
ポロー「すげぇ・・・これが本物のガンダムファイトなんだ・・・」
マルコとベルチーノ達警察は、建物の中を上がっていた。
ベルチーノ「いそげっ、ドモンのヤツ、おまえの妹の身を案じてやられっぱなしだ。味なマネを・・・」
マルコ「アニキっ」
ミケロ「このファイト、オレの勝ちだ」
ネロスガンダムが倒れたシャイニングガンダムを踏みつける。
ミケロ「へっへっへっ」
レテ「ひゃひゃひゃっ。いいぞボス、やっちまえ!!」
ドモン「く・・・・ちくしょう・・・」
レテ「いけぇーーーーのしちまえ!!」
そこへ、ベルチーノ達がレテに飛びかかった。
レテ「げ」
レテはベルチーノ達に押さえ込まれ、マルコがソフィアを助けた。
マルコ「アニキ、妹を助けたよーーーーっ!!」
ドモンがそれを確認すると、シャイニングガンダムがネロスガンダムを押しのけた。
ミケロ「ぐおお」
ドモン「ミケロ!!おまえの勝利もここまでだっ!!今までの礼だっ!!」
シャイニングガンダムがネロスガンダムを圧倒する。
ミケロ「つ・・・・強ぇ・・・・・」
ドモン「ハア~~~ッ、必殺っ!!!シャイニングフィンガー!!!」
シャイニングガンダムが光り輝く右手でネロスガンダムの顔面を鷲づかみにした。
ミケロ「ぐああああっ」
ドモン「パスワードデータ入力!」
ドモンがシャイニングフィンガーを通じて、ネロスガンダムにあるデータを送った。
ミケロ「な・・・なんだぁ、なんのマネだよ、こりゃ・・・」
ドモン(なにもおきないか・・・すると、こいつではないな・・・)
「ミケロ!!ゆるせない悪党だが命だけは助けてやる。ガンダムファイト国際条約第二条――――相手のコックピットをねらってはいけない。そして国際条約第一条―――」
シャイニングガンダムがネロスガンダムの顔を引きちぎりながら、右手を引いた。
ドモン「頭部を破壊された者は失格となるっ!!」
シャイニングガンダムの蹴りがネロスガンダムの頭を跳ね飛ばした。
マルコ「やったあっ」
ベルチーノ「ようし!ミケロを逮捕しろ、ヤツはもうただのチンピラだ!!」
翌朝。
マルコ「アニキ、カッコよかったぜ!!」
ソフィア「助けてくれてありがとう」
ポロ―「オレたちアニキのことわすれないよ」
ドモン「礼なら警部にいうんだな」
ベルチーノ「フン、あばよドモン。二度とこの街にくるなよ」
ドモン「ああ、あんたのきたない面など二度とみたくないからな」
「じゃあな!!」
ドモンがジェットバイクで出発していった。
ガンダムファイター、それは最強のガンダムの座をかけて闘う戦士、人は彼らをそうよぶ!
ドモン=カッシュの旅は、まさにはじまったばかりである。
(続く)
最終更新:2020年03月08日 18:55