ラブライブ!(第1期)の第1話

「ススメ→トゥモロウ」が流れる。

その出だしを歌う高坂穂乃果(こうさかほのか、以下穂乃果)。

その後走り出し、カバン、ブレザーを放り投げ、袖をまくり、階段の前でジャンプ!

穂乃果(ナレーション)『これが私、高坂穂乃果、高校2年!
            今、私の通う音ノ木坂(おとのきざか)学院が大ピンチなの!
            それは……昨日突然、理事長によって伝えられた学校廃校の知らせがきっかけだった』

穂乃果「えっ? うっそ!?」

南ことり (みなみことり、以下ことり)「廃校って……」

園田海未(そのだうみ、以下海未)「つまり……学校が無くなる……ということですね」

穂乃果「ああっ……」

 卒倒する穂乃果。
 それを倒れる直前に支えることりと海未。

海未「穂乃果!」

ことり「穂乃果ちゃん!」

穂乃果「うそ……私の……」

海未「穂乃果~!」

ことり「穂乃果ちゃ~ん!」

 大きく描写される「廃校」の文字。
 そして涙目の穂乃果。

穂乃果「私の輝かしい……高校生活が……」

ラブライブ!

目を覚ます穂乃果。

穂乃果「! ……夢!?
    ……なーんだ♪」



 ルンルン気分で廊下をスキップする穂乃果。

穂乃果「♪らったらったら~ん。おっはよー!」

#1「叶え!私たちの夢──」

穂乃果「ヒデコ、フミコ、ミカ、おっはよー!
    今日も良い天気~♪」

 唖然とする3人。

ヒデコ「……ついにおかしくなっちゃったのかな?」

フミコ「穂乃果ちゃん、元気いっぱいなのは良いけど……」

ミカ「なんか勘違いしてるよね……」


穂乃果「そりゃそうだよね♪ いきなり廃校なんて……」

 ルンルン気分で廊下をスキップする穂乃果であったが、掲示板には「廃校」の知らせの張り紙がずらりと並ぶ。
 そして挙句の果てには「これでも分からないのか!?」と思うくらいの大きな張り紙で「廃校」の知らせが……

穂乃果「いくらなんでもそんな急に決まるわけが…………あああっ!!」



 ……で、しょんぼり気分で教室に入る穂乃果。
 その気配に気付くことりと海未。

ことり「あっ。
    ほ……穂乃果ちゃん……大丈夫?」

穂乃果「…………」

 席に着き両手で顔を覆う穂乃果。

穂乃果「学校が無くなる……学校が無くなる……うううっ……」

ことり「穂乃果ちゃん、すごい落ち込んでる。……そんなに学校好きだったなんて……」

海未「違います。あれは多分勘違いしてるんです」

ことり「勘違い?」

 ガバっと起き上がり涙目で二人に近づく穂乃果。

穂乃果「ど~しよう!! 全然勉強してないよ~!! うう~~~」

ことり「えっ?」

穂乃果「だって、学校無くなったら別の高校入らなくちゃいけないんでしょ!?
    受験勉強とか! 編入試験とか!」

海未「やはり……」

ことり「穂乃果ちゃん落ち着い……」
穂乃果「ことりちゃんと海未ちゃんはいいよ!! 3月の成績は良いし! でも私は……!」

海未「だから落ち着きなさい! 私たちが卒業するまで、学校はなくなりません!」

穂乃果「えっ?」



 場所は変わって中庭、昼休み。

穂乃果「はーむっ!」
 パンを頬張る穂乃果。

ことり「学校がなくなるにしても、今いる生徒が卒業してからだから早くても3年後だよ」

穂乃果「良かった~! いや~、今日もパンが美味い! はむ!」

海未「……太りますよ」

ことり「でも……正式に決まったら、次から1年生は入って来なくなって、来年は2年と3年だけ……」

海未「今の1年生は、後輩がずっといないことになるのですね」

穂乃果「そっか……」


???「ねえ」

穂乃果「?」

 3人の前に現れた2人の女子生徒。絢瀬絵里(あやせえり(以下、絵里))と東條希(とうじょうのぞみ(以下、希))。

絵里「ちょっと良い?」

 ガバっと立ち上がる3人。

3人「は、はい!」

穂乃果「だ、誰?」

海未「生徒会長ですよ」

絵里「南さん」

ことり「はい!」

絵里「貴女確か、理事長の娘よね?」

ことり「あ……は、はい」

絵里「理事長、何か言ってなかった?」

ことり「……いえ。私も今日知ったので」

絵里「そう……ありがとう」

希「ほな」

 去ろうとする絵里と希。

穂乃果「あの!」

 立ち止まる絵里。

穂乃果「本当に学校、無くなっちゃうんですか?」

絵里「……貴女達が気にすることじゃないわ」

 見向きもせず立ち去る絵里。

3人「…………」



穂乃果「『入学希望者が定員を下回った場合、廃校にせざるを得ない』って発表にはあったよね?
    ってことは、入学希望者が集まれば廃校にはならないってことでしょ?
    つまり、この学校の良い所をアピールして、生徒を集めれば良いんだよ!」

海未「良い所って……例えばどこです?」

穂乃果「えーっと……歴史がある」

海未「まあ、他には?」

穂乃果「他に!? えーっと……伝統がある!」

海未「それは同じです」

穂乃果「え~!? じゃあじゃあ…………えーん! ことりちゃん!」

ことり「う~~ん、強いて言えば……古くからあるってことかな?」

2人「…………」

海未「ことり、話聞いてましたか?」

ことり「あっ、でもさっき調べて、部活動では少し良いトコ見つけたよ」

穂乃果「ホント!?」

ことり「……といっても、あんまり目立つようなのはなかったんだ。
    うちの高校の部活で最近一番目立った活動というと……珠算関東大会6位」

穂乃果「……微妙すぎ」

ことり「合唱部地区予選奨励賞」

海未「もう一声欲しいですね」

ことり「最後は……ロボット部書類審査で失格」

穂乃果「ダ~メだ~!」
海未「考えてみれば、目立つ所があるなら生徒ももう少し集まっているハズですよね」

ことり「……そうだね……。
    ……家に戻ったら、お母さんに聞いてもう少し調べてみるよ」

穂乃果「…………私、この学校好きなんだけどなぁ……」

ことり「私も好きだよ」

海未「……私も」

穂乃果「……………………」



 穂乃果の家。和菓子屋「穂むら」

穂乃果の母「ありがとうございましたー。
      すみません、遅くなって」

穂乃果の祖母「いいえ、いいえ」

 居間でくつろいでいる穂乃果の妹雪穂。何かの雑誌を読んでいる。
 戸の開く音がした。

雪穂「おっ? お姉ちゃんおかえりー」

穂乃果「……たぁだいまぁー…………」

 学校での出来事が響いてるため落ち込んでいる穂乃果。

雪穂「?」

穂乃果「はぁ……」

雪穂「チョコいる?」

穂乃果「……いる」

雪穂「あんこ入りだけど……?」

穂乃果「ありがと……」

雪穂「ええ……」

 と貰ったチョコを頬張る。

穂乃果「…………!!
    これあんこ入ってんじゃん!!」

雪穂「言ったよ!」

穂乃果「あ~ん! あんこもう飽きた~!!」

雪穂「白あんもあるよ」

穂乃果「もっと飽きた!!」

穂乃果の母「穂乃果!! 和菓子屋の娘が『あんこ飽きた!』とか言わないの!! お店に聞こえるじゃない!!」

雪穂「しっし」
穂乃果「ごめんなさ~い
    はぁ…………?」

 雪穂の脇に『UTX』と書かれた一枚のパンフレットに気付く。

穂乃果「雪穂それ……」

雪穂「ああ……UTX? わたし来年受けるんだ」

穂乃果「ふーん」

 パンフレットを拾い読み出す。読んでいくと最後のページにアイドルらしき3人の女の子の写真が載ってあった。 

穂乃果「ああ、こんなことやってんだ」

雪穂「知らないの? 今一番人気がある学校で、どんどん生徒集めてるんだよ」

穂乃果「ああ……すごいなぁ…………って、雪穂!!」

 雪穂に迫る穂乃果。

雪穂「ひいぃ!」

穂乃果「あんた音ノ木坂受けないの!?」

雪穂「時間差すぎだよ!」

穂乃果「お母さん! お母さ~ん!!」

穂乃果の母「なーに?」

穂乃果「雪穂音ノ木坂受けないって言ってるよ!!」

穂乃果の母「聞いてる」

穂乃果「そんな! うちはおばあちゃんもお母さんも音ノ木坂でしょ!?」

雪穂「……ていうかさあ」

穂乃果「!」

雪穂「音ノ木坂、無くなっちゃうんでしょ?」

穂乃果「!? もう噂が!?」

雪穂「みんな言ってるよ! そんな学校受けてもしょうがないって」

穂乃果「……しょうがない」
雪穂「だってそうでしょ!? お姉ちゃんの学年なんて、2クラスしかないんだよ!」

穂乃果「でも、3年生は3クラスあるし!」

雪穂「1年生は?」

穂乃果「……1クラス」

雪穂「ほら! それってもう来年はゼロってことじゃない!」

穂乃果「そんなことない! ことりちゃんと海未ちゃんとで無くならない様に考えてるの!
    だから無くならない!」

雪穂「……頑固なんだから。
   ……でも、どう考えてもお姉ちゃんがどうにか出来る問題じゃないよ!」

穂乃果「………………」



穂乃果(電話)『ことりちゃんも?』

ことり「うん」

ことり(電話)『お母さんもかなり落ち込んでるのかと思ったけど、むしろ明るいくらいで
        「何処に旅行行こうかな?」とか言ってて……』

穂乃果「そんなモンなのかな?」

ことり(電話)『でも……やっぱり寂しいよね?』

 階段を下りる穂乃果。居間の方に目をやるとそこには母親が何かを読んで居座っている。

穂乃果「お母さん?」

 声をかけてみたがまったく気付かない母親。

穂乃果「おかーあさん」

穂乃果の母「え? あっ! 何よ急に」

穂乃果「さっきから居たよ。お風呂先に良い?」

穂乃果の母「良いわよ。先入っちゃいなさい」

 読んでいたのを閉じて去る母親。穂乃果がそれに目をやるとそれは卒業アルバムだった。

穂乃果「卒業アルバム?」

 アルバムを読み始める穂乃果。そこには母の高校生時代の思い出の写真がずらりと載っていた。
 そのアルバムを読みふける穂乃果であった。



 次の朝。母親が店の前の花壇に水をやってると

穂乃果「いってきまーす!」

 穂乃果が颯爽と出てきた。
 2階の窓を開けて眠気眼の雪穂。

穂乃果「雪穂ー!」

雪穂「?」

穂乃果「これ、借りてくね~!」

 穂乃果が手に持っているのは昨日見たパンフレットである。
 走り出す穂乃果。

雪穂「!? ……お姉ちゃんがあんな早起きだなんて……」

穂乃果の母「遠足の時……以来よね」



ことり「海未ちゃーん。穂乃果ちゃんが先行っててって」

海未「また寝坊ですか? ……もう」

ことり「あんまり言うとまた膨れちゃうよ?」



 穂乃果がダッシュで向かった先…………そこは

穂乃果「はあぁぁぁ……」

 先程のパンフレットに載っていたUTXであった。
 それは学校とは思えない高層ビルである。

穂乃果「うわあぁぁぁぁ……これが、学校!?」

 パスがないと入れないほどのハイテクに驚く穂乃果。

穂乃果「おぉぉぉぉ! す……すごい!」

 驚いてる所で黄色い声が響きだす。

穂乃果「?」

 声のした方を振り向くとそこには人が集まっていて穂乃果がバックすると。

A-RISE『UTX学院にようこそ!』

 巨大モニターにアイドルらしき3人の女の子が映し出されていた。
 それを見て改めてパンフレットを見る穂乃果。

A-RISE『みなさーん、お元気ですかー!?』

穂乃果「この人達だ」

 そう、穂乃果が確認したのはパンフレットに載っていた3人組であった。
 隣の気配に気付き穂乃果がそれを見るとそこにはサングラスとマスクをした怪そ~な女の子が居た。(この子は矢澤にこ(やざわにこ、以下、にこ)です)
 怪しそうだが勇気を出して声をかける穂乃果。

穂乃果「あっ、あのー……」

にこ「なに!?」

穂乃果「ひい!!」

にこ「今忙しいんだけど!」

穂乃果「あ、あの……質問なんですけど、あの人達って芸能人とかなんですか?」

にこ「はあぁ!?」

穂乃果「ひぃ!!」

にこ「あんたそんなことも知らないの!? そのパンフレットに書いてあるわよ!! どこを見てるの!」

穂乃果「す、すみませ~ん!」

にこ「A-RISE(アライズ)よA-RISE」

穂乃果「あらいず?」

にこ「スクールアイドル!」

穂乃果「……アイドル…………」

にこ「そ、学校で結成されたアイドル! 聞いたこと無いの!?」

穂乃果「へぇ…………」
(ちなみにA-RISEは“綺羅ツバサ(きらつばさ)”をリーダーに“統堂英玲奈(とうどうえれな)”“優木あんじゅ(ゆうきあんじゅ)”の三人構成)

女子生徒A「ねえかよちん遅刻しちゃうよ~」

女子生徒B「ちょっとだけ待って!」

 音ノ木坂の制服を着た女子生徒が走る。(星空凛(ほしぞらりん(以下、凛))と小泉花陽(こいずみはなよ)以下、花陽))である。Aが凛でBが花陽)

 挿入歌「Privante Wars」が流れる。


 人達から黄色い声が響き渡る。
 A-RISEのPVに見惚れる花陽と凛、悔しそうな顔するにこ。

 一方穂乃果はあまりの衝撃にパンフレットを落としてしまう。
 そしてよろめいて手すりの方まで行く。

穂乃果(ナレーション)『この時、私の中で最っ高のアイデアがひらめいた!』
穂乃果「これだ……見つけた!!」

 アイキャッチ



 学校にて

穂乃果「見て見て見て~!」

 と4~5冊くらいの雑誌を机の上にドサッと置く穂乃果。

ことり&海未「?」



 場所は変わって理事長室。ノックの音がする。

???「失礼します」

 入ってきたのは絵里と希であった。



 教室

穂乃果「アイドルだよ! アイドル!」



 理事長室

絵里「生徒会としても、学校存続に向けて活動をしていこうと思います」



 教室

穂乃果「こっちは大阪の高校で、これは福岡のスクールアイドルなんだって!」



 理事長室

絵里「発表には入学希望者が定員を下回った場合、廃校という決定にせざるを得ないとありました」
希「つまり定員を上回れば……」



 教室

穂乃果「スクールアイドルって、最近ドンドン増えてるらしくて、人気の子がいる高校は入学希望者も増えてるんだって!」



 理事長室

理事長「確かに……ですが、そう簡単に生徒が集まらないからこそ、この結果なのです。
    ……何か良い方法があるんですか?」

絵里「………………」



 教室

穂乃果「それで私、考えたんだ! ……あれ?」

 海未がいないのに気付き探すと彼女は廊下にいた。

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「!!」

穂乃果「まだ話終わってないよー!」

海未「わ……私はちょっと用事が……」

穂乃果「良い方法思いついたんだから聞いてよ~!」

 ため息をつく海未。

海未「私たちでスクールアイドルをやるとか言い出すつもりでしょ!?」

穂乃果「!? 海未ちゃんエスパー!?」

海未「誰だって想像つきます!」

穂乃果「だったら話は早いねぇ……今から先生の所へ行ってアイドル部を……!」

海未「お断りします」

穂乃果「なんで!?」



 理事長室

理事長「思いつきで行動しても簡単に状況は変わりません。
    生徒会は、今いる生徒の学園生活をより良くすることを考えるべきです」



 教室

穂乃果「だって、こんなに可愛いんだよ!? こーんなにキラキラしてるんだよ!? こんな衣装、普通じゃ絶対着れないよ!?」

海未「そんなことで本当に生徒が集まると思いますか!!?」

穂乃果「うっ……それは…………人気が出たらだけど……」

海未「その雑誌に出てるようなスクールアイドルはプロと同じくらい努力し真剣にやってきた人達だけです!
   穂乃果みたいに好奇心だけで始めても上手くいくはずないでしょ!!」



 理事長室

絵里「でも! このまま何もしないわけには……!」

希「えりち!」

絵里「あっ…………」

理事長「……ありがとう絢瀬さん。その気持ちだけありがたく受け取っておきます」

絵里「………………」



 教室

海未「ハッキリ言います! アイドルは無しです!!」

穂乃果「…………………………」

 ショックで返す言葉が無い穂乃果であった。



 放課後、運動部が校庭で練習してる最中ひとり屋上で佇む穂乃果。
 その出入り口であるドアから一人の女子生徒(希)が覗いている。

穂乃果「あーあ。良い考えだと思うんだけどなぁ……」

 放心している所に歌声が聞こえてくる。(流れる曲は「愛してるばんざーい!(真姫ソロバージョン)」

穂乃果「?」

 歌声に聞き惚れてその元へと向かう穂乃果。

 元は音楽室から流れていた。一人の少女(西木野真姫(にしきのまき、以下、真姫))が歌いながらピアノを弾いていた。

穂乃果「綺麗な声……」


 真姫が歌う終わるとパチパチと音が鳴る。

真姫「?」

 穂乃果が扉越しに拍手をしていた。

真姫「!!??」

 穂乃果が音楽室に入る。

穂乃果「すごい! すごい! すごい! 感動しちゃったよ!」

真姫「べ……別に……」

穂乃果「歌上手だね! ピアノも上手だね! それに、アイドルみたいに可愛い!!」

真姫「!?」

 真姫は思わず顔を赤くした。椅子から立ち上がり去ろうとする真姫。

穂乃果「あの! ……いきなりなんだけど……貴女、アイドルやってみたいと思わない!?」

真姫「!?」

 真姫は顔を赤くするが、すぐにツンとした顔になる。

真姫「何それ!? 意味わかんない!!」

 立ち去る真姫。

穂乃果「……だよね。ハハハハハハハハ……」

 苦笑いの穂乃果。

穂乃果「はぁ……」



 弓道場。海未が練習に励んでいる。……が

海未(妄想)『みんなのハート、撃ち抜くぞー! バーン!』

 放った矢が的から外れてしまう。人気アイドルになったらの妄想が頭をよぎったからだろう。

海未(何を考えているんです!? 私は……)

女子生徒「外したの!? 珍しい!」

海未「あ……いや……た……たまたまです」

 再び狙いを定めるが……

海未(妄想)『ラブアローシュゥゥゥゥゥト!』

 あっちゃこっちゃと矢は的から外れてばかり。そしてよろける海未。

海未「はぁ! いけません! 余計なことを考えては……」

ことり「海未ちゃーん、ちょっと来て~!」

海未「……?」



海未「穂乃果のせいです。全然練習に身が入りません」

ことり「……ってことは、ちょっとアイドルに興味があるってこと?」

海未「! いえ……それは…………やっぱりうまくいくなんて思いません」

ことり「でも、いつもこういうことって穂乃果ちゃんが言い出したよね?」



 幼少期

ことり&海未「ええ~っ!?」

穂乃果「登ってみようよ!」

海未「無理です! こんな大きな木……」

 それは一本の巨木に登ってみようという穂乃果の無茶な遊びであった。
 それでも穂乃果は登っていく。

ことり(現在)「私たちが尻込みしちゃうところをいつも引っ張ってくれて……」

 登った後は穂乃果は景色を見渡していたがことりと海未は大泣きだった。

海未(現在)「そのせいで散々な目に何度もあったじゃないですか!?」

 乗っていた枝が折れ、穂乃果は上の枝、ことりは幹、海未はことりにしがみついた。そして2人はさらに大泣き。



 現代

ことり「そうだったね」

海未「穂乃果はいつも強引過ぎます!」

ことり「……でも海未ちゃん、後悔したことある?」

海未「?」



 幼少期

海未「うえぇぇん! 怖いよぉぉぉ!!」

 大泣きの海未。……しかし目を開けて辺りを見渡すと。そこには綺麗な夕焼けと景色が目に映った。



 そのことを思い出し思わず立ち止まる海未。

???「!」

 穂乃果の声がしたと思い2人はその方へと向かうと。

ことり「見て」

 一人でアイドルに向けての練習をする穂乃果がいた。

海未「!」

ことり「えへ」

 驚く海未と笑顔のことり。


 練習に励むが失敗ばかりでよく転ぶ。

穂乃果「うわわ! あいった~い!
    ふわぁ、ホントに難しいや。……みんなよく出来るなぁ……。
    よし、もう一回! せーの!」

ことり「ねえ海未ちゃん」

海未「?」

ことり「私、やってみようかな?」

海未「…………」

ことり「海未ちゃんはどうする?」

 海未に笑顔を見せることり。

海未「…………」

穂乃果「うわわわ!
    あいたたたたた……く~~~~」

 転んでいた穂乃果に手を誰かが差し伸べる。

穂乃果「? ……海未ちゃん?」

海未「一人で練習しても意味がありませんよ。……やるなら、3人でやらないと」

穂乃果「……海未ちゃん」

 穂乃果に笑顔を見せる海未。



 場所は変わって生徒会室。
 新規部活動申請書が出される。

絵里「……これは?」

穂乃果「アイドル部設立の申請書です!」

絵里「それは見れば分かります」

穂乃果「では、認めていただけますね?」

絵里「いいえ」

穂乃果「え?」

絵里「部活は同好会でも最低でも、5人は必要なの」

穂乃果「えっ!?」

海未「ですが、校内には部員が5人以下のところも沢山あるって聞いてます!」

絵里「設立したときはみんな5人以上いたはずよ」

希「……あとふたりやね」

穂乃果「あとふたり……分かりました! ……行こう」

絵里「待ちなさい!」

穂乃果「?」

絵里「どうしてこの時期にアイドル部を始めるの? 貴女達2年生でしょ?」

穂乃果「廃校をなんとか阻止したくて……スクールアイドルって今すごい人気があるんですよ?
    だから……」

絵里「だったら、例え5人集めてきても認めるわけにはいかないわね」

3人「!?」
穂乃果「どうして!?」

絵里「部活は生徒を集める為にやるものじゃない。思いつきで行動したところで状況は変えられないわ!」

3人「………………」

絵里「変なこと考えてないで、残り2年自分の為に何をするべきか、よく考えるべきよ!」



(ここでキャスト&スタッフテロップが流れる)
 認められなかったため帰路につく穂乃果たち3人。

ことり「がっかりしないで。穂乃果ちゃんが悪いわけじゃないんだから……」

海未「……生徒会長だって気持ちは分かってくれているハズです」



希「さっきの……誰かさんに聞かせたいセリフやったなぁ」

絵里「…………いちいち一言多いのよ。希は……」

希「フフッ……それが副会長の仕事やし」



海未「でも、部活として認めなければ講堂は借りられないし、部室もありません。
   ……なにもしようがないです」

ことり「そうだよね……あっ…………」

 見上げれば桜道にて花びらが舞っていた。

ことり「ああ……これからいったいどうすれば……」

海未「どうすれば……」



絵里&希「どうすればいいの?」



 すると穂乃果が「ススメ→トゥモロウ」を歌いだした。
 かばんとブレザーを放り投げ、袖をまくり道を颯爽と走ったあと踊りながら歌う。
 ことりと海未も加わる。


 歌終わり(正確に聞きたい方はCDを買うなどして聞いてください)

穂乃果「わたし……やっぱりやる! やるったらやる!!」

(正式なエンディングテーマ「きっと青春が聞こえる」は2話以降に流れます)

穂乃果(ナレーション)『次回の“ラブライブ!”「アイドルを始めよう!」』

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最終更新:2021年03月08日 20:08