仮面ライダーWの最終回

~次回予告~
推奨BGM:Nobody's Perfect(instrumental)
ナレーター(立木文彦)『最終回!』
翔太郎『街の危機は終わる気配がねぇ…。』
青年『俺達はミュージアムを継ぐ者。』
若菜『この汚れた街を浄化する!』
翔太郎『なぁフィリップ…、お前の力が欲しいよ…!』
ナレーター『これで終わりだ!』

※ここまでのあらすじは『仮面ライダーWの第48話』をご覧ください。

ペットショップ。翔太郎が店員に詰め寄っている。

翔太郎「兄ちゃん! しっかりこの口で言ったろうが!? レジェンドデリシャスゴールデン缶、今日は入るって!」
店員「いやいや、言ってないですよ!?」

そこへサンタちゃんが登場。

サンタ「翔ちゃん、申し訳ない!」
翔太郎「サンタちゃん、頼むよ」
サンタ「店長と呼んでよぉ! これでね、許して頂戴。」

翔太郎が代りの商品を受け取り、店を去る。

店員「誰なんですか、あの人!?」
サンタ「左 翔太郎。どんな危機でも救ってくれる、この街の顔さ……」

店から少年が顔を覗かせ、翔太郎の様子を見ている。


空を仰ぐ翔太郎。破壊された風都タワーが元通り再現され、風車が回っている。

翔太郎 (フィリップ…… お前が消えて、もう1年になるな。風都タワーもようやく再建されたぜ。でもな、俺はお前に合わせる顔がねぇよ……)

そんな翔太郎の様子を、どこかで誰かが見つめている──

警察病院。若菜の病室を翔太郎が訪ねる。
心を閉ざしている様子の若菜。

翔太郎「よぉ、少しは元気出たかい? 心配したよ。あれからずっと眠り続けてたんだってな」
若菜「……命の恩人のつもり? それとも来人(らいと)の差し金?」

(フィリップ『この事は、姉さんに内緒にしておいてくれ』)

翔太郎「……」


翔太郎 (街の危機は終わる気配がねぇ。なぁ、フィリップ。お前の力が欲しいよ……。『ハードボイルドじゃないね』ってまた笑われそうだが、俺には今でも、お前がすぐそばにいるような気がしてならないんだ。今でも俺の近くに……)


鳴海探偵事務所に帰って来る翔太郎。
ペットショップにいた少年が相変わらず、後をつけて来る。

翔太郎「なんだ、坊主? うちに用か?」
少年「姉さんを…… 取り戻してくれる?」

最終話 Eにさよなら/この街に正義の花束を

亜樹子「青山(あきら)くん、小学6年生。姉の唯さんが3日前から行方不明、警察からも連絡なし、と」
晶「僕、姉さんがいないと何もできないんです」

平然と言い放つ晶。翔太郎が口に含んでいたコーヒーを派手に吹き出す。

翔太郎「ゴホ、ゴホ! 男が胸張って言うな、そんな台詞! いいか? いかなる事態にも心揺らず、1人で耐え抜く。それが、ハードボイルドっていうんだ」
晶「それって、いい事なんですか?」
翔太郎「……なんだと?」
晶「第一、完全な人間はいないっていうじゃないですか。僕は子供で、まだ半人前だし、人に頼るのは当然ですよ」
亜樹子「うわぁ~……」
翔太郎「あぁ、もう! 耐えられん! おい亜樹子、こいつを調査に連れてくぞ!」
晶「うわぁ、何するの!? 僕は依頼人ですよ!?」
亜樹子「翔太郎くん、無茶しないでね!」

翔太郎が晶を連れたまま、いつものクイーン、エリザベス、ウォッチャマンのもとで聞き込み。

エリザベス「唯ちゃんて、嵐が丘高校でしょ? あそこの連中って、悪いグループと関ってるらしいよ。名前は確か、エグゼ」
翔太郎「エグゼ? 何だ、そりゃ?」
ウォッチャマン「E、X、EでEXE(エグゼ)。ガイアメモリを売買してる、若者のグループだよ」
クイーン「ボスはエナジーって呼ばれてるよね」
翔太郎「エナジー? メモリの名前か。よし、キーワードは揃った。嵐が丘高校、EXE。相棒に連絡だ」
エリザベス「フィリップ君!? 海外留学から帰って来たの?」
翔太郎「あ…… いけね。つい、癖で……」


とある廃施設へやって来た2人。

翔太郎「ここがEXEの溜り場か…… いかにも、って感じだな」

そこへ1人の青年が、2人を嘲笑うように現れる。

青年「ハハハ!」
翔太郎「子供のくせにメモリの取引なんかしやがって。お仕置きだぜ。」
青年「お仕置きするなら、こいつからだろ?」

別の青年が晶の姉・唯を引っぱりだし、次々に、EXEのメンバーの青年たちが現れる。

唯「晶!」
晶「姉さん!?」
翔太郎「どういう事だ!?」
青年「俺たちのメモリ売買は元々、唯が始めたことなんだ」
晶「そんなの、ウソだ!」
唯「ごめん! 本当なの、晶。一度偶然見つけたものを売ったら、すごい値段で売れて……」
晶「酷いよ、姉さん!」
青年「俺達はミュージアムを継ぐ者。偉大なカリスマもいる!」
翔太郎「カリスマ?」
青年「今は街で静かにしているあの方を迎えるため、俺達は残りのメモリをかき集めるのさ! 再起動の日は近い……!」

青年たちの1人が、ガイアメモリを手にする。

『アノマロカリス!』

翔太郎「どいてろ」

翔太郎が晶を下がらせ、ロストドライバーを装着する。
ガイアメモリを手にした青年が、アノマロカリスドーパントに変身。

翔太郎「いくぜ、フィリップ」

『ジョーカー!』

翔太郎「……いけね、また癖だ」
青年「はぁ? 何、それ?」
翔太郎「変身」

『ジョーカー!』

ロストドライバーとジョーカーメモリにより、翔太郎が全身漆黒のライダー、ジョーカーに変身する。

ジョーカー「俺は仮面ライダー……ジョーカー!」
晶「翔太郎さんが……!?」
アノマロカリス「はぁ? 仮面ライダー!?」
青年「じゃあねぇ、頼むねぇ~」
唯「晶ぁ! 晶ぁ!」

青年たちが唯を捕まえたまま、逃げてゆく。

アノマロカリスの攻撃を軽々とかわし、ジョーカーのパンチが決まる。

ジョーカー「おいおい、どうしたぁ! そんなもんかぁ!?」

パンチとキックが次々に命中し、アノマロカリスが地面に転がる。

ジョーカー「これで決まりだ」

『ジョーカー!』『マキシマムドライブ!』
ジョーカー「ライダーパンチ……!」

反撃に転じようとするアノマロカリス目がけて、ジョーカーの必殺パンチが炸裂。
変身を解除された青年が、気を失って地面に沈む。

翔太郎もジョーカーの変身を解除。

翔太郎「晶、姉さんを追うぞ」
晶「もうイヤです…… 何も知りたくない、したくない!」
翔太郎「おい、晶!?」
翔太郎「殻にこもってる場合か!?」
晶「僕は、あなたみたいに強くないんだ!」

必死に逃げ出そうとする晶。

翔太郎「いいか? 俺は強くなんかねぇ。お前と一緒だ」
晶「え……?」
翔太郎「本当は1人じゃ何もできねぇけど、無理やり1人でふんばってるだけさ」
晶「……それがハードボイルド? わかんないよ」
翔太郎「……先に事務所に戻ってろ。俺は調べることがある」

大混乱の警視庁。震え上がっている刃野と真倉。翔太朗が駆けつける。

翔太郎「どうした!? おい、どうした!?」
刃野「あれ! あれが……」

警官たちに取り囲まれた若菜が、狂ったように笑い続けている。

若菜「アッハッハッハ! アッハッハッハ!」
翔太郎「若菜姫……!?」
刃野「あれが、俺たちの知ってる若菜姫!? 現物を見ても、まだ信じらんねぇよ!」
真倉「本当に彼女が、諸悪の根源だったんですね!

若菜が手から光を放ち、警官たちを次々になぎ倒す。照井も駆けつける。

照井「変身しないでも、ドーパントの力が発動している!?」

駆け去っていく若菜を照井が追い、翔太郎も続く。

若菜「パワーが足りない…… はぁ、はぁ……」
照井「待てぇ! 園咲若菜!」
若菜「お断りよ! 私は再起動し、この汚れた街を浄化する!」
照井「この街は汚れてなどいない! そう思うのは、お前の心が歪んでいるからだ! 風都を危機に晒す者はこの
俺が許さん!」

『アクセル!』

照井「変……身!!」

『アクセル!』

翔太郎「待ってくれ、照井!!」

照井が仮面ライダーアクセルに変身するが、とっさに翔太郎が割って入る。

アクセル「どけ、左! 力ずくでも彼女を止めなければ!」
翔太郎「頼む! 待ってくれ、照井…… 今彼女を傷つけたら、フィリップは何のために命を投げ出したんだ!?」

口を滑らせたことに、しまったという表情になる翔太郎、たちまち顔色が変わる若菜。

若菜「来人が命を……!? 一体どういう事!?」
翔太郎「……」
若菜「ねぇ、どういうことぉ!?」
翔太郎「フィリップは消えた…… 君を守るために、最後の力を振り絞って…… 地球の中へと……」

若菜「……うぅわああぁぁっっ!!」

絶叫とともに、若菜が光となって消え去る。

探偵事務所へと帰って来た翔太郎。

フィリップの声「問題ないよ、亜樹ちゃん。」
翔太郎「……フィリップ!? 帰ったのか!」

翔太郎が事務所の中へ飛び込む。

翔太郎「ハハッ、やっぱりなぁ! いつからだ? 俺はなぁ、ずぅっと気配を感じてたんだよ。……あれ?」

室内には亜樹子と晶のみ。フィリップの姿はない。翔太郎があちこちを捜し回る。

翔太郎「ハハッ、おい、フィリップ!」
フィリップの声「亜樹ちゃん、問題ない」「さぁ、検索を始めよう」

声のほうを見ると、フロッグポッドがフィリップの声を再生している。

亜樹子「たまたま、晶くんにフィリップ君の話をしてて、で、フロッグポッドに声が残ってたもんだから、つい……」
翔太郎「……」
亜樹子「ごめんね、翔太郎君! ほんと、ごめん! どうか、これを…… これで一発!」

スリッパを手にして必死に詫びる亜樹子。翔太郎は無言で部屋を去る。

亜樹子「怒んないの……? 『亜樹子ぉっ!!』って……」
晶「ははっ、なぁんだ。相棒がいなくなって、メソメソしてるなんてカッコ悪い。僕のこと、偉そうに言えないじゃないか」
亜樹子「……」
晶「だって、外国に行ったくらいで」
亜樹子「……あれ、嘘。本当は、この世から消えちゃったの」
晶「え……」
亜樹子「フィリップ君は、翔太郎君の大事な相棒だったの。君にとっての姉さんと同じ…… いてくれないと何もできないくらい、2人で1人だったの……」

(翔太郎『俺は強くなんかねぇ。お前と一緒だ』)

亜樹子「ずっと、痩せ我慢してるんだよ……」
晶「痩せ我慢…… それが、ハードボイルド?」

そのとき、晶の携帯にメールが届く。

『EXE・探偵には見せるな 今からすぐに俺らのアジトに来い。場所は──』

森の中。シュラウドのもとを、若菜が訪れる。

シュラウド「それで、何を望むの?」
若菜「再起動。そして、私なりのガイアインパクト」
シュラウド「そう…… あなたの知りたい答は、地球の本棚にある」
若菜「意外。あなたがこんなに素直に協力してくれるなんて」

若菜の手を取るシュラウド。

シュラウド「家族だもの」
若菜「え……?」
シュラウド「若菜…… あなたの思うようにするといいわ」

草原の上に佇む、シュラウドと若菜。

シュラウド「あなた…… 今、逝くわ……」

シュラウドの体が、若菜の膝の上に崩れ落ちる。

若菜「お母様……!?」

一方で晶はメールでの指示通り、1人でEXEのもとへ現れる。

青年「遠藤さん!」

遠藤と呼ばれた、最初に翔太郎の前に現れたあの青年が進み出る。

遠藤「ヤッホー! 約束通り、誰にも言わないで来たな? さぁ、来いよ。おいで、おいで!」
晶「僕は…… 僕は、あなたたちなんか怖くありません。姉さんを返してください!」
遠藤「ハハッ、痩せ我慢にしろ、いい度胸じゃねぇかぁ!」
唯「やめて、遠藤!」
遠藤「なら早く、メモリの場所を教えろよ! 唯! 弟が痛い目見る前に!」
晶「姉さん!?」
唯「晶…… おいで」

青年たちが無理やり、晶を唯の前に連れ出す。

唯「ごめんね、晶……」

唯が晶の鞄を裂き、中に隠されているガイアメモリを取り出す。

晶「姉さん!?」

ガイアメモリに群がる遠藤たち。

『オーシャン!』

遠藤たち「オーシャン…… レアだよな、これ! オーシャン!」「初めて見ますね!」

彼らがメモリに気を取られている隙をつき、唯が晶の手を取って逃げ出す。

唯「晶!」
遠藤たち「おい、逃げるな!」「待てぇ!」

一同が2人を追う。青年の1人がコックローチドーパントに変身し、青年たちとともに2人を取り囲む。
必死に抵抗する晶。
そこへ翔太郎がハードボイルダーで駆けつけ、コックローチを跳ね飛ばす。亜樹子も駆けつける。

晶「翔太郎さん! どうしてここが?」
亜樹子「念の為!」

靴を指す亜樹子。いつの間にか晶の靴に、スパイダーショックの発信機が貼り付けられている。

翔太郎「よぉ、晶。1人でふんばったんだな。見直したぜ」
晶「翔太郎さんも、1人でふんばってるから!」
翔太郎「行くぜ」

『ジョーカー!』

翔太郎「変・身!」

『ジョーカー!』

翔太郎が仮面ライダージョーカーに変身し、コックローチに立ち向かう。

コックローチ「仮面ライダー!?」

照井も駆けつけ、青年たちをつぎつぎになぎ倒す。

遠藤「何だ、お前!?」
照井「俺に質問するな」

その隙に、亜樹子が晶たちを救い出す。

亜樹子「大丈夫?」
ジョーカー「さぁ、お片づけだ」

『ジョーカー!』『マキシマムドライブ!』

ジョーカー「ライダーキック…… はぁぁ──っっ!!」

必殺キックが炸裂し、コックローチがあっけなく敗れ去る。
遠藤ともう1人の青年が慌ててガイアメモリを取り出すものの、あっという間に照井とジョーカーに阻止される。

ジョーカー「出番がなかったなぁ、エナジーさんよ」

ジョーカーのデコピン一発で、遠藤はあっさり気絶。
地面に転がったメモリを、ジョーカーが踏み潰す。

照井「左、後は任せろ、俺の仕事だ」
ジョーカー「任せたぜ」
晶「翔太郎さん!」

照井が遠藤らを運んでいく。
これで解決と思いきや、壊れたメモリから漏れた声は「エナジー」ではなく……

『エッジ!』


帰途につく翔太郎たち。
唯「ありがとう、晶。あんたがあんな勇気出すなんて……」
晶「覚えたてのハードボイルド、だよ」
翔太郎「こんにゃろ! ったくぅ! 調子のいい奴め、ハハッ!」

談笑する一同の前に、1人の男が立ちふさがる。

翔太郎「なんだ、お前……? あ、ペットショップの!」
店員「偉そうに。何が街の顔だよ!」

冒頭でのペットショップ店員。その手に「E」のガイアメモリがある。

『エナジー!』

翔太郎「下がってろ!」

店員がエナジードーパントに変身。

翔太郎「逃げろ!」

とっさに一同を庇う翔太郎。
彼が背を向けた瞬間、エナジードーパントの先制攻撃の光弾が、その背に炸裂する。

晶「翔太郎さん!?」
亜樹子「翔太郎君!?」
照井「左……!?」
店員「ハハハ! ハハハハハ!」

生身でまともに攻撃を食らった翔太郎の体が、地面に沈む。呆然とする一同。

店員「誰も知らない! 俺がこの街で一番強いことを…… EXEの真のヘッドだということを! ハハハハハ!」
亜樹子「翔太郎君…… 翔太郎君! 翔太郎くぅん!!」

若菜「再起動のためのすべてを閲覧した……」

目の前にそびえ立つのは、まだ破壊されたままの、再建前の風都タワー……?

若菜「来人……」

攻撃を食らったはずの翔太郎が、起き上がる。

晶「翔太郎さん……!?」

その背中で、消失したはずのエクストリームメモリが光弾を受け止めていた。

翔太郎「エクストリームメモリ!? ……え!?」

驚く翔太郎の前で、エクストリームメモリから光があふれ、その中から人影が現れる。
なんと── 消滅したはずの、フィリップ。

翔太郎「フィリップ……!?」
フィリップ「フッ……」
亜樹子「フィリップ君!?」
フィリップ「やぁっ、翔太郎!」
翔太郎「……なんでだよ?」
フィリップ「1年前、若菜姉さんが僕に体をくれたんだ」

これまでの若菜のエピソードはすべて、1年前の出来事だった。

若菜「来人…… これが私の決めたガイアインパクトよ!」

破壊された風都タワーの前で、若菜の体が消え去り、エクストリームメモリと化す。

エクストリームメモリの中の空間。
消滅したはずのフィリップが目覚める。そばには若菜がいる。

若菜「来人……」
フィリップ「姉さん!?」
若菜「来人、私の体をあなたにあげる」
フィリップ「え……?」
若菜「あなたの相棒の泣き顔、見てられなかったんですもの」
フィリップ「……」
若菜「人類の未来の為に地球を変えるのは、園咲の使命。でも一番相応しいのは私じゃない。誰よりも優しい
あなたよ、来人……」
フィリップ「姉さん…… でも僕、どうやって?」

琉兵衛、冴子、シュラウドも現れる。

冴子「答はそのうち見つかるわ。取敢えずこれからも、風都を守る風でいなさい」
フィリップ「皆……!?」
琉兵衛「私達は、地球に選ばれた家族だ。この星の中から、お前を見守っているよ」
フィリップ「父さん…… 母さん、姉さん!」

一同の元へ駆け寄ろうとするフィリップを、琉兵衛が笑顔で制止する。

シュラウド「来人、来ては駄目……」
冴子「さよなら、来人……」
若菜「さよなら…… ありがと……」

涙を浮かべる若菜。

フィリップ「若菜姉さん…… 初めて貰ったポストカードと、同じ笑顔だ……」
若菜「馬鹿……」

泣き始める若菜を、冴子が優しく抱きとめ、そんな冴子の肩をシュラウドが抱く。
琉兵衛が笑顔で頷いた後、一同が宙へと消えていく。涙を拭うフィリップ。

フィリップ「ありがとう……」

フィリップ「体を復元しながら、僕はずっと君を見ていた」
翔太郎「気のせいじゃなかったんだ……!」
亜樹子「私…… 聞いてない!」
晶「あなたがフィリップさん? 翔太郎さんの相棒!」
フィリップ「やぁ! 青山晶君。君のことはすでに検索済みさ。よく頑張ったね。僕達の仲間になれるかもしれないね」
翔太郎「……わああぁぁ! フィリップぅ!」

絶叫しつつ、翔太郎がフィリップに飛びつく。

フィリップ「翔太郎!? 相変わらず全っ然ハードボイルドじゃないねぇ!」
亜樹子「翔太郎君は、完成された『ハーフボイルド』だからねぇ!」
翔太郎「そんな完成、したかねぇ! ハッハッハ!」

店員「こらぁ! さっきから何だぁ! 無視すんなぁ!」
翔太郎「おっと、いけねぇ! 忘れてたぜ。さぁ行こうか、フィリップ」
フィリップ「あぁ、相棒」

『エナジー!』

店員がエナジードーパントに変身。

『サイクロン!』『ジョーカー!』

翔太郎・フィリップ「変身!!」

『サイクロン!』『ジョーカー!』

翔太郎がWに変身。倒れるフィリップをすかさず、亜樹子が支える。

亜樹子「これこれ! やっぱ、これよぉ!」
W「「だな!」」

『ルナ!』『トリガー!』『ヒート!』『メタル!』

W「どんどん行くぜぇ!」

ルナトリガーの変幻自在の銃弾、ヒートメタルのロッド攻撃がエナジードーパントに次々に炸裂。

フィリップ『さぁ行くよ、翔太郎』
W「あぁ、ハードボイルドに決めるぜ! ジョーカーエクストリーム!!」

サイクロンジョーカーの必殺キックが炸裂。
大爆発。エナジードーパントの変身が解除され、地面に転がる。


フィリップ『決めゼリフは忘れてないだろうね、翔太郎?』
W「当たり前さ、フィリップ。街を泣かせる悪党に、俺たちが永遠に投げ続ける、あの言葉──」

「さぁ、お前の罪を数えろ!!」


1年間、応援ありがとうございました。

そして、物語はファイナルステージおよび『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズMOVIE大戦 MEGAMAX』および『風都探偵』へ続いていく…。

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最終更新:2024年11月25日 04:27